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19話 僕達と家妖精

土日は余裕がある時だけにしようと思いました!!!!




「普通……」

「普通だな」

『ゼミスの匂いするー』


 ゼミスの家へとつき、そんな感想を抱く僕ら。正直ゼミスの事だから、精霊がいっぱい住みついているとか、そんな変な家なのかなとか思っていたんだけど、そうでもない……。


「とりあえず中入ろうか。多分長く使ってないだろうし、掃除はしないとね」

「そうだな」

「お邪魔しまーっ!?」


 ガチャリと扉を開けると、勢い良く何かに吹き飛ばされる。


「グロース!?」

「ご主人ンンン!!久々じゃン!!ソーズにきてくれたン!めっちゃうれ……なンだコイツ」

「いたた。君、誰?」

「俺様はご主人の別荘、ソーズ担当のルーズじゃン!!オマエは誰だ!この家に何のようさ!!」


 と、僕のお腹の上で暴れる三歳児ぐらいの背の茶色い毛むくじゃら。服はボロボロでちょっと汚い。


「ゼミスの友達……かな?グロースって言うんだ。隣の子は」

「リーゼだ」

『ファイタン!』

「キュ!」


 僕達の自己紹介に、ルーズは速やかに家へと戻ると一言、


「ゼミスの友達……!?あり得ない……!」


 と言って家の中に消えていってしまった。


「凄い髪の毛の量だったな。前が見えているのか?」

「どうなんですかね」


 ひとまず、家に入っていくと、とても放置されていたとは思えないくらい綺麗な玄関で光源がないのに何故か明るく、暖かかった。


「広くないか?」

「確かに」


 外の家の様子は、ガンズにある僕の二階建ての庭と倉庫のある家と同じようだったが、中に入れば、すぐ目の前に、地下に行く階段と上階に行く階段があり、その階段の間にはそこそこに大きな木が生えていた。


「うん?」

「どうしたんですか?」


 リーゼさんは腰に吊るしている本を取り出し、ページをめくる。


「精霊の本じゃン!!ご主人に認められてるン!?凄いじゃン!」


 途中で、どこからともなく、ルーズが出てきて、精霊の本を指差した。


「君のご主人に借りたんだ。これと、これをね」


 リーゼさんは、精霊の本のページをめくりつつ、遺跡の事が書いてあったらしい日記帳を取り出した。


「ほーン。まぁいいや!ご主人はなんか言ってたか?」

「特に何も聞いてないな。つい先程この街のギルドマスターに場所を聞いてこちらに来たばかりだ」

「じゃあ、俺ン事もなンもしらねンだな!」

「そうだ」


 ルーズは手をパチパチさせながら、上階へ続く階段の手摺りへ腰掛けたルーズは、両手を広げ、尊大な様子で語りはじめる。


「俺はぐーたらなご主人を愛してやまない家妖精!ブラウニーのルーズだ」

「家妖精?」

「そうだ!」


 リーゼさんが首を傾げながらそう言うとと、ルーズは頷き、指をパチンと鳴らす。


「気になって仕方ねぇから、先に衣服を替えるじゃン」

「!?」

「えっ?」


 指パッチンの音に合わせて、リーゼさんの鎧が輝き、弾けたと思ったら、ゆったりとした装いのローブ姿になった。

 見た目は一気に魔法使いっぽくなり、なんとなく色っぽい。


「鎧は言ってくれたらすぐ出してやるじゃン!」

「あぁ……ありがとう」

「ン!とりあえずリビングにいくじゃン!」

「あ、あぁ」


 リーゼさんはルーズに指を掴まれ、右の部屋へと連れて行かれる。


「僕の服は?!」


 や、自分で着替えるけど、釈然としない……!


 ともかく、自分も追いかければ、リビングはあり得ないほど広く、長いL字のソファが置いてあり、その前に細長く、黒い机が置いてある。リビングに入って正面の壁は全て窓になっており、広い庭が見渡せる。


「凄い……」


 アイツ一人でここに住んでたのか?広すぎじゃないか?


「リーゼ!リーゼ!こっちには酒!ご主人が色々な所から掻っ払ったワインがある!ここはキッチン!塩も胡椒も砂糖もあるぜ!」


 リビングの横には色々な本が収納されている棚がずらりとあり、そこを超えて左に曲がるとキッチンがあった。


『さとう!!甘いもの食べれる!?』

「次はこっちだ!」


 妖精と名乗っていても、精霊は見えていないようだ。ファイが無視されてシュンとしている。


「今日は食べたから、明日な?」

『うん!!』


 目の前でくるくる回るファイを撫でて、リーゼさん達の後を追うと、キッチンの後ろの扉が開いて、さっきの階段があるところへ出た。


 今度は向き的に玄関から入って左側をまっすぐ行くと、大きなベッドが置かれていた。所謂寝室のようだ。


「ここはご主人の部屋だから、あまり入らないでほしいン。二階に空き部屋が三つくらいあるから、そこを使ってくれい」

「わかった。地下には何があるんだ?」

「地下には図書館があるンだ。あと試験場もある。そこでよく魔法の実験とかしてたンだ」

「ほう」


『グロース〜眠い〜』

「うん?じゃあ、早く着替えて寝ようか」

「おン?寝ンのか。じゃあほい」


 パチンと指を鳴らすと。僕の装備が消えて、緩いパジャマになった。熊のプリントと、もこもこした帽子付きだ。


「あれ……?なんかスッキリした?」

「そりゃそうだおめぇ。汚えまま寝間着着せたら、汚れンじゃねぇか。俺ン魔法でちょちょいと綺麗にしたのさ」

「ありがとう」

「礼をしたきゃ、部屋の見えづらいとことかにあめえもンでも置いといてくれ」

「部屋の隅?直接じゃダメなの?」

「ダメってこたぁないが……なンでか嫌なンよ。さっさ寝れ寝れ」


 毛むくじゃらの妖精に押されるまま部屋に入って、ベッドに体を預けて、お腹の上に乗ってきたファイを撫でながら、目を瞑った。



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