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第2章 サプライズパーティー



「ここが俺の家だ」


そう言って家を軽く紹介し扉を開けるカイト。


シーーーン


「あれ?家の明かりも付いていないし、誰もいない」


「嘘だぁ、おばさんに言ってあるんだろ?」


「うん、、ちょっと待っててくれみんな」


カイトとルフトが家の中へと入っていくも、何も音が聞こえない。


「カイト?、、ちょっと変ね様子を見てくるから待ってて」


「え、、なんか危ない空気?」


返事のないカイトとルフトを探しに家へと入るスカーレットを見て、ラゼッタが不穏な空気を感じる。


そしてスカーレットが家に入り10数秒後...


「キャアッ!!!」

ガキィン!!


「金属音!?スカーレット!」


「少しまずい事が起こってるのではないですか!?」


「あたしが先に入るから2人は後ろをお願い!」


ラゼッタが槍を取り出し先頭をあるき、セニカとシエルが後衛で剣を構える。


フッ!


バタン!!


家の中へと全員が入った瞬間、魔光石の明かりが消え、扉が閉まる。


「しまっ!」

パァン!!!


「キャアッ!!」


「シエル!」


「ちょっ、エリー!早いって!」


ブワンッ!


シエルの叫び声と共に部屋中の魔光石が照らされ、ラゼッタ達の目の前にはカイトの家族とミル、ミア、そして先に家に入った3人がしゃがんだ状態でカイト特製クラッカーを一斉に放った。


パァンパパン!!


「あ、ちょっ」


「「「ラゼッタおねーちゃん、シエルおねーちゃん!ゆうしょーおめでとう!!そしてセニカおねーちゃん、おたんじょうびおめでとう!」」」


ミル、ミア、エリーゼ、アルトがクラッカーの後、大きな声で2人の優勝と、セニカの誕生日を祝う。


パァン!

「ははっ、取り敢えず大成功か?」


エリーゼが一足先に放ったクラッカーに注意をしていたら明かりが付いてしまい、送れてクラッカーを鳴らし、サプライズドッキリの成功を祝うカイト。


そして当の3人は何が起きたかわかっていない様子でポカーンとしている。


「え、、ちょっと、、どういうこと?」


「、、皆さん隠れていたのですか?」


「、、はは、みんな襲われたと思った〜」


腰が抜けその場に座り込むセニカに続きシエルも腰が抜ける。


「さぁさぁ!ご飯はできてるからみんなで食べましょ!ルミラとカイトは手伝ってちょうだい」


「あ、私も手伝いますカミラさん」


「私も何かできることがあればやります!」


セニカとシエルが手を挙げて手伝いを申し出るがルフトが2人の前を遮る。


「今日の、、主役は、、君達なんだから、、手伝い無用でハイ!」


1人ずつにアルト、ミア、ミルと手作りの王冠を渡し、リビングのソファーに3人を座らせる。


「か、かわいい」


ミアの柔らかいマシュマロの様なほっぺを触りながら癒されるシエル。


「すごく可愛いよね、カイト達の妹と弟って」


ラゼッタが頭に乗っているルフトの腕を支えながら器用に遊んでいる。


「スー!エリーと遊ぼー!」


「いいわよ、今日は何して遊ぼっか?」


何故か親しいスカーレットとエリーゼを見て、器用にヘアゴムでミルの前髪を括っておでこを出してあげながら口を開く。


「スカーレットはどうしてエリーゼちゃんとそんなに早く仲良くなれたの?」


「昨日カイトに家に呼ばれて今日の作戦会議している時に仲良くなれたの、凄く人懐っこくて子供が苦手な私でも仲良くなれたわ」


スカーレットからエリーゼに目を流すと、膨れっ面でそっぽを向くエリーゼ。


「こらエリーゼ、客人に失礼な態度を取ったらダメだろう?」


「むぅ〜、ほっぺをつねんないでねーね」


「すまないセニカ、カイトを取られたと勘違いしているうちの妹の無礼を許してやってくれ」


食卓にフォークとスプーンを並べ終わり、台所に向かう途中に見たエリーゼの失礼な態度を謝るルミラ。


「いえいえ、とても可愛らしくて好きですよ私はエリーちゃんのこと」


「ふんっ、いこ!スー!」


まだまだ仲良くなれるには時間が必要だと感じるセニカであった。



ーー数分後


「よしっ!これで食卓に揃ったわね!」


       カミラ

カイト           ルフト

エリーゼ          アルト

スカーレット        ラゼッタ

セニカ           ミア

ミル            シエル

       ルミラ


各々が席に着き、乾杯の音頭を幹事であるカイトが取ることになった。


「えー、取り敢えず先にみんな闘技大会お疲れ様!みんなそれぞれ大会の結果に不満などあると思うけど、今日は取り敢えず一旦置いといて、また明日から頑張りましょう!シエル、ラゼッタ!優勝おめでとう!そしてセニカ!ハッピバースデー!かんぱーい!」


「「「「かんぱ〜い!!!」」」」


それぞれが手にするグラスをぶつけ、大会の健闘、優勝、誕生日を祝い、パーティーが始まった。


「わぁ〜何これ!美味しいぃ〜」


ラゼッタがカイト特製の串焼きを頬張りながら至福の表情を浮かべる。


「スー!あれ取ってー!」


「はい、熱いわよ?ふふ」


「エリーゼ、スカーレットちゃんに頼まないで自分で取りなさい?」


グラタンの様な食べ物を大きなスプーンで掬いエリーゼの皿に乗せ、熱が覚めるよう必死に拭くエリーゼを見て微笑むスカーレットを見て微笑むルフト。


(可愛いなぁ〜、将来子供が出来たらああ言うふうに育てるのかなぁ「ぶほぉっ!」


突如飛んできた骨に首が飛んでいきそうになるルフト。


「スカーレットを見ているその眼差し、気色悪いぞルフト」


「いてて、、勘弁してくれよルミラねえ」


「あんたが悪いんでしょ?そんな目で見られたらスカーレットも食べにくいわよ」


頬を摩るルフトにラゼッタが追撃する。


『カイト、俺様にも串を寄こせ』


「ふいっ」

ポイッ


体から光の玉となって、やがて人型の小さな妖精の様な姿で現れたアッシュに串を放り投げ、空中で口を使いキャッチするアッシュ。


「こらカイト、アッシュはペットじゃないんだし、食べ物を投げたらダメでしょ?」


「あしゅー!」

ポイッ


「あ!ほらアルトくんが真似したじゃないカイトー!」


カイトの真似をして手で掴んでいた野菜を放り投げるアルトを見てラゼッタがカイトを叱る。


「へへへ、、真似しちゃダメだぞアル〜」

「へへへ〜」


申し訳無さそうに笑いながらアルトに注意し、それをまた真似るアルトであった。


「ミアちゃん、はいあーん」

「あー」

パク


(んーーーー!!本当に可愛い!)


自分が掬った野菜スープを美味しそうに足をバタバタさせながら食べるミアを見て、どうしようもない癒しさと可愛さで、頬を赤らめながらギュッとミアを抱きしめたくなるシエル。


「あ、ミルちゃんそれ辛いよ!」


パクッ

「んーーーーー、、」


口に含んだピリ辛の肉炒めをセニカが目を離した隙に、セニカの皿から取って食べ、辛さのあまり泣きそうな顔で吐き出すのを我慢するミル。


「ほらミル!吐き出せ」


「早く水をお口の中でグチュグチュさせて」


ルミラが差し出した手に吐き出し、急いでセニカが自分のコップの中にある水をミルに飲ます。


「ははっ!偉いなミル!よく食べ物をすぐに吐き出さなかったな!ほら」

『ヒール』


「どうだ?」


カイトが席から立ち上がり、ミルを撫でて褒めた後回復魔法を使い痛みを消す。


「だいじょうぶー、ありがとカイトにぃ」


「よし!そろそろみんな食べ終わったか?」


テーブルの上にある食べ物の量と、スプーンとフォークが止まったみんなを見て、カイトが調理室に向かった。


その間にルミラとカミラが片付けられる物は片付け、数分後、液晶テレビ大の大きな箱を持って現れたカイト。


「よし、、それじゃあルフトはそっち側を持って、いっせーのーでで開けるぞ?」


「なんだなんだ?」


「いっせーのーでっ!」


「「「「うぁ〜!」」」」


箱の蓋を開けるとそこにはスクエア状であらゆる国から仕入れた果物で施した装飾とシエル、ラゼッタ、セニカへのお祝いの言葉がチョコソースが書かれたフルーツケーキであった。


「どう!?俺とシュリカおばさんの制作期間丸1日の自信作!」


ゼリーで様々な形でコーティングされた果物に目を奪われた一同。


「感想は良いからは、早く食べましょ?」


甘いものに目がないスカーレットが、珍しく自制を失いかけた眼差しでフルーツケーキを見ている。


「切り分け担当ルフトくん!」


「ほいよぉ〜!」


『カマイタチ』


スパパパパパパッ


魔力を極力抑え込んだ風刃で綺麗に正方形の形で人数分切り分け、風魔法でそれぞれの皿へと運ぶ。


一口食べると一斉に全員の頬が緩み、満悦の表情を浮かべる。食事後とは思えないペースでケーキが全て女性陣によって平らげられた。


「はぁ〜食べた食べた!」


満足そうにお腹を叩くラゼッタに、ミルとミアも真似をする。


それからも片付けをしながらリビングで談笑して過ごす一同。


「セニカ〜、ちょっといいか?」


カイトが自分の部屋からセニカを小声で呼んで手招きし、セニカがカイトの部屋に入る。


「どうしたの?部屋なんかに、、まさか、、」


「いやいや、襲わねぇって」


「それはそれでなんか嫌だなー」


「正解のない試練を出すんじゃない、ゴホン、それより」


軽くツッコミを入れた後、仕切り直し改めて真面目な顔になるカイト。


「いきなりそんな真剣な顔するって事はもしかして本当に、、」


「目を瞑ってくれ」


「え、ちょっと、、近いって」


「いいから」


「わ、、分かったら、ちょっとだけ後ろにいってよ」


カイトに近づかれ、頬を赤らめながら覚悟した様に目を閉じるセニカ。


「両手を出して」


「両手?は、はい」


ガシャ


両手に重みを感じ、即座に目を瞑ったまま何かを当てた。


「これは、、剣?」


目を開けると両手には、剣身が鞘に入った獅子の横顔の柄が装飾された剣が置かれていた。


「これって、、?」


「プレゼント、愛剣」


「え!?でもこれはカイトが行商団で買った高い剣でしょ!?貰えないよそんなの」


カイトの放った言葉に急いで返そうとカイトに押し返してくるセニカ。


「いいからいいから、ちゃんと理由があっての事だから」


ひとまずセニカを落ち着かせて、ベッドに2人で座り、セニカの説明をする。


「まず渡そうと思った理由が2つあって、1つは俺が今愛剣の制作を依頼してる人がいて、ちゃんと今年中には手元に届くから、そん時に使わなくなるからと」


「もう2つ目の理由は、その剣の特性が俺の戦いには合ってなくてさ」


「特性?」


「そう、この剣を打った人が今俺が愛剣の制作を依頼している人で、その人が言うにはこの剣には魔力を吸収する能力があるらしく、吸収した魔力の属性によって能力が変わるんだ、例えば風は重力が変わって重くなって、火は刀身を赤く燃やして敵を溶かし、水は刀身の表面に氷を付着させ、いなしの精度を上げ、土は剣を硬くするんだ」


「へぇ〜、そんな特性があったんだね」


「あぁ、なにせ5つの魔鉱石から作り上げた剣らしいからな、大事なのはその特性のデメリットだ、風は纏いすぎると軽くなりすぎて剣に重みがなくなり、受け止めにくくなるし、火は熱し過ぎると持てなくなるほど高温になり、水は凍えすぎると攻撃を受け止めるときに支障がきたされて、土は剣の重みが増えて剣を振るう速度が落ちるんだ。」


「それが私とどう相性がいいの?」


「俺には戦いの最中、繊細な動きや思考ができる程器用さがない、セニカはそう言うの得意だろ?手数の多さが増える程セニカは強くなれるって師匠が言ってたし、さっき言ったデメリットには続きがあって、火と水に関しては遂になる魔力を流し込めば調節できるんだ」


「火と水に特性のある人になら尚更、、」


「そう、ピッタリだろ?この説明を聞いた瞬間即座にセニカを思ってあげようと思ったけど、こんな値段の高い剣特性が合ってるっていう理由だけで受け取ろうとしないだろセニカは?だから誕生日プレゼントっていう形で受け取って欲しいんだ」


鞘から純白の刀身を取り出し、眺める。


「手入れもすごい丁寧にされてて、、本当に貰っていいの?」


「うん!もらって欲しいんだ、使えない奴が使うより、使える人が使った方が剣も喜ぶだろうし」


「ありがとう、、今年の2月に私があげたお財布と比べると申し訳なっちゃうなぁ〜」


「おい、そんなこと言うなよ、俺はすっごくめちゃくちゃ死ぬほど嬉しかったんだぞ!?セニカの手料理も食べられたし、もうあの日が今まで送ってきた誕生日の中で一番嬉しかったからな!それにプレゼントはどれだけ高い物をあげるかじゃなくて、その人が本当に喜ぶ物を渡す物だ」


「あはは、そう言ってくれると安心する、ありがとうカイト、大事にするね」


剣を鞘にしまい、カイトと抱擁をし、ちょうどその時気配を感じたカイト。


「いいとこなんだよ、どっか行けお前ら」


ドッ

タッタッタ


ガサッ

サッサッサ


部屋の窓の外や、廊下から走り去る音が聞こえ、一連を見られたと今気づいて頬を赤らめるセニカに唇をゆっくりと重ねる。


「素敵な1年を今年も一緒に過ごそう、、」


「うん」


そしてこの日は夜明けまでパーティーが続き、寝不足のまま、次の日のスペシャルマッチの会場へと足を運ぶ一同。



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