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簡単に改正できる法律

「さて、ここで帝国法に手を入れませんか?」


様々な魔術師ギルドの横暴を耳にした今、ちょっとやそっとじゃ許す気は無い。

ただ魔術師ギルドを潰して終わりかと言えば、多分違うだろう。


魔法陣を押さえていたとはいえ、ギルド長があたかも貴族であるかのように振舞ったり、国家に莫大な寄付金を要求したりと言うのは、強力なバックが居てこそのものだったのかも知れない。


できることならその後ろ盾ごと叩き潰したいと考えている。


「今更、帝国法をか?」


「今回は敢えて利用したいと思いますが、正直なところ三国が法整備を進めない限り、帝国法を弄るだけで良いんです。そして、それは学長先生の気持ち一つで出来てしまいます」


「……どうして、そういうことに気づくのかしら?」


どうして気づかないのかしら?

カリムの女王陛下は。


「もっとも、大した変更を提案するわけでは無いですよ。一つは、『商取引において、支払いを逃れる為に取り引き相手の身体や財産に対する敵対行動があった場合、売り手は契約を破棄し無制限の損害賠償を請求出来る』」


「まあ、ある意味当然ではあるかもな」


「もう一つは『組織が債務超過に陥った場合、全ての構成員及びその相続人が債務を負担する』」


「……まあ、そうあるべきではあるんだよな」

「限定的な状況ではあるけど、法律として問題はないわよね」

「タイカイ君はこれを上手く使って、彼らを追い詰めるんだろ?」


「多分、この法律が無かったら魔術師ギルド潰して終わりになっちゃうんですよ。でも、これがあったらその後ろにいる連中の首に手を掛けられるかなと思ってます」


「そいつらともやり合うって訳か」


「まあ、十中八九サンダーランドなんですけどね」


「おい、お前戦争する気かよ!」


陛下、落ち着いて。


「ただの喧嘩ですよ。僕対サンダーランドのね。そもそも、メルガルドの裏で糸引いてたのも奴らだろうし、僕が喧嘩する理由は充分あるんですよ」


「そうなったら、こっちからも兵を出さないとならねえじゃねえか」


「要りませんってば。奴らは軍事行動まではして来ないですよ。そこまではっきり敵対出来ないからこそ、裏でコソコソしてるわけですから」


「だが、可能性は無いわけじゃない」


「万が一の場合は、僕が本気で魔術使うので大丈夫ですよ」


「お前の本気か……。きっと大丈夫なんだろうな」


「そうなったらこれ以上無い稼ぎ時、って考えてる程度には大丈夫ですよ」


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