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6.ダンジョン実習




 学園に通い始めてしばらく経ち、学園生活にも慣れた頃のことだった。



 廊下を歩いていると、掲示板の前が騒がしいことに気づいた。


「ん?」



 普段はそこまででもないのに、今日はやけに集まっている。



 何があったんだ?



 近づいて、張り紙を見てみる。


 そこに書かれていたのは……。


「ダンジョン実習?」



 知らない言葉だ。




 だが、紙に『ダンジョン実習』の内容について書かれていた。


 ダンジョン実習は、学園の課外活動の一つらしい。


 一日ダンジョンに入り、そこで実践的な戦い方を学ぶようだ。


 日付、集合場所、持ち物……細かく書いてある。




 っていうか……全員参加なんだな……。


 騎士とか、そういう人以外はあんま意味なさそうだけど……。



 まあでも面白そうだな。


 少なくとも、普段の授業よりは退屈しないだろう。







 そして、待ちに待った当日。




 指定された場所に行くと、すでに多くの生徒が集まっていた。


 教師も何人かいる。


 魔法の先生に、剣の先生。


 なるほど、ちゃんとした実習ってわけだ。




 そういえば、生徒が分かれているのは何だろう?


 実力別に分けているとか?




 と思っていると、名前を呼ばれた。


「リゲル・ノワール」


 この声は、ネロ先生か。


「はい」

「お前は特別選抜班だ」



 特別選抜班?


 何それ?


 特別に選抜された班ってこと?



 ……つまり、特に実力が高い生徒達が選ばれるんだな?




 でも、なぜ俺がそれに選ばれたのか。



 ……おそらく、これは剣や魔法の成績で決まるんだろう。


 なら、心当たりは無いわけではない。





 まず俺は、闇魔法の成績がトップ。


 それに、剣術とか他の成績もそこそこ。




 あんま真面目にやるつもりはなかったんだが……。


 ちょっとエレノアが怖くてね……。



 あの人、怒ると結構怖いんだよ……。







 で。


 他のメンバーはこんな感じ。


 まず、エレノア。




 まあ、いるよな。


 闇・光・風の三属性の魔法が使える。




 特に光魔法に関しては、先生にも匹敵するほどの才能がある。


 回復もサポートもできる、いわゆる後衛の要だ。




 次。


「よろしくな」


 ルークか!!


 ちょっと意外だったな。




 だが、彼もなかなか強い。


 闇・風・水の三属性の魔法が使える。



 特に、風魔法に関しては天才的だ。


 それに、他の魔法や剣術に関しても、よくできる。




 そして……。


「今回の班をまとめる、アルフォンスだ」


 出た。


 王子。



 金髪で、いかにもって感じのイケメン。


 落ち着いた雰囲気で、リーダーって感じだ。



 属性は光・火・土。


 剣も強い。


 前線も指揮もできる、バランス型だ。





 その隣にいるのが……。


 ああ、あのとき見たやつだ。




 赤髪の女子。


 背が高くて、雰囲気がちょっと怖い。


「フィオナです」


 短く名乗る。




 真面目そうだな。


 というか、厳しそう。




 属性は光・火・土。

 (王子と全く同じってことは、やっぱり護衛なのか?)


 さらに剣に関しては、彼女の右にでるものはいないという。


 さすがだな。




 で、最後。


「……ユリアです」


 小さな声。




 振り向くと、知らない女子生徒がいた。


 青みがかった長い銀髪に、眼鏡が特徴の、おとなしそうな子だ。




 ……だが。


 この人、やばい。




 火・水・風・土・光。

 五属性。


 ほぼ全部じゃねえか。


 しかも、どれも使いこなすらしい。




 ……天才ってやつか。


 正直、ちょっと近寄りがたい。


 そんな感じで、メンバーがそろった。




 ……うん。

 強いな、この班。



「よし、全員そろったな」


 前に立つのは、ネロ先生。


 俺たちの班を引率する。




 ちなみに、ネロ先生は昔ダンジョン攻略者として名を馳せていたらしい。


 ってルークが言ってた。




 ネロ先生は、相変わらずフードで顔が見えない。


「今回の実習について説明する」


 声はいつも通り落ち着いている。


「中に入るのは、学園が用意した人工ダンジョンだ」


 人工。

 実際のダンジョンとは少し違う感じか。


「危険はあるが、管理されている」


 なるほど。


 つまり、訓練用ってとこだな。



「とはいえ、油断はするな」


 その一言で、空気が少し締まる。




「班ごとに行動し、奥を目指せ」

「判断はリーダーに任せる」


 アルフォンスがうなずく。


 ……まあ、妥当だな。


「何かあれば、すぐに撤退しろ」


 ネロ先生はそれだけ言って、少し下がった。

 

「じゃあ、行こうか」


 アルフォンスが言う。




 全員が動き出す。


 俺もそれに続いた。




 目の前にあるのは、ダンジョンの入口。




 大きな岩の裂け目みたいな形で、奥は暗い。


 中から、ひんやりした空気が流れてくる。




 ……いかにも、って感じだな。


「行くぞ」


 アルフォンスが先に入る。


 フィオナがその横。


 俺たちも続く。

 



 中に入ると、そこは広い洞窟だった。


 天井も高い。


 足音が少し響く。




 明かりは壁に取り付けられた魔石。


 完全な暗闇じゃないが、明るくもない。




 ……なるほど。


 戦うにはちょうどいい環境だ。




 俺は周りを見ながら、静かに歩いた。




 さて。


 どんな相手が出てくるか――楽しみだ。




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