二人の生徒は実に優秀で。
話が進むたび、理屈っぽくなるのは何故でしょうか。
「……さて、今のエゲツないファイヤーボールが俺らに使えるかどうかは別として、俺らだって魔力循環はできた方が良いわけだよな?」
源太は、僕のファイヤーボールを無かったことにするらしいな。
「私はあのロープの魔術使いたいな」
使いたい魔術があるというのは良いことだと思う。それが魔術の上達のモチベーションになるだろうから。
「とりあえず二人とも、空に向かってファイヤーボールね」
「「ファイヤーボール!」」
息ぴったりだな。
これで、準備は整った。
今回、ちょっとまた実験してみようと思う。
魔力に色を付けたいのだ。
僕だけが魔力を見ることができるという状況というのは、魔術の訓練をする上でなかなか説明が難しくなる気がするんだ。
色をつけると言っても体の中のことだ。
体を透過して視認できるようにするわけだから、まず体を透過しやすくさせた方が良いかもしれないな。
僕は魔力を循環させ、自分の体を半透明にするイメージを作った。
……なんか幽霊みたいになった。
「透けてる!透けてるよ、大海!」
「いや、こうした方が分かりやすくなるからさ」
「これも魔術か?なんかイタズラに使えそうだな!」
うん。
意外と楽しい使い方もできそうだね。
でも、今はそんな事してる場合じゃないね。
魔力を可視化。
光ったら分かりやすいのかな?
「二人とも、僕の魔力を確認できる?」
「うーん。見えないなぁ」
「俺にも見えない」
じゃ、黒っぽく染めるイメージで。
「あ、見えた。なんか黒の煙みたいのが、体をゆっくり回ってるね」
「うん、こういう風な感じで循環してるんだな」
さて、それでは強制循環させようか。
「まず、源太からな」
まあ、人体実験だからな。
屈強な男の方が先だろ。
僕は源太の背中に手を当て、ゆっくり魔力を流していく。源太の胸の辺りに留まっている魔力を押し出す感じだ。
ゆっくりではあるが、源太の魔力が少しずつ動き出した。
ワイルドウルフで試した時より魔力が重く感じる。
MPの量の違いだろうか。
僕の介助でゆっくり2周回った。
「魔力が循環してるの感じるだろ?」
「おお、わかるわかる。なんか、自分も魔力を押し流そうとすると、ちょっと速くなるね」
源太は、すぐに魔力に干渉できるようになったな。
ここで、僕が介助を止めても魔力の循環は可能だろう。
「あ、ちょっと重くなった。もしかして大海、今何もしてない?」
僕は黙って頷いた。
「これで、出来たんだな!」
「一回止めて、また自分で動かせる?」
「やってみる!」
源太は、最初多少手こずったものの、止まった魔力を動かせるようになった。
止めて、動かしてを3回繰り返して、ようやく自分が魔力循環をマスターしたことを実感したようだ。
「次は柑奈だね……と言いたかったんだが」
「見てたら、分かった」
僕だって、見えるんだから出来るだろと思ったわけで。
柑奈だって見えたんだ。
真似できてもおかしくは無いな。
確かに柑奈は、綺麗に魔力を循環させていた。
「おお、確かにすごくスムーズに流れてるね」
現状だと、二人はまだMPが少なくて効率的な魔術の練習は出来ない。
だから一度だけファイヤーボールを打ってもらう。
「よく見ててね。今からファイヤーボールを打つよ。威力は今まで二人が使ってたファイヤーボール並みだけど。まず最初に魔力の流れを注意して見ててね」
お手本を見せてあげるのが手っ取り早い。
僕の体は透けてるんだから。
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心からありがとうございます。




