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第2章 闘技大会予選Ⅱ


1回戦、カイト×オルグvsメルト×タリカ


「始め!!」


メルトとタリカは試合開始と同時に、氷の大剣と、薔薇の剣を取り出し、カイトに向かって走り出した。


「いきなり俺か、、上等だ」


『纏雷』


身体能力を飛躍的に上昇させ、走ってくる2人を迎え撃つカイト。


『一輪花・花灯』


タリカの掲げる剣から即座に目線をはずし、目眩しを回避する。


『アイスウェイブ』


目線を逸らした瞬間を狙って、メルトが大剣を横に斬り払うと、波のようにうねる氷がカイトを覆う。


『絡み蔓』


ズッ!

「うおっ!」


右足を一歩前に出し剣を振ろうとした途端、出そうとした右足に蔓が絡まり、バランスを崩すカイト。


『闘岩刃』


ガキィン!


カイトの背後からオルグが闘気の刃を飛ばしメルトの斬撃を相殺し、カイトの目の前に着地する。


スパッ


「大丈夫か?」


「あぁ、、ナイスフォロー」


『氷突』


メルトが頭上から剣先をカイトに向け、直角に突進する。


「任せろ!」


ガキィン!!


「はぁ!?生身で止めただと!?」


メルトが自身の放つ渾身の突きを、オルグが刀身を両手で掴み止める。


「そのまま掴んでろオルグ!」


『撫雷』


『一輪花・石花』


動きを全身で止められているメルトの頭上からカイトが、扇状に広がる雷をメルトに放つが、寸前のところでタリカが受け止める。


『一輪花・燕子花』


「くそっ!」


すかさず、オルグに4連撃を放つも、剣を離したオルグに距離を取られ、立て直す両者。


「しぶといな、流石に」


「どうする?」


「プランAのままで行こう、次はあれでケリをつける」


「分かった、囮を続ければいいんだな?」


「あぁ!行け!」


オルグがタリカとメルトに向かって走り、後に続くカイト。


「悪いがもうケリを付けさせてもらうぜっ!」


「っ!?まてオルグ!」


メルトとタリカの放つ雰囲気に全身が警笛を鳴らしていたのでオルグを呼び止める。


「どうした?」


「あいつら、とんでもねぇ技を使うつもりだ、、」


「それじゃあ今すぐ止めにいかねぇと!」


「いや、ここは俺のやり方でやらせてくれないかオルグ?」


「やるってどうやって?」


オルグの前に立ち、両手を反対側の脇に持っていき、腰を落とすカイト。


「新技で正面からねじ伏せる!それが礼儀だ」


「いやいやいや!あいつらの構え見ろって!どんどんやばそうな雰囲気なってんぞ?」


「いいから黙って見てろって、これが無理だったら優勝しても意味ねぇ、、全部何からも逃げずにねじ伏せて、優勝して、全員黙らせるんだ」


やがて背中を合わせながら霞の構えをとっているメルトとタリカからが凍てつく程強大になった魔力が押し寄せてくる。


そして何も握っていないカイトの左手には、淡い光に輝く刀の形をした闘気が現れていた。


カイトから距離を取り、その瞬間が訪れるのを固唾を飲んで見守るオルグ。


ピキンッ!

『アブソリュートローズ』


メルトとタルカは同時にカイトに刺突を放つと、2人の握る剣の刀身から、露草色の剣閃がカイトに向かって真っ直ぐ飛んでいく。


カイトに向かっていく剣閃は、周りを凍らせながら進み、オルグにはそれが正面で見えていて、まるで一輪の薔薇が真っ直ぐ飛んで来ている様に見えた。


そして全てを凍らさんとする剣閃が自身に近づき、凍てつく風が肌を突くも、冷静なカイト。


ブゥンッ


カイトの姿が一瞬消え、次の瞬間。


『非天・刹界』


ドォォォォォォン


露草色の剣閃の前に現れたカイトが、したから交差させながら剣を切り上げ、ぶつかり合った瞬間に衝撃波と冷気が訓練所を駆け抜ける。


「ぐんぬっ、、、」


ギギギギィ


両者の威力はほぼ互角で、ややカイトが押されている状況。


「この技が止められるなんて、、」


「いいから集中してっ、メルトっ!」


「んぬぅううううりゃああああ!!」


ガキィン!!!!

ガァン!!!


何とか力ずくで剣閃を頭上に斬り上げる事に成功したが、凍傷と寒さで剣を握る事、闘気を保つ事すら出来ないカイトは、残りの力を振り絞り、2本の剣を振り下ろそうとする。


ガキン ブゥンッ


しかし直前で手に力が入らなくなり、カイトの視界がボヤけ、剣が手から抜けていき、闘気の刀も消えた。


「今だタリカ!」


「うん!」


グラッ


よろけるカイトを見て、タリカとメルトがトドメを刺そうと一歩踏み出した瞬間、カイトと同じように視界のぼやけと脱力感が同時に2人を襲った。


そしてその隙を一瞬も見逃さずオルグが手を掲げた。


『ロックインパクト』

ピタッ


メルトとタリカの頭上から突如現れた、バランスボール大の岩石2つがメルトとタリカの頭のギリギリで寸止めされる。


「そこまで!」


ヴァイスの掛け声とともに、一気に地面に倒れ込む両チーム。


「ふぁ〜!後もう少しだったなー!」


「思った以上に魔力使ったもんだから、もう動けないあたしー」


「ほら、大丈夫か2人とも」


カイトはすぐさま自力で立ち上がり、オルグがタリカとメルトに歩み寄り手を伸ばす。


「いい勝負だったな俺たち!」


「本当だよ、タッグマッチだから味わえるよな、こんな充実した戦い」


メルトの言葉に笑みを浮かべて答えるオルグ。


「大丈夫かー2人ともー?」


「よくあたしたちのとっておきを真正面から受け止めて無事いられるよね、、はぁーあ、なんか差が遠いんだか近いんだか、、」


「いやいや、実際危なかったぜ?見ろ、凍傷で全身傷だらけだし、剣を握る力すら奪われたんだからスゲェって!」


「えっへへ〜、だったらよかったわ!」


準決勝を勝ち抜いた事により、カイトたちの本線進出が決まった。


そして準決勝2回戦...


セニカ×メイダvsアルベルト×グレイル


両チーム緊張した面持ちで整列する。


「始め!!」


ヴァイスの掛け声が発せられるが、誰も動かない。


そして5秒後、先に動いたのはアルベルトの方だった。


『飛走』


空中を蹴りながらセニカ達に近づくアルベルト。一方グレイルはその場から動いていない。


「2人で行くよ!メイダ!」


「うん!」


『四ノ劔・御劔の舞』


『黙想六花』


キキキキィン!


空中でアルベルトを取り囲んだ4本の魔法剣が同時に斬りかかるが、全て叩き斬るアルベルト。


しかしセニカの攻撃は囮で、技の隙を見つけたメイダがテレポートでアルベルトの頭上から現れ、剣を構える。


『エレメントスラッシュ』


空間の存在する微精霊を剣に集め一閃。


シュインッ!

スッ


空中で体を捻りメイダの剣をいなし、追撃を行うが2人の間に1本の魔法剣が高速で横切り、やむなく着地するアルベルト。


『流刃閃』


『八十八夜』


ドォンッ!


3本の魔法剣とアルベルトの放った無数の斬撃がぶつかり合い爆発する。


(まずい!メイダの姿が、、)


突風を発生させ視界をクリアにするも、アルベルトとグレイルがメイダを地面に押さえつけ、剣を向け、1本取られる。


「2対1か、、やってやろうじゃないの!」


『ファウスト流』


ファウスト流剣術の構えを取った次の瞬間、アルベルトが頭上、グレイルが一瞬でセニカの目の前まで現れた。


『鬼哭』

『砕天』


『明鏡止水』

シュキンッ!!


同時に2人の攻撃を華麗に受け流し、流れる様なキレのある動きで、次の攻撃に転じる。


『九十九夜』


ガキィン!

キィン、、ドォン!!


3本の魔法剣がアルベルト、1本とセニカ自身がグレイルに向かって刺突攻撃を行い、アルベルトが何とか闘気に剣を纏わせガードしたが、グレイルがセニカの剣を受け止め切れず吹き飛ばされる。


『青天四山』


アルベルトに握られた剣に青いオーラが纏う。


『黒閃』


キィンッ!!


アルベルトの高速の刺突攻撃を見切り、受け止めるセニカ。


『閃双』


攻撃を受け止められるも、素早く次の攻撃に移るアルベルトは、左右からの同時とも言えるスピードで斬りかかる。


『黙想六花』×『冥城天下』


ドォン!!


しかしその攻撃すらも見切り、4本の魔法剣がアルベルトを囲んだ形で生成され、同時に振り下ろされ、轟音が訓練所内に響き渡る。


「くっ、、お前たちにはやはり遅れをとっているな、、」


砂煙から抜け出し、息を切らすアルベルト。


『星回不天』


砂煙からから現れた6本の魔法剣で形作られた手裏剣がアルベルトに向かって飛来する。


しかし、アルベルト何もせず、剣をゆっくり構える。


『刹鬼道』


ブゥン!!

バキィン!!


アルベルトの周りに赤いオーラが現れ、軽い一振りでセニカの魔法剣を破壊した。


『捌ノ劔・水流大蛇』


一本一本が160cmぐらいある本来の魔法剣の3倍大きい魔法剣が8本同時にアルベルトに向かって飛翔する。


ドォン!!


地面をえぐりながらステップして消えるアルベルト。


バキィン!


次の瞬間には1番アルベルトに近い魔法剣が破壊されていた。


(思った以上に速い、、ていうより速すぎる)


想像よりも速いアルベルトの動きに一瞬戸惑うも、すぐさま気持ちを切り替えるセニカ。その間にも8本あった魔法剣は半分まで減らされており、即座に2本を四散させ、残りの2本を分解し、6本の魔法剣を生成する。


『陸ノ劔・無明』


真っ直ぐ走ってくるアルベルトを取り囲んだだ6本の魔法剣が別々のタイミングでアルベルトを突き刺しにいく。


『鬼踊り』


色んなタイミングdw飛んできた6本の魔法剣を全てひらりと避け切るアルベルト。


(1本も擦りもしないなんて、、)


『陽炎水の月』


手に持った精霊レオの属性である光の炎を纏った剣と、5本の魔法剣が五角形の形を作り、高速で回転しながらセニカの背後の空中で停滞し、アルベルトに身構える。


『鬼威』


姿が捕らえきれ無いくらい速く動くアルベルトの赤く光る剣を目の前まで来てから、ギリギリ目で捉える事が出来たセニカ。


ガキィン!!!


(んっ、、重すぎる!)


背後の5本ある魔法剣を使いながら受け流そうとするもいなし切れず、鍔迫り合いを強制的にさせられ、押されるセニカ。


ガクンッ!


シュイン!

キィン!


押されるならあえて力を抜きアルベルトのバランスを崩しその隙に一閃、セニカの高速の剣閃がアルベルトの腹部を捉えたかと思いきや、早送りの様な動きで攻撃を防ぎ、剣を手から離すアルベルト。


ガァン!

ジャキッ!


剣を手から離した動作に一瞬セニカが戸惑い、隙が出来たところを、またも早送りな動作で足払いをかけられ、バランスを崩し地面に倒れた所を、空中から地面に落ちる途中の剣を再び握り、セニカの首に当てた。


「勝負あり!!」


「はぁ、、はぁ、、、ぐっ!」


戦いが終わった途端、激しく息を切らし、全身に走る激痛に片膝をつくアルベルト。


「アルベルト!」


それをみて咄嗟に支えるセニカ。


「、、すまない、もう大丈夫だ」


「やっぱり諸刃の技なんだね」


「あぁ、一時的に全身のリミッターを外して、集中力を上げる技でな、、呼吸すら忘れてしまうんだ」


「おいおいおい、いつまで女の子に支えられてるつもりなんだぁ?」


カイトが不機嫌な顔付きでいつもの様に煽りながらアルベルトに話しかける。


「フンッ、、次の試合で醜態を晒さない様にお得意の素振りでもしていたらどうだ?」


「馬鹿野郎、あの訳わかんねぇ技覚えたくらいでいい気になってんなよ?んなもん俺がチョチョイのぐおっ!ちょっオルグ!まだ話は!」


「いいから作戦会議すんぞ」


「と、とりあえずちゃんと回復しきってからかかってこいよな!後で技の反動で回復しきってなくて負けましたみたいな言い訳いらねぇぞ!」


オルグに引っ張られながら、訓練所を出て行くカイト。


そしてアルベルトの回復時間がかかり、2時間の休憩を余儀なくされ、2時間後に再び訓練所に集まるクラスメイト。


「一応言っておくが闘技大会本戦の出場チームは決まった、もう一度聞くが戦わずに本戦に挑んでもいいし、戦ってもいい」


「もちろん戦います師匠!」


「俺は戦わずに本戦までに体を休めた方が、、」


ギロッ


「うっ、、戦います」


カイトの眼力に圧倒され、戦う選択肢を強要されるオルグ。


「勿論戦います」


「俺も大会本戦までには体をやす、、すいません、戦います」


こちらも同じようにアルベルトの眼力にやられ、選択肢を強要される。


「はぁ、、互いに苦労してんだなグレイル」


「同情するぜオルグ」


「それでは2チーム真ん中に」


訓練所の真ん中で向かい合う両チーム。


「始め!!」

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