宿場町スタークル
スタークルの街は言ってみれば宿場町だ。
ここでふと疑問に思った。
ここに宿場町が必要か?
王都を朝出て、今はちょうどお昼時。
そもそも王都からナミナミ領って半日で着く距離だったか?
「姉ちゃん」
「なに?」
「早すぎるんだが」
「途中、アンちゃんに馬車ごと飛ばしてもらいました」
だったら最初から最後まで時空魔術で良くないか?
というか、殿下は王城だろ?
「アンちゃんに限って言えば、どこにいようが関係無くない?」
まあ、時空魔術ってそういうものだけどな。
「一応、旅の道中でこの国の雰囲気を味わってもらいたかったけど、普通に行ったら片道二日だからね。おじさんもおばさんもそんな休み取れないでしょ?」
確かにな。
通常、王都からスタークルまで馬車で一日半掛かるそうだ。
だから途中の村で一泊して、スタークルでもう一泊が普通らしい。
スタークルから北西に向かうとリーグの街。
スタークルから西南西に向かうと州都カラバルド。
「姉ちゃん、このスタークルって街になぜ港が無いんだよ?」
人と物が集まる街。
にも関わらず港が無い。
海に面していると言うのに、だ。
ここを物流の拠点とする為に港を作るのは、ごく当たり前の発想のように思う。
「海が遠浅なんだよ、この辺は」
だよなあ。
そうでもなきゃ、ここに港を作らないわけないものな。
「掘れないかな、海」
浅い海なら深くすれば良いんだろう?
「また、無茶な事を……」
「できるなら、やってると思うけどな」
柑奈さんも源太くんも否定的ですね。
でも、僕は可能性が無いわけじゃないと思ってるんだ。
「ここの街に限らず、街は川沿いにできることが多いだろ?遠浅なのは川からの砂が堆積してるからじゃないのか?砂なら掘りやすくないか?」
「それはそうかもしれないけど……」
「港ができることのメリットの大きさを考えたら、多少困難でもやる価値はあると思うな」
お、姉ちゃんもわかってくれたか。




