道を作ることが交換条件みたいなものだろう。
「魔術師ってのは極めるとそこまでなのですか……」
武の国とか剣の国と言われるラグランの王はかなり驚いたようだ。
「お前さんとこも、もうちょっと魔術に対する理解を深めても良いと思うぞ」
「確か、エリザベス殿下はタイカイ殿のお弟子さんでしたよね」
「弟子なんて言ったら殿下に怒られちゃいますよ。とても優秀な共同研究者です」
エリちゃんは、既にオリジナルの魔術を完成させている。王室に産まれ育った者ならではの為政者の視点で作られた魔術だと思う。
道路舗装の魔術だ。
魔力消費が大きいのがネックではあるが、道を作り固めるのを魔術でできるのはかなり有意義だと思う。
「弟子には違いないだろうが。お前が居なきゃベティもここまでの魔術師にはなれなかったぞ」
ラグラン王は僕をじっと見ている。
「我が国ではまだまだ魔術の必要性も可能性も理解されて居ないのです。まずは何人かの貴族の子弟を魔術科に送り込むところから始めようと思います」
「いや、もういっそ次男をタイカイに預けちまえよ」
正直、研究者はまだまだ欲しいが、研究者と言えるレベルまで持っていくのは大変なんだよな。
「それだったら、うちの娘の面倒も見ていただけないかしら」
ほら、カリムの女王様までそんなこと言い出しちゃうから。
「うーん、まずラグランに関しては魔術の可能性を示して見せるのが一番だと思います。街道を整備しませんか?魔術でやれば、ここザイルベルグからラグランの王都まで二日で整備出来ますし」
そうすればラグランの人たちも魔術の有用性がわかるだろう。
「確かにここまで道が悪くて、いつも大変なんだ。でも、相当の距離があるぞ。二日で可能なのか?」
魔力消費は大きいが魔素から吸収すれば良い。
魔素から魔力を吸収するやり方は、ウチの魔術師達は全員覚えている。
「ウチの魔術師三人くらいで充分だと思います。私は行くとして、殿下とロイターで足りると思いますよ」
カリムの女王様も何か言いたそう。
「ウチの方もやっていただけるのかしら?」
はい。
そうですよね。
不公平ですよね。
やりますよ。
僕ごときが侯爵になることを快く許してくれた皆さんの為にやらない訳が無いじゃないですか。
学長もにこにこしてるんだが、僕は知ってるんだぜ。
学長も魔術の腕前はそこそこあるということを。




