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13.武闘会




 それから数日。


 特に何も起きないまま、武闘会当日になった。




 色々と警戒してきたが、本当に何も起きなかった。


 それが逆に怖い。




 多分、何かが起こるとしたら今日だ。




 朝、掲示板の前に人だかりができていた。




 そこには、トーナメント表が貼られている。


 ずらっと名前が並んでいた。




 その中から『リゲル・ノワール』を探してみると……。




 あった。


 かなり後の方だな。




 じゃあ、それまでは観戦だ。




 会場は学園の闘技場。


 かなりでかいな。




 それは、円形の広いフィールドだ。


 その周りをぐるっと観客席が囲んでいる。




 ん?




 何か透明の膜みたいなのがあるな。


 それは薄く光り、闘技場全体を覆っている。


 あれが結界か。




 闘技場内は、安全のために結界で覆われている。


 あれのおかげで、この中ではどんなケガをしても治るらしい。




 つまり、あの中なら遠慮なくやりあえるというわけだ。




 観客席の奥に空いている場所があったので、そこに座る。


 もちろん、エレノアが見える所だ。




 そして試合が始まった。




 初戦。




「フィオナ・レイヴン対レオナルド・ベルニエ」



 初戦はフィオナが出るのか。


 相手の名前は知らないな。




 フィオナが前に出る。


 レオナルドは、槍を持った男子生徒だ。




 開始の合図。



 

 レオナルドが一気に踏み込む。




 鋭い突き。

 

 だが、フィオナは動じない。




 ひらりと避ける。


 次の突きも、体をずらして回避。




 速いな。

 



 相手はさらに突くが、今度は剣で受け流す。



 ガンッ!!


 音が響いた。




 そして、一瞬。




 フィオナの動きが変わった。




 踏み込み。


 剣が閃く。



 

 次の瞬間。

 

 相手が吹き飛んでいた。




 ……終わりかよ。


 歓声が上がる。




 フィオナは何事もなかったかのように戻っていった。




 さすがだな。


 やっぱり強い。




 それに、レオナルドもよくやったよ。


 相手が悪かったな。


 ドンマイ。




 試合はどんどん進む。




 そして。


「リゲル・ノワール対テオドール・グレイヴ」



 

 呼ばれた。




「……行くか」




 フィールドへ。



 

 向かいにいるのは、知らない男子生徒だ。




 ……だが。


 めちゃくちゃ警戒してるな。




 あれか。


 ドラゴンの噂を聞いてるのか。




 開始の合図。




 ……だが。

 

 相手は動かない。




 剣を構えて、防御重視。




 なるほど。


 様子見か。




 なら、こっちから行こう。




 一気に距離を詰め、剣を突き出す。




 ガキンッ!




 受け止められた。




 そのまま、相手の剣が動く。

 

 カウンターか。




 だが、それは予想通りだ。




 その場でしゃがむ。


 相手の剣が頭上を通り過ぎた。




 そして隙ができる。



 そこを狙い、下から斬り上げる。


 

 ギィンッ!!

 


 衝撃。




 次の瞬間、相手の体が浮いた。


 そして、そのまま倒れる。




 ……勝った。

 



「うおおおお!!」




 観客席から、歓声があがる。




 よし。


 危なげなく勝てたな。




 それに、テオドールもよくやったよ。


 相手が悪かったな。


 ドンマイ。




 さて、今のところ、特に異常はない。




 フィールドを降りながら、周囲を見る。


 観客。

 生徒。

 教師。


 ……怪しい動きはない。




 だが、油断はできない。




 あいつらは言っていた。


 ーーヤツは……排除……。


 と。




 なら、必ず何か仕掛けてくるはずだ。




 目立つ場所。


 確実に仕留められる場面。




 つまり……。


 ……まだ先か。


 

 

 試合は続く。




 だが俺の意識は、戦いじゃない。


 周囲。

 気配。

 違和感。


 全部に集中している。




 ……来るなら来い。




 その代わり。



 

 返り討ちにしてやる。




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