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1522_うしろの、おばけ、背後霊。

 幽霊という発想は、画期的であったのではなかろうかと、人格が残るわけでございまして、ある意味死後何も残らない恐怖に対しての、いや残った方が怖いのではなかろうかという反逆的なものであるのではなかろうかと。半端に永遠と残るよりは未練なく成仏した方が良いのではなかろうか、とか、昇天でも構いませんが、綺麗に消え去る方が幸せであるという発想に至る展開は、良い発明であったのではなかろうかとかぼんやりと想像しつつ始まる今日のゴブリンでございます。


 いつまでも寝ないでいると、おばけが来ますよ、と言いまして、鏡で驚かせると逆に興奮して寝つきが悪くなるという罠がありますね。今日も元気可愛いですな。


 恨めしいから残るのでありまして、それは基本悲しいことであり、不利益の塊であることには違いなく、不幸の象徴であるとも言えるわけでございます。さらには対抗手段に乏しく、正しい知識というものがどこにあるのかが見えにくいという弱点もあるわけでございまして、遭遇すると厄介な現象ではあるわけでございます。


 だいたいにしてそれは見間違いとか勘違いとかに分類される錯覚とされるわけでございますが、それを感知するに至った精神状態やら環境やらにむしろ問題があり、それを速やかに解決することが求められる場合もありそうでございます。感じる対象に問題があるのではなく、感じるようになった観察者に問題があるのである場合が、あるのではなかろうかなという感想でございます。


 肉体はすでにないのであるからして、思いだけが残り、死後の人格を形成しているという発想は、結構大胆であり、それでいて違和感を感じさせない自然な論調であったのではなかろうかな、と、それを発言し始めた方は、かなり技術の高い話術の使い手であった可能性があったのであろうかなと、予想するわけでございます。


 なくなってしまったらそこでおしまいであるから、生きている間に、楽しめるだけ楽しんで、先にはつなげなくても良いので今を大事にしよう、わがままに行動しよう、というような動因を抑制する仕組みとしての、幽霊、と申しますか、死後に人格が残り、あれやこれや不具合が発生するというやり口は、上手に作用していたのではなかろうかなと予想するわけでございます。


 それが存在しないのではなかろうか、とか、観測がなされないのではなかろうかとか、知恵をつけてきた流れになったことが不幸であったのか、もしくは、いいように魂の不滅を利用してきた体制側におごりがあったのかどうか、は、定かではございませんが、一定数の方々が、現世は現世でしかなく、来世も死後のそれも、存在しないことを確信してしまったが故に、刹那的になってしまった、という流れも存在するのであろうなと予想するわけでございます。


 功罪はともに裏表の存在でありまして、見方を変えているだけとも言えるわけでございますが、簡単に誘導できなくなった上に、個人個人の影響力が大きくなってしまった、半端な状態に社会があるのではなかろうかなとか、予想するわけでございます。知識と行動範囲との均衡が崩れてしまっている、のであろうかなという想像ができるわけでございます。


 予測不可能な情報の流れを擬人化して、それが幽霊のようなものである、とか死後の意識に近しいものであるという定義を、新しく唱えることによって、擬似的に良心を外付けにして備えてみるというやり口は、ありそうでございまして、実質現状そうなっているとみなせる場合も観察できるのではなかろうかと想像するわけでございまして、なるほど、幽霊が囁いているという言葉は言い得て妙であるな、などと感心しておしまいです。


「死後の世界を肯定しない宗教もありますね」

「今に利益を得ようとするならば、今の不利益で制御するわけです」

「足跡を残すことを是とする発想は、健全ではありますな”旦那様”

 どう転んでも利益が出ない人格が暴走することはありそうですな”奥様”」

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