回復術師求む
「種火」の改良はもう少し魔術に慣れてからの課題だとして、これで僕たちが実戦に出る準備が整ったことになる。
折角だから冒険者登録して、さっさと依頼を受けていこうと思うんだ。
自分たちがどれだけできるのか、試してもみたいしね。
その辺りは姉ちゃんも同じ考えだったようだ。そもそも姉ちゃんはどちらかと言うと実戦で色々覚えさせたかったらしいし。
「最初はGランクでスタートだけど、正直現時点でEランク程度の力はあるはずだよ。だから、油断はダメだけど安心して依頼を受けなさいな」
「なんか登録に試験的なものは無いの?」
「一応、Fランクスタートできる試験があるけど、どうせすぐDくらいまで上がるから無意味よ」
焦ることもないもんな。
堅実に行こう。
「本当は回復術師が欲しいんだけどね」
「回復術師って、あまり居ないの?」
「少なくとも野良の術師って見たことはないなあ」
そりゃそうだろう。
回復術師なんか居たら、即勧誘されるだろうし。
「かといって、引き抜くわけにもいかないよね」
道義的にマズいよね。
「まあ、皆んななら回復術師居なくても大丈夫だとは思うけど、一人だけ当てが無いことも無いんだよ」
その一人は何か問題でもあるのかな?
「皆んなとは強さ的には、バランスが取れるはずだよ」
問題無いね。
「本人も冒険者したがってる」
いいじゃないか。
「両親も多少な危険は承知の上で、ここのクランなら安心だと言ってくれている」
ああ、いいとこの子だな。
と言うか王家の三姉妹の誰かだろ。
「エリザベス殿下かな?」
「……ほんとにアンタは可愛げがないわね」
まあ三択だから当たるだろ。
「何が問題なの?」
「シスコン兄貴のアントニオが賛成する訳無いんだよね……」
あの人シスコンなのか。
となると源太くんも大変だね。
「……可愛い妹の心配して何が悪い」
アントニオ殿下。
陰口が気に入らなかったのはわかるのですが、心臓に悪いので時空魔術での登場は控えてもらえませんかね。




