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第1章 闘技大会2日目


=====================


『大会2日目』


1回戦 『槍術科ラゼッタvs弓術科ミロ』

    ×

2回戦 『魔術科レイニャvs剣術科ジュラン』


3回戦 『弓術科ウォルトvs剣術科セニカ』

    ×

4回戦 『槍術科ルフトvs拳術科レツ』


5回戦 『拳術科ウィスvs剣術科カイト』



=====================



『それでは第1回戦ラゼッタ選手対ミロ選手!舞台へどうぞ!』


背伸びをしながら気怠そうに舞台へ上がるラゼッタに眉を潜めるミロ。


「随分と呑気なものですね」


「だってそこまで構える必要ないでしょー」


『始め!!』


試合開始の合図と共にミロがクローンを2体出現させ、左右に散らばり、換装で取り出したボウガンで3方向から掃射する。


ガキィン!


ラゼッタが空間から一本の槍を取り出し、2つに分裂させる。


『双竜槍術・竜旋風』


2つの槍を高速で回転させながら、放たれる魔法矢を全て弾き飛ばすラゼッタ。


スッ


すると突然ラゼッタの懐に、ミロの本体がテレポートし、足に風属性を纏い蹴り上げる。


ブゥンッ

ブゥンッ


二体のクローンから放たれる掃射を対処していたラゼッタは上空にジャンプし、空中で体を捻り勢いを利用し二本の槍をクローンに放ち、クローンを消し飛ばす。


すると真下にいるミロが二丁のボウガンを構え、ラゼッタに向かって掃射する。


槍を持っていないラゼッタは、闘気とドラゴンフォースを発動し、ミロの掃射を正面から喰らいながら着地し、ミロに近づき背負い投げをし、ラゼッタの勝利となった。


「危なかったー」


『勝者ラゼッタ!』


「最後無理矢理持っていったな」


「ラゼッタのあの槍を投げた後の焦った顔面白かったね」


ラゼッタの最初の余裕からの焦った顔にセニカがクスッと笑いながらも、次の試合で準備するジュランを見送る。


「頑張ってジュラン」


「ファイト〜」


「うっし、やるか〜」


肩を回しながら、舞台へと上がるジュラン。


『始め!!』


試合開始の合図と共に、レイニャは魔法陣を自身の真下に展開し、次の魔法の準備に入る。


「その距離で魔法なんて使わせないぜ」


ジュランが緋色に輝く焔剣エニスを取り出し、レイニャに斬りかかろうと一歩踏み出た瞬間...


展開されて魔法陣に踏む入れた足から炎が巻き上がった。


ジュボッ


巻き上がった炎がジュランの体を包むが、すぐさまジュランの体を包んだ炎は焔剣エニスの糧となる。


(一歩踏み出すたんびにトラップが起動すんのか)


ジュランは魔法陣に踏み入れた右足に力を入れ、魔法陣の中心にいるレイニャに向かってジャンプした。


ブワァンッ


ジャンプした瞬間、頭上や背後から巨大な氷柱と岩石が高速でジュランに向かって飛翔してきた。


『蒼炎剣・青壁』


焔剣エニスの刀身から青い炎が迸り、ジュランが空中でその場で一周回転しながら剣を振るうと、振った場所に蒼炎の壁が現れた。


ジュッ

スパンッ


勢い良く飛翔してきた氷柱は溶け、岩石はまるで紙の様に綺麗にジュランによって真っ二つに切られた。


スタッ


そのせいでジャンプした勢いは消され、両足での着地を強いられ、再びトラップが起動する。


(、、、なんだ?)


と思いきや、着地しても何も起こる事はなかった。


ズンッ


すると直後体の上に重りが乗せられた様な感覚がする。


「、、なるほど、ここから先は重力のトラップが仕掛けられてんだな、、」


一歩ずつ、泥沼の中を進む様にレイニャに向かって歩き出す。


「遊んでるなあいつ、何処まで余裕かましてんだよ」


「まぁ元々ああいう戦闘スタイルなんじゃないのかな」


カイトの言葉にセニカが首を傾げながら返す。


ズズッ


やがてレイニャとの距離が3メートルまで到達したい瞬間、レイニャが頭上に巨大な魔法陣を展開する。


『コメット』


魔法陣の中から直径80メートルあるであろう舞台と同じ大きさの岩石が降り降りてくる。


『テレポート』


降りかかって来る岩石を眺めているとレイニャが岩石真上にテレポートした。


「っしゃ、これを凌いだら俺の勝ちって事だな」


「あら?あのトラップに手こずってた人がこの魔法を凌ぐですって?」


レイニャはジュランの言葉を聞き、口角を上げた。


『波紋刃・焔』


ビキッ


オルフォルト流の奥義に火属性を纏わせ、巨大な岩石に目掛け放つも、軽くヒビが入る程度。


「まじか、、だったら」


ジュランは緋剣イグニを取り出し、今度は2つの剣をクロスさせ、波紋刃を放った。


ドゴォンッ


「えっ?」


余裕の笑みがレイニャの表情から消える。


「おっ、手応えアリだな」


ドォンッ


ジュランが地面を蹴り、岩石に向かって飛んで行く。


『緋蒼剣・灰炎』


ズガァン!!


振りあげられた焔剣エニスと緋剣イグニが岩石に斬りつけられた瞬間、巨大な岩石は内側から爆炎を放ちながら破砕した。


シュインッ


『勝者ジュラン!!』


そのまま空中にいるレイニャを天歩で近付き、首根っこを掴み、地面に着地したと同時に首に剣を当て、ジュランの勝利となった。


「いい試合だったぜ!」


「おっかないわね、本当に今年の剣術科は」


数分後、舞台の修復が完了し、次の試合へと移る。


『続いては弓術科ウォルトvs剣術科セニカ』


「あのウォルトって奴なんか雰囲気変わってねぇか?」


1人でぼやくカイトにジュランが返す。


「ん?確かに大陸大会の時と比べたらなんか変わった感じはするな」


『始め!!』


そうこう話している最中に試合開始の掛け声がかかる。


最初に動いたのはウォルト。お得意の火属性と水属性の複合属性であるお得意の霧魔法でまずは撹乱する。


『明鏡止水』


4本の魔法剣を生成し、自身の周りに浮かせながら回転させる。


シュンッ

キィン


右の方向から弓矢が飛んでくるも即座に魔法剣が反応し、撃ち落とす。


シュンッ

シュンッ


すると今度は真上と、正面から地面すれすれを平行に放たれた弓矢がセニカに放たれる。


キィン


二本の弓矢を1本の魔法剣で斬り落とし、3本の風属性を纏わせた魔法剣を先程弓矢が放たれた方向へ飛ばす。


すると正面の方から音を立てて何かが四散した。


(よし、1体目は倒したわ、後何体いるんだろ?)


考えながら攻撃に備えるセニカ。


ブゥンッ


すると突如突風がセニカの顔を勢い良くすり抜けていったと共に霧が晴れ、衝撃的な風景が目の前に広がっていた。


「どうだ?結構驚いただろ?」


岩で自分の得意のステージに仕上げ、まるで荒野に転移させられたかと思う程の完璧な地形生成に、ざっと50はいるであろうウォルトの分身がセニカを囲っていた。


「まじかよ、、どんだけの魔力量がありゃそんな事が出来んだよ、、」


ベンチでカイトが驚愕的な風景を見て、思わず口に出す。


(確かにこれだけの地形生成にクローンの数は凄い、、けど絶対に何か裏がある)


「おっと、裏があるって思ってねぇか?セニカちゃん、、残念だけど今目の前に広がってる光景は全部本物だ」


魔法剣を限界の7本生成し、構えるセニカ。


『御劔の舞』


4本の魔法剣をウォルトに向けて放つ。すると音を立てて一体一体四散していくウォルトのクローン。


(やっぱり、、数が多い分操ることは出来ない見たいだけど、50体の内4体はちゃんとした動きをしている)


セニカは冷静にクローンの動きを分析し、予め命令がプログラミングされたクローンを斬り倒していく。


ビュンッ

キィンッ


たまに隙を見ては、操られているクローンが弓矢をセニカに放つも、自身の周りを守らせている魔法剣で矢を撃ち落とす。


(ったく、ここまでやって隙がなさ過ぎるだろうがよ、、)


50体を前に怯むと思っていたが、何故か冷静に一つ一つ対処していくセニカを見て、逆に焦りを感じるウォルト。


シュインッ

シュインッ


やがてクローンの数も10体まで減り、セニカの計算では残り10体の内まともな分身は3体である。


すると突如、10体のクローン全体の動きが変わった。まるで電池を入れて起動したおもちゃの様に、全員が弓を構えた。


『スティングショット』

『ブラストショット』


放たれた一本の弓矢に反応し、魔法剣を一本向打つが、セニカの魔法剣を容易く貫通し、2本目の魔法剣で側面から攻撃し、やっと打ち落とした所に、爆発する弓矢が近くにあった一本の魔法剣を巻き込み四散していき、セニカの魔法剣が残り4本となった。


「ゴホッゴホッ!」


砂煙が舞い上がり、むせるセニカの、正面からウォルトがアクロバットに現れる。


『ムーンソルト』


『花月』


ウォルトの放ったバク宙からの蹴り技に、セニカが二本の魔法剣を高速回転させ、ウォルトの足を斬り飛ばす。


足を失ったウォルトのクローンは光を放ちながら四散する。と同時に背後から二体のウォルトがセニカを掴み、その場から固定した。


『ブラストショット』


正面から放たれた弓矢が目の前で爆発し、砂煙が爆風によって消える。


砂煙の中から現れたのは、片腕を失った二体のウォルトと、自身の周りで魔法剣を高速回転させたセニカだった。


「おいおい、、流石に今のいなされたら何もできねぇわ、、」


バタンッ


魔力の過剰消費で倒れるウォルト。


『勝者セニカ!』


「はぁ、、はぁ、、危なかったわ」


2度の爆破で、服がボロボロになったセニカが息を切らしながら舞台を降りる。


「大丈夫かセニカ?いい試合だったな」


「あれ以上続いていたら正直どうなってたか、、」


「にしても大陸大会の時はあれ程の魔力無かったはずだよな」


「まぁ彼もそれなりに修行したんじゃない?、、とりあえず医務室に行ってくるね」


「おう!」


セニカが医務室へと向かい始めたと同時に、次の試合が始まる。


『続いての試合は、槍術科ルフトvs拳術科レツ選手!!両者舞台へどうぞ!!』


ルフトとレツが舞台へ上がる。


『始め!!』


「ふぅ、、」


ルフトが目を閉じ、静かに槍を構える。


その行動にレツが片眉を上げる。


「舐めているのか?」


ブゥンッ


次の瞬間、ルフトが足に風を纏わせ、一気にレツとの距離を詰めた。


『造拳・大蛇の型』


爆速で近づいてくるルフトに反応し、すぐさま全身を使い大蛇に似せた構えを取り、迎撃態勢に入るレツ。


『尾撃』


体を回転させ、勢いを利用し横に蹴り払う。


スッ


足がルフトの顔を捕らえる寸前、ホバーボードの様に浮いているルフトが足に纏わせた風の風力を上げ、そのまましゃがむながら槍を構える。


『風車』


槍を高速で回転させ、風の力でレツの体を宙に浮かせる。


『造拳・大鷲の構え』


宙に浮いたと同時に、構えを変え、両腕に風を纏わせるレツ。


『テンペスト』


乱風を舞台全体に巻き起こし、レツが空中で様々な方向に流されていくが、何とか風の軌道を読み取り、漂い始めた。


シュルルルルルッ


ルフトはテンペストで発生させた暴風を全て槍に収束し、空中にいるレツに放った。


『嵐牙』


『風美鷲』


暴風を纏った槍をレツは闘気を解放し、空中での片膝を上げ、両腕を広げて真正面から迎え撃つ構えをとった。


バシンッ

ブルゥンッ


レツが放たれた槍を両腕で掴んだ瞬間、暴風で掴んで手を無理やり剥がされ、暴風の勢いで腕が弾き飛ばされる。


「触れた途端に腕が飛ばされる、だったら!」


レツが空を蹴り、真下に逃げ込む。


(わざわざ真正面から受け止めなければ良いだけの話)


ブンッ


風に遮られ元の位置に飛ばされる。


(まずい!)


ピタッ


槍がレツの胸元でピタッと止まった。


「風のフィールドをレツって奴の周りに作って、逃げても逃げてもルフトの放った槍の軌道上に吹き戻される、、ますます厄介になってきてねぇかあいつ」


「大陸大会の座をかけた戦いん時より一層強くなってやがるな、もしかしたらこの大会で1番成長したのはあいつかもだぜ」


「ふぅ、、まだ完全に感じきれてないけどまぁいいでしょう」


『勝者ルフト選手!!』


魔力をかなり消費し、額に溜まった汗を拭き取りながら舞台から降りるルフト。


『さぁ続いては拳術科ウィス選手vs剣術科カイト選手!!両者舞台へどうぞ!』


「にぃーに!頑張ってー!!」

「カイトー!一回戦みたくぶっ飛ばしなさーい!」

「にぃーに!」


背後からの恥ずかしい声援に顔を少し赤らめながら舞台へ上がるカイト。


「ふぅ、、聞こえない聞こえない」


『始め!!』


試合開始の合図と共に先に仕掛けたのはウィスだった。


『ルマールステップ』×『バーニングヴート』


両足を発火させ、奇妙なステップでカイトに近寄る。


『スコルピオ』


右足を後ろに振り、ウィスの頭上から先ほど振った右足が放たれる。


『岩流し』


右足をいなし、今度はカイトが仕掛ける。


「隼斬、、!」

『フルムーン』


カイトが技を放とうとした途端、ウィスは左足を右足と同じ要領で背後に振ると宙に浮き、縦に一回転し、そのままの勢いでカイトの頭上に振り下ろすが、とっさにガードするカイト。


ブォンッ


足を剣で受け止めた瞬間炎がウィスの足からカイトの剣を伝って迸る。


スッ

ズォンッ


すぐさま剣を足から離し、後ろへステップバックし、勢いよく剣を振り炎を消す。


(あぶねーな、あともうちょっと反応が遅れてたら燃え移るとこだった、できれば今回の戦いで闘気は使わない様に立ち回りたいしな)


それは相手に対して舐めプをしている訳ではなく、ただ自分が魔法と闘気なしにどれだけ相手と戦えるかを実践で試してみたかっただけのカイト。


まぁ結局は舐めプに捉えられてもおかしくはない。


炎を振り払った後、カイトは左を前に出し腰を落としながら剣後ろに構える。


(どうやってあのうざいステップを辞めさせようか、、)


と考えている隙に相手が一気に距離を詰めてくるウィス。


ダッ!


再び後ろへステップするカイト。


『十刃』


魔力の刃を距離を詰めようとするウィスに十発放つ。


バキィン!


放たれた刃を一つ一つ蹴り壊し、8発目の刃をを蹴り壊そうとした瞬間、今度はカイトから一気に距離を詰め寄る。


『閃双』


左右から繰り広げられる高速の剣技に、ウィスは一瞬焦りを見せるも、すぐさま8発目の刃を交わし、左から最初に放たれる斬撃を避け、右からの斬撃を足で下から蹴り上げようとするウィス。


ヴゥンッ


カイトの体が左右にブぶれ始め、刺突の構えをとったカイト。


『黒閃』


『ラビット』


逆立ちの体勢のウィスは、足で空を蹴り、その勢いで地面に付いた足で今度は地面を蹴り、カイトの黒閃を避ける。


(っし!隙あり〜、、ん?)


ドォンッ!


しかしカイトの放った十発のうちの一発が遅れて、それもウィスが上に避ける事を予め知っていたかの様にウィスが飛んだ先に刃が飛んできて直撃した。


『勝者カイト選手!』


「っしゃい〜!これが師匠の言っていた相手に自分の行かせたい位置に誘導する戦闘術か〜ん〜気持ちいいな!」


上機嫌に家族のいる観客席に手を振るカイト。


こうして闘技大会の2日目の幕は閉じた。


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