これであなた達も立派なチート魔術師です。
「まあ、大海のことだから相当なやり口だとは思ってたけど、覚悟が足りなかったみたいだわ」
「エゲツないこと、この上ないね」
「流石に魔術師ギルドに同情しそうになりますね。しませんけど」
評価してくれてありがとう。
だってさ、そうそう無いよ。
それなりの資産を持つ人間から根こそぎ奪えるチャンスは。
万全を期して臨みたいじゃない。
「で、私らは煽り役ね」
「やったことないからなあ」
「煽るのって難しいです」
「でも、まずは単純に力を見せつける事だね。彼らが出来ないことを簡単にやってみせる」
「簡単に言うけどさ……」
「相手がどの位の魔術師かわからないし」
エリちゃんはある程度の情報を持っているらしいが。
「端的に言うと、魔術師としては二流以下です。魔力量も一番多い人で200程度。魔力循環も出来ないです」
思った以上にゴミだな。
「魔術師ごっこしてるだけか……。三人なら問題無いな。その先をも考えて提案があるんだが」
「何?」
「人体実験パート2を受けないか?」
実は気づいてしまったんだ。
さっき姉ちゃんの体内でファイヤーボールを撃ったら、姉ちゃんの火属性レベルが少しだけ上がったんだよな。
あの大きさのファイヤーボールを撃ったにしては上がり幅は少なかった気もするけど。
ってことはさ、例えば三人の魔力を使って魔術を多重起動したら、多重魔術スキルが三人につくんじゃないか。
三人に説明したら超乗り気。
当たり前だよな。
人体実験はやはり源太からやるのがセオリーだろう。
「源太、掌を上にして体の前に!」
「こうか?」
「指は開いてくれ」
ローコストな魔術を多重起動させるのが一番効率良いんだろうな。
一度で成功すると思えないし。
源太の背中に手を当てる。
「全部の指に同時に種火行くぞ!」
「おう」
10本の指に火がついた。
「ちょっと熱い」
源太は素早く手を振って火を消した。
多重魔術のスキルは……発現せず。
「もう一回行くぞ!」
こっそり、それぞれの種火を倍にした。
20個同時展開してる計算だ。
「おい!火がデカい!」
源太は焦る。
「いきなり火を強くするなよ!」
火を消した源太が声を荒げる。
「お礼は?貴重なスキルを発現させてくれた僕に対する言葉がそれなのか?」
しっかり多重魔術Lv1になっていたよ。
「おお、すげえ。なんかすげえ」
もちろん、柑奈もエリちゃんも二度目のチャレンジで多重魔術を入手できたよ。




