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のんびり馬車の旅

王城で陛下や姫君たちに挨拶したあと、僕らは姉ちゃんの領地に向かった。

もう正式にナミナミ家領地ということになっているらしい。


勿論代官はいるし、それなりに文官も残っているらしいが、人手は足りないだろうな。


おまけに王都からは一番遠い領地だ。

サンダーランド王国という国との国境沿いらしい。


この国はザイルベルグ三国とは違って同盟関係には無い。

つまりは国防という意味でもなかなか難しい土地だ。


ナミナミ領は比較的豊かな土地らしい。

北には鉱山があり、その麓には鍛治の街として有名なリーグがある。この近辺は強い魔物も多く、必然的に腕のたつ冒険者が集まる街にもなっている。


南側は穀倉地帯だ。

質の良い小麦が多く取れるらしい。


従って敵国から見れば非常に魅力的に映るはずだ。


姉ちゃんも難しい土地を任されたもんだな。



街道は整備されている。

比較的治安の良い国だとは言え、盗賊がいないわけでは無い。

そんな中を明らかに貴族のものとわかる馬車二台で進むのだ。


だが全く心配は要らない。

たかが盗賊如きには過剰なほどの戦力が整っているのだ。

おまけに呼べばすぐ来るポチ様まで控えている。


王都から近いこの辺りは所々森も見えるものの、平坦で牧畜や畑作が盛んなようだ。

これはこの国全体に言えることだが、比較的気候も温暖で、農業も盛んなので食事情は良いようだ。


源太の父さんもこの国の雰囲気は大変気に入ったようで、いつもより声が大きくなっている

「最高だなぁ、この世界は。俺が思い描いていた楽園そのものだ」


その楽園に魔物は居たかい?

その楽園に盗賊は居たかい?


美しい反面、ここは苛烈な環境でもあるんだぜ。


「父さん。確かにここは良いところだけど、不自由で過酷な場所でもあるからな」


冒険者として生きていくわけでは無いとはいえ、身を守る術程度は身につけておかないといけないだろう。


ほら、そんなことを言ってたら現れたようだぞ。


「盗賊が15〜20人前方に見えるけど、大海一人でやってみる?」


前の馬車から姉ちゃんが顔を出して言ってる。


「盗賊?大丈夫なの?」


そりゃ源太の母さんが心配するのも無理はない。


「姉ちゃんだって大丈夫だと思うから言ってるんですよ。これも一つの経験ってやつですね」


僕は可能な限り朗らかに答えた。

だって、そりゃ今からやるのは殺し合いだからね。


僕は前の馬車にさっと移動した。

後ろに聞こえないように小声で確認する。


「捕まえる必要がある?」

「必ずしも必要では無いけど、捕まえるのに向いてる魔術を作った話は聞いてるんだけど」

「別の新作魔術も試したいんだよ」

「どんな感じの?」

「爆発して木っ端微塵?」

「首領だけは捕まえたいな」

「威嚇用の小さい爆発は?」

「許可する」

「じゃ、首領だけ捕まえて、あとは殺しちゃっていいね?」


威嚇用に浮遊機雷AとBの12乗バージョン。

カウボーイで首領をぐるぐる巻いて、引きずって。

終わったら大サービスの17乗で爆発かな。



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― 新着の感想 ―
[良い点] お久しぶりの感想です(^^)♪ 「のんびり馬車の旅」というタイトルと会話のギャップに笑いました。大海くんとお姉ちゃんにとってはこれでものほほんとした会話なんだろうな(  ̄▽ ̄)笑 お姉ち…
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