第1章 最後の対決
カッ
『雷走』
地面に小石がぶつかった瞬間、カイトが雷走でガルハートの背後を瞬時に取る。
『遅いわよ』
『ウォートプリズン』
ズパァン!
雷を纏った剣で、自身を閉じ込める水玉の牢獄を破壊する。
『天烈拳』
『アクアスマッシュ』
アッシュの放った闘気の拳が正面からガルハートに向かって放たれるも、ガルハートは同じ様に水の魔力で形作った拳で相殺する。
相殺され弾けた水の中から腕が伸びてくる。
『エアロスラッシュ』
スパァン
『ちっ、隙がねぇ』
一方カイトは中距離から放たれる魔法に苦戦していた。
『タイダルウェイブ』
巨大な津波がカイトを更に奥へと押し出す。
「ぐっ!まともに近づけねぇ!」
『雷貫』
津波に飲み込まれられながらも、一本の雷がカイトの剣を伝い真っすぐセリー向かって伸びる。
『アイスピラー』
数本の氷柱がセリーの手前から生えていき、貫通力の高いカイトの雷を防ぐ。
『テレポート』
セリーとガルハートの間に瞬間移動し、セリーに向かって剣を振り下ろす。
『アブソリュートゼロ』
ピキンッ
振り切る前にカイトの全身が氷結させられる。
しかし少しするとカイトの体からバチンと聞き慣れない音がし、数秒後大量の電気が無差別に放出される。
「ぐっ!」
『んなっ、によこれ、、動けな」
ザッ
カイトの目の前にアッシュが現れ、両手を広げる。
『引常』
アッシュは自身の半径数メートルに闘気を放出し、実体化させ後再び自身に引き戻す。するとガルハートとセリーが闘気に押され、アッシュの方へと引き寄せられる。
『俺様がしてやれるのはここまでだ!後は頼んだぜ!!』
アッシュは真上を見上げ、光の玉となって上空に飛んで行った。
「おう!」
『非天・千切り星』
闘気と先程アッシュが自身の体に戻ってくると同時に渡された全魔力を剣に纏わせ、真下に振り下ろし、巨大な闘気の斬撃を放つ。
「セリー!」
『分かってるわよ!』
セリーの体が拳大の大きさから、171センチさるガルハートの身長より数センチ低い大きさまでになり、ガルハートと共に片手を掲げる。
『エレメントフォース』
大気中の魔力を吸い上げ、セリーとガルハート掲げる掌に収束させる。
『冰槍・グングニル』
ズシュン!!
パキィン!!
ガルハートの放った冰槍が巨大な斬撃を正面から衝突した瞬間、カイトの斬撃が氷となって砕けていった。
ダンッ
字面に着地するなり、ガルハートに向かって闘気の腕を二本出現させ走り出す。
『冰剣・ファーブニル』
二本の冰剣が生成され、回転しながらカイトに襲いかかってくる。
((気を付けろカイト!あの攻撃に触れると瞬時に氷結される!))
((あぁ!))
『闘剣』
カイトは剣に闘気を纏わせ、正面から冰剣を斬った。
すると、氷がカイトの方向に伸びていき、体に触れる前に、剣を捨てる。
『ポケットルーム』
取り出したのは有名な鍛冶師が最後に打ったとされる獅子の柄をした、純白の剣。
『烈拳』
肩に生えた二本の闘気の腕を冰剣にぶつけ、同じく氷が体に到達する前に闘気をトカゲの尻尾切りの様に、闘気を消し、氷を避ける。
『冰鎚・シャルル』
今度は頭上から巨大な冰鎚が振り下ろされる。
「オォラァ!!」
『闘剣』
持っていた剣に闘気を纏わせ、冰鎚を破壊し、すぐに捨て、素手でガルハートの目の前までくる。
「成長したなカイト」
最後に記憶していたのはガルハートの笑顔だった。そこで目の前が暗転し、気が付くと。
ガバッ!
あたりを見渡すと、むすっとしたおばさんがいた。
「ラムカさん?どうしてここに?ってあれ?さっきまでガルハートさんと、、」
「はぁ、、全く相変わらず無茶ばっかしている様だねアンタは」
「ガルハートさんは!?」
「ガル坊なら帰ったよ、カチンコチンに氷結されたアンタを持ってきた後にね」
ラムカの言った言葉で自信がまた負けたと理解したカイト。
「また負けたのかー!くそっ!」
「勝てると思ったのかい?」
「せめて1発くらい攻撃を当てたかったっす」
「まぁ無理だろうね、何せあの子が傷を覆ってる所をあたしも見たことがないんだからね」
「なんか寂しいっすねー、越えるべき目標がいなくなったのは」
「こんな所で世間話なんかするんじゃないよ!アンタのせいで帰れないじゃないか!早く傷が癒えたなら帰んな!まったく」
「もうー、たまには付き合って下さいよラムカさんー、そんなんだからノイド学園長にいつまで経っても好意が伝わらないんですよ〜」
ラムカの額に血筋が浮かび上がり、自信が触れてはいけない爆弾に触れたと理解したカイト。
「出ていきなさい!馬鹿者!あんなおいぼれの話するんじゃないわよ!」
「わぁーー!すいませーん!」
こうしてガルハートとの最後の決闘は1発も攻撃を与える事なく敗北に終わった。
『なんで最後に笑みを浮かべてたのよガル』
「ん?浮かべてたか?」
『うん、まるでロイドと戦ってる時みたいにね』
「そうか?自分では気付いてないだけか、まぁでも確かにカイトと戦ってて楽しいとは思えたかな、なんでそんなに気にするんだ?」
『別に?五星との戦いでもつまらないって言って笑わないアンタが笑ってたからね』
「決めたよセリー、俺冒険者になるよ」
『急にどうしたのよ、お父さんの期待を裏切りたくないって散々、、』
「期待は別の形で返すさ、気が変わらない内に家に帰ろう!」
『ちょっと!どうしたのよ本当にもう!』
その後ガルハートは黎明の劔に入る事となり、そこでも見事な活躍を繰り広げた事はまた別のお話。




