第1章 大陸大会 Ⅴ
ジリッ
ジリッ
互いに剣を抜き、身を構える。
ズィンッ!
最初に仕掛けたのはカイト、目にも留まらない速さで一気にネフェトの目の前まで近付く。
『隼斬り』
高速の4連撃を撃ち込むが、全て弾かれる。
『流天』
ネフェトは攻撃を弾いた後、剣を逆手持ちし、高速で回転しながらカイトに近付く。
『無常閃』
雷走で素早く距離を取りながらトラップを仕掛けるカイトを見て、その場から回転しながら斬撃を飛ばすネフェト。
『纏雷』
雷の性質を纏い、身体能力を極限まであげ、放たれる斬撃を全て猛スピードで避けるカイト。
『闇落とし』
すると突如上空からネフェトが現れてカイトを捉えた。
ガキィン!!
上空を見るとネフェトの精霊が姿を表していた。
((出番だ!あの精霊をぶっ倒してくれ!))
シュインッ!
『おうよ!』
アッシュが現れ、ヤタガラスの方へとジャンプする。
(さてどうしたもんか、、)
「考え事か?随分と舐められたもんだな!」
ネフェトの力が上がり押し込まれるカイト。
「ぐっ、、悪いけど、お前を倒すためのプランを考えてんだよ!」
『闘剣』
闘気を解放し、身体強化のリミッターを外し押し返すカイト。
『十刃』
『流天』
カイトの放った斬撃を全て弾き、再び回転しながら近づくネフェト。
今度はカイトもネフェトに近づく。
バチンッ
カイトに近付く途中で予め仕掛けていたトラップが発動する。
「なん、、だっ!」
ネフェトが初めての麻痺を経験する。
(今だ!)
『雷斬破』
地を這う斬撃をネフェトに飛ばした瞬間、ヤタガラスの目が光だす。
すると目の前のネフェトが消え、上空と背後の2体のネフェトが現れた。
『ブラックインパクト』×『夜九魔』
上空のネフェトが黒い球体を放ち、全方向からは影の斬撃がカイトを捉える。
((今だ!飛べ!))
『テレポート』
飛んだ先は空中でヤタガラスと戦っていたアッシュの右手の上。
『オラァ!!』
アッシュが掌に乗ったカイトを全力でヤタガラスの方へぶん投げる。
『雷鳴剣』
膨大な雷を剣に纏わせ、ヤタガラスに斬りかかった瞬間。
ズルゥンッ!
何かに吸い寄せられるようにヤタガラスが下の方向に吸収され、地面を見ると。3体のネフェトが霞の構えをとっていた。
『夜咫烏・剛夜叉』
重なった三本の斬撃がカイト達に放たれる。カイトはすぐさま空間から一本の純白の剣を取り出し、アッシュの前に出る。
『非天・千切り星』
ズォンッ!!
巨大な闘気の斬撃がネフェトの3本の斬撃とぶつかり合い消える。
スタッ
地面に着地し、爆風で起こった砂煙が消えて、ネフェトが現れるまで辺りを警戒する。
「はぁ、はぁ、、」
((どうすんだ?今ので魔力を殆ど使い果たしただろ))
((あぁ、変わりにネフェトを倒して欲しい所だが、これだけは俺にさせてくれ))
((そう言うと思ったぜ、向こうの精霊の反応が消えた、俺様も魔力をお前に全部渡して任せる))
((あぁ、助かる))
ブワァッ!
アッシュの魔力を貰い、全快するカイト。やがて砂煙が消え、ネフェトが姿を現す。
「今のでやられねぇのかよ、、」
「今のは危なかったクソッ、やるなお前」
「四貴族に褒めてもらえるなんて光栄だな」
「第2ラウンド開始だ!」
『雷鳴剣』×『纏雷』
黒剣を抜きカイトに近付くネフェト。対するカイトは剣に膨大な雷を纏わせ体をブレさせ消える。そして次の瞬間にはネフェトの前に姿を表す。
「オラァ!」
剣を横に振り払いそれを受け止めようとした瞬間に…
『震残』
体を再びブレさせ下から斬りあげる。
「舐めんな!」
スッ!
ギリギリ反応し避けて反撃するネフェト。
ブゥン
『閃双』
再び体をブレさせネフェトの攻撃を回避した後カイトは高速の2連撃を左右に放つ。
ガキィン!!
バチン!
剣と剣が触れ合った途端、雷がカイトの剣を伝ってネフェトに感電する。
「クソッ!またっ!」
『憮雷』
放たれた雷の斬撃がネフェトに当たり手応えを感じるカイト。
ブォンッ
攻撃が当たったネフェトが突如四散する。
「にせもん!?」
『闇落とし』
上から突如現れ、隙ができたカイトに斬りかかるも、寸前の所で雷走で走り距離を取る。
『雷貫』
『闇流し』
ジュインッ!
岩石をも貫く雷撃を器用にカイトの方へといなし返す。
「なんだよその芸当!」
雷走で走り避けた所にネフェトが追いつく。
「右に避ける癖は直したほうがいいぞ?」
「お前も無闇やたらに人について行くもんじゃないぞ」
バチンッ
「うっ!」
ダッ
ジャンプしながら体を捻らせ回転し、勢いを利用し…
『兜割』
カイトの初のオリジナル開発技、威力は相手のガードを崩す程申し分ないが、技を放つまでの間が非常に隙だらけなので、初めて授業で披露した時にヴァイスに実践的でないと言われ封印していた技。
「んぬぉらぁ!」
力技で麻痺を解き、カイトの技を受ける構えを取るネフェト。
「オラァ!」
渾身の一撃がネフェトの剣に触れ合いかける瞬間、ネフェトがカイトの腕を掴み背負い投げで地面に叩きつける。
「んぐっ!」
すぐさま立ち上がるとネフェトが斬りかかって来ていた。
『アドラス流・残響』
ガシッ
闘気を左手のみに集中させ、剣を素手で掴む。
「まじか!」
グッ!
ネフェトが引き離そうとするが岩魔法で完全にロックし、離さないカイトは右手の剣でネフェトに斬りかかる。
するとすぐさまネフェトは剣を離し、カイトの腕を掴む。
(やばっ!また投げられる!)
ズパァン
ネフェトは投げではなく、カイトの手首に渾身の掌底を放った。
「くっ!」
掌底の反動で自身の剣を離してしまうカイト。すぐさま取り返そうと宙に浮く剣を取ろうとした瞬間、ネフェトが今度は左手の岩を破壊する。
どっちを取るか迷ったあげく、カイトはネフェトの剣を闘気で伸ばした足で蹴り飛ばした。
するとその瞬間に、ネフェトも自身に近いカイトの剣を足で観客席に蹴り飛ばし、壁に突き刺した。
(手首は痛ぇが闘気でカバーすれば問題無い)
『魔闘術』
カイトが素手で殴りかかろうとした瞬間、ネフェトの手には剣が元に戻っていた。
「なんだと!?」
「この剣とは切っても切れねぇ特別な縁があるんだよ、残念だったな!」
『寄手』
闘気の腕を伸ばすもバラバラに切り刻まれる。
「強かったぜカイト、だがな1番はこの俺だ」
『夜咫烏・埜恫門』
ネフェトの姿が消え、次の瞬間目の前に8体のネフェトが現れ、次々とカイトの闘気を斬りかかっていった。
「、、んぐっ」
片膝を付くカイト。
「、、まだ終わってねぇぞ、どこ見てんだこの野郎」
『闘掌』
カイトに背を見せ舞台から降りようとするネフェトに背後から闘気を掌の形で吹き飛ばす。
ブォンッ
しかし放った技が当たった瞬間、ネフェトの体が黒い光で四散する。
ズドォン!!
気が付くと地面に叩き潰されたカイト。闘気の腕を伸ばそうとするも斬られ首に剣を向けられる。
『勝者ネフェト!』
「既に限界の筈だ、悔しいのは分かるがそれ以上やれば醜態を晒すだけだ、出直せ」
地面にうつ伏せになりながら自身の敗北と、ネフェトの言葉に何も言い返せないカイト。
「手はいるか?」
「自分で立つ」
無表情になりながらも悔しさと申し訳なさが段々と強くなるカイト。
控え室に戻るとカイトの顔を見たみんなが声を掛けられなかった。
「悪い、俺の所為で負けた、、ごめん」
「謝らないでカイト、一生懸命相手と戦った貴方を誰も責めないわ、カイトが負けたんじゃ無くて私達チームが負けたのよ?1人で抱えないで」
セニカがカイトの前に立ち優しく微笑み抱擁する。
小さく肩を震わせ、控室を出るカイト。
((おい、そんな顔するんじゃねえよ、バカやろう、セニカも言ってたろ?負けたのはお前のせいじゃねぇって))
((分かってる、、ただ負けたことが悔しくてな、それに負けたことが認められなくて醜態晒したのも悔しくてな))
((その気持ちを強くなる為の糧にすんだよ、誰だって生きてたら負けんだ、負けねぇまま得られる強さには限界がある、負けねぇと分からねぇ事だってあんだよ))
((ありがとうなアッシュ、ただ今日だけは1人にさせてくれ、明日にはちゃんと気持ち切り替えるから))
((分かってんならいい、んじゃ魔力の補充で休むわ))
会場の廊下で嗚咽が静かに鳴り響く。
その後大会の表彰式があり、1年生から3年生のMVP選手と優勝校が表彰された。
1年生のMVPはネフェト、優勝校はネロゴート学園。
2年生のMVPは五星エイナ、優勝校はウルミスト学園。
3年生のMVPは五星ユゼル、優勝校はウルミスト学園。
そして何と3年生のユゼルは前大会の優勝校グレアモル学園のMVPでもあったロイドという人物と戦い、無傷で完封したのであった。
表彰式が終わり、その日の夜。
コンコンッ
…
……
ガチャ
「あ、カイト、ご飯持ってきたから一緒に食べようかなって」
「悪い、ちょっとお腹減ってない、、」
「、、でもちゃんと食べないとだから一応渡しとくね、お腹が空いたらまた食べて」
セニカがドア閉じようとした途端カイトがセニカの腕を掴み、抱き寄せる。
「明日にはちゃんと元に戻るから今日だけは凹ませてくれ、ありがとうな気を使ってくれて」
「うん、分かった。でも明日じゃなくてもいいんだよ、凹むだけ凹んだらいいの、ただまた立ち上がる事が大事だからね」
「うん。本当にありがとう」
「じゃあそろそろ行くね、明日はカイトが楽しみにしてたお祭りだから楽しもうね」
「あぁ、じゃあな」
セニカが自分の部屋に入るのを見届けた後、部屋に戻るカイト。
(本当にいい女性に出会ったな、、)
今朝の決勝の映像がフラッシュバックする。素手では全く間合いに入れず相手にならない程強かったネフェト。自身の今後の課題を脳内でまとめ、今日の敗北を糧により一層強くなって見せると誓ったカイト。
その日の夜、カイト同様優勝出来なかった理由を自分の責任だと感じ、それぞれが思いを抱く。
コツン コツン
静寂に包まれた、大陸大会の会場内に足音が鳴り響く。
コツン
月の光に照らされた人影が舞台の真ん中で止まる。
*「怯えなくていい、こっちに来い」
物影の中から2人の人物が舞台に上がる。1人はリアンナ、そしてもう1人はレクトだった。
*「リアンナ、君には上手くやれると期待していたんだがな、レクトはよくやった、これで魔剣に関する今後の課題がわかった」
「すいません、、」
「じゃあこれで失礼します」
*「待て、行く前にやるべき事がある」
『デルメモリー』
光の球がレクトの頭に直撃し、貫通した。
*「これで君は晴れて自由だ、好きに生きていい。問題はお前だリアンナ、精霊を見事育てた事は褒めよう、しかし自分の都合で本来と違う用途で3度しか使えない希少な傀儡魔法を使い、挙句に失敗するなど、、」
「、、、、」
*「お前はもう用済みだ、ベリトは返して貰う」
「そんなっ!」
グサッ
レクトと違い、地面が隆起し、リアンナの体を突き刺した。
するとリアンナの死体から光の球を抽出し、自身の体の中に取り入れる。
シュンッ
それからリアンナ死体と共にその場から消えた。
そして夜が明け、朝の陽射しがカイトの顔を照らす。
「んふぅ〜、、眩しいし、、寒〜、ルフトー」
寝ぼけながら同室で寝ているルフトに声をかけるも返事はない。
ファサッ!
布団から顔をだし隣のベッドを見るとルフトはいない。
「あいつ、、気使って帰って来なかったのか、、」
ホテルの時計を見ると朝の6時だった。
「、、起きるか」
顔を洗いに洗面台に立つと、生気が感じられない顔をしていた。
パァンッ!!
両手で頬を腫れるほど強く叩き気合いを入れる。
「もうくよくよすんのは終わりだ」
すぐさま私服に着替え、みんなの部屋を1つ1つ回っていくカイト。
「ふぁあああ、、もうまだ寝足りないってばー」
「ジュランお前寝相本当悪いな、、」
「お前は寝言でもナンパしてたぞ」
「早く自分の部屋に戻れルフト、本当に寝言がうるさいぞお前」
「どうしたのかしらカイト?」
「そうよ、、まだ祭りの時間は始まってないよ」
全員が半目でカイトに廊下で集合させられる。
「そのーまぁなんだ?昨日は悪かった、まだ立ち直れてないけど、リーダーっぽくない事してしまったし、、ホントごめん!」
「「「「、、、、」」」」
「んだよくだらねー!そんなしょーもない事でいちいち呼び出すなよめんどくさい!」
昨日の一応リーダーとしての自覚が足らなかった点を謝罪し、頭を下げるカイト。それを聞いた一同は少し間を明け、ルフトが鬱陶しそうな顔で文句を垂れながら自分の部屋に戻り、それに他の全員も同じように文句を垂れながら自室に戻る。
「みんな昨日のカイトの事は気にしてないよ、だからもう謝るのはナシだよ!」
「お、おう、、」
「セニカ!ラゼッタがまた私に抱きついてうぉっ!」
「あ!ずるいラゼッタ!スカーレットのナイスバディは私の物よ!」
「どれどれー!?スカーレットちゃんのナイスバディーはー?」
突如カイトの後ろから自室に戻ったはずのルフトが猛スピードでセニカの背後について部屋に入るが、打撃音やら骨の折れる音が聞こえ、顔が赤く腫れ上がったルフトが部屋から蹴飛ばされる。
「、、あいほぉ、、なおひへぇ」(カイトォ、治してぇ)
「はぁ、取り敢えず俺は昨日の夜の分のトレーニングに行ってくるわ、一緒に行くか?」
「おやふひははい(おやすみなさい!)」
猛ダッシュで自室に戻るルフト。
モルバトに来てから、いつものコースを走っている最中、ミドラとサバトを見かける。
「あ!カイト!ちょうど良い所に来た!」
「こんな朝早くからなにしてるんだお前たち」
「いやぁさ、取り敢えず昨日はお疲れ!それでちょっとお願いしたい事があるんだけどさぁ」
「サバト、敵対する相手に頭を下げるなど落ちぶれたな!」
「だってミドラくんが自分から行くの怖いから僕に面倒ごと頼んだんでしょ?」
「取り敢えずなんだ願い事って?」
カイトがサバトの願い事を聞く。
「おぉ、なんだそんな事か、俺はいいけどみんながどう言うかだな」
「そこを何とかさ、じゃないとミドラ君が一生かけてゴネ倒してくるから!ね?」
「分かったわかった!しかし一つ条件がある」
「なんでもいって」
「ミドラ、俺に本当のオルフォルト流の極意を教えてくれたらその願い、叶えてやってもいいぞ」
「なっ!我が名誉ある家名の剣技の極意だと!?断るっ!」
「まぁまぁ、まだ話は終わってねぇよ、さっきの話だけだと釣り合いが取れないから、俺から1つ極意を教えてやる」
「興味ない!勝手にするんだ、俺はもう帰る!」
ミドラが後ろを振り向き帰ろうとする。
「ちょっとミドラくん!せっかく俺が頭下げたのに!」
「ほぅ?聞きたくないのか?俺のラゼッタを恋人にするとっておきの極意を?」
ミドラの動きが止まる。若干耳が大きくなったようにも見える。
「まぁこの一年でラゼッタがどう言う人が好きなのか大体分かったからな」
「我はあいつと小さい頃から知り合いだが、そんな物は知らないぞ」
「まぁそりゃ子供には分からないだろうな、後お前一人称俺と我どっちにすんだよ」
「今はそんな事どうでもいい、それより我が子供とはどう言う事だ」
「色んな意味でだよ、特に恋事に関しちゃあ現在進行形だからな、取り敢えず言いたい事は、お前がさっき頼んだ、俺達と一緒に祭りを見て回る事にプラスで俺がラゼッタをお前に振り向かせる方法を教えてやるからお前も潔く極意を教えやがれってんだ」
「あの愛のある我の1日1回の手紙でもびくともしなかったラゼッタを振り向かせるだと!?、、交渉成立だ!」
「よろしい!では極意に関してはまた改めて祭りの時に教えてやるが故、お前は俺がちゃんとお前らをくっつける事ができたら教えろよな」
「あぁ、剣に誓って極意を教えよう!」
「ではランニングを再開する。アデュ!」
こうしてカイトはミドラとラゼッタの恋のキューピットとなる事を約束したのである。
そして2時間後、トレーニングが終わりセニカ達と共にホテルのフロントに向かうとミドラとサバトが待っていた。
「やぁやぁウルミスト学園の皆さんはじめましてサバトでーす」
「ミドラだ、今日は宜しくお願いします皆さん」
ミドラがカイトにアイコンタクトを送り、オッケーサインで返すカイト。
(よし、第一関門の落ち着きのある態度はバッチリの様だな、、ん〜今日も綺麗だなラゼッタ!)
「なんでミドラもいんのよー」
「まぁいいではないかラゼッタ、折角の祭りなんだ、人数が多い方が楽しいってものだろう?」
「、、、なに?気持ち悪いんだけど」
ラゼッタの心ない一言に傷付きながらも平静なフリしてカイトに近づくミドラ。
「なっ!、、、カイトォ、話が違うではないかぁ、気持ち悪いと言われてるぞ」
「はぁこれだから、さっきちゃんと教えたろ?女の子は思っている事と口で言っている事は逆だって」
「、、つまり逆という事は口では気持ち悪いと言っているけど本当はかっこいいと!?」
優しい笑みでこくりと頷き返すカイト。
「よしおそれじゃあ軽い自己紹介も終わったし、祭りの会場に行くか!」
サバトとミドラの軽い自己紹介が終わり、カイト達はいつもの4人にスカーレット、サバトそしてミドラを足して、祭りの開催地であるバハラコロシアムに向う。
「にしても大陸大会の後に、大衆食王を決める大会があるなんてどんだけ派手なんだろうな」
「年に一度、各国から集められた大衆食堂の料理人数千人の中から1番を決める大衆食王、通称食祭り。1年で最も幸せな1日だぁ」
「おいセニカ、よだれ垂れてるぞ」
「女の子なんだからちゃんとしなさい、ズルッ」
「お前もよだれが滝の様に出てるぞスカーレット」
「うるさい!」
「なんの逆切れ!?」
「ラゼッタ、ここの祭りに我の屋敷の料理人が出るのだが、其奴の作るスープが絶品でな、是非一度食べにいかないか?」
「スープは腹の足しになんないしいいわ」
「じゃ、じゃあ!ラゼッタの好きな物を言ってくれ!我の頼みならなんでも作ってもらえると思うぞ!」
「ん〜今のとこらないかな〜取り敢えず今は色んなお店見てからで」
「それじゃあ!」
「コホンッ!」
カイトがミドラに聞こえる様に咳をし、ミドラに気付かせる。
(はっ!しまった!ついカイトに教えてもらっていた事を忘れて)
「それじゃあラゼッタの言った様に色々回ってみようか」
会場に入ると香ばしい香りが会場全体を包み込んでいた。今この祭りの中には百を超える屋台がズラリと広い円形と会場の壁側を並んでいる。
グルルルルゥ
全員のお腹が鳴る。
「香りを嗅いだだけで一気にお腹空いたぞ」
「俺もう我慢出来ないよぉ、早く行こうよみんな」
サバトがヨダレを垂らしながら1番手前にある屋台へと歩いた。
「へいらっしゃい!なににしやすか!?」
「この細長い茶色い物は何ですか?」
サバトが店員に鉄板の様な物の上にある茶色い麺に指を指して聞いた。
(お、焼きそばか?)
カイトからすれば祭りの屋台では定番のメニュー、こんな所で1番最初に出会った事に驚きを隠せないカイト。
「これはソースメンって言ってな、小麦を細長く切ったメンという物ににアゴンに伝わるソースという物をかけたらたまたま出来上がった自慢の新作だ!よかったら食べてみてくれ!」
「じゃあ取り敢えず4人分お願いします」
「あいよ!あんた達は大会出場選手だったろ?代金は結構だぜ」
「ありがとうございます!」
この祭りでは前日の大陸大会出場者全員は代金無料という最高のご褒美が付いているのだ。
ズルルルッ
「ん〜!美味い!てか久しぶりの味だけどどこかスパイスが効いてるな」
(紅生姜とかはないんだな)
屋台のそばにあるベンチで麺を啜りながら食べるカイトを見て一同がポツンとした表情でカイトを見る。
「なんだよみんなして俺を見て、早く食わないと冷めるぞ」
「そうやって食べる物なのか?」
「ん?食べ方は人それぞれだろ」
「どうやってズルズルしたの?」
セニカがカイトに疑問を投げかける。
「えーと、俺は一応こうした方が食べやすいからしてるだけで、やり方は麺を口に含んで吸うだけだ、吸う時に少しだけ空気が入る様に隙間を開けるのがポイントだぞ」
ズルズルッ!
スカーレットが一気に一口で全て啜りあげる。
「おぉ流石エリート貴族、食べ方に関しても全能を出してきたな」
「美味しいわねコレ」
恥ずかしそうな顔でもう2人前頼むスカーレット。
他のみんなに麺の啜り方を教え、食べ終わった後、次々と色んな屋台で食事をした。岩の様な外観をした肉の唐揚げや、飲み込んだ後に口の中が発光する球状の食べ物、そして勿論ポルプフの丸焼きもあり、そこでお腹をほぼ一杯にしてしまったルフト。
そしてなんといっても良かったのが…
「おぉ〜!」
「どうしたのカイト?」
「ラーメンだ!」
「らーめん?なんだそれ」
カイトが少し前にある屋台の客が食べていた物を見て声をあげる。
「いらっしゃい!」
「色んな種類の麺が見えたんですけどどう言った注文形式ですか?」
「うちでは麺の種類を選んでもらって、次にスープ、そしてトッピングする具材だ」
ピンッ!
カイトが何やら閃く。
「俺は、、天才か?」
「なになにカイト?」
「ラゼッタ、俺は天才だった」
すぐさまテレポートで前行ったポルプフの店に向かうカイト。そして他の目を付けていた屋台に高速で行き、再びラーメンの屋台に戻る。
「おっちゃん、麺はストレートでスープはこの肌色の奴、トッピングはなしで!」
そして少しするとカイトの目の前に一杯のラーメンが置かれてベンチに座る。
「見てろよみんな、今からこのラーメンを化けさせてやる」
そう言って先ほど他の屋台で買ったものを全てラーメンの中に入れる。
「名付けてミックスラーメンだ、、なんかミックスとラーメンって合わないな、よし却下だ」
「おぉ〜、そういう食べ方ね!他の屋台の食べ物をトッピングするってのは賢い!」
ズルッ!
バキィン!!
「どうしたのカイト!」
「おい、幸せな表情を浮かべて倒れているぞ!」
「う、うまい〜、、」
「どれどれ?我も食べてみよう」
カイトのラーメンを1啜りし、トッピングの食材を食べた瞬間、ミドラも昇天した。
「こ、これほどとは、、」
その後みんながカイトのラーメンを食べ、全員の今まで食べて美味しかった食べ物の順番が覆される。
「この豚骨っぽいスープ全体にポルプフの旨味が広がって、他の屋台で買ったゴンドルの煮卵にこのスープを吸わせて一緒に食うだけでもうダメだ」
「もしかしたらカイトの考えたメニューを出場させたら優勝するんじゃない?」
「いやいや、これ考えたのは俺だけど、使った食材は全部他の屋台のものだぜ?」
「にしてもうま過ぎて本当にやばいね」
「スカーレットがさっき爆買いして3杯くらい平らげてたよ、ほらそこで倒れてるもん」
「も、、もう死んでもいい」
「なんかキャラ変わってないかあいつ」
「それより次どうしようか、ほとんど制覇したし、、」
スッ
「ほらラゼッタ、ハンカチだ、さっきのらーめんで顔に飛び散ってるぞ」
「あぁ、ごめんごめん」
ミドラがカイトを見て、カイトはオッケーサインを2つ出してミドラに返す。
屋台を制覇した後、カイトたちは会場の休憩スペースで休む事にした。
「次どうする?夜の大陸大会のパーティーまで結構時間あるよ〜」
「こういう暇な時間結構どうしていいかわかんねーな、俺はいつもトレーニングしてるけど」
「お前はいつもいつもトレーニングしすぎなんだよ、たまにはセニカちゃんと外に出て遊びに行けよ」
「いいのよルフト、私とカイトはちょっと変わってるからね」
「お互いの修行の邪魔は絶対しないってか、、絶対無理だわ俺には」
「俺とセニカの信頼関係があってこそのこの関係だからな」
「フゥ〜お熱いね〜」
「からかわないでよラゼッタ、あなたにもちゃんと思ってくれる人がいるんでしょ?ほら」
すこし離れた所でミドラとサバトが話をしている。
「おいお前たち!なんでそんな所で話してんだ!?」
ミドラとサバトに声をかけるカイト。するとサバトがいつもの温和な顔を厳粛に曇らせ近づいてくる。
「さっきうウチの学園の生徒が大会役員から先生伝で聞いた話なんだけど、エマリア女学園の生徒が行方不明になったって、もし貸したら大会のパーティーは無くなるかもだし、何が起きたか分からないから2人以上で行動する様にって」
「行方不明?誰かが連れ去ったとかか?」
「エマリア女学園って確かリアンナの、、」
行方不明になった学園の生徒にセニカとスカーレットの表情が同時に曇る。
タッタッタッ!
「ここにいたかカイト!」
「なんだよ次々と、嫌な予感しかしねぇぞ」
「会場の役員が全学園生を緊急招集している、お前達も早く会場の広間に来い」
一同はすぐさま会場の地下にある広間へと向かう。
「うぉっ、人だかりがすげぇな」
広間の中には各学級の学園出場者10名と学園長達が舞台の上の椅子で座っていた。
「あの人どこかで、、」
「どうかしたかカイト?」
隣にいたルフトがカイトの様子を見て尋ねる。
「あの金髪のロン毛の人どっかで見たことあるんだよなー」
「我らの学園長か?」
ミドラがカイトの指を刺した方を見て話しかける。
「ん?あの人お前んとこの学園長さんなのか?」
「あぁ」
「んじゃあ知らないわ多分」
((カイト))
((どうした急に?))
((お前のその勘間違ってないぜ、あの道化野郎だ))
((ラパダイス島で人攫いしてた奴か!?間違いないのか?))
((あぁ、あの時感じた魔力とすこし違うが間違いねぇ、雰囲気で分かる))
「ちょっと学園長に話聞いてくる」
「ん?急にどうしたのカイト?」
「また後で話すから今は悪りぃ!」
カイトが壇上にいるノイドに目を合わせて手招きし、ノイドと広間を出る。
「どうしたんじゃカイト?」
『テレポート』
「ぬおっ!急にどうしたんじゃ?」
「グレアモル学園の学園長です、ラパダイス島で俺たちをさらったのは」
「真か?」
シュインッ!
『俺様の事を疑ってるのかおっさん』
アッシュが姿を現す。
「いえいえ、そんなつもりはございませんが、ただもしそうでしたら此度の騒動は解決するでしょう」
「どういう意味ですか?」
「エマリア女学園の生徒、、名前は確かリアンナだったかの?彼女が行方不明になってしもうての、今朝彼女と同じ生徒の子に事情聴取をしたら会場に向かったと言っておってな、調べてみると、昨日の大会の会場に血が付着していてな、残存魔力を大陸捜査機関である『アイ』の捜査員が感知し、その感知した魔力を各国の人物情報と照らし合わせてみた所、ラパダイス島で起きた事件の現場の残存魔力と同じだった」
「つまり、今回の事件でリアンナを何処かに拐った、もしくは関与をグレアモル学園の学園長がしていると?」
「言い切れはしないがその可能性が高い」
「どうするんですか?」
「ここからは大人の出る幕じゃ、お主達は少し早まったパーティを楽しむだけでよい」
「分かりました、、」
『テレポート』
広間の入り口までノイドを送り、扉を開け、中に入ろうとした途端。
「おぉっ!すいません」
「ん〜?君は確かノイド学園長の所の学生さんじゃないかー」
広場に入った瞬間、誰かとぶつかりそうになり慌てて避けて通ると声をかけられる。
(げっ、、)
話しかけてきたのはグレアモル学園の学園長、ネゼル・グレアモルであった。
「これこれネゼル、ワシの大事な生徒が困ってるでないか」
「あら〜これはこれはノイド学園長殿、生徒と2人で広場の外で何をしてらしたのですかぁ?」
「ただの世間話じゃ、それよりお前は何をしにこんな所に?」
「もうすぐ始まりますよ、先ほど外に出た所をお見かけしたのでお知らせにです」
「予定より早いのぉ」
「えぇ、良い知らせと悪い知らせが入ってきました。最初の良い知らせは犯人が自首しにきたのと、悪い知らせは行方不明だった学生の遺体が見つかった事です」
まさかの知らせがグレアモルの学園長から放たれた。
現場の残存魔力とラパダイス島で人攫いの正体の残存魔力は一致しているはず。そしてアッシュの直感ではあるが、ラパダイス島でカイト達を拐ったのは間違いなくグレアモル学園の学園長。これでネゼル・グレアモルが黒に近い人物だとカイトは思っていたが、まさかのネゼルが口にしたのは犯人の自首。
「そうじゃったか、ポルモンド学園長にはお悔やみ申し上げなくてはな、、それよりその犯人が自首したのが気になるのぉ」
「取り敢えずここでは人が多いので、彼方へ向かいましょう」
カイトがノイドの方を振り返ると、その表情に動揺は無かった。機転の効いた返事をし、ネゼルと共に舞台の椅子へと向かい腰を下ろす。
「悪い戻った」
「どうしたの?顔色が悪いわよカイト」
「ちょっと今回の騒動がめんどくさい方向に向かいそうだ」
パンパンッ!
舞台の上で大会の主催者、バハラ行商団白金員バミエル・ビリオンが手を叩き、注目を集めた。
「えー、皆さんもご存知かと思われますが、今朝エマリア女学園の生徒であるリアンナ様が行方不明となり、先程調べた所によりますと、遺体で発見されたとの事です」
少しの間広間全体が静寂に包まれ、中にはすすり泣く音も聞こえる。
「犯人は今朝自首をし、安全にはなったものの、彼女の魂は戻る事がない」
それからバミエルはリアンナに対する弔辞の様な話を続け、話が終わると解散し、パーティーはなくなった。
バミエルの話が終わり、会場の更に地下にある密室にバミエルと各学園の学園長そして、捜査機関アイの捜査員2人が円卓を囲み話をしている。
「我々の報告は以上となります。何かご意見などはありますでしょうか?」
…
「誰もおらん様ならワシが」
誰も意見や質問がない中、ノイドが手を上げ発言をする。
「これはワシの耳に入った情報でな、、その前にワシは今から喋る内容で揉めたくも無ければ、咎めようとする訳でもない、ただ事実が知りたいだけじゃ、くれぐれも大人しく聞いとってくれや」
「分かりました、お聞きしましょう」
一応今回の騒動の責任者であるバミエルが場を代表し、ノイドに返事をする。
「そいで話の続きじゃが、その情報というのがな?ネゼル、お主がもしかしたら犯人なのではないかという疑惑じゃ」
「それなりの証拠があっての発言でしょうね?ノイド学園長?」
物腰柔らかそうなネゼルの優しい表情は変わりないが目つきが変わっていた。
「それが五分五分でな、ワシは確認を取りたいだけじゃ、此度の騒動の現場と思わしき場所で残存魔力が、ラパダイス島で起きた人攫いの主犯と同一であるという話は、皆の耳にも届いておると思う」
「ワシの生徒がその主犯と思わしき人物と対峙したんじゃが、どうもその生徒が言うにはネゼル、、お主と雰囲気が似ておるとの事なんじゃ」
場にいる驚いた表情で全員の目線がネゼルに向く。
「ほぅ、、ではわたくしにどうしろと?」
ビキッ
「今の話、本当か?」
バキッ
エマリア女学園学園長ポルモンドが額に筋を立てながら、椅子の肘置きを握り潰しながら、目を見開きネゼルを威圧する。
「あら?まだ確定情報がないのにも関わらず、その様に威圧していいんですかね?」
バンッ
バンッ
ピタッ
ポルモンドがネゼルの挑発とも取れる発言に、机からネゼルの方に飛んでいこうとするも、飛ぶ直前にノイドによって肩を押さえ付けられる。
「貴様、、目撃情報はあるんだ、貴様に違いない、外道が」
「威圧の次は攻撃に口撃ですか、、どうしましょう、そこまでされると私の名誉もボロボロです。捜査協力をしようと思ってたんですけどね〜、協力は任意なので辞めましょうか?」
ネゼルが席を立ち、その場から立ち去ろうとする。
「ノイド学園長!あんな外道を帰らせてはなりませぬぞ!」
「口を慎め!」
ネゼルが怒りを露わにした表情で手を上げると、氷で作られた槍が高速でポルモンドに向け放たれた。
バキィン!
それをポルモンドの背後にいたノイドが氷を掴み、握り潰す。
ズゥンッ!
密室全体の空気が旧劇に重たく感じる。
「ワシは言ったはずじゃぞ?事を穏便に済ませたいと、ポルモンドよ、貴様の学園生が殺人鬼によって殺された事で責任を感じ、腹を立てるのは理解出来るが、それを不確定要素が多い状態でネゼルを犯人と確定するのはちとやり過ぎじゃないか?」
柔らかい物腰でゆっくりネゼルの方を歩きながら、ポルモンドに説教をするノイド。
「申し訳ありません、、」
「それとネゼル、お主の名誉を傷付けるつもりは無かったが結果としてそうなった事は詫びよう、しかしその扉の向こうに行く事はワシが許さない、アイに協力して無罪を証明せい」
ネゼルとノイドのプレッシャーがぶつかり合い、部屋全体にヒビが入る。
「随分な暴論ですねノイド学園長、やはり力がある者は結局力に頼る、、か」
「所詮弱肉強食じゃ、力のない奴が悪いと思わんか?」
「ハハッ、一理ありますが、好きではありませんね、、分かりました、今あなたと事を起こすよりも不気味な連中に協力した方が良さげですね」
スゥッ
ノイドとネゼルが魔力を引っ込める。そしてノイドはアイの捜査員2人の方に向かい。
「タッチじゃ、今の話聞いてただろ?後は任せたぞい」
そう言って笑いながら部屋を後にするノイド。
そして夜になり、パーティーが無くなり、カイト達は先程のメンバーでホテルのロビーでお菓子やご飯をテーブルに置き、談笑していた。
「パーティーが無くなったのは残念だったけど、これはこれで楽しいな」
「それよりお前達は大丈夫なのか?亡くなったエマリア女学園の生徒は知り合いだったんだろ?」
ミドラが広間に出た後にスカーレットとセニカが暗い顔をしていたのに気が付き、今はすっかり元通りになっている様子を見て尋ねる。
「うん、あの子とは中等学園の時に親しかったんだけどね、道を誤って私とスカーレットに酷い事をしてきたから何の感情もないわ」
ミドラの質問で少し雰囲気が重くなる。
「もうバカ!なんで楽しい雰囲気を潰しちゃうのよ!」
「わ、悪い、つい気になってだな、、」
(あーあ、折角いい感じだったのに)
ミドラがカイトの方を見るが、ため息をつきながらカイトは首を横に振る。
「もうそろそろ部屋に戻らないとね」
「おーいルフト!行くぞー!」
「ん?もう解散か?」
「あぁ、明日は朝早くから出発だからな」
「まじか、、んじゃなサバト、次会う時は俺のスーパーコレクションを見せてやる」
「本当に!?んじゃあ俺もそれまでに色々集めるよ!」
ギルドのバッジ集めの趣味で意気投合したルフトとサバトは別れを惜しむ。
「んじゃあな、あぁ、それとミドラ!」
カイトがこっそりミドラに耳打ちをする。
「どうしたんだ?」
「いいか?今回は上手く行かなかったが、今日の様な調子を忘れるな、それと最後に、これから1ヶ月間は毎日手紙を書いていいが、その後キッパリやめるんだ」
「何故だ?」
「言ったろ?恋は押し引きだ」
「なるほど理解した、それではまた次の大会で戦える事を楽しみにしているぞカイト」
「あぁ、今度は俺がストレートで優勝するからな」
ミドラと熱い握手を交わし、カイト達は自分達の部屋へと戻り、次の日の朝、カイトはソクラスに軽く挨拶した後、エリュードへと帰った。




