カリムの美しき姫
ジワリジワリとアクセス数とブックマークが増えてます。ありがたいです。
今後も多少理屈っぽく、黒いタイカイ君を暖かく見守りください。
道路工事は国王との約束だからね。
スピード重視で実行ですわ。
ラグランの王都までの大まかな地図を見ながら、ウチの魔術師全員で会議をした。
本当は学長にも手伝ってもらいたかったが、魔力消費が半端じゃない魔術だから断念。
二日とは言ったが、五人掛りで全力でやれば半日だろう。
「にしても、大海が侯爵か……」
「カンナさん、違いますよ。帝国侯爵は実質国王です」
他の三人は国王だからね。
「ウチら敬語使おうか?」
やめてくれ。
現状では一応道は通っているらしい。
ただ、細い上に未舗装路でかなり曲がりくねっているとのこと。
途中の街の発展や衰退にも影響するので、極力既存の道を拡張しつつ、なるべく直線的なルートを設定する。
こういうのは実際の作業より事前の準備のほうがはるかに面倒だよね。
実際当日は、それほど苦もなく半日でおわってしまった。
カリムの方はむしろ山も少なく、もともとある程度は整備されていたので、僕とエリちゃん二人で半日も掛からず終わってしまった。
王都ではカリムの女王陛下と王女らしき若い女性が待ち構えていた。
「タイカイ様、エリザベス殿下、ありがとうございました」
「タイカイ様、第二王女のミレーネと申します。今回は大変ありがとうございました」
息を飲むような美しさだ。
エルカディアの王女達のような可憐な美しさではなく、もっと見る者を圧倒するような怜悧な美しさ。
スレンダーで、身長も高く、長い銀髪は痛み一つなく整えられている。
巷では「氷の女王」と呼ばれているらしい。
女王では無いし、多分この先女王になることもない。
それでも「女王」と呼びたくなる気持ちはわからなくもない。
神々しいほどの美しさは、ある種の威圧感となって見る者の心を震わせる。
ミレーネ殿下は学園でエリちゃんと同級生だったらしい。学園卒業後なかなか会う機会も無かったので、久しぶりの再会を楽しみにしていたようだ。
「ミレーネさん、お久しぶりですね」
「ベティも噂は聞いていますよ。タイカイ様に弟子入りして物凄い魔術師になられたらしいじゃない」
「なんかミレーネさんに言われると恥ずかしいですね。ミレーネさんは何でもできる方ですから」
学園時代、ミレーネ殿下はとても優秀な成績だったらしい。
数学が殊の外得意で、学園在学中満点以外を取ったことがなかったとの事だ。
「でも、私は今魔術で悩んでいますから、ベティが羨ましく思いますよ」
ほう、どうやら道路舗装よりこっちが本題なのかな?
女王陛下もにこやかに頷く。
確かに他の国の王の前で娘の個人的な悩みを打ち明けることも出来ないもんな。
僕に出来ることなら、協力しようか。




