17.犯人は……
あの後、武闘会は中止になった。
当然だ。
なんせ、あんなことがあった後だからな。
俺は、医務室で入院することになった。
脇腹と背中。
他にも、色々やられたからな。
昼間、エレノアやルークが見舞いに来てくれた。
結界の中で何が起きていたのか知りたそうにしていたな。
だが、医務室の先生の配慮で休ませてもらえた。
マジでありがたい。
そして夜。
静かになった医務室で、天井を見ながら考える。
犯人は、誰だろうか?
まず考えるべきなのは、ドラゴンの件。
あれは偶然じゃない。
誰かが噂を広めた。
その結果、俺は武闘会に出て犯人と戦うことになった。
つまり、あの噂を流したのは、犯人の可能性が高い。
じゃあ、あのことを知ってるのは誰か。
あの場にいたのは……。
王子。
エレノア。
フィオナ。
ルーク。
ユリア。
ネロ先生。
……この六人。
もちろん、別の誰かが岩場に潜んでた可能性もある。
だが、あそこは開けてる。
隠れるのには向いていない。
俺の鳥は夜だから隠れられた。
だが、昼は無理だ。
つまり。
内部の人間の可能性が高い。
……で。
次の判断材料は、魔法属性だ。
火。
風。
土。
闇。
あいつは、この四属性を使っていた。
じゃあ、一人ずつ潰していく。
まず王子。
ないな。
そもそも、王子は狙われる側の人間だ。
それに、風と闇は使えない。
彼が犯人の可能性は無いと見ていいだろう。
次。
エレノア。
これもありえない。
俺が結界内で戦っていた時、外にいたのを確認してる。
それに火と土は使えない。
その次はフィオナ。
……これも違う。
あの人は、ほぼ確実に王子の護衛だ。
犯人側にいるとは思えない。
第一、風と闇が使えないからな。
次はルーク。
あいつは外にいた。
つまり、アリバイがある。
それに、火と土が使えない。
次は、ユリア。
戦い方は、犯人と似ているんだけどな。
どちらも、多属性の魔法をそれぞれ高いレベルで使いこなしている。
でも、やはり違うだろう。
犯人は闇魔法を使っていた。
闇魔法は、ユリアが唯一使えない魔法だ。
だからユリアも除外。
……となると残るのは……
……ネロ先生。
あの人の実力は、未知数だ。
あの人は元々、有名なダンジョン攻略者だったという。
強いのは間違いない。
魔法属性も、正直よくわからない。
犯人と同じく、色々使えていてもおかしくない。
それに、あの人は教師だ。
なら、結界に関与できる可能性がある。
……怪しい。
かなり怪しい。
いや、決めつけるのはまだ早いな。
これらは全て、ただの推測だ。
証拠はない。
……かといって、このまま放っておくわけにはいかない。
このことは、よく考えて慎重に動く必要がある。
まずは、ネロ先生について調べることからだ。




