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15.決勝と異変




 ついに決勝が始まる。


 相手は、フィオナだ。




 決勝戦への期待で、会場が興奮に包まれているのがわかった。




「フィオナ・レイヴン対リゲル・ノワール」


 呼ばれたので、闘技場に入る。




 フィオナはまだ闘技場に来ていない。




 遅いな……。




 そう思った、そのとき。




 ……ぞわっ。



 背筋に嫌な感覚が走る。




 同時に。



 

 結界が、歪んだ。




「っ!?」




 目に見えて分かる。


 あの光の膜が、大きく波打った。




 そして、消えた。




 いや、違う。




 光が消えて、黒く染まった。




 闘技場全体が、闇に包まれる。

 



「なんだこれ……!」




 周りが見えない。


 観客席も、外も、全部消えたみたいだ。




 だが、


「きゃああああ!!」

「何が起きてるんだ!?」

 



 外の声は聞こえる。


 悲鳴。

 怒号。




 まさか、これは黒幕の仕業か?




 結界を利用して中と外を分断し、中の俺を始末するつもりか?




 なら、ヤツらがここにくるかもしれない。




 手をかざし、


「光灯」


 と唱える。

 

 小さな光が出て、周囲をぼんやりと照らす。




 その光で、周りを確認してみる。




 地面。

 フィールド。




 ……そして。







 気配。




 さらに、足音が聞こえる。



 

 コツ、コツ、と。

 

 確実に、こっちに向かってきている。




 音が聞こえた方を見ると……。



 光の中に、影が浮かんだ。




 ッ!?


 アイツだ!!




 あの岩場で見た、フードを被った黒い服のヤツがいた。


 コイツは、俺を殺しにきたのか?




「……」




 相手は何も言わない。


 ただ、そこに立っている。




 そして、剣を抜いた。




 次の瞬間。


 踏み込んでくる。




 速い。

 

「っ!」

 


 俺も剣を構える。




 ガキィン!!



 

 一撃が、重い。



 

 ただの力じゃない。


 技術も乗ってる。

 

 洗練された動き。




 ……強い。




 そのまま打ち合いになる。





 斬る。


 受ける。


 弾く。

 



 火花が散る。




 ……互角。



 

 いや。

 

 わずかに、向こうが上か?




「……」


 しばらくして、相手が後ろに下がった。




 そして、剣を持ってない方の手を動かす。




「っ!」




 次の瞬間、影の刃がこちらに飛んできた。




 俺は咄嗟(とっさ)に風魔法で軌道を逸らす。


 そのまま影の刃で反撃。



 

 だが、同じように風で逸らされる。




 そして次の瞬間。


 相手は火球を放った。




 でかい。




 俺は横に飛んで回避した。




 だが、これで終わりではなかった。




 すぐに、岩の槍が地面から突き出す。




「っ!!」

 

 避けきれない。


 腕を引いた。




 だが……。




 ヒュッ

 

 かすった。




「ぐっ……!」

 

 左腕が痛み、血がにじむ。




 ……くそ。


 こっちが本命か……。




 ここまでで分かる。

 

 こいつ、ヤバい。




 ここまで、四属性の魔法を使っている。


 しかも、その全てを無詠唱で放ち、使いこなしている。


 さらに、剣などの技術も高い。




 正面からやったら、勝てないかもしれない。




「……なら」

 

 手を広げ、魔力を流す。


 影が集まり、数十個の黒い球となる。




 それを、一気に放った。



 

「行け!」



 黒い弾幕が襲いかかる。




 相手は、風魔法や剣で球を逸らす。




 その隙に。

 

「影遁」

 

 俺は影に沈んだ。

 



 ……視界が変わる。




 地面の中。


 影の中。




 その状態で、周囲を探る。




 すると、外から声が聞こえた。




「何が起きている!?」


 教師たちの声が聞こえる。




「リゲルさんは……無事なのですか……?」




 エレノアの声もする。




「結界を調べろ!」

 

 学園長が指示する。




「解除するぞ!」


 教師たちが動いている。




 ……なるほど。


 そのうち、ここは開く。


 そして教師たちが入ってくれば、コイツを捕らえることができる。




 なら俺がするべきことは……。




 ……時間稼ぎだ。




 そうと決まれば、無理に倒そうとしなくてもいい。




 避ける。


 徹底的に。




 そして……。




 絶対に逃がさない。




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