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第1章 大陸大会 Ⅲ



『本日大陸大会3日目!!準決勝戦!!まずは1年の部から始めたいと思います!!』



=====================



『Aブロック』


『グレアモル学園』VS『ネロゴート学園』



『Bブロック』


『ウルミスト学園』VS『エマリア女学園』



=====================



『それでは早速Aブロック、グレアモル学園VSネロゴート学園の試合を始めます!!』



「いよいよ四貴族同士の戦いが見れるのか」


「どっちが勝つんだろうね」


「まぁあたしはミドラと当りたくないしネロゴート学園に勝ってほしいかな〜」


「ネロゴート学園、、あの中にレクトって奴がいるんだな?」


「あぁ、マクベスとランカを操った張本人だ」



『それではこれよりグレアモル学園先鋒バッキアVSネロゴート学園先鋒ジェイル、、始め!!』


先に仕掛けたのはネロゴート学園のジェイル。上下に先が付いた槍を持ってバッキアに向かって全速力で駆け寄る。


『ロックマウンテン』


ジェイルが仕掛けてきたのを見て、バッキアが岩の山を出現させ攻撃を回避する。


『ウィンドラン』


『ランドスライド』


ジェイルは足に風魔法を纏わせ、一瞬で山の真ん中まで駆け上がるが、バッキアが上空に飛び上がり、ジェイルの方に山を土砂崩れさせた。


『ロック』


土砂崩れを起こした柔らかい土がすぐさま岩の様に固くなり、ジェイルの下半身を固定した。


『ギガントロック』


上空に巨石を出現させ、身動きの取れないジェイルに放つ。


ズガァン!!


岩と岩がぶつかり粉砕するも、中からジェイルの姿は見えない。


ズパァンッ!!


大きな破裂音が聞こえバッキアの方を見ると、ジェイルが吹き飛ばされていた。


「俺は魔法拳士だ、詰め寄ったところで勝てると思うな」


「くっ、、だったら」


『ソニックインパクト』


ジェイルは自ら持っていた持っていた槍を三等分に分け、魔力で繋げ三節棍の様にした後力一杯しならせバッキアに放った。


ズガァンッ!!


ガシッ


音速を超えるスピードで放たれた三節棍改め、先が尖った三節槍はバッキアが出現させた岩の壁を容易に貫いたが、岩を貫いた事により勢いが落ちたところをバッキアが三節槍の先を掴んだ。


グッ!


バッキアが掴んだ三節槍を勢いよく引っ張ると、抵抗感がなかったためジェイルが武器を捨てた思い警戒する。


ブンブンブンブンッ


上空から何かを振り回している音が聞こえバッキアが上を向くと、そこには三節槍を振り回していたジェイルがいた。


「魔力で武器の長さを調整できるのか」


捨てたと勘違いしていた武器を持って現れたジェイルは振り回した勢いを利用し、バッキアに向かって横に振り払った。


パシッ


放たれた三節槍を再び掴むが、掴んだ部分より先の部分の勢いは止まる事なくバッキアの体を巻き付ける。


『火走り』


ジェイルが三節槍伝いに炎を発する。


「んんぅ!!、、おぉおおおらああ!!」


炎がバッキアの体に直撃する寸前、バッキアが力ずくで巻きついてる三節槍を破壊し、ジェイルに向かって飛び込んだ。


『破岩衝』


拳に岩を纏わせ、ジェイルに殴り掛かる。


ジャキッ!


「ぐっ!」


殴りかかった瞬間、ジェイルが足元に落ちていたバッキアが勘違いで捨てた三節槍を拾い、向かってきたバッキアの首に当てる。


『勝者ジェイル!!』


こうして第1試合はジェイルの勝利となった。


『さぁ続いてグレアモル学園次鋒はレニオ選手です!』


『始め!!』


前半ジェイルは残った槍を使いレニオが放つ魔法を凌いで見せたが、バッキアとの消耗で魔力切れを起こしレニオの勝ちとなった。


『続いてネロゴート学園次鋒はイザベル選手です!!』


『初め!!』


『アゴニスパイラ』


レニオが炎の球を五つ出現させ、イザベルの出方を伺う。


『クリスタルファランクス』


対するイザベラも氷の兵士を十二体召喚した後、同じく相手の出方を伺う。


「こないなら、こっちから行くぞ!」


『アゴニピラー』


レニオの背後にあった五つの火球の内1つがイザベルの真上まで飛翔し爆発と共に炎柱が現れた。


ジュウウゥゥゥゥッ


やがて燃え尽きた後イザベルのいた場所を見ると誰もいなかった。


「氷像が一体消えている、、っ!」


ズガァン!!


十二体いた氷の兵士の内一体が消えている事に気が付いた矢先、上空から氷兵が一体降りかかってきた後、氷兵は真っ直ぐレニオに向かって突進する。


ズォンッ


レニオが火球を氷兵にぶつけて蒸化させた瞬間、背後から新たな氷兵がレニオに槍を振りかぶる。


「やばっ」


『アゴニピラー』


近くにあった火球を爆発させ火柱を発生させ、向かってきた氷兵二体をギリギリさばくレニオ。


ガァンッ


「うわっ!」


捌ききったと思っていたが、地中に潜っていた氷兵によって空中に打ち上げられ、上で予め飛んでいた氷兵と打ち上げてきた氷兵に挟み撃ちになる。


『アトミックランページ』


最後に残った2つの火球が荒々しく燃え出し2体の氷兵を焼き尽くす。


『フロストジャベリン』


2つの球が消えたのを確認した瞬間、氷兵が空中にいるレニオに向かって飛び、魔法を放った。


「そこか!」


『アトミックバースト』


バキィンッ!!


「やっぱり奥の手があったのね」


ブンッ


即座に畳み掛けてきた氷兵がイザベルだと気付き圧縮した熱エネルギーを氷兵に放つが、囮攻撃なのですぐに氷のシールドを生成し防御に転じるイザベル。


ガァンッ!


レニオがすぐさま囮攻撃だと気付くも、背後からは残りの氷兵が合体し、巨大な氷兵となってレニオの後頭部を殴り気絶させた。


『勝者イザベル!!』


「相手の意図を読み取った見事な囮だね」


「流石準決勝だな、レベルが高くなってきてるのがわかる」


「もしかしたら本当にネロゴートが勝ちそうだな」


「なんであたしの方を見て言うのよルフト、まぁでもここからが本番じゃない?グレアモル学園の生徒は中堅から強さが跳ね上がるらしいし」


『続いてグレアモル学園中堅フォイド選手の登場です!!』


「うっし、後は俺がまとめて全員やっつけようか!」


予選でグレアモルの代表として出場していた選手が入場する。


『始め!!』


『クリスタルファランクス』


『霧元流・夕凪』


ズガガガガァン!!


「なっ!」


一振りで無数の斬撃を飛ばし、氷兵を全て破壊するフォイドは目にも留まらない速さでイザベルへと近付き、斬り伏せた。


「ふぅ、、はい次ぃ!」


その後もネロゴート学園の中堅も一瞬で終わらせ、いよいよ副将戦となった。


『続いて出場したのはネロゴート学園副将レクト!!』


「レクト、、」


「あいつがレクトか」




『始め!!』


『魔剣バルムンク』


レクトが空中から魔剣を取り出す。


「物騒なもん持ってるな」


『霧元流・霞』


舞台全体に霧を纏わせ消えるフォイド。


『魔剣技・喰魔』


レクトが魔剣を軽く振ると、斬撃が飛び、舞台上の霧を全て吸い込んでいった。


『霧元流・霧雨』


レクトの真上から突如出現したフォイドは高速の突きをレクトに向かって放つ。


ザキィンッ!!


突然フォイドのいる位置から斬撃音が響いた後フォイドがその場に倒れた。


『勝者!レクト選手!』



「何が起こったんだよ」


ルフトがモニターを凝視するもの何が起こったか理解出来ていない様子。ルフト以外の全員も同じく理解できていない様子だった。


「レクトって人は何も動いてないはず」


「魔剣の能力かなんかだろうな、あんなの見せられたらまともに近付くのも出来ないな」


「あ、あの人五星に襲われてた人じゃん」


「サバトじゃん、あいつ副将だったのかよ」


モニター越しでサバトがストレッチしながら舞台に上がるのを見るカイト達。


「あーあ、もしかしたら負けるかもね僕達」


『始め!!』


『六冥閃』


始まったと同時にレクトがテレポートでサバトに一瞬で近付き高速の6連撃を叩き込む。


シュインッ!!


何とサバトは高速の剣撃を全て軽々避けた後、最後の剣撃を湾刀で軽く後方へといなす。。


「落ち着きなって」


『曲刀技・捻れ渦』


捻れた斬撃がレクトの足場から昇り上がるが、レクトは後ろへステップで避けた後、魔剣を地面に突き刺す。


『月影剣・影正』


『曲刀技・螺旋光』


サバトの足元の影から巨大な斬撃が飛んで来るが、サバトは上空に飛び捻れた光の斬撃を飛ばし影正を正面から相殺する。


『曲刀技・渦潮烈波』


サバトは着地した瞬間、水を剣に纏いながら高速回転しながらレクトへと近寄る。


ギィン!ギィン!ギィン!


レクトの方へと向かう途中、金属と金属がぶつかる様な音が聞こえる。


「見えない斬撃かぁ、予め仕掛けておいたんだね、でもそれでは俺を止められないよ!」


更に回転の速度を上げ、レクトの方へと向かうサバト。対するレクトは無表情でサバトの方を見ている。


「すげぇぞサバトの奴、無敵じゃねぇかあんな技」


「でもあのレクトって人が何もしないのが引っかかるわ」


「お、突き刺してた剣を取ったぞ」


「おい、何だありゃ?」


ルフトが取り出した魔剣を指差し叫ぶ。レクトの取り出した魔剣が僅かに歪な形の変化していた。


「ヤバそうなのが来るね!」


『魔剣絶技・断戒』


剣を振り下ろした瞬間、巨大な一本の黒い斬撃が降りおりてくる。


『曲刀奥義・螺千烈波』


高速回転しながら無数の斬撃を黒い斬撃にぶつけるサバト。


ギィンギィンギィン!!


サバトの放つ斬撃が黒い斬撃の勢いを少し落としたが止まることなく、サバトが自ら黒い斬撃に斬りかかった。


ガキィンッ、、ギィギィ、、バキィン!!


「くそっ!」



『勝者レクト!!』


サバトの最後の抵抗も虚しく、黒い斬撃がサバトの曲刀を破壊し、レクトの勝利となった。


「審判、降参」


勝利をサバトから勝ち取ったレクトは無表情で手を上げ審判に降参を申し出た。


「降参?見た感じ魔力もまだ残ってる見たいだけどな」


「四貴族同士で決着つけさせて大会を盛り上げるためなんじゃない?」


「それで負けたらシャレになんないよな」


「まぁそれくらい大将を信頼しているんでしょ」


『レクト選手の降参により、両学園の決着は大将に任せられたぁああ!そして両学園の大将は何と今大会の注目株!四貴族です!』


「「「うぉおおおおお!!!!」」」


会場の熱気が最高潮に達する。


『勝つのは果たして、最強の剣士オルフォルトの家系オルフェオン家かぁ!?それともこの僅か十数年で四貴族にまで登り詰めた新参アドラス家かぁ!?何十年に一度しか見られない奇跡の戦いを今ここで見られる皆さん!いよいよ大将戦!』


『グレアモル学園大将ミドラVSネロゴート学園大将ネフェト!!』


控え室からミドラが扉を蹴飛ばし一回のジャンプで舞台まで上がり、普通に歩きながら舞台まで上がるネフェト。


「久しぶりだなネフェト」


「久しぶりミドラ、相変わらず目立ってるね」


白い肌に黒い髪のネフェトが優しい口調でミドラに挨拶を返す。


「悪いが四貴族最強の座はまだまだアドラス家に譲るつもりはないから覚悟しておけ」


「誰が1番強いかなんて興味はないよ、君を倒せればそれでいい」



『始め!!』

ガキィン!!


試合開始の合図と共に2人が消え、次の瞬間舞台の真ん中で鍔迫り合いを起こしていた。


『閃双』


ギィンギィン!!


ミドラが放ったアルベルトやセニカの数倍速い閃双をネフェトが全て剣で受ける。


「ノーモションからのあの速度、あれが閃双本来の形なのか?」


「オルフェオン家のオルフォルト流はアレンジにアレンジを重ねられたオルフォルト流よ、剣技の最高峰と謳われたオルフォルト流の難点を自分達で見つけて独自の剣技にしてしまう程、こと剣を極める事に関しては比べられる存在はないわ。ミドラの使う剣技はオルフェオン流みたいなもんよ」


『黒閃』


『月影剣・影纏い』


高速で放たれた刺突攻撃を影で身を包み防御するネフェト。しかしミドラの突きを完全には止める事は出来なく剣が少しだけ影の中に食い込んだ。


「入れば十分!」


ミドラが剣に魔力を纏わせると、刀身が伸び、影を貫いた。


『闇落とし』


突如ミドラの上空からネフェトが現れ、斬り込む。


ガキィン!!


『月影剣・夜九魔』


『黙想六花』


ミドラがネフェトの不意打ちをガードした後、九つの斬撃が九方向から同時にミドラに集まってくるが、目を閉じた状態で全ての斬撃をいなして見せるミドラ。


スタッ


「ふぅ、、やっぱり強いなミドラは」


「これくらいしておけば観客も満足だろう、盛り上げは十分だ、本気で行く」


ミドラが空間から1本の剣を取り出す。


「それって、聖剣オルフォルトじゃ、、」


「父上が勝つ為だと言ってな」


赤と白の刀身をした神々しい光を放つ剣をミドラが上段に構える。


「フフフッ、やっぱり考えてる事はお互い似ているね」


『おいで、ヤタガラス』


ネフェトの背中から黒色と黒紫色を含んだのカラスが現れる。


「フハハハッ、やはり出してきたか闇の最上級精霊」


「まぁ俺は断ったんだけどね、父さんが無理やり、、」



((あれか?お前が言ってた最上級精霊は?))


((んー、雰囲気が違うな、一瞬だが感じたのは負の感情だった、あの鳥からはそれはない))


「2人の親が息子に切り札を渡したって事はー、、」


ルフトがラゼッタの方を見る。


「、、、これです」


ラゼッタが腕のタトゥーを見せつける。


「何だこれ?」


「これは竜紋っていって、成年になったらスレイニル家は代々竜からの加護を貰うの」


「ちょっと待ってくれ、竜の加護って事は知り合いに竜でもいたのかラゼッタは?」


「まぁ、そんな感じ、家の機密だからあまり詳しくは教えられないけど、この加護を貰えば竜狩りの力が上がるの、、つまり飛躍的に身体能力が向上するんだ」


「えぇー!いいなぁ!」


「ウチのパパも四貴族の代理戦争で本気になっちゃって「ラゼッタはもう立派な一人前だから特別あげちゃう!」って感じで貰ったの」


「なんだよその軽いノリ」


「まぁとにかく他の四貴族も貰ってる見たいだからイーブンよイーブン!」


「抜け駆けしようとする所は貴族っぽいんだな、ずるい人達だなー」


カイト達がジト目でラゼッタを見る。



『オルフォルト流・残雪』


ミドラの持つ剣の刀身の色が白く輝き、前方に一閃を放った。


ブォンッ


しかしその剣閃はネフェトの体を貫通し、背後の結界を破壊した。


「まずい!結界強度を1から3に上げろ!」


大会の係員が剣撃によって破壊された結界を見て、結界係の人に合図を送り再び結界が張り直された。


「やっぱ凄いねその剣は」


「真面目にしないと殺してしまうぞ?」


「そうだね」


ネフェトがニッコリした後目を閉じ軽く深呼吸をして目を開ける。


「後悔すんなよな!」


ネフェトの気配が少し変わり髪の毛が少しだけ浮き始める。


『アドラス流・無常閃』


ネフェトの黒い刀身から斬撃が放たれる。


『オルフォルト流・漂水』


放たれた斬撃を全て背後にいなすミドラ。


「へっ!だったらこれも流してみろよ!」


『アドラス流・流天』


目の前まで走ってきたネフェトは剣を逆手持ちし、高速で回転しながらミドラに襲いかかる。


「このくらい!」


『漂水』


「おちょくられると乗るのがお前の悪い癖だミドラ!」


上空に滞空していたヤタガラスの目が光る、その瞬間いなされミドラの背後へと流されたネフェトの背後から2体の分身が現れた。


『アドラス流・三成流天』


左右から分身が流天を放ちながら近づいてくる。


「これしき!」


『飛閃八門』


上空に飛び、斬撃を放ち八方に飛んでいく斬撃で分身の2体が四散する。


『闇落とし』


影の中に入りミドラの斬撃を回避した後、ミドラの真上に現れる。


『無頼剣・乱閃』


まるでネフェトが上から飛んでくるのを分かっていたかのように空中で身を捻り、真上のネフェトに一本の斬撃を放つ。


「くっ!」


『ブラックインパクト』


黒い球体を生成し、ミドラの放った斬撃に放ち相殺する。


互いに着地した後、ネフェトが詰め寄ろうとするも、ミドラが更に同じ技を繰り返し、それにネフェトも同じ技で返す応酬が繰り返され息が上がる2人。


「はぁ、はぁ、、いい加減に倒れてもいいだぞ」


「はぁ、、ここで負けるわけにはいかん、優勝をするのは我らグレアモル学園だ!」


『オルフォルト流滅技』


ミドラが剣を中段に構え集中する。


「畳み掛けるつもりか、だったら、、ヤタガラス!」


精霊がネフェトの剣に入り、黒い刀身が青と紫色に光る。


『アドラス流奥義』


ネフェトが霞の構えを取り同じく集中する。


『破邪顕正』


『夜咫烏・八閃』


ミドラが剣を振り下ろした瞬間、ネフェトが姿を消した。


ドォオオオオンッ!!!


巨大な衝撃音と共に結界にヒビが入る。


「どうなったんだ!?何も見えないぞ!」


結界の中は砂煙が上がり何も見えない。やがてゆっくりと砂煙が消え人影が見える。


『勝者はミドラ選手か!?それともネフェト選手か!?どっちだぁ!?』


人影が片手を上げ、横に払うと砂煙が完全に消え、姿を現したのはネフェトだった。


『勝者ぁあ!ネフェト選手!!』


『なぁんとぉお!!前大会の覇者グレアモル学園を倒し決勝に駒を進めたのはネロゴート学園だぁあああ!!!』


倒れているミドラにネフェトが歩み寄る。


「くっ、ほんと殺す気かよ」


「つい力が入ってしまった、、ぐっ、申し訳ない」


ミドラの腕を肩に回すネフェト。


「アドラス家にまさか独自の剣技があったとはな」


「あの技は俺のオリジナルだよ、アドラス流って言っちゃったの父さんに怒られないといいんだけど」


「完全に一杯食わされた、まさか精霊と一体化するなんて全くどんな思考回路をしているんだか」


「取り敢えず今は観客に礼を」


ネフェトに肩を預けながら観客席に礼をし、退場する2人。


「いい試合だったね」


「決勝くらい盛り上がったんじゃねーの?」


「見てるこっちが熱くなってきちゃうわよね」


「よし、次は俺たちの出番だ」


「順番は昨日決めた通りでいいよね」


「あぁ、俺が先鋒で次にスカーレット、セニカ、ラゼッタ、ジュランの順番だな!」


「やけに嬉しそうだねカイト」


「だって準決勝で初めて出るんだぜ?もう待ちくたびれたって感じだよもう」


『それではこれよりBブロック準決勝ウルミスト学園VSエマリア女学園の試合を始めたいと思います!!』


『まずはウルミスト学園先鋒カイトVSエマリア女学園先鋒ミシア!!』


「っし!中堅までやってやるぜ〜!」


舞台へ上がるカイト。


「おぉ〜舞台が思ったより広いな〜!」


反対方向から白色の制服を着たミシアが現れた。


『それでは準決勝始め!!』


「悪いけどすぐに終わらせてもらうぞ!」


『雷走』


ビュンッ


剣を抜かずに一瞬でミシアの背後に回り込むカイト。


『白道・三点結界』


『烈拳』


バキィン!!


「えっ!」


ミシアの展開した結界を素手で破壊し、再び雷走を使い目の前まで移動する。


『黒道・水燕』


ミシアの周りに無数の鳥が飛翔し、慌てて後ろへステップバックするカイト。


「くっ!」


『寄手』


闘気を伸ばし、ミシアを掴もうとするも、周りで飛翔している魔法の鳥が闘気を切り刻み、闘気が消滅する。


「だったら!」


『ライトニングボルト』


ズガァン!!


使いたくなかった魔力の消耗が激しい雷魔法を使いミシアに放つ。


バチバチッ!!


「んぐっ!」


感電し動けなくなったところを剣を抜き首に当てる。


『勝者!カイト!』


「悪りぃ、力技でついつい押してしまった、立てるか?」


「えぇ、、大丈夫よ」


舞台から下がるミシア。


「やっぱ女相手だと無茶苦茶やりにくいわ」


((んなもん気にしてる場合じゃねーぞ、敵対する奴はみんな蹴散らす勢いで行かねーと負けるし、セニカに嫌われるぞ))


((セニカとなんの関係があんだよ))


((はぁ、、まだまだガキだな))


「もう、、女だからって手加減して」


控え室でセニカが小声で文句を言っていた。


『続いて現れたのはエマリア女学園次鋒ミリア!!』


「よくも私の可愛い妹を黒こげにしてくれたわね」


「え?妹?姉妹でこの大会に出てるのか?」


「何よ?文句あるの?」


ミシアの姉であるミリアがカイトを見るなり不機嫌な顔でカイトに話しかける。


『次鋒戦!始め!!』


『黒道三式・岩墜』


試合開始と共にカイトの頭上に魔法陣が展開され、中から岩石が降りかかってくる。


ズドォン!!


岩がカイトの全身を埋めた。


パキッ


ズガァン!!


「びっくりしたー、いきなり岩落とすかよ普通、死ぬかと思ったわ」


岩が現れた瞬間、雷走では間に合わなく、テレポートは魔力消費が激しいため、闘気を全開にし、一か八かで生き埋めになったカイト。


一応無事だった為、岩を烈拳で破壊し、中から肩を回しながら砂煙と共に現れる。


『黒道三式・岩踏』


再びカイトの真上に魔法陣が展開され、今度は足の形をした岩がカイトを踏みつけようとするも、今度は魔法陣が出現した瞬間に、雷走でミリアの方へと走っていたカイト。


『白道三式・風薙ぎ』


ミリアの目の前に魔法陣が展開され、中から突風が吹き、カイトの体が宙に浮き、岩の足元に戻される。


「くそっ!」


『闘剣』


急いで剣を抜き、岩を破壊する。


『黒道三式・火蛇』


破壊した直後、背後から炎の蛇が高速で地面を這いながら、カイトに接近していた。


「オラァ!」


闘剣で正面からミリアの魔法を斬り伏せる。


「これでもダメなの?だったら!」


『黒道三式・万引』×『雹塵』


カイトの真上と真下から魔法陣が出現し、通常の8倍近くの重力が生み出され、動けなくなった所を上の魔法陣から雹の雨が降り注ぐ。


(くっ!一発一発が重い!)


((でけぇのが来るぞ!))


『ロックドーム』


岩の球体で大きな氷塊から身を守カイト。


「これで終わりよ!」


なんとカイトの真下の魔法陣から重力が上向に発生し、魔法陣の中からもう一つ巨大な氷塊が現れ2つの氷塊によって岩の球体が粉々に押し潰される。


「よしっ!」


「何がよしなんだ?」


「白道さっ、、」

バチンッ


突如背後からカイトの声が聞こえ、ミリアが反応し振り向き様に魔法を使う前に、カイトが雷で気絶させる。


「ふぅ、、危なかったー」


『勝者カイト!!』


(次の試合で限界だな、、テレポートまで使わされてしまったちくしょう)


『続いてエマリア女学園中堅メイジェ選手の登場!!』


『試合始め!!』


「ふぅ、、いくぜっ!」


呼吸を整え雷走で真っ直ぐメイジェに向かって走るカイト。


ドゥインッ!!


「ぬぉっ!」


見えない何かに当たり弾かれるカイト。


「なんだ今の!?」


((見えない何かがあいつの前で立ち塞がってるな))


『サンドストーム』


カイトは砂煙を巻き起こし、見えない何かの正体を突き止めようとする。


するとメイジェの目の前にスライムの様な物が砂の付着によって見えてきた。


『五刃』


刃をスライムに向け放つも、スライムの体の中で勢いが止まり、消滅してしまう。


(魔力は後残り4割、、やるしかないな)


『纏雷』


ズィンッ!


『雷貫』


残像を残して、目にも止まらない速さでスライムに向かって刺突攻撃を行い、体ごとスライムを貫くカイト。


そのまま勢いを留めることなくメイジェの目の前まで迫るカイト。


バキィン!


『氷装』


氷の結晶で生成した盾と、一本の巨大な氷の刃を身に纏うメイジェ。


「消耗は十分、後は削るだけ」


『氷刃』


『岩流し』


カイトが放たれた氷の斬撃を後ろへ流そうと、刀身と氷の刃がぶつかった瞬間、剣が瞬時に凍り、地面と繋がり抜けなくなった。


「なっ!」


急いで剣に炎を纏わせ氷を溶かそうとするもメイジェが襲いかかり、やむおえず剣を離し素手で戦うことを選択するカイト。


「まだ諦めないのね」


「こちとら剣がなくても満足に戦えるんだよ」


「まだまだ削れそうね」


「こい!」


闘気を全開にし、体全体を纏わせる。


『氷刃』


「そんなもん触れなければなんてことねぇよ!」


放たれた斬撃を横に躱すカイト。


『氷爆』


パキィン!


背後で氷の刃が爆発し、右足を地面と繋げられ凍らされる。


『氷海破斬』


ガシッ!!


「なっ!」


『烈脚』


闘気を全て右腕のみに集中させ、氷剣を掴み技を止める。しかし掴んだ瞬間に手が凍りつき始め、すぐさま闘気を足に纏わせ、技を素手で掴まれ驚いた様子のメイジェの氷剣と盾を烈脚で破壊し、最後に顔の手前で烈脚を寸止めしカイトの勝利となった。


「痛ぇ〜」


((無理しすぎたな))


((ここまでいったし、後は任せようか))


凍った腕を見ると凍傷を負っていたため、カイトもやむ終えず降参する。


「カイト!」


控え室に入るとセニカがカイトに駆け寄った。


「大丈夫!?もう無茶しすぎよ!」


「カイトのお陰で副将まで追い詰めたんだから労ってやるのが筋だぜセニカちゃん」


「そうよセニカ、カイトが無茶するのは今に始まった事じゃないし、何事にも全力の姿に惚れたっていってたじゃん〜」


「そうなのか?それは嬉しいなぁ〜」


ラゼッタの一言でカイトの表情が柔らかくなり、場が少し和む。


「もうやめてよラゼッタ!取り敢えず改めてお疲れカイト、後は私達に任せて」


「おう、任せたぞスカーレット!」


「え?、、、あ、はい」


突然名前を呼ばれて少し驚くスカーレット。剣を磨き終わり、空間へ収納し、控室を出る。


『さぁ続いてエマリア女学園副将レージェVSウルミスト学園次鋒スカーレット!!』


スカーレットとレージェが舞台へ上がる。


『始め!!』


最初に仕掛けたのはスカーレット。空間からレイピアを取り出し間合いを詰めに行く。


スッ


対するレージェも空間からレイピアを取り出しその場で構える。


『ソニックトゥシュ』


高速で連続の突きをスカーレットが放つ。


『リポスト』


シュインッ


レージェがスカーレットの放つ連続の突きを華麗にいなし、反撃の突きを放つ。


『シールドバッシュ』


ズガァッ!


しかしスカーレットも同じ剣技を扱える者、相手の技をあえて誘い、盾を空間から取り出し、レイピアの反撃を正面から弾き、レージェの身体が大きく仰け反る。


『閃双』


盾とレイピアを即座に収納し、普通の剣を取り出しオルフォルト流で斬りかかる。


『シールドバッシュ』


バァン!!


「なっ!」


なんとレージェは両足を地面に固定させ、体を地面すれすれまで倒しスカーレットの技を避けた後、腹部の筋力のみで勢いよく起き上がりながら、両手で持つ大盾を構えスカーレットを身体ごと弾き飛ばした。


「っつ!」


腕を抑えるスカーレット。


(さっきの攻撃で腕の骨が、、もうここで使うしかないわ)


『秘技・武芸百般』


空中に魔法陣が展開され、魔法陣から様々な武器が降り注ぐ。


「こんなにもの武器を扱うなんて、、やはりカーマイン家は伊達じゃないわね」


「貴方こそ扱える武器は少ない物の熟練度は私より遥かに高い、父から聞いていたパミーシア家は貴方ね」


「全能の家系カーマイン家が現れてから、私達パミーシア家は貴方達の紛い物、偽物扱いをされ日陰での生活を強いられた、、私達パミーシア家の方が貴方たちより上の存在である事を世に知らしめる好機!」


『四武四器』


レージェの背後に空間が出現し剣を取り出し、構えを取る。


『剛破斬』


スカーレットは目の前に突き刺さる大剣を拾い、大きくレージェの前まで飛躍し、大剣を叩き込んだ。


ズガァン!


地面を大きくえぐるもレージェは身を少しだけ横に移動させギリギリで躱し反撃する。


『藪雨』


連続の刺突攻撃がスカーレットに放たれる。


『シールドバッシュ』


『デストロイクラッシュ』


盾で咄嗟にガードしたが、すぐさまレージェが武器を大槌に切り替え大きく素早く振りかぶりシールドに叩き込んだ。


ズザーッ


「ギリギリ躱したようね、でも次はどうかしら!」


再び武器を剣に切り替えスカーレットに向かって走り出す。


『ニードルショット』


弓を取り出し、風魔法で生成しら矢でレージェに放つ。


『岩鉄剣』


レージェの剣が岩鉄に包まれ岩をも貫くスカーレットの弓矢が弾かれる。


「終わりよ!」


『天斬』


オルフォルト流奥義天斬を前にスカーレットは側に突き刺さっていた大剣を抜き、下段に構える。


『飛龍斬』


ガキィン!!


技と技がぶつかり合い鍔迫り合いを起こすも、岩鉄で剣を纏ったレージェの武器相手に、普通の大剣では耐久性が各段に違ってくるため、スカーレットの大剣にヒビが入る。


バキィン!!


やがてスカーレットの大剣が粉砕され、技がスカーレットに届くその瞬間。


ズルンッ!!


ガァン!


レージェの背後でスカーレットのクローンがレージェの足元に引っ掛けた縄を全力で後ろに引っ張ると、バランスを崩しレージェが転倒した。。


その隙にすぐさま立ち上がり、レイピアを空間から取り出した後、首に突きつけスカーレットの勝利となった。


「頭に血が昇ったのが敗因よ」


「ま、、まちなさい!まだ私は戦える!、、父さんの無念を、、」


「悪いけどカーマイン家を打倒したとしても貴方の目的は達成しないわ、私を倒したいのであれば遠くを見る事、じゃなきゃ私に追いつくなんて夢のまた夢の話よ」


『勝者スカーレット!!』


「よしっ!次勝てば決勝進出だ!」


「行けー!スカーレットちゃ〜ん!」


(スカーレット、、)


『続いてエマリア女学園大将リアンナ選手の登場です』


「凄いね〜、まさか次鋒でここまで来るなんて」


「ここで貴方を倒して終わりよ」


『試合始め!!』


『武芸百般』


すぐさま魔法陣を展開し、武器がリアンナに降り注ぐ。


『猛打棍』


ズダダダダダン!!


「落ち着きなって〜」


攻撃をする前まではいたはずリアンナが突然スカーレットの背後にいた。


『ファンタジア』


スカーレットの脳に両手を当て、幻想を見せる。


ドスッ!


しかしスカーレットは正拳突きを一寸の狂いもなくリアンナの腹部にめり込ませる。


スゥンッ


「やっぱり効かないか〜」


「そんな非現実的な場面を見せられても意味はないわ」


「力尽くでやるしかないんだね」


『ニードルショット』


ガキィン!!


見えない何かによって弓矢が弾かれる。


「改めて紹介するわ、私の精霊幻王ベリトよ」


リアンナ紹介した直後、背後に二足歩行で顔が骨の鹿に似た生き物が姿を現した。



((あいつだカイト、俺の感じた気持ち悪りぃ気配の奴は))


「あれも最上級精霊、、」


『穿鉄棍』


スゥッ


またも攻撃した瞬間リアンナの姿が消え、再びスカーレットの背後に現れた。


「アハハハハ〜、私に攻撃しても意味ないって言ってるのに〜」


ザシュッ


リアンナが隠していた短剣をスカーレットの脇腹に刺す。


「ぐっ!」


『リアンナ、、アイツ、タベタイ、、』


「ダメよベリト、スカーレットちゃんは私の物なんだからぁ、四貴族のあの子食べたでしょ?」


「んぐっ、、」


「苦しい?ねぇ?一応言っておくけど誰も助けてはくれないわ、ここの空間をベリトの幻惑で閉じ込めたから外からは違う風景が見えているわ、これで邪魔者はいない、私とスカーレットちゃんだけ!」


そう言って悦に入り、卑猥な表情を浮かべながらスカーレットへと近づくリアンナ。


「言ったはずよ、、貴女の好意には吐き気がするって!」


『百器夜行』


地上に突き刺さった武器たちが浮き上がり、リアンナに向かって放たれる。


「傷ついちゃうな〜そんな事言われたら〜、これだけはしたくなかったけど力尽くで洗脳するしかないか〜、ベリトちゃん!」


『ダークマター』


ベリトの前に黒い球体が出現し、盾の形に変わり放たれた攻撃からリアンナを守る。


『両翼』


スカーレットが両腕を左右に広げると盾に当たる寸前で五十ずつ分かれた左右に広がった。


「抵抗しないで」


テレポートでスカーレットの目の前に現れ、ベリトがダークマターで2人を閉じ込める。


グッ!


リアンナはレージェとの戦いで折れたスカーレットの腕を持ち力強く握った。


「んっ、、」


「すご〜い、折れてる筈なのに声の1つもあげないんだね!」


出血、疲労、百器夜行で使った魔力で殆ど動けないスカーレット。


「それじゃあ始めるね!」


誰も見えなく、ダークマターに包まれた暗い空間の中でリアンナによる洗脳が始まる事十数分。


「スカーレットが推してるように見えるけど、決め手にかけるな」


「ん?」


突然スカーレットが動かなくなり、地面に倒れる。勿論今まで見てきた戦いはリアンナが見せている幻影の為、本当に起こっている事は誰にも分からない。


そして見せている幻影と現実で起こっている事で差異がないようリアンナが小細工をした後、現実に戻す。


『勝者リアンナ』


「これで私の物だねスカーレットちゃん」


卑しい顔で口角を上げるリアンナ。控え室に無表情でスカーレットが戻り、そのまま控え室から何も言葉を発さないまま出て行く。


「セニカ、気持ちは分かるけど今は目の前に集中だ、頑張れよ!」


「うん」


「頑張ってセニカ!」

「カイトにかっこいい所見せちゃえ!」


セニカが覚悟を決めた表情で控え室を出る。


『続いてウルミスト学園中堅セニカ選手の登場!!』


舞台へと上がるセニカ。

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