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16.結界内の戦闘




 影の球を全て弾かれた。




 ……やっぱりな。




 次の瞬間、相手が踏み込んでくる。

 

 剣による重い一撃。

 

「っ!」

 

 俺はそれを横に流す。


 続けて来る斬撃を、避ける。逸らす。

 



 暗い。

 

 視界は悪いが、なんとか見えている。




 と言うよりも。




 感じてる。




 気配で、動きを読む。

 



 ……だが。




「っ!?」


 背後から、殺気を感じた。

 

 振り向く暇はない。



 

 体を捻る。

 

 ズッ――

 

 背中をかすった。

 

「ぐっ……!」




 岩の槍か。




 背中の傷は剣士の恥だというが、俺は剣士でもなんでもないので大丈夫だな。




 いや、そんなことを言っている場合ではない。




 あいつはさっき、剣の合間に魔法を撃ってきた。


 しかもこの精度。


 バケモンかよ。




 いや……。


 実際バケモンだったな。




 ん?




 熱。


 巨大な火球が迫る。

 



「チッ!」

 

 横に飛ぶ。

 



 だが。

 

 それはカモフラージュだった。




 火球の影から、剣。


 避けようとしたが……間に合わない。




 脇腹に一閃。


「っ……!」




 浅い。


 だが確実に入った。




 さらに。




 風が吹いた。


 体勢を崩される。




「っ!?」


 そこに、影の刃が来る。




 俺は咄嗟(とっさ)に地面を転がった。




 ギリギリ。




 刃が頭上を通り過ぎた。




 ……まずい。


 完全に押されてる。




 なんとかこちらからも攻めたい所だ。




 ここまで戦って、わかったことがある。


 相手は、ずっとこっちを見て、的確に攻撃してくる。


 暗闇であるのにも関わらず。




 おそらく、魔法で視界を確保してるのだろう。


 だから、視覚的な面で向こうが有利となっているんだ。




 なら、見えないようにすればいい。




 まず、魔力で影を集める。


 そして、小さな球をいくつか作る。




 それを、相手の目を狙って放った。




「っ」




 相手は、これに対処せざるを得ない。





 その隙を利用して、


「影遁」


 影の中へと沈む。




 そして影の中を移動していく。


 縦横無尽に。




 暗闇の中は見通せても、影に潜むものは見通せない。


 だから、相手には俺の位置がわからない。




 暗殺者にとして大事なことは、標的(ターゲット)に気づかれないようにすること。


 本気で気配を消した俺を見つけることはできない。




 そのまま背後に移動し、影から出る。


 そこで影の球を生成し、放つ。


「っ」


 相手は、それに対処するので手一杯だ。


 俺を仕留めようとする頃には、俺は影の中にいる。




 また位置を変える。


 そして体を出し、影の球を放つ。




 また影に沈む。


 移動。


 出る。


 撃つ。




 この繰り返しだ。




 相手はなんとか俺を見つけようとするが、そう簡単にはいかない。




 影の中ではランダムに位置を変える。


 そして、体を出すタイミングも絞らせない。




 忍耐強く、時間稼ぎをする。


 結界が解除される時を待って。




 そして、長い時間が経った頃。




 視界が開けた。


 よし!!結界が解除された!!




 次の瞬間、教師たちがなだれ込んでくる。




 その一瞬。


 相手の動きが、わずかに止まった。




 ……焦ったんだな。


 一瞬の隙を、俺は逃さない。




 影から飛び出し、距離を詰めていく。


 そして、


「影縫」


 を発動。




 影が伸びる。

 

 それは、ヤツの足元から絡みつき、体を拘束した。




 今度こそ……。




 ……やったか!?







 そう思った瞬間……。




 闇が、弾けた。

 

 

「なっ!?」




 視界が、完全に潰される。



 何も見えない。




「全員、警戒しろ!!」


 誰かの声が響いた。



 数秒。


 ……いや、一瞬か。




 闇が晴れる。




 そこには……。

 

 

 誰もいなかった。




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