十七歳、祝日(水曜日)の憂鬱。
水曜日の祝日が終わる。
束の間の休息が終わる。
また明日から学校に行かなければいけない。
その前に今日の思い出を残しておこう。
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今日の空模様は雨だった。
本来、自分から雨の時に外出をする人達はそんなにいないだろう。
でも、私は今日自ら雨の中、外出した。
黒色のワンピースに藍色の傘を身につけて。
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外はシトシトと雨が降っていて、
傘の上ではパラパラと雨粒が弾ける音がする。
少し、耳が落ち着いた気がする。
川沿いの端まできたところで、私は傘を閉じ、空を見上げた。
傘で塞がれていた無数の雨粒は、今まさに私に降り注ぎ始めた。
体に雨粒が落ちる感触を感じながら、私は目を閉じた。
冷たさが体を伝うのを感じる。
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「雨に打たれたい」、と感じる人はこの世にいるだろうか。
「何を言っているんだ」、と思われるかもしれないな。
「身につけている物が濡れてしまうのが嫌だし、長く雨に打たれていれば風邪を引くのに。」
多くの人がそう感じるだろう。
私はどうかといえば、「雨に打たれたい」と思う。
体に残る無数の棘の束が、
空から降り注ぐ無数の雨で流されていく。
あれほど苦しんでいた憂鬱の一つ一つを
雨の一粒一粒がすくって地面に消えていく。
それだけで、心が落ち着くのだ。
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「…へくしっ!」
…そこで軽いくしゃみを一つした。
流石に、何十分もここにいるわけにはいかなかったので、
二十分後に傘を再びさして家に帰った。
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シャワーと風呂で体を温めて、部屋着に着替える。
部屋の電気をつけ、ガラス越しに外のベランダを見る。
雨足の変わらない雨の空が、変わらず映っていた。
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…ライトは雨に対して、どう思うのだろう。
過去を振り返るうちに、そんなことを考えてしまった。
…もう遅いし、寝よう。
いまだにふり続ける雨の音を聞きながら、私はブランケットを被った。




