スライムとゴーレム
毎日はやってくる。誰かが求めていたわけでなくとも。平等に。
朝露が木の葉を濡らしている頃、二匹のスライムは、まだ知覚をとじたままだった。
ふと、二匹のスライムが眠る木の近く、何の変哲もない地面がのそりと浮かび上がる。
否、それは巨大なゴーレムだった。天に届こうかという大きさ、スライムとは比べるまでもないほどの巨体だった。
「あんれぇ、こんなところにスライムなんていだっげがなぁ?」
ゴーレムは、大きな頭を大きな手で掻きながらそう言った。
「ん、ぅん・・・?」
ゴーレムの声が大きかったせいか、プルーが知覚をぼんやりと広げ始める。
「?・・・ぇ?」
そして、目の前で木のうろを覗き込んでいる巨大なゴーレムと知覚があった。
「よぉ、おめぇいつぐれぇからここにいんだぁ?」
ゴーレムは以外と気さくに声をかけた。
だがしかし、プルーは取り乱した。
あたりまえである、自分より巨大な何かが寝起きにこちらを覗き込んでいるのである。端的に言って、恐怖しかない。プルーはいそいで、ルゥーを起こしにかかった。
「ルゥー起きて、やばい、なんか、やばいよ!」
プルーはスライムボディをルゥーのスライムボディにあてながら、プルプルする。
「いや、ちげぇ、別に驚かすづもりも、ましてや、襲うつもりもねぇ!」
ゴーレムは慌てながら、そう弁明した。
「はっ、ど、うしたの?!プルー!」
知覚を閉じていたルゥーもプルー以外の声を聞いた瞬間、知覚を覚醒させた。
そして、ゴーレムを知覚する。
「!」
ルゥーは、ゴーレムを知覚してすぐに膨らみ始め、臨戦態勢に移行し始める。
それに何か嫌な予感を感じたプルーが、スライムボディを揺らしながら止めに入る。
「まって!ルゥー!この人?は敵じゃないみたい!」
そんな一触即発?の朝を終え、昼ごろまで二匹のスライムと一人?のゴーレムの会話は続いていた。
「おめぇさんたちはもともと一匹のスライムだったんか?!」
ゴーレムは驚愕していた。
「そっ、なんか分裂?したら、ルゥーがいたんだよね」
プルーはスライムボディを愉快に揺らしながら、答える。
「おれは気が遠くなるほど生きてきたがぁ、元の個体のスライムと分裂した方のスライムが全く別の自我を持つなんて話は、聞いたことがねぇなぁ」
せがいってやつは、ひれぇーんだなぁ、そう付け加えてゴーレムは感心する。
「そういえば、ゴーレムさんはいつのまにここにいたの?」
「それは、おれがお前さんたちにききだがったことだがぁ、まぁいいが、おれはずっとここにいだよ、厳密には土と同化してたんだぁ」
「えっ、普通のゴーレムって土と同化できるの?」
「いやぁ、普通はできねぇとおもう、が、おれはむかしっからいきてっから、できる?ようになったみてぇだ」
「へぇ〜、すごいねぇ〜」
プルーは尊敬の眼差しを、ゴーレムに向ける。
「いや、別にそんなすげぇもんでもねぇよ」
言葉はぶっきらぼうだが、ゴーレムは頭を掻きながら、照れていた。
そして、
「仮にも、おれは魔王だからなぁ」
極大の爆弾を投下した。




