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高貴なる者の義務と放埓  作者: 島城笑美


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037 子爵令嬢の進展

本日は少し短めです☆

王族の護衛の人についている近衛騎士にも、訓練日はある。リシュエンヌは、兄や弟との情報交換の為に自身の護衛騎士であるジャネットとグレーテをイーヴォイェレミアスが特に信用しているジェラルドやトビアス、ハーシェルヒルムの最側近であるオリヴァーの訓練日にあわせて訓練日を割り振っていた。


そもそも、ジャネットはナサニエルの双子の姉であるし、グレーテもジェラルドの妹である。自邸に戻れば情報交換を出来ると思っていたが、ナサニエルもジェラルドも最近ではほぼ自邸に帰ってないという事だった。


忙しくしているか、兄や弟に危機を感じ離れないのかは分からないがジェラルドとオリヴァーは時折、訓練に参加していることを騎士の訓練を見学するご令嬢方が教えてくれた。


今日は、珍しくジャネット、オリヴァー、ジェラルドの三人の訓練が被っていた。近衛騎士同士の情報交換等は珍しくない。現に剣術に夢中な第三王子テオフィリス殿下の護衛騎士は、剣術の指導方法についてオリヴァーに相談を持ち掛けることも多い。


まず城の城壁内を走るということで三人で並走しながら情報交換することとなった。いくら、鍛えていると言ってもジャネットは女性であるため、男二人はどれくらいの速さが良いのかとこまめに尋ねた。


「この速さで大丈夫か?」


「きつかったら言ってくださいね」


「はい。大丈夫です」


オリヴァーとジェラルドの心使いに感謝しながら並走している。ジャネットは、持久力と足には自信があり男性陣との並走は苦では無かった。それも、オリヴァーと久しぶりに顔を合わせているので今日は体

も心も軽かった。


並走し始めて数分は他愛のない話をしながら進んでいたが、鍛錬場から離れ人気が無い場所に入ると現状の報告をオリヴァーが始めた。


「ハーシュの誕生祝いは、ジーク様に指示により、当主と次期当主を招待している」


「令嬢方は?」


「殿下の婚約者はお決まりになったので、特に招待はしていないがあわよくばを考える者もいるだろうな。当主の考え次第だ。次期当主が呼ばれているのでエスコートに妹をとうはなる可能性はある」


「そうですね。皆さま、ウルリーケ殿下と知らされていませんからね。帝国の数多いる姫という情報しかないのであれば、当家こそが後ろ盾にという考えの屈強なご令嬢がいらっしゃるかも知れませんわね」


「回答の名簿も確認したいと思う」


「そうですね。リシュ様も確認したいと思います」


「では、名簿がまとまり次第お知らせするように手配しよう」


ハーシェルヒルムの誕生祝いの夜会の件を締めると、次は、ジェラルドが重々しい話を軽口の様に言う。顔にはどす黒いものが見えるのでかなり怒っているようだとジャネットとオリヴァーは苦笑する。


「そうか。わかった。イヴ様は、最近3回ほど毒の入ったものを渡されている。事前に防いでいる」


「徐々に弱る薬ですか?」


「あぁそうだ。即効性は今は困るのだろう。侵入経路がちぐはぐであるため、容疑者は5人いるがまだ絞り込めていない」


「そうか。5人かもしれないから絞らない方がいいかもしれんぞ。宰相があちら側だからな」


「あぁ。そうだな。その線もあると共有しておこう」


ジェラルドの話を終えると、次はジャネットがリシュエンヌは周辺の話を始める。


「リシュ様は、離宮の整えが7割完成しています」


「はっ早な!」


「ベティ様、ディー様の御助力によってかなり。ベティ様は外国の文化にお強いですから」


「流石、商業都市テイラー領の次期管理者だな」


「各家の御用達の商家の方も人の往来増えています。もちろんあの商家も使っています」


「もう、入り込んでいるかもしれないな」


「そうだな。目星は付けているのか?」


「テイラー家の使用人たちが付いてます。姫様がハニートラップと燥いでおりました・・・」


「「・・・そうか・・・」」


姫様が楽しそうで何よりだとふたりが声をそろえて言うと、ジャネットも苦笑いを返す。続けて、依頼をジェラルドが口にする。


「あぁ。ジャネット嬢。イヴ様がアード様に会いたいとディー様に伝言を頼めるか?」


「分かりました・・・どのように呼びましょうか」


「ディー様の護衛打診は次の呼び出しに置いておきたい」


「・・・・・・そうですね。レメ様とご一緒に、ベティ様のお手伝いに来ていただくのはでは?」


「その場に、統括であるイヴ様が確認しに行くという事か、いいな!」


情報交換が一通り終わる頃、今来たばかりであろう騎士仲間が近づいて大きな声量でオリヴァーを呼ぶ。3人は身体をビクッとさせて振り返るとそこには、他の隊の騎士仲間の先輩が凄い速度で近づくて来て開口一番オリヴァーに突然質問をする。


「おう!オリヴァー卿!最近、美女とデートしてるそうじゃないか!とうとう身を固めるのか?」


ジェラルドとジャネットは、声を出しそうなほど驚くがオリヴァーは淡々とした調子で返す。


「あぁあれは・・・従妹だ」


「そうなのか?だったら紹介しろよ!かなりの美女と聞いたぞ!」


「いやっあれは、まだ幼い。来年度から学園に通うので王都に出て来ている」


「そうなのかぁ!残念!美女と聞いてたが美少女かぁ~さすがに学園入学前はダメだなぁ~その子のお姉さんとかいたら紹介してくれ!んじゃ俺は先に!」


自分の言いたい事だけを言って走りさる同僚をオリヴァーは白けた目で見送りながら、ボソリと独り言ちる。独り言でも周りには、ジャネットもジェラルドもいるのでもちろん反応される。


「その子の姉はリシュエンヌ殿下なのだが・・・・」


「「????」」


「あぁ。ハーシュ様が女装しいて情報収集している」


「あぁ。ハーシュ様ですか!きっと美しいでしょうね!」


「どこ行ったんだ?」


「あの商家の隣の評判いい菓子店だ」


「あぁ!評判の店だろう?その菓子屋はうまかったか?」


「あぁ。うまかったぞ」


「いいな。俺もグレーテを誘って今度行こうかな」


「いいわね!私も行きたいけど、エルは甘いもの苦手なのよねぇ~あの顔で」


妹とデートだと楽し気なジェラルドの隣では、弟は誘えないわねとがっかりした顔のジャネット。そんなジャネットにオリヴァーが声をかける。


「俺と行くか?また食べたいと思っていた」


((???))


ジャネットの気持ちを知るジェラルドも、ジャネット自身も驚きで目を丸くするが、この機会を失っては困ると内心大慌てだが、それを悟られないように必死で声を落ち着かせて言葉を絞り出す。


「えぇ。是非・・・行きたいわ」


「あぁ。行こうか。しかし、とりあえず殿下の誕生祝いの夜会が終わってからか。もしくは再度監視が必要なら同行をジャネット嬢に頼んでいいか?そろそろ殿下も忙しいだろう」


「えぇ!もちろんよ。任務で行くのも大丈夫だし、この件が終わってからプライベートでゆっくり行くのもいいわよ!」


「あぁ。ゆっくり楽しむのもいいな。だが、任務で行くとケーキ代は殿下持ちだぞ?」


ニヤッと悪戯っぽく笑うオリヴァーの珍しい顔の不意打ちにジャネットは顔を真っ赤にする。それに、慌ててオリヴァーがジャネットの両腕を掴み走るのを止めさせ、ジェラルドも止まる。


「ジャネット嬢。やはり速かったか?」


「え?早くないわよ。いつでも大丈夫」


「いやっ顔が赤いぞ。少し休め。水は持ってるか?」


「え?あっ!そうなの?それは、駄目ね・・・。水・・・持てるわ・・・あぁ。でも私、先に・・・戻るわね・・・」


「あぁその方がいい。配慮できずすまない」


真摯な態度で眉尻を下げてすまなそうな顔のオリヴァーの後ろでジェラルドが、顔を口を抑えて小刻みに揺れているのが分かったジャネットはさらに顔を赤くする。


「えぇ。ほら!二人は行って。私は訓練所へ先に戻っておくわ!」


「あぁ。しかし、ゆっくり。無理はしてはダメだぞ」


「そうだぞ!気を付けて前を見て歩くんだぞ!」


眉を顰め注意するオリヴァーにコクコクとジャネットは頷き、ニヤニヤと顔を緩めながら注意するジェラルドをキッと睨みつけて訓練所へと戻った。

拝読ありがとうございます。


 ~登場人物~

【愛称:ジェーン】ジャネット・イーストン子爵(17)【リシュエンヌ 側近(騎士)】

ナサニエルの双子の姉 イーストン家第二子(長女) 髪:ピンク 目:赤


オリヴァー・ミラー騎士伯(25)【ハーシェルヒルム 側近(騎士)】

ミラージュ子爵家五男。 髪:黒、短髪 瞳:明るい茶色


【愛称:ジル】ジェラルド・ハリス伯爵子息(19)【イーヴォイェレミアス 又従弟/側近(騎士)】

ハリス伯爵子息二子(次男) 髪:銀、ロング(王子どちらの影武者もできるようにあえて延ばしている) 瞳:紫

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