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僕の魔術は性格の悪さが滲み出ている

構想のきっかけは、新たなものが「見えた」こと。


それは、魔力の元になるもの。

これ自体はこの世界でも知られていて、一般的に「魔素」と呼ばれている。

僕らの魔力は、大気中の魔素を体に取り込むことで作られている。


と、言うより。

体の中に入ったからといって性質が変わるわけではない。魔力は限りなく魔素に等しい。

各々の体質に合わせて多少形が変わるだけだ。


僕は、大気中にある魔素も見えるようになってしまった。人の体内にある魔力と同じように、なんとなくその辺りに揺蕩っているように見えてしまうのだ。


ふと、この大気中の魔素を意図的に体内に取り込むことはできないかなと思い立った。

これによって魔力の回復が図れるのではと考えたわけだ。


そこで最初は魔素を体の中に吸い込んでいくイメージをしたのだが、これはうまくいかなかった。

そもそも体の外側にあるものを自分の意思で操るのは無理だよなと思った時、それならば自分の魔力と大気中の魔素を繋げてやるイメージならどうだろうと試してみた。


うまくいった。

魔力はあっという間に完全に回復した。


それならば。

大気中の魔素を直接魔術に変換してしまえば、魔力消費0の魔術が使えるじゃないか。


僕はそう考えた。


魔素を体の中に入れていくことに比べると多少時間は掛かったが、体の外側にまで魔力を循環させるイメージだったり、自分の魔力を媒介にして魔素を操ったり、様々なイメージを試すうちに、自然と魔素を自在に操ることができるようになっていた。


ここまできて、ようやく自分の思いついた魔術を実現できるのではと考え、その実験に入ったのだ。


僕の思いついた魔術。

それは空中に浮かぶ機雷のようなもの。

触れただけで爆発する、そんな魔術だ。


ただし、僕は魔術で魔力の爆発を起こそうとしているわけではない。

魔術を使って物理現象としての爆発を起こしたいのだ。


実はアントニオ殿下に、一般的な防御の魔術について聞いていた。

割と手軽に使われるのは「物理障壁」「魔術障壁」という二つらしい。

要するに物理攻撃、魔術攻撃それぞれを弾くものらしいのだ。


だったら「魔術を使った物理攻撃」ならどうだろうか。

相手は魔術障壁で防ぎに来るだろう。

だが攻撃自体が魔力でなく、物理現象なのだ。

防げないだろう。


まず途轍もなく多くの「種火」の魔術を拳ほどの大きさの結界を作った中で発動させる。

この時点で酸素が足りなくて炎として存在し得ない。

この結界は触れただけで壊れるようにする。


そして、壊れた瞬間結界の中に酸素が流れ込んで爆発する、という仕組みだ。

要は、火災現場で起こるというバックドラフトだ。


魔術攻撃は魔力をぶつけることでダメージを与え、それを防ぐのが魔術障壁だ。

これは、魔力をぶつけず物理現象としてのバックドラフトを起こしているのだから、魔術障壁では防げない。


僕好みの性格の悪い魔術だろ?

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