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第1章 大陸大会 Ⅱ



『さぁ本日大陸大会2日目を迎えました!!本日の対戦表は以下の様になっております!!』



=====================



『Aブロック』


『グレアモル学園』VS『焔相寺学園』



『Bブロック』


『ウルミスト学園』VS『スパディアム学園』



=====================


『それでは早速グレアモル学園VS焔相寺学園の試合から始めます!!』


『まずはグレアモル学園が先鋒で出したのは何と剣聖の子孫である四貴族が1人、ミドラ・オルフェオン!!そして対する焔相寺学園の先鋒は昨日の対ワミューエル戦で怒濤の巻き返しを見せたこの男!!エン選手です!!』


「「「「ウオォオオオオ!!!」」」


昨日の活躍もあり、エンの評価が観客内で爆上がりし、尚且つ四貴族と対峙する事で、数万といる観客が一斉に歓声を上げる。


「いきなり四貴族が出てきたぞ」


「ほんと馬鹿ね、どうせ昨日のアドラス家が大会史上初の先鋒で尚且つ単身でストレート勝利したから、自分にも出来るってアピールしたいんじゃない?」


「まぁラゼッタへのアピールだろうがな」


「はぁ、、男ってほんと馬鹿だわ」


『それでは試合初め!!』


「来ないのか?」


剣を抜かずに話しかけるミドラ。


「貴様こそ剣を抜かないのか?」


「我が剣を抜くにふさわしいと思った相手にのみ、我が剣の刀身を礼儀として見せるが、正直昨日の戦いを見る限り抜く程ではないと思ってな」


「だったら抜かずに負けて後悔しろ」


突如背後からエンの返事が聞こえ、エンが回し蹴りを放つ。


ガシッ


その回し蹴りを振り向かず片手で受け止めるミドラ。すると掴んだ足から炎が放出され、瞬く間にミドラの全身を包んだ。


「今のでびくともしないか、だったら!」


『焔斧脚』


空中で目に見えない速度で縦に回転した後、回った勢いで炎を纏わせた足でかかと落としを放つエン。


『オルフォルト流無手ノ型・日昇』


拳を突き上げエンの技に合わせ技を放つミドラ。互いの拳と足からは炎が吹き荒れ、若干エンの炎が押され気味になっている。


「フンっ!」


体をその場で捻り、勢いをつけ、もう片方の足で同じ技を放ち、勢いを返すエン。


『清流水』


放たれた技を上手いこといなし、地面にエンの足が突き刺さり、クレーターができる。


『黒閃掌』


「遅いっ!」


『双火撥』


ミドラが放ったのはオルフォルト流無手ノ型最速の技、その技遅いと言い放ち、避けた後燃え上がる両手をミドラの腹部に打ち付ける。


ズパァンッ!!


ズザーー


「ほう、まだまだ余力を余らせていたか」


「お前が俺の実力を測ろうなど片腹痛い、このエンに剣を使わなかった事一生後悔しておけ」


『灰炎』


全身燃え上がり、再び上半身が露わになるエン。地面を蹴り上げ、まっすぐミドラの方へと近づき、連撃を放つ。


ドドドドドドッガシッ


ジュゥウウウッ


技の途中でエンの拳を掴むミドラ。しかしエンの拳は炎を纏っている為掴める時間はそう長くない。すぐさま離そうとするも、片手を掴まれても技を止めないエンの攻撃をモロに顔に一発入れられるミドラ。


「終わりだっ!!」


ブシュッ


「なっ!」


最後の技を放とうとした瞬間、目の前のミドラが消え、いつの間にか拳を軽く斬られ、背後に回っていたミドラ。


「我の思っていた以上の実力だ、申し訳ない、フィアンセが見ている前なのでついつい格好をつけてしまった」


「速い、、やはり四貴族というのは強いな、相手にとって不足はない、全力で行く!」


「こいっ!」


靴を脱ぎ、集中するエン。対するミドラは剣先を後ろ足に向け、腰を低く落とし、様子を伺う。


『焔相寺拳法奥義・焔極』


ブンッ


エンの姿が突如消え、次の瞬間ミドラの周りに炎の壁が現れた。


「あれは高速でミドラの周りを走りながら出してる炎だよな」


「うん、観客にはまるで壁ができた様に見えるでしょうね」


ブンッ


ガキィンッ!!


突如壁から拳の形をした炎が飛んでくるも、反応しガードして見せたミドラ。しかし思った以上に威力が高く、衝撃で剣が弾かれる。


ブンッ


弾かれた剣を見たエンは、再び炎の拳をミドラに放つ。


『氷斬破』


ドガァン!!


カイトが今まで見た斬破の数倍の大きさの斬破が炎の拳とぶつかり、爆ぜていった。


『オルフォルト流・飛閃八門』


剣に魔力を溜め、上空に飛んだ後、空を蹴り勢い良く地面に向かって剣を振り下ろすと、8本の素早い斬撃が壁に向かって飛んで行く。


『武焔拳』


壁の中からエンが飛び出し、ミドラの真上から赤く光る拳を放った。


「さすが焔相寺学園だ、ここまで強いとは思っても見なかった。改めて舐めたかかった事を詫びる為、我が最強の剣技をお前に見せてやる」


『無頼剣・乱閃』


ブンッ


ミドラが剣を真上に軽く振ると、斬撃がエンの方へと飛んでいき、武焔拳とぶつかり合った瞬間斬撃が破裂し、中から次々と刃が無数に乱れ、上手いことエンを避けながら、四散していった。


「くっ、、参った、俺の負けだ」


「いい試合だった、来年は互いにまた一歩強行くなってより良い試合をして行こう」

(我ながらいい事を言った!これでラゼッタもあんな男ではなく、我の方に目を、、)


ラゼッタの方を見ると興味の無さが全開に現れていて、眠っていた。


(寝ている姿も綺麗だなお前は)


『勝者ミドラ!!』


その後焔相寺学園の大将を倒したミドラは、次々と勝ち上がり、大会史上2度目のストレート勝ちを叩き出した。


「よし!いよいよ俺達の出番だな!」


「そうだね、そろそろ控え室に向かおうか」


「あーあ、ジュランが最初に出るんでしょ?全員倒さないといいんだけど」


「まぁ一応次鋒だからラゼッタはまだ可能性あるかもしれないけど、俺朝ジャンケンで負けて大将だぞ?絶対ここまで回ってこないだろ」


控え室にに着くと、みんなが先に着いて待っていた。


「うしっ!次はいよいよ俺達の出番だ、順番は今日の朝決めた通り、先鋒ジュラン、次鋒ラゼッタ、中堅スカーレット、副将セニカ、大将が俺だ、まだまだ次があるから無茶だけはしない様に、特にジュラン、色々状況があるかも知れねぇけど、昨日言った通り俺達はチームで戦ってる、無理はしないで、悔いのない戦いにしよう」


カイトの提案で10人で円陣を組み、カイトが掛け声をする。


スゥゥゥゥッ


「絶対優勝!帰ったらみんなでBBQだ!!」


「「「「おう!」」」」


『さぁ続いての試合は、ウルミスト学園VSスパディアム学園!!えぇー、情報によりますと、ウルミスト学園には、スパディアム学園から転校生が来ていて、その生徒がなんと予選でウルミスト学園を代表していた生徒との事です!!』


『それでは早速ウルミスト学園先鋒、元スパディアム学園生ジュランVSスパディアム学園先鋒ランカ!!』


舞台へと上がる様子をモニターで見届けるカイト達。


「頑張って、ジュラン!」


「負けたら承知しないよ!」


「頑張れジュラン!」


みんなの声援が届き、親指を突き立てるジュラン。


「なぁ、ずっと聞きたかったんだけど魂装ってなんなんだ?」


カイトの疑問にアルベルトが答える。


「魂装とは遥か昔に自身の人生を修練ばかりに注ぎ込んでいた男が死の間際に偶然発見したとされる技だ、剣士は寿命間近で寝たきりだったので、毎日やる事もなかったため、自身の魂と見つめ合って、いつも独り言の様に語りかけていた。そして死の間際、剣士の腕には一本の立派な剣が握られていて、それをみた剣士が自身の息子に「修練とは身体のみを鍛えるのではなく、心と共に鍛えてこその修練だ、心を忘れるべからず」と最後に言い残し、今度はその息子が生涯をかけ、自身の父親が言い残した意味を追求し、見事技を完成させ、また次の代へと継承していった物だ」


「詳しくは俺も聞いた事しかないが、魂装は1度継承が途切れてしまい、『忘れ去られた十技』の内の1つとして有名だ、かの有名な剣聖オルフォルトが残した3つの技の内2つもこの内に入る」


「なんでそんなすげぇもんをジュランが」


「最初は俺も驚いたが、他人の技を聞くのは剣士の世界では無礼に値するからな、なんでも知りたがるお前には分からない事だろうがな」


「ふんっ、うるせーよ補欠」


少しにやけながら、カイトを揶揄するアルベルト。そしていよいよ試合が始まる。



『初め!!』


「久しぶりだなランカ」


「久しぶりねジュラン」


「ちょっと痩せたんじゃねーのか?昨日の技も腰が入ってなかったしな」


昨日のランカの攻撃について少し弱くなったと指摘するジュラン。


「フフッ、貴方の腕が鈍ってないか確かめただけよ」


「ほぉ〜?いつから俺を試せる程力をつけたんだランカ?それ程良かったのか“魔剣の力”は?」


ブォンッ


ランカが空間からその魔剣を即座に取り出し、横に斬り払うと、太い斬撃が放たれた。


バキィン!!


それを片手で持った剣で難なく粉砕して見せるジュラン。


「貴方が去ってから、私達を守ったのは他でもなくこの魔剣よ、そもそも貴方がいらない事をしなければ私達は目をつけられていなかったし、魔剣を握る必要もなかったのよ、考えなかった?自分がみんなに求めていた幻想にもしかしたら自分はいらなかったのかもって」


『緋剣イグニ』×『焔剣エニス』


「あぁ、確かに何百回と考えたさ、もし俺がいなかったらお前達に飛び火がいかなかったかも知れないし、お前らが魔剣を握るまでに追い詰められなかったのかも知れないとも」


2本の魂装剣を取り出した後、再び胸にしまうジュラン。


「だがレクトに言われたんだ、お前がいなかったら俺達は今より弱かったって、悪い事も起きたけど、それだけじゃない、俺達はジュランがいたからこんな目にあったんじゃない、元々こういう目に合う運命だったのをジュランが助けに来てくれたんだよって」


「ハハハッ!本気で言ってるの?貴方のせいで現実が見えなくなったんじゃない?最後まで魔剣に触れる事を拒絶した弱い人間が、最終的にはそういう幻想を抱いたままの人間が1番損をするのよ」


『霊装・凰剣イグニス』


胸から光の球を取り出し掲げると、光の球が大きく横に伸び、ジュランの体程の大剣へと変化した。


「そういう奴の為に俺達は剣を取って、互いに研鑽しあい、強くなって、守ってやるんだよ、確かに1人じゃ幻想に過ぎねぇ事を言ってるかも知れねぇが、同じ思いの人が集まれば幻想は現実にだって変えられる!それを俺に言ってくれたのはお前だろ、ランカ!!」


「んぐっ!、、」


突如ランカがこめかみを抑え始める。


「目覚まさせてやるよ、お前ら全員!!」


ジュランが剣先をランカに向け、突進する。


『凰火一閃』


『魔剣技・斬散』


剣から迸る凄まじい猛炎と共に、ジュランの剣がランカの魔剣がぶつかり合う。


バキィン!!


「なにっ!!」


ぶつかり合ってから間もなく、ジュランの剣が、ランカの魔剣を粉々に粉砕した。


『武器破壊により、勝者ジュラン!!』


凰剣イグニスを胸にしまい、ランカの元へと歩くジュラン。


「魔剣で表面だけ強くなっても、心がその力に共に伴ってなきゃ意味ねぇんだ」


「死ねぇ!!」


突如破壊した筈のランカの魔剣が再生し、ジュランの首を目掛けて斬りつける。


「カイト!!」


「あぁ!」


テレポートでジュランの後ろに行き、ジュランを助けようとした途端、右手で制されるカイト。


「んぐっ、、もうっ、、、やめ、て」


魔剣がジュランの首元まで当たったが、斬る前にランカが必死に抵抗し、気絶して倒れた。


「大丈夫かジュラン、、」


「あぁ、ありがとうなカイト」


控え室に戻り、次の試合が始まる。


『続いて先鋒ランカ選手に代わり出場したのは、スパディアム学園次鋒レアルド!!』


レアルドが舞台へと上がる。


「久しぶり、ジュラン」


「お前はあれだな、、相変わらずめんどくさそうだな」


「まぁね、、ジュランがいなくなってから、マクベスがリーダーシップ取るようになったから、言うこと聞かないとめんどくさそうだし、お利口さんのフリしてるー、めんどくさいからマクベスの目覚まさせてあげてねジュラン」


「おう、お前とは楽しい真剣勝負が出来そうだな!」


「はぁ、、結局めんどくさいのには変わりはないんだね」


『試合初め!!』


試合開始の合図と共に焔剣エニスを取り出し、レアルドにワンステップ詰め寄ろうとするジュラン。


『蒼炎剣・百灼』


しかしレアルドの一歩手前で青い炎がジュラン目掛けて放たれる。


『蒼炎剣・青壁』


剣に青い炎を纏わせ、体を回転させる事によって放たれて蒼炎を後ろへ受け流すジュラン。そしてすぐさま体勢を切り替えて、レアルドの目の前まで近づく。


「オラァ!!」


『蒼炎剣・蒼燈』


ジュランが横斬りを放とうとした瞬間、地面から青色の炎が火柱となって吹き上がり、ジュランの包んだ。


ゴォォォォッ


「やっぱそうなるかー、めんどくさ」


レアルドが出現させた蒼炎の火柱がジュランの持っている焔剣エニスに吸い込まれていく。


「悪りぃなレアルド、使う気はなかったんだが、使わされちまったよ、まぁ俺も学園の看板背負って戦ってんだ、負ける訳にはいかねぇんだ」


『蒼焔剣・万灼」


レアルドの放った百灼の数倍の大きさの蒼炎がレアルドに向かって放たれ、なすすべのないレアルドは武器を捨て両手を挙げた。すると炎がレアルドの目の前で消えていった。


『勝者ジュラン!!』


「はぁー、無理無理、やっぱ勝てないよ」


「ちゃんと修行して強くなってるな、偉いぞ!」


「なんだよその上からの感じ、、久しぶりだわ」


「来年もまた戦おうなレアルド!」


「、、次はもう一本抜かせるまでには強くなってやる」


独り言をボソッと呟きながら舞台から降りていき、交替で出てきたのはマクベスだった。


「中堅戦で大将の出番か、、どうしたんだマクベス?俺のスタミナ切れを狙ってたんじゃないのか?」


「いやー、やっぱり強いねジュラン。確かにスタミナ切れを狙ってたけど駄目みたいだね」


「もう1人魔剣を握った奴がいんだろ?サイか?それともグラメルか?」


「いいや、僕とランカだけさ、もう1本はレクトが何処かへ隠したから2本しかなくてね」


「そうか、とっととその魔剣潰してしまいにしてやる」


『それではスパディアム学園中堅マクベスVSウルミスト学園先鋒ジュラン、、始め!!』


『霊装・凰剣イグニス』


『魔剣・ヘレス』


互いに切り札である剣を取り出し、走り出す。


「おぉらぁっ!!」


「はぁっ!!」


ガキィン!!


ブォオオオオンッ!!


凄まじい剣風が吹き荒れ、鍔迫り合いを起こす。ジュランは自身が両手で剣を握っている事に対し、マクベスが片手で剣を握っているのが見え、即座に後ろへステップしようとしたが、マクベスはジュランの反応を上回る速度で魔法を発動する。


『ネロ・フレイム』


背後に現れた黒炎を焔剣エニスの特性、火属性吸収で吸収しようとするも、闇魔法との複属生なので吸収できず、腕に火傷を負う。


シュウウウッ


「へぇー、凄い特性持ってるねその剣、傷をも癒してくれるんだね」


凰剣イグニスの特性である持ち主の魔力を勝手に吸収し、持続回復する能力で火傷がみるみる治っていく。


『鳳火扇』


扇状に炎の球を剣から飛ばし距離を取るジュラン。


『シャドーテレポート』


放たれた炎が当たる直前、ジュランの影からマクベスが飛び出し、技を放つ。


『魔剣技・六冥閃』


マクベスの高速の6連撃を大剣を地面に突き刺し、県の背後に隠れガードするジュラン。


『鳳炎火』


炎を拳に纏わせ、大剣に向かって拳を放つと、凰剣イグニスを伝って、剣から凄まじい炎が吹き荒れ、マクベスを覆う。


『月影剣・影纏』


ドーム状の影がマクベスを炎から守る。


シュウウウッ


やがて炎が収まり影を解くと、目の前からジュランが消えていた。


「下か」


『魔剣技・炎黒浄』


剣を地面に突き刺し、黒炎を流し込み舞台を爆発させる。


『月影剣・八斬夜蠎』


八つの蛇の形をした斬撃が地中から現れ、マクベスに向かって襲いかかる。


「いなしきれないなこれは」


独り言を呟いた後、自身の影の中へ入り回避するマクベス。


「ぐっ!」


「まだまだだなマクベス!」


影の中に入った瞬間、予め影の中に回避すると見込んだジュランに首を掴まれた状態で影から無理矢理押し出され、空中に投げ飛ばされる。


「離せぇ!」


『魔剣技・炎魔絶閃』


「そんな物騒なもん、潰してやるよぉ!!」


『凰火一閃』


マクベスの魔剣目掛けて、技を放つジュランに、マクベスが口角を上げる。


「やっぱり狙ってたのは武器破壊だったね、そんなに壊したきゃホラッ!」


マクベスは魔剣を上空に放り投げ、自身を攻撃する筈がないと判断し、身を盾にしながらジュランに魔法を放つ。


『ネロ・プロミネンス』


掌から生成された黒炎の球がジュラン目掛けて放たれる。


『霊装解除』


『天歩』


霊装を解除し、両手に緋剣イグニと焔剣エニスを持ち、空を蹴り魔剣の方へと飛んでいくジュラン。


「これで終わりだぁ!!」


『緋焔流刃』


ブゥンッ


「これで終わらせるかぁ!!」


ジュランが魔剣目掛けて技を放つが、魔剣が突如光だし、圧縮され光の玉となった後爆発した。


ドガァン!!


「ジュラン!!」


控え室にいたカイト達が心配しながらモニターを見る。


空中から黒焦げになったマクベスとジュランが地面に落下し、地面にぶつかる直前でシーが何処から突如現れ、ジュランをキャッチした。同様にマクベスもシーに似た白いスーツを着た男性に抱えられている。


『両者ダウンにより引き分け!!』


控え室にジュランが運び込まれると全員がジュランの方へと寄って行った。


「大丈夫か!?ジュラン!」


「うぅ、、油断しちまったよ、、、まぁでも魔剣はちゃんと、、破壊した」


「あぁ、よくやったな!」


「凄かったよジュラン」


「カッコよかったわよジュラン」


「へへっ、、まぁ、、これくらいはな、後は、、悪いけど、、頼んだ」


力が抜けたように目を閉じるジュラン。


「おい!ジュラン!」


「安心してください、爆撃を受ける直前に、結界を張って起きましたので、重傷というほどではありません、ご安心を、それと明日の大会に出れるかどうかは診療所まで運ばないと分からないので、お分かり次第お伝えします」


「分かりました、ありがとうございます」


チームを代表してカイトがシーに礼をする。


「よし、ジュランは無事みたいだから、次の試合に集中しよう」


「次はあたしの番ね!」


『それでは続いてスパディアム学園副将グラメルVS大陸四貴族が1人、竜狩りの一族スレイニル家のウルミスト学園次鋒ラゼッタ選手だぁ!!』


「「「「ウォオオオオッ!!!」」」」


「やっぱ四貴族って凄いな、紹介されただけであの歓声だぞ」


『それでは試合始め!!』


試合開始の合図と共にグラメルがラゼッタに向かって飛びかかってきた。


『月影剣・影縫い』


グラメルが持っていた剣をラゼッタの影に放つと、剣を伝いラゼッタの影から帯のような物が出現し、ラゼッタの体を拘束する。


『月影術・月牙』


身動きの取れなくなったラゼッタの影が円状に広がり、大きな獣の口をした影がラゼッタを飲み込んだ。


「どうだ!?」


パキィンッ


突如グラメルの見ている世界がひび割れ、粉々に崩れていく。


『勝者ウルミスト学園ラゼッタ!!』


グラメルの頭には疑問しか浮かばなかった。なぜ拘束までして、影の牙によって倒された筈の相手が勝っているのか?


「なんだと!?ちょっと待て!どういうことだ!押してるのは俺の方だぞ!!」


影に捉われている筈のラゼッタの方を見ると、そこには誰もいなかった。


「後ろをちゃんと見なさい、ホラッ」


背後から声がして振り向くと、槍がグラメルの胸の位置で止まっていた。


「最初からあんたが戦ってたのは私じゃなくて幻影」


「幻影だったら俺でもすぐに気付く!手応えは確かにあったし、、」


「まぁそう思うのも無理もないわ、何せあたしも初めてかけられた時偽物か分からないほどリアルだったもん」


ラゼッタの精霊リリーが使った魔法は、相手に幻影を見せるだけではなく、相手の脳を直接撹乱させる魔法だった。


「偽物を見せたって言うよりかは、体験させたって方が言い方的に正しいのかな?まぁ取り敢えずあたしの勝ちってことで!」


カイト達のいる控え室に向かい笑顔でピースするラゼッタ。


「呑気なもんだよ、、にしてもリリーの幻影魔法更に進化してたな」


「うん、この前手合わせしてみたけど本当に何が起こってるのか分からなかったもん」


「闘技会で当たるのが怖くなって来たな、、なんでヒントなんかあげたんだよ俺〜!」


頭を抱え自身がして来た事を後悔するカイト。何故なら先程のリリーの新しい幻影魔法は、カイトとファミルのアイデアによって『デルーション』と言う名前で発明された魔法だったのだ。



『さぁ続いて大将戦!!スパディアム学園大将サイの登場です!!』


「あんたが大将ね!悪いけどこの試合勝たせてもらうわよ」


「ただでは負けませんよ!」


『始め!!』


試合開始の合図が始まった途端、サイが空間から剣を二本取り出し、ラゼッタに向かって走り出す。


『ミラルリア流・ノーザンクロス』


サイが双剣に氷属性を纏い、クロスさせ振ると、ばつ印の氷塊がラゼッタに放たれた。


『牙槍一点』


バキィン!!


放たれた氷塊を一突きで粉砕する。すると破壊された氷塊の後ろ、背後、上空にサイが現れた。


『ミラルリア流・ミラージュエレメント』


『ドラゴンフォース』


3人に分身したサイから、四属性の剣技が放たれるも、ラゼッタが竜の力を解放し、全て力業でねじ伏せていく。


「やっぱ無茶苦茶な戦い方だわあいつ」


「そう思うよなカイトも、、なんであんな笑いながら戦ってんだよ」


「あーほら、もう試合終わるんじゃね?」



『ラジカルエレメント』


『ドラゴンロア』


サイが無数の属性の魔法球をラゼッタに放つも、一撃で魔法球を全て破壊するラゼッタの表情を見て両手を上げ降参した。


『勝者ラゼッタ!見事次の戦いに駒を進めたのはウルミスト学園!!』


控え室にラゼッタが戻ると笑顔でみんなが待っていた。


「流石だなラゼッタ」


「あれくらいなんともないわよ、向こうの最初の骨のありそうな3人と戦いたかったわ」


「まぁまぁ次の試合はもうちょっとマシになるだろ」


「明日はあたしが最初に出るからね」


「じゃあ俺その次!」


「もう、落ち着いてラゼッタとカイト、ジュランの様子を見てから決めよ」


「そうだな、取り敢えず俺が報告と様子を見に行くわ」


「私も行く」


「あたしも」


「俺も!」


「俺は今から用事がある」


結局いつもの4人でジュランの様子を見に行く事となった。


コンコンッ


「はいよ!」


ガラガラ


「よっ、もう治ったのか?」


「まぁな!今日はここで泊まって様子を見るように言われたが明日の試合には出られるみたいだ」


「そうか、なら良かった」


「あんたのおかげで今日の試合はあたし達が勝ったわ」


「勝ったのか、どうだった?俺の元いた学園の同級生達は」


「しょーじき微妙よね、本当に同級生なの?って感じだったわ」


「まぁ最初に俺が倒した3人はクラスのトップ連中だったからな、他は適当に選ばれたんだろ」


「まぁ勝ったって報告をしに来たのと大丈夫か見に来ただけだ、今日はもう邪魔しない様にさっさと帰らしてもらうわ」


「あぁ、それじゃあまた明日な」


「またねジュラン」

「んじゃな〜」

「達者で〜」


ジュランへの報告と様子を見終わってホテルへ帰るカイト達。それからまもなくした後。


コンコン


「誰だ?」


ガラガラ


中に入ってきたのはレアルドとランカだった。


「やぁジュラン」


「、、、、」


「お!お前達か、お疲れさん」


「身体の調子はどう?明日の試合出れそう?」


「まぁ大丈夫だ、大会の係りの人間が守ってくれたみたいだからな」


「そうか、良かったな、、」


「、、、、」


「ほら、謝りに来たんだろランカ、こういう空気めんどくさいから後は2人で喋ってくれ」


「あっ!ちょっと!」


ガラガラ


レアルドが扉を閉めた後、大きい声で驚きだし再びジュランの部屋に戻ってくる。


「ほらっ、そんなとこで隠れてないでちゃんと入って」


レアルドが引っ張りながらマクベスをジュランの部屋に連れ込む。


「んじゃな」


レアルドが部屋を出て少し静寂に包まれる。


「正気に戻ったか?お前ら?」


「、、うん」


ランカが質問に答える。


「マクベス」


「、、うん僕も」


「そうか、だったらいいや!そんな浮かない顔怪我人の前でしてんじゃねーよ、もう気にしてねぇから、それより無事で良かったよ」


「、、うん、でもねジュラン、魔剣が壊れてやっと気付いたというか思い出したというか、、」


「僕も魔剣が破壊れてから思い出したんだ」


「何を言ってんだ?」


2人が口を揃えて記憶に違いが生じていた事をジュランに話し始めた。


「魔剣を握る事に抵抗してたのはレクトじゃなくて僕達だったんだ」


「は?」


いきなりで何を言っているのかさっぱり理解できなかったジュラン。


「レクトだったんだ、最初に魔剣を握っておかしくなって、僕達の記憶を弄ったのは、さっき目覚めてから全て思い出して、いち早くジュランに伝えなきゃと思って来たんだ」


「じゃああいつは今何処で何をしてんだ?」


「分からない、ただ大陸大会には参加するとは言ってた」


「どういう事だ!?スパディアム学園にはアイツはいなかったんだろ?」


「それについては私が思い出したわ、確か魔剣を握っておかしくなって、十魔剣の1人を倒した後学園を追放されて別の学校に移ったの」


「なんて学園だ?」


「ネロゴート学園よ」


「まだ解決にはならねーか、、ちくしょう」


解決したかと思われた魔剣の問題にはまだ裏があった事に驚きを隠しきれないジュラン。少し時間が経ち覚悟を決めた眼差しでランカとマクベスを見る。


「まぁでもどっち道やるしかねぇんだ、こうなったら優勝ついでに全部解決してやる」


「変わってないねジュラン」


「やっぱり僕が憧れたままのジュランだよ」


「まぁな」


2人は魔剣から目を覚まさせてくれたお礼をした後、ジュランの部屋を出る。


「レクト、、何があったんだお前に」



こうして大陸大会本戦2日目が終了した。

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