スイーツという最強の武器
書き進めるたびに、少しずつ脱線します。
でも、その場しのぎの思いつきがまた新たな展開を産んでくれてます。
色々矛盾してきそうなので怖いのですが……。
それにしても、王族の皆様のサポートが約束されたのは大きい。
この世界でかなり有利に生活を始めることができそうだ。
ふと気づいたのだが。
第一王女のクラリス様が、やけに源太を気にしている様子だ。
まあ、仕方あるまい。
彼は日本基準では少し濃い顔立ちだが、間違いなく整っている。昭和の二枚目映画スターといった顔立ちだ。
身体も大きく、それでいて均整がとれている。
口数が少ない所もかえって誠実そうにも見えてしまうだろう。
羨ましいことだ。
異世界でハーレムを築くのは、源太かもしれないな。
実際のところ、この世界のことで色々気になることはあるのだ。
魔術のこと。
魔物のこと。
冒険者のこと。
でも、この世界が逃げて行くわけじゃない。
少しずつ知ればよいことだ。
その後、色々と会話は弾んだ。
やはり姉ちゃんはアントニオ殿下の婚約者らしい。
あとは、やたら僕のステータスやスキルが気になった様子で、とうとう陛下自ら僕に聞いてきた。
ってことは、鑑定スキルのLvが皆僕より低いってことだな。
僕はステータスとスキルを全て開示した。
この人たちに隠すのは僕の為にもならないだろう。
皆、一様に唖然としていた。
そもそも源太と柑奈のスキルも、彼らからすると相当凄いことらしい。
ただ、体術や物理耐性についてはある程度予想の範疇だったし、僕らの世界の人間が鑑定を持っているのも前例から理解はできるものだったのだ。
だが、鑑定Lvの高さ、そして彼らも書物の中でしか存在を確認できなかった「多重魔術」、さらには今まで一切確認されていない「分析」
このあたりは予想しようにも予想できなかったのだ。
と言うことは、僕はこの多重魔術や分析といったスキルの情報をほぼ自分で検証しながら集めないといけないようだ。
あと、王族の皆様はお忍びで何度か日本を訪れているらしい。
色々驚いたようだが、結局こちらの世界で簡単に活かせそうなものは食文化だと考えたようだ。
陛下はトンカツを大変気に入ったようで、即オーク肉のカツを王城の料理人に作らせたようだ。
アントニオ殿下はひつまぶしが大好物らしいが、こちらで再現しようとは思わないらしく、食べたくなったら名古屋に転移しているのだとか。
「私はレアチーズケーキが好きですね。あんな素敵な物を考えた人はそれだけで歴史に名を残すべきです」
クラリス殿下の熱いレアチーズケーキ愛。
すごくよくわかる。
僕もレアチーズケーキは大好きだ。
「王城の料理人に作らせるわけにはいかないのですか?」
ここまで割と話を聴く側だった源太が尋ねた。
「デザートに関しては、この国はまだその文化が根付いていないですし、作り手がいないです。勿論彼らも料理人ですから作るだけの技術は当然あると思いますが、普段の食事を頑張って作ってくれているのに仕事を増やすのは少し気の毒で……。私が我慢するか、向こうに行った時に食べればいいのですから」
「だったら、ご自分でお作りになるのはいかがですか?俺は何度も作ったことがありますから、お手伝いできますよ」
源太くん、そんなもの僕に食べさせてくれたことなんか一度もなかったじゃないか。え、僕がレアチーズケーキ好きなのは知っているよね?美人だったら助けてあげるのか?
クラリス殿下どころか、妹二人まで目付きが変わってきたぞ。
「是非、教えてください」
「お願いします」
三女のモニカちゃんだけは声には出さなかったが、期待を寄せる目付きは上の二人と全く同じだ。
「源太殿、私からもお願いする」
いやいや、陛下まで……。
「皆様のお役にたつのであれば、是非とも」
源太は、次回こちらに来た際には三姉妹相手にお菓子作り講座を開くことを約束した。




