人外ですか。そうですか。
予想通り、二人は簡単にファイヤーボールをマスターした。
螺旋状に魔力を流すことで、真っ直ぐファイヤーボールを飛ばせることにも気づいたようだ。
そして、やはり魔力の消費は3だった。
魔力の循環がMPを増やすこと、循環を毎日、可能なら常時した方がいいことを僕は二人に強く伝えた。
「やっぱりMPの量ってある程度はほしいもんな……ちなみに大海は今、MPいくつ?」
あんまり聞かれたくなかったんだけどな。
「600くらいだね」
正確には688だ。
「なんで、そんなになってるの!」
仕方ない、言うか。
「魔術を使えば使うほどMPは微量ながら増えるよ」
「微量でしょ!」
「この前の盗賊との戦闘で、いくつ魔術使ったかわかる?」
「20くらいは使ってたよね?多重魔術で、あの爆発するの一杯出してたから」
「あの爆発する魔術は、僕は『浮遊機雷A』『浮遊機雷B』って呼んでるんだけどね」
「AとBで何が違うの?」
「Aは物理的な爆発だから魔術障壁で防げない。Bは魔力的な爆発だから魔術障壁でないと防げない」
「それを混ぜて使ったんだ……。エゲツないよね、大海のやることって」
ありがとう、それが最高の褒め言葉だ。
「でね。あのBの方はファイヤーボールを魔術の膜で包んでるもの。ファイヤーボールと膜で二つの魔術の複合だね」
「Aは?」
「魔術で魔力の火ではない物理的な火を出すものって、あるだろ?」
「種火?まさか」
「大正解。Aは種火を4096個同時展開してるの。正確には膜の中で4096個の種火を同時展開させて、酸欠状態を作ってる。その膜が破れた時バックドラフトが起こる、って仕組みな」
「ってことは、あの一戦で10万回くらいは魔術使ったってこと?」
「微量でも、それだけ使えば増えちゃうだろ?」
「とんでもない魔術だったんだな」
源太は気づいてないけど、柑奈は気づいちゃったな。
「ねえ、大海」
トーンは優しく。
でも、顔が詰問調なんだよな。
「いくら種火でも、それだけ使えば魔力が足りなくなりそうなんだけど。ほんとはもっと魔力が多いんじゃないの?」
「……黙ってたかったんだけどなぁ」
「やっぱり!」
「MPの量は間違い無いよ。そうじゃなくってね……。浮遊機雷は魔力の消費は無いんだ。あの魔術は僕の魔力を使わず、大気中の魔素を直接魔術にしてる」
「は?」
「反則すぎるだろう!」
ですよね。
だから言いたくなかったんです。
「なんか今の時点で既に、この世界で最強の魔術師は大海なんじゃないのか?」
火力勝負なら無限だからな、こっちは。
「ってかさ、大海の嫌がらせの才能と魔術って相性が良過ぎて、並のチートじゃなくなってるんだもん」
うん。
薄々は感じてたよ。
でもね。
二人だってもう魔力循環覚えたんだし、相当凄腕の魔術師になると思うんだ。
そう前向きに考えてくれないかな?




