火力実験
この魔術を実現するためには、同時に多数の種火の魔術を起動させる必要がある。
そのために多重魔術のスキルは必須だ。
まず大気中の魔素を使って種火を二つ出す。
これなら魔力の消費は0だ。
二つを同じ場所に出したからか、いつもより大きな種火が出来た。
ここで、僕は少し欲を出した。
もし、この種火二つ分の魔術を一つの魔術と考えれば、この種火二つを多重起動させたら、種火四つの魔術を出せるのではないか、と。
やってみたら思った通り種火四つの魔術が出来た。多重魔術のスキル経験値も4上がっていた。
これはもう、恐らく延々と2のn乗出来るだろう。そしてそのたびに2のn乗のスキル経験値を入手するだろう。
だとしたらこの実験の前に、消火用の魔術を作らないといけない。
種火は魔術の火ではないから、自分の意思だけでは消えないんだ。
だから、実際に水を出す魔術の「ウォーター」を多重化する必要があるね。
消火用として「ウォーター×2の7乗」を用意した。ウォーターが1リットル程度なので、これなら128リットル。
よほど大きな種火を作らない限り、大丈夫だよね。
さっき作ったのが2^2種火。
これでは全然火力が足りない。
3乗、4乗、5乗と作ってみる。
5乗だとそれなりに大きくはなるが、これが爆発を起こせる火力かと言われたら違う。
所詮種火32個分でしかないのだ。
6乗、7乗、8乗。
8乗で、やっとゴブリン程度がちょっと嫌がるかなくらいの火力かな。
9乗、10乗、11乗、12乗。
4096個分の種火は、かなりの物だ。
とりあえずこれで実験してみよう。
まず拳くらいの大きさの薄い結界を作る。
魔素を薄く引き伸ばして球体にするんだ。
その球体の中で12乗種火を発動する。
何も起こらない。
球体に小石をぶつけてみる。
爆発した。
ただ、これではそれほどダメージは無いだろう。少なくとも姉ちゃん相手なら、驚かせる以上の効果は無いだろう。
僕らより少し強い相手の足止め程度には良いかもしれない。
嫌がらせたっぷり楽しい戦闘なら、この規模の爆発で構わないかもね。
引き続き実験していこう。
実はこの時点で僕の多重魔術スキルはLv7に達している。多重魔術スキルはレベル+1個の魔術を同時に使用できるみたいだ。
だからやろうと思えば8倍ずつ増やしていくこともできるが……。
爆発するものだからね。
段階を踏まないと危ないもん。
大人しく13乗種火の機雷を作った。
13乗でようやく、なんとか姉ちゃんクラスでも警戒してくれそうな爆発になったね。
14乗、15乗、16乗。
このクラスになると、対戦車地雷みたいなものだろうね。
実戦で魔物相手なら16乗を使っても良いかもしれない。
ただ、素材を傷めてしまうよな。
実験の結果は、対弱い人用が12乗。
対強い人用が13乗。
魔物相手なら牽制目的なら12乗。
殲滅目的なら16乗かな。




