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4 束の間の恋とセー●ームーン

飛行機からジャンプをするのはこれで2回目と余裕で飛んだエルザだったが装備は素人。

前回とは違いサポートする人間がおらず、意外な展開に。

彼女の運命はどうなるのか。

落ちていく・・。どうすんのこれから・・。

落ちる直前、私はベルトをはずしスーツケースを先に落とした。

喜んで落ちたものの、現実は甘くない。夢気分で飛ぶほど現実のスピードは緩くない。

猛烈な風で目は開けてられない。そうか・・・ゴーグルってこういうときのためにあるんだ。

少しは学習しろよ・・っと一人でツッコミを入れつつ落ちていく・・・。


なんか・・・なんか・・・島がないような気がする・・もしかしてかなり沖なの?


沖はヤバイ・・。サメに喰われる・・・。どうせならクジラの方がいい。クジラは人間襲うんだっけ?

この状態にも関わらずアホな事考える余裕はどこからくるのか。いや、どうにもできないからこんな事考えるんだ。

せめてもう少し色気のあることを考えればいいのに。それなら深海でダイビングをやっているイケメンダイバーに救われる・・・その線で行ってみようか・・・行ければいいのだが・・いやその前に深海はムリでしょう・・・。


だけど・・・ここって・・・どこーーぉー・・。


わたしは叫んだが声が出なかった。落ち着け落ち着くんだ。パニクッてはだめだ。

気をしっかり・・・・もて・・


私は空中で気を失った。意識を失いつつも、色々と考えた。いや、これを走馬灯というのか思い返した。

それもそうだ・・・。もう体力的にも限界に近かった。パピヨンの爆破から脱出まで弾をくらいながら飛行機に乗ったものの、パイロット病死でパラシュート脱出その後色々あるものの、のんびり休んだのは1日程度、そしてフランスからイギリスに向かう飛行機の中でパピヨンに気づくもそこに別れが待っていてそして、なんだ・・_?

・そう・・・失恋の余韻に浸る間もなくハイジャックだ。見事爆弾見つけるものの、正体バレるのもダルイでハイジャンプ。とか。もうそろそろ、ゆっくり腰を据えよう・・・どっしりと・・・


私の下をユラユラとスーツケースが落ちてゆく・・・アイツがとりあえずの目標だが・・



スーツケースはだいぶ離れた場所に落ちてゆく・・・・。・・・失敗だったなぁ・・・


さらに私は離れた方向へ・・・どうする・・・・。もうなるようになれ・・・私は目をつぶった・・・。


目をあけるとそこには見慣れないやや大き目の変な形をした船があった。

あれはなんだろうと思った・・。あれはなんかそうだ・・・


軍事用のヤツだ。。もう絶望的だ・・私に待つのは尋問しかあり得ないだろう・・


そして私は避けようもなくその船の近くに落ちた。

当然、その船・・いや艦内では大騒ぎだった。



「なんか落ちたぞ・・・」


「あれは、女だ・・俺は目がいいからわかる。あれは女だよ!しかもミニスカを履いていた・・

パンツの色までは分からないが・・マサイの戦士なら分かっただろうか・・」


「パンツの色は分からなくとも良い!しかしミニスカだと!なんだって!ミニスカの女が落ちてくるもんか!お前は夢でも見たんだ・・今回は長いからなぁ・・」


館内では冗談めいた会話が続いていたが、中で海の中を解析していた人物は奇声をあげた。


「女だ・・・マジ・・てかミニスカート履いてた。・・パンツの色は分からない・・すみません・・・精度をあげなければならない・・・。この手の技術は日本にはかなわない・・。日本製の機器であればパンツの色も解析できたに違いない・・。」


「よくやった・・!パンツの色はこの際どうでもいい・・。年間にミニスカでジャンプするヤツどれくらいいると思っているんだ・・ミニスカか・・・すぐに助けろ・・・」


「ハイッ」


誰が助けるか言い争いをしている間に、数人が海に飛び込んだ。


男ばかりひしめきあっている艦内が一気に盛り上がった。


「どこから落ちてきたんだ?いいオンナだといいなぁ・・」


「えーーと、一般旅客機か あれ・・おかしいな・・・空路からずれたヤツだ。これはイギリス行だったはずだがどうして・・」


「えー・・面倒なことにかかわりあいたくないぁ・・ハイジャックとかテロとかか・ちょいと調べてみるか」


「この旅客機は管制塔との連絡を切った時間がある。その後空路を外れた。それから数分後、爆発のような反応をだした。それから数分後、この女が旅客機から落ちた・・・ってことか。」



「その前に助けたら何を着せるか、そこが問題ではないか・・それが俺たちにとって一番重要な気がするんだ」


一人の小太りの男がボソっと言った・・。この意見に反対する上官もいないようだった・・。


「うむ・・・確かにそうだ・・何を着せようか・・」


「貴様が考えていることは分かる・・多数決をとってもいい・・」


「多数決を取っているヒマはない・・・いいだろう・・なにか提案はあるか・・といっても我々の着ている物しかないが・・・。兵士の服だとなんだかね・・・。」


「日本にはセーラームーンというアニメがあるよ・・あれは良かった・・セーラー服はどうですかね?」


「アニメ・・・まぁ・・それでもいいだろう・。他に選択肢がないしな・・しかし

キミ・・はその手のアニメを見てるんだね。セーラー服を用意するように・・」


「ハイッ」


「海外には多いですよ・・日本のアニメをバカにすると彼らが怒ります」


「いや・・バカにはしていない・・今度私も見てみよう・・」


「宜しければ、お貸ししますよ・・・」


「ありがとう・・」


「かわいいですから」


「なるほど・・」



「しかし・・ミニスカ女がテロリストなのか?そそるなぁ・・その前後なにかなかったのか?」


「空路を外れたのに一人だけ脱出とか普通ありえない・その手の犯行は複数でやる・それに装備を普通しているだろう・・ミニスカでジャンプなど・・素人がやる・・素人がなんで・・・犯人は中にいるだろう・・彼女が何か知っているかもしれないが。だとすると、身柄を拘束して尋問という流れになる。俺たちは引き渡して終わりだな・・それにしてもあの装備で落ちるとはな・・・素人なのか」


私はしばらくして、男性に引き上げられた。


いやぁ・・・軍服というのはそそられますなぁ・・・。落ちてきたかいがある。


この状況で私はテンションが上がった。しかし、この分だと面倒なことになるなぁ・・おとなしく飛行機に乗っていた方が良かったかもしれない。うーーーん。しかしねぇ・海軍の軍服というのはちょっと味がある・・・いいねぁ・・。


その中の男前が私にゆっくり英語で言った。


「きみ・・名前は?」


「エルザよ」


「エルザ・・寒いだろう。良ければこれに着替えるか?あそこに更衣室があるから。」


「ありがとう」


セーラーかぁ・・ちょっとキツイかもしれない。私は着替えをした。

顔を見るとまぁいいか・・。


私は着替えて出てきた。海軍兵士がなぜか喜んだ。どこの国の男もコスプレに弱いんだ。

私もだけど・・まぁいい・・しばらく大切にされたいものだ。


さっきの男前が私の前に来た。少し顔が赤い・・。もしかして、私に惚れたかしら・・ウフフフ。


「寒くないかね・・なにかあたたかい物を・・」


「ありがとう・・。」


さすが、紳士である。結婚するなら海外の男も良いかもしれない・・結婚できないけどさぁ・・。


「中に入ろうか。」


案内された部屋はソファーがあり少しゆったりしていた。


どうぞ・・


コーヒーが私の前に置かれた。


「疲れただろう・・喋りたくないなら、落ち着いてからでいいからね」


私はコーヒーを飲んだ・・美味しい・・。


「君が落ちる瞬間から我々は色々と調べさせてもらった・・君は飛行機から落ちて来たんだよね・・なんで?」


「知りたい?・・私失恋したのよ・・」


「失恋・・それはつらいね・・でも、飛行機から落ちるのはちょっと普通はねぇ・・ありえないよね」


「色々あったのよ・・色々と・・そういう時は想定外の行動をとるわよ・・あなたにも経験ないの?ないのなら、

たいした人生ではないわね・・・」


「・・・・君は若いのに色々とツライことがあったんだね・・想像つかないが、理解したいよ・・」


「ありがとう・・あの・・・男前さん・・私疲れたわ・・眠れるかしら?」


「・・ありがとう・・私のことはフランシスと呼んでください。わかりました、寝室の準備をさせます。

気分がよくなったら、またお話できますか?」


紳士である。パピヨンと別れてこの優しさには落ちやすいよ・・私。でもなんだかんだと疑われているんだ・・

これからどうなるのかな・・。このままだと、身柄を警察に引き渡しそして最悪の場合逮捕・・刑務所・・強制送還・・刑務所・・裁判・・懲役5~最悪10年くらいだろうか・・・。その前に週刊誌ネタにされるだろう・・。

私も一躍時の人になれるかもしれない。両親はどう思うだろうか。



罪状は・・偽造・殺人未遂・証拠隠ぺい・云々・・。


ヤバすぎる・・しかし私は健全な一般人だったんだから・・人のせいにはできんけど・・。

この場合ミッシェルにも責任あると思うけど、あの人死んじゃっているし、タクシーの運転手はさすがにここまでこれないだろう・・組織ってこういう時に助けにくるもんじゃないかね・・もう解散したらしいからダメだ・・。


「わかりました・・とりあえず、眠ったらラクになると思います。」


私はうなづいた。フランシスは部下に寝室の準備をするように命令した。


フランシスは私をさり気なく観察している。


どう見ても素人だろう。


「君の部屋を案内しよう・・。済まないが部屋の付近には我々が警護に当たらせてもらうよ・・。」


「ありがとう・・」


艦内を歩いていく・・。軍事用ともなると重々しい。天井が低い。部屋も狭いのだろう。


フランシスの前に部下を先に歩かせている。


鍵をあけドアを開けた。こじんまりとしたシンプルなベッドがあった。


簡易照明・・洗面所がついている・・あとトイレもあった。


この部屋・・・収監用の部屋なのかもしれない・・。


「すまないが・・こういう部屋しか用意ができなもので・・。特に意図はないんだがね・・。我々も場合により24時間君を警護できないこともあるんだ・・任務もあるのでね・・それでドアには申し訳ないが鍵をかけさせてもらう。

監禁ではないから、必要なことがあればこのボタンを押して知らせてくれ。息抜きに海を見たいならそれにも私が付き合うし・・。あまり深刻に考えないで・・」


なるほど・・な。でもヘタしたら3ヶ月くらい航海するかもしれない・・精神的に参るなぁ・・。


「フランシス・・私・・逮捕されちゃうの_?私・・・飛行機からジャンプしただけなのに・・」


この場に及んで泣いてしまった。こんなんで、解放されない普通・・。


しかしフランシスはかわいそうだと思ったのだろうか。


「君は逮捕されないよ・・ただし君の乗っていた飛行機だけどレーダから消えたんだ・・あのあと・・

それに対してフランス側もイギリス側も行方を追っているんだ。キミが飛行機から落ちたとなれば、正確な情報

を話さなければならない。その際必要になるのは事実を話すことだ。


「今ここで二人きりで話せるかしら」


「二人きりというのはダメだ・・」


「それなら、筆記する人を同席すればいいわ。」


「いいだろう・・」


しばらくして、一人の男が入ってきた。ノートPCを持ってきた・・若い男だ。この人は何か他の人と違って見える。

兵士には見えない・・・体も細い・・・。こういう場所にこういう人もいるんだ・・。



「彼が同席する・・準備はいいかね・・」


「いつでもどうぞ・・」


「あ・・・宜しくお願いします・・・」


私はベッドに座った。他の二人はイスを持って来て座った・・・若い男は小さな机の上にPCを置き・・なにやら打ち込みだした・・。


「では君がジャンプする前に起きたことを端的に話してください・・」


飛行機に覆面をした集団が5・6人はいたと思う。

彼らの一人と話のやりとりで政治を良くするためにやっているといっていた。

彼らはあの飛行機に爆弾をセットしたと言った。それから機長に何か言っていたが何を言っていたのかわからないフランス語だったと思うけど。それから彼らの一人が私に薬品を嗅がせ私は気を失った。そして目が覚めたとき

私は爆弾を探した。荷物室に爆弾があった・・。その時荷物室のゲートが開いていたんです。

なので、私は彼らが爆発前に脱出したのだと思いました。

その後、私は爆弾をどう処理しようか悩みました・・なぜなら爆発まで残り30秒だったんです・・

客室乗務員はいたがどうするか報告するといいその場を離れた。

しかし残り30秒の間返答を待っていたら爆発する・・だから私はゲートを開けて爆弾を蹴とばし、ゲートを閉めた。


「なるほど・・・そして?」


「客室乗務員が戻ってきたので話すが私は自己嫌悪に陥った。あと本当にこれで良かったのかという思いも」


「なるほど・・君の気持はよく分かる・・素人の判断でもその状況でパニックにならないだけエライよ。

それで・・その後君はどうしたの?飛行機はレーダーから消えたんだ・・。彼らが脱出していないという情報もないから・・それにうまく脱出できたのかもしれない・・


「消えたとしたら、彼らは脱出していない・・私が邪魔だったのかもしれない」


「なんで邪魔なのか・・・君は・・・彼らから恐れられていたのかな」


「さぁ・・・私は何が何だか分からない。ただ・・その時イヤになったの何もかも。それで死のうと思った」


「それでジャンプということかね・・」


「ハイ」


「君の国籍と名前を教えてください」


「私は・・日本・・」


言い終わらないうちに若者が話始めた


「エルザという名前の人は搭乗していません・・日本人でで搭乗しているのは・・・落合由美という人だけです。

しかし・・・おかしい・・・落合由美は・・・・事実上死んでいます・・。失踪届はでていたが・・・手がかりがない状態でした・・。あなたは落合由美さん?・・・・


「私は本名・・二宮美穂です・・私は事実上死んでいるんです。私のお墓に別の人の遺体が入っていると思います。

その人は誰だかわかりません。でも組織はその人を私に仕立てたのです。私は組織の間では・・エルザとしか名前はありません。これが事実です」


「なるほど・・」


「二宮・・・美穂・・・ありました・・。・・・・失踪後・・・遺体で発見される・・特に不審な点が見つからないため警察は事故死として処理。その後、お父様は他界されました。お母様は旧姓にもどっておられます。お母様はその後・・・」


「どうしたの?」


「入院し、そして病死しています。・・話さない方が良かったでしょうか・・すみません」


「い・・いいえ。知らなかった・・・」


私は泣き崩れた・・・。そんなことが起きていたのか。父はどうして・・


「父はどうして・・病死でしょうか・・」


「お父様は・・・自殺です。・・・あなたが遺体で発見された直後・・・です・・」


私は・・・・・目の前が真っ暗になった・・叫んだ・・何を叫んだんだろう・・体が震える・・


私が知らない間にこんなことが・・イケメン野郎も誰も私にこのことを言わなかった。・・どうして。


「大丈夫か・・エルザ・・今日でなくてもいい・・・」


「いいえ・・・他に聞きたいことは?」


・・・タクシーの運転手は知っていたのだろうか?


若者は冷静に質問した・・。どっちが上官なのだろう・・。


「貴方は落合由美と言う名前で、日本から出国しています。カメラ画像からアナタだとういうことが分かる。

そしてこの飛行機も落合由美という名前で搭乗していました。落合由美さんとは・・どういう関係ですか?」


「・・・・それは、日本から出国のとき使わせてもらったパスポートよ・・・。そういうパスポートはたくさん組織にあった・・。その人個人について詳しくは知りません。」


「なるほど・・・その手の人間のパスポートなら使えるね・・君のいた組織名は何?」


「名前なんか知らされていません・・。私は何もしらない・・。本当に・・私は巻き込まれた・・白い封筒に9枚の白紙の手紙・・あの日から私の人生が変わった・・・」


「9枚の白紙の手紙・・・・だと・・。ナインレターって聞いたことがある・・・」


「ナインレター・・・あります。どこにも属さない組織です。しかし日本にそれがあったとは・・あの組織は特殊です。」


「ナインレター普段は活動していないが、テロなど未然に防ぐなど地道な活動もしていたらしい・・。その逆もあったらしいがね・・。これはウワサだが・・・。彼らは二面性があった・・正と邪。これはリーダーが複数いたということかもしらないがね。リーダーの名前は・・・不明・・・。活動は不定期・・。」


「リーダーは死にました。その息子も・・・リーダーはミッシェル。その子供はデービットと呼ばれていました。

彼らの素性は一切しりません。ミッシェルの妻が落合由美です。他にも情報部の人はいましたが名前は知りません・・むかつくヤツでした。組織は解散しました。リーダーと息子が死んだのです。・・・彼らも事実上死んでいると思いますけど・・。」


「その落合由美ですが・・・未婚でした・・。事実婚ってヤツですかね」


「え・・・そうなの」


パピヨンはどんな風になっているのだろう。でも本名が分からない以上調べようがないだろう。


「なんとなく・・つかめてきた。組織となると・・警察関係の引き渡しにはならないだろうね・・情報機関に引き渡しになるだろう・・この場合フランスかイギリスの情報機関・・・になるかな」


「どちらにせよ・・我々ができることは、引き渡しまでの見守りだけだな・・力を貸したいがね」


「例の飛行機がレーダーに入りました。現在・・・フランスに戻りつつあります。シャルルドゴールに戻るでしょう・・」


なるほど・・・そうなると、人数を調べるはずだ・・・一人乗客がいない・・・。


「我々は既に君がここにいることを報告してある・・いや・・犯人のうちの一人が君になりすますだろう・・。

その女こそが、犯人グループとの連絡役になるはずだ・・・その点だけを見逃さなければいい。


「・・・情報機関に引き渡されてからか・・・全ては」


「そうなるね・・しかし君は飛行機の爆発を未然に防いだんだ・・それは評価されるんじゃないかな」


「・・・いつ来るのかしら・・」


「もうすぐ・・・。連絡が来るよ・・おそらくフランス側から来る。」


私は少しだけ気がラクになった。組織人としては失格よね・・秘密を話したし。でも・・もう組織もないし。


「疲れたわ・・・それにお腹が空いたわ・・」


「食事の用意をするよ・・それまで休んでいてください・・君・・ありがとう・・後は報告だけ頼む」


若い男はコクンと頷いた・・・この男は何者だろうか・・。


「・・・それじゃ・・・エルザ・・後でまた」


「ありがとう・・フランシス」


私はベッドに寝ころがった。・・・フランスの情報機関なんて想像つかないよ・・。


両親が死んだことはショックだったが、私のことで世間がつらい目に当たることがないと思えば気がラクだった。


それから・・眠気が出てきて私は眠ってしまった。


ドアがノックされた。


「エルザ・・・食事の準備ができたよ・・」


フランシスが中に入ってきた。


私は起き上がった。・・・さっきよりも体がラクになった。それでも少し憂鬱だった。


「ここで食べるのは味気ないから、場所を変えよう・・」


フランシスは料理を応接室の方へ持って行けと命令した。


部屋に入った。明るいいい感じの部屋だ・・。


「さぁ・・どうぞ・・」


「ありがとう・・」


「私も腹が減ったので・・ここでいただくことにします・・上官の特権ということで・・女性と食事なんて久しぶりです。それも日本の方とは初めてですよ・・。その服は女性でも似合いますね・・」



「イヤ・・あ・・ありがとうございます。」


私は少し照れつつも、私の気持ちを少しでもほぐそうと優しくしてくれるフランシスを好きになってしまった。

・・・相変わらず、身にならない恋をしてしまう愚かな人間だ・・・。

フランシスは私の前に座った。軍服姿がカッコイイですな・・・。


「今日はね・・・グラタンンドフィノア・・がメインだよ・・これは腹もちがいい料理なんだ・・今回は色々と長期線になりそうだから・・このレシピにしたんだよ・・」


「そう・・楽しみだわ・イギリスの情報機関よりも美味しい物が出そうだし。」


フランシスは小さく笑った。


カッコイイですなぁ・・・この場に及んで見とれてしまう・・。海外でしかも海軍の男前と軍事船で食事なんて

ご縁結びのスペシャリストでもセッティングは不可能だろう・・・。うーーーん。イイ。

実に楽観的である・・・。この時間を味わうことしか私の楽しみはない気がするんだ。

私は間違っていないと思う・・。愚かかもしれないが・・。いいんだ・・・人というものはバカだ。


フランシスはどう思っているか分からないが・・。あ・・結婚していた・・指輪がキラリ・・・そうか・・。


少しテンションが下がった・・・まぁいい・・。ん・・・ガクッ・・


「エルザ・・・どうした?体の具合悪いかな?」


「いいえ・・なんでもないです・・」


私はヘラヘラ笑った。少しは落合由美のキモの座った行動を学ばないといけない。


落合ならこういう時もクールにやり過ごすのだろうな・・。


彼女の事は考えないようにしよう・・。


料理が運ばれてきた・・。


カキが盛り付けされている・・生ガキ・・・それとレモン・・・豪華じゃないか・・


「海に近いと色々と便利なこともあってね・・。魚料理がメインになることが我々は多いな・・」


「いいですね・・」


私は生ガキにレモンを絞り、食べた・・美味い・・贅沢ではないか・・・。こんな量を一度に食べるなんて。

見るとボールがある。お替り用のカキがある。おかわりができるのですか・・。


「ウマイ・・。」


フランシスは生ガキをナイフでこじ開け、私の皿にいくつか追加した。


「食べた殻はこちらに入れてね・・」


大き目なボールがありそこに私は殻を入れた。


「どんどん・・食べて・・うちの船員は飽きてしまってたくさんあるんだ・・」


「飽きるほど食べてみたいです・・美味しい・・カキってこんなに美味いんだ。」


「ワインは飲む?」


「白ワインを少しだけ・・・。」


「OK」


フランシスはワゴンから白ワインを出しグラスに注いだ・・・。


それから別の皿にレタス・オニオンなどの野菜を取り分け・・エビ・生ハム・等を乗せてドレッシングをかけた。


「野菜もどうぞ・・」


「ありがとう・・美味しそう」


綺麗だ・・・センスが良い・・。


「カキはもういいかな?まだまだあるよ・・」


「・・・ありがとう・・十分です・・」


「そうか・・私はもう少し・・・食べよう・・美味い」


フランシスはカキをこじ開けていく・・。


私は白ワインを飲み、サラダを食べた。


うーーーん・・イイ。


しばらくして別の料理が来た。


これがメインだろうか・・・


ポテトが薄くスライスされて並べられている・・その上にクリームとチーズが散りばめられてオーブンで焼かれた料理ぽかった・・。かなり深い入れ物に作られていて、フランシスが取り分けた。


「グラタンドフィノア・・・郷土料理だよ・・日持ちが良くて長期の旅行には持って来いだよ」


「へぇ・・・」


焼き色がきれいだ・・グラタンみたいだけど・・違うなぁ・・。

私は食べた。なんだろう・・この味は・・・ポテトグラタンと言うべきか・・。

横からみると断層がありポテトが並べられその上にクリーム・チーズがかけられ、またポテトが並べられている。


「美味しいです・・・。もうお腹一杯です・・」


「あとデザートもあるからね・・」


「スゴイ豪華ですね・・・」


「日本ではどうなの?」


「日本ではこのような扱いは受けないと思います。せいぜい弁当ぐらいでしょう・・・。経験ないのでわかりませんが。場合により刺身とかもあるかもしれませんがね・・。」


「なるほど・・・刺身か・・いいねぇ・・。」


「今日のデザートはムースショコラだよ・・」


「おおおお・・・」


さっきの若者がムースショコラを持ってきた。


苺が乗っている。


「さぁ・・・どうぞ」


ムースショコラ・・・。フワフワしている・・・



あああ・・・消える・・・口どけ・・・そしてチョコのなめらかさ・・・美味しい・・。


「すごく美味しいです・・・ああ。幸せ。」


「良かった・・・。少しは気分良くなった?」


「ありがとう・・・・。だいぶラクになりました。」



さっきの若者が小声で耳打ちした・・。


「・・・・DGSEあと20分で到着します・・・。」


「分かった・・結構速く動いたな・・」


「エルザ・・もうすぐお別れだ・・・君を個人的にはもっと守りたかったよ・・。

しかし・・私も任務があってね・・・。」


「分かっています・・。私があなたなら、私も同じことをしたと思います。」


「あと20分か」


「シャワーを浴びてもいいかしら・・汗をかいたみたい・・」


「案内しよう・・・。女性用の下着はないのでね・・・。」


「あの・・私の同僚に女装マニアのヤツがいますが彼なら下着持っているかもしれない・・。」


若者が顔を赤らめながら言った。


「その・・着替えないのも気持ちが悪いですよね・・宜しければ・・」


「ーーー・・・。そんな趣味のヤツがいたのか・・・。未着用の下着があったら・・彼女に・・」


「えええ・・・いいですよ・・そんな・・」


私はやや寒気を感じた・・・。いくらなんでも。


「同僚ですが・・・未着用の下着持っていました・・エルザさんに使っていただけたら光栄だと言っています・・」


その男なりに気を使ったのか、A4の海軍の封筒に綺麗にたたんで下着が入っていた。


この封筒とのギャップ・・・。


私はその封筒から下着を出した。

・・スケスケ・・・セクシー下着ではないですか・・。パンティは・・・さらに・・。


フランシスが真っ赤になった・・・。これはヤバイ・・しかし今は仕方がない・・・


「ありがとう・・・使わせていただきます・・。」


私は受け取り・・・シャワー室に入った・・・石鹸で体を洗う・・・無機質な作りだ・・。

シャンプーもあった・・・。男性用だから、髪がバリバリになるだろう・・・。

シャンプーはロクシタンだった・・・。うーーーん気持ち良い・・・。


てばやく洗い、シャワーで流す・・・・。顔を見る・・・人相って変わる・・・。目が鋭い・・・。

私・・・誰なんだ・・・。髪も伸びた・・・。落合由美に似てきた・・。


タオルで拭き・・・例の下着をつける。


・・セクシーですな・・・。


それから例のセーラーに着替える・・・これは・・・。ヤバイ。


向こうで衣服を脱いでと言われたら、マジやばいでしょ・・。


うーんん。


私は髪をドライヤーで乾かした・・・。ふぅ・・・・。


シャワー室から出てくるとフランシスが赤い顔をして待っていた。


「エルザ・・・お迎えがもうすぐ到着する・・」


「ありがとう・・・。」


私は覚悟を決めた・・・。とうとう来たか・・・。しかしこれで、決着はつくだろう・・これからの私がどういう方向性をもって生きて行けばいいのか・・。


少し未練がある・・フランシス・・・。


私はフランシスに抱きついた・・・。


「エルザ・・・私は・・・・・」


「・・・いい。・来て・・」


私はフランシスをシャワー室に引っ張った・・ドアが閉まった・・・。

ドアが閉まるとき、若者と目が合った。彼には分かっただろう・・これから私たちが何をするのか。



私は・・・セーラを脱いだ・・・姿を見せる・・・。


「エルザ・・・君は私を誘惑しているのか・・」


「いけない・・?・・・失恋した後にイイ男に会ったのに・・・なにもなく訳の分からない場所に連れて行かれるのよ・・。これなら、死ねばよかったわよ・・」


「エルザ・・・」


フランシスは私にキスしてきた・・。私の乳房を揉み始めた・・・。

・・・。


「エルザ・・・君が・・・好きだ・・・。どうしてこんな出会い方に・・なったんだろう・・」


「・・・・助けてくれる・・?・フランシス・・・」


「・・・何でもするよ・・・どうすればいいかな・・・・時間がない・」


・・私は体を広げられた・・時間があまりない・・。


フランシスが入ってくる・・・。時間があまりない・・。お互いに叫ぶ・・・。


ドアがノックされた・・・。


「迎えがきました・・・エルザ・・・」


若者がぎこちなくドアの前で言った。多分聞こえただろう・・。


フランシスは私から体を離した・・・。フランシスはシャワーの方に歩いていき出した・・・。


フランシスは私の体をタオルで拭いてくれた。・・そして自分の身なりも整えた。


「汗・・・かいちゃったね・・・これなら彼らにもう少し時間を遅くしてもらえばよかったよ。」


「仕方ないわ・・。」


私は笑った・・。


「エルザ・・・助けるよ・・海側からになると思うけど・・・」


「・・・・うん・・」


フランシスは私にキスした・・。充分よ・・フランシス。軍服が凛々しいです。


最悪だけど・・最高の日でした・・ありがとう・・。


部下は・・・察しただろう・・。


私は着替えて出てきた。


フランシスは何もなかったような顔をして出てきた。


「お楽しみ中のところ悪いが・・DGSEだ・・・引き渡しを要求する・・」


「彼女がエルザです・・・。」


「では・・・。」


私は・・DGSEの二人の人に連れられてヘリに乗った・・。

ほとんど顔を合わせることのなかった兵士達が手を振った。

何か文字が見える・・・。


「ツキニカワッテオシオキヨ セーラームーン」とカタカナで書いてある・・・私は笑った・・。


私はヘリの中でゲラゲラ笑った。こっちがこれからお仕置きされるのに・・。


それからフランシスのことも思い出していた。


イイ・・男だった・・・うん。


良い思い出になった・・・。


ヘリは方向を変えた。これからどうなるのだろう・・。

ナインストリーズの7話を一部修正しました。

このような稚拙な小説を読んでくださる方に・・一言。

ありがとうございます。


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