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魔力が多くて一苦労

現状で90を越えているモニカ殿下のMPをせめて70くらいまで落とせば、安定して魔力循環が可能だろう。


「少しの間、このまま循環させていてくださいね」


僕は手を貸さない。

それでも、なんとかゆっくり循環していた。


「タイカイ様が押して下さらないと、こんなにも重いのですね……」


「もう少し辛抱して下さい」


僕は自分の身体で実験をしていた。

何の実験かと言うと、常時MP20減らす実験だ。

つまり、回復量と同じだけのMPを使い、MPの限界値から20低い値をキープするのだ。


具体的には、目立たない場所に魔力による結界を常時展開しようと考えた。


ただ、よく考えたら自分の身体で実験しても意味はないのだ。

各々で回復量は違うからだ。


いっそのこと、垂れ流してみようか。

魔力の蛇口を作るイメージ。


僕はまたモニカ殿下の背中を触った。


「一人で循環は、疲れましたか?」


「はい、でも大丈夫です。やっとなんですから」


額から汗が吹き出ていると言うのに、本当に健気な子だなと思う。


「ちょっと待ってね、今、軽くするから」


彼女の魔力を20ほど借りて魔力の蛇口を腰につくる。

そして、少しだけ蛇口を開ける。


「あ、今、一気に軽くなりました!」

「でしょ?あとは調整するだけだから」


鑑定スキルを使いながら慎重に蛇口を調整する。

開け閉めを数回繰り返したところで、ベストな開け具合がわかった。


「はい、これで大丈夫です。あとは、止まった状態から流せるか、だね」

「これなら大丈夫そうです。かなり軽くなりましたから」


軽くなったからと言って決して楽に循環できる魔力では無い。

でも、モニカ殿下なら大丈夫だろう。


モニカ殿下は一度、循環を止めた。


「じゃ、動かしてみます」


そう言った途端、胸を中心にゆっくり魔力が流れ出した。


「大丈夫だね」

「はい」


ここまでずっと黙って見守っていた陛下と学長はやっと口を開いた。


「「出来たのか?」」


「はい」


「ありがとう、タイカイ。感謝する……」


陛下は涙を浮かべている。


「モニカ殿も嬉しいのはわかるが、まずタイカイ殿に礼を言わないとダメだろう?」


学長、良いんですよ、そんなものは。

ただの御節介なんですから。


「本当に、本当にありがとうございます」


モニカ殿下は王城では見せなかったむき出しの感情を爆発させて、笑顔で涙を流していた。


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