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魔法陣には天地無用にござれば

姉ちゃんが取り出した三枚の紙。

B5より少し大きいくらいだろうか。


少し赤茶けた紙に、茶色がかった黒で円形の模様が描かれている。

よく見ると同心円状に4層に分かれているようだ。

中心の層と内から三番目の層は細かい線の模様が迷路の様になっている。よく見るとこれは一本の線だ。

二層目と一番外の層は、同じ様な線でありながら途切れている。文字を模したものにも見える。


魔法陣というものを僕なりに予想してみると、これはおそらく魔術の設計図のはずだ。

魔術を作り出すために必要な情報が描かれているものだろう。


魔術を作る為に必要なもの。

魔力の流す道筋の情報は必要なはずだ。

魔力量と付与すべき属性の情報も必要だろう。

あとはその魔術のイメージだが……。

おそらく、これは魔法陣という2次元に書き写すには不可能な情報量だと思う。


ここで、講師は姉ちゃんに代わった。

勿論アントニオ殿下だって魔法陣の使い方くらいは知っているだろう。

だが、せっかく姉ちゃんが魔法陣を善意で用意してくれたんだ。

姉ちゃんが魔法陣の使い方を教えるのが筋だろう。


とは言ったものの、ただ左手で触れながらファイアーボールって言えばいいだけだったはずだが。


「魔法陣って向きがあるからね、これ。ちゃんと尖った方を上にしないとダメだからね」


おっと、それは気をつけるべきだね。

アントニオ殿下も実は知らなかったらしい。

そもそも殿下には必要無いしね。


よくよく考えてみると、実はこの魔法陣というやつはちょっと使い勝手が悪い。

例えば、このファイアーボール。

これを覚える時は前方に開けた場所が必要だ。

当たり前の話だ。

火の玉を前方に撃つんだからね。

と、同時にテーブルのようなものが必要だ。

魔術を使う姿勢として、一番自然なのは立位だ。

これで魔法陣を触りながら撃つとなると、どうしてもテーブルの上に魔法陣を置くのがベストということになる。


従って、魔法陣を使って魔術を覚える場合、大抵少し高さのある小さなテーブルのようなものを屋外に持ち出すことになる。


ね、面倒なことでしょ?


まずは柑奈が試すようだ。


「ファイアーボール!」


魔法陣を使って魔術を使う場合、魔術の名前を呼ぶことがキーになって、魔術が発動するみたいだね。


柑奈が叫ぶと、柑奈の胸の辺りに溜まっていた魔力が全身をかなりのスピードで複雑に駆け巡り、右手から火の玉が放たれた。


僕や殿下のファイアーボールと同じくらいの大きさだが、途中から少し右下に曲がったようにも見える。


源太もファイアーボールを試すが、源太は左に曲げてしまった。


なるほど。


「だから、殿下は腕の中で螺旋状に魔力を回すのですね」

「ああ、そうか君らの世界にはライフルというものがあったね」


ごめんな。

わかっているもの同士の会話って、こんななんだよ。


魔術を真っ直ぐ飛ばす為に、魔力を螺旋状に回すのさ。銃弾を真っ直ぐ飛ばす為にライフルがあるようにな。

でも、すごいな。

今の言い方だとライフルを参考にしたわけじゃなく、殿下は自力で魔力を螺旋状に回すことにたどり着いたっぽいぞ。


「殿下」

「なんだい?」

「魔法陣による魔術って、物凄く魔力の効率が悪いですよ」

「だろうな、とは思っていたけど」

「なんか、迷路みたいに魔力を流してます。その上で魔力が止まっているところから一気に流すからエネルギーが無駄になってますね」

「なるほどな」

「実際、鑑定してみると殿下はMP消費が2ですね。僕は3のようです。でも、柑奈は5使ってますよ」


柑奈も源太も魔術を使えたことに満足してるようだ。


ただ、僕が目指すのは戦闘に役立つ魔術だ。

僕のファイアーボールじゃ、強い敵に対しては牽制にもなりはしないだろう。


「魔力の循環は覚えました。ファイアーボールも撃てるようになりました。ここから先は、既存の魔術を沢山研究するとともに、新たな魔術を考えてみようかなと思ってます」


「随分と大きくでたな」

「いつかは、ですけどね。多分僕の欲しい魔術は既存のものではありませんから」


絶対当たる魔術とか、既にあっても嫌だよね。そんな反則みたいな魔術。

少しずつアクセスが増えている喜び。

ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「随分と大きく出たな」──はそのまま私の心の声でした♪(/ω\*)笑 思ったより自信家な大海くん。異世界だけの活躍じゃもったいないなー。現実世界でも何かを成し遂げそうな子です(^^) さ…
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