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二つ名ってむしろ不名誉なんじゃないか

王族の皆様との歓談は楽しくて、僕らも名残惜しかったが帰らなくてはならない。

とりあえず、まずは姉ちゃんのクランハウスとやらに行くことになった。


クランと言うのは、一般的に同じ目的を持つ人たちが集まって作るらしいが、必ずしも同業者の集まりで無くてもよいらしい。

現に姉ちゃんのクランには、職人さんもいるらしい。


冒険者がクランを作る場合、代表者は最低でもCランク以上であることが求められる。


言い方は悪いが、自前のグループを作って徒党を組むようなことを姉ちゃんがするとはとても思えなかったので、尋ねると


「あちこちから勧誘が煩くて。ちょうどこっちにばあちゃんが来たのがきっかけで、じゃあ自分で作ればいいや、ってなった訳」


とのことだった。


そんな割と消極的な理由で作ったクランなので、所属人数はかなり少な目だ。

うちの家族とアントニオ殿下の他は4人固定のパーティ1組と鍛治職人1人だけだ。


この4人パーティもかなり凄腕らしい。

リーダーのジェットさんはSランク。

いわゆるタンクで、敵のヘイトを集めしっかり攻撃を受け切るオーソドックスな的役である。

他の3人はAランクのアタッカー1人、魔術師1人、回復術師1人らしい。



クランハウスには、ばあちゃんが居た。

ばあちゃんは驚きつつも、なんともバツの悪い様子だ。


「Sランク冒険者様、お久しぶりですね」


軽く嫌味の一つくらい言っても良いだろう。


「しばらく会わない間に可愛げのない事言うようになったねえ。柑奈も源ちゃんも久しぶりだね」


このくらい言ってやるからこそばあちゃんも気楽に返せるってものでしょ。


久しぶりに会うばあちゃんはどこか若返ってる気がする。

冒険者として元気に活動してるんだな。


「ちなみに、ばあちゃんの二つ名は『撲殺老婆』だからね」


姉ちゃん、それマジですか。

あんまりじゃないですか。

プロレス時代は『千年に一人の天才、百年に一人の悪魔』って言われてた人ですよ。


姉ちゃんが『鮮血の激流』を甘んじて受け入れてるのもわかるよ。


「私は、意外と気に入ってるんだがね」


老婆だよ。


「だって、実際老婆じゃないか」


そう言って笑うばあちゃんが楽しそうで、なんだかそれなら良いのかなとも思える。


「さて、一旦向こうに帰ろうか」

「どうやって?」

「この扉は魔道具になっててね、うちの道場に繋がってるわけよ」


魔道具すげえな。


「古代文明の遺産だから、作り方とか全くわからないらしいけどね」


壊れたらどうするんだ。

この世界の人、楽天的過ぎないか?


「って訳で、私も一旦向こうに行くから、みんなで寿司でも食べに行かないかい?」


僕たちは素直に頷いた。

断る理由なんかあるかよ。


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