第1章 大陸大会予選
カイト達がエリュードからダハブ商業都市へ向かってから4日目、遂にカイト達はモルバト都市国家の国境へと到着した。
「うぉおお!なんだこの道!」
「えっ、これって」
カイトにはとても見覚えのある景色がそこには広がっていた。
「工場に、コンクリートみたいな道路、それに車!?」
「久しぶりねー、相変わらず変わった国ね」
「ラゼッタは来た事があるのか?」
「何度かね、パパの付き添いで買い物しに来た事があるの」
「じゃあ、あの乗り物はなんなんだ?それにあの煙の出てる建物、それにこの道」
「質問が多い多い、おちつきたまえカイト、まずこの国モルバト都市国家は大陸の中で最も発達した国でね」
取り敢えずラゼッタが教えてくれた情報を纏めるとこうだ。モルバト都市国家、大陸で最も技術が発展している国、世界中の科学の精鋭達が集まり、日々世界の為に様々な技術を進歩させている。カイトの気になっていた車の様な乗り物もそうだ。
「あれは、操作している人の魔力もしくは乗り物に内蔵されているエネルギーを用いて移動する乗り物で名前がたしか魔動車だったかな」
「へぇ〜」
(絶対転生者が生み出した技術だろ、まんま自動車をパクったネーミングセンス)
「それにこの道はただの輸送を便利にする為を目的とした道で、ほら、馬車とかあまり揺れないでしょ?」
「そうだな」
「後あの煙の出てる建物は、工場っていって、材料を加工したり、組み立てたりして日用品に役立つものを作ってくれてる場所よ」
「すげぇな」
(前世と同じ認識でいいな、にしてもまだまだ発展途上感はあるけど、1番前世に近い風景の国だな)
ヒヒーンッ!
「ん?馬車が止まったぞ?」
「ここからはさっき言ってた乗り物に乗っての移動よ、あんまり慣れないかもしれないから酔いには気を付けてね」
「カイト、酔い止めの魔法頼む」
「そんな魔法使えんのかカイト?俺も頼むわ」
ルフトとジュランがラゼッタの説明を聞き、カイトに魔法をかけてもらう。それから馬車に降り、宙に浮いた魔動車に乗り込み30分かけてダハブ商業都市にある大きな建物へ到着した。
プシュー
バスの扉が開くときの音が聞こえ、魔動車を降りる一同。
「長旅ご苦労でした、私の案内は以上となります。これから先は学園長が案内致します」
「よほぉ」
「学園長!」
「皆長旅ご苦労じゃった、2年生と3年生は先に着いて待っておる、今から疲れとるとこ悪いが大会の説明がこの会場で行われる、それが終わればホテルで休憩が取れる、もう少し辛抱してくれ」
「「「はい」」」
返事をした後、ノイドの案内の元ウルミスト学園一同と書かれた会場広場へと向かう一同。
「よぉし、これで全員揃ったの、それじゃあ今から大会のルール説明などを大会役員にしてもらうさかい心して聞くようにな」
「「「はい!」」」
豪華な装飾が施された会場内には1年生の参加者含め、上級生もいた。学園長が壇上を降りた後、袖から白いスーツを着た七三分けの瓶底メガネをかけた男が壇上へ上がった。
「えー、ウルミスト学園の生徒諸君、長旅お疲れ様様でした。えー、わたくしは大陸大会執行役員のシーと申します。皆様には後日行われる大陸大会の予選に参加して頂きます」
「今大会では例年に比べ学園の参加が遥かに増えました。なので突然で申し訳無いのですが本戦を参加していただく為に、予選を設けさせて頂きました。本日はそれを踏まえ、大会のルール説明などを行いたいと思います」
「それではまず早速、明日行われる予選なんですけど、非常にシンプルにさせて頂きました。それがこちらです」
そう言って男が空間魔法から取り出したのは、全長2メートルの水晶であった。
「これは力計測水晶と言いまして、各学園の1年〜3年の代表生徒がこの水晶に全力で攻撃していただきます。するとこの水晶が1〜9999の位で与えられた衝撃を数値化します。1番与えた衝撃が強い順に本戦出場とさせて頂きます」
「なるほど、非常にシンプルだ」
「尚予選、本戦に関しましては、今年から武器、異能、魔法、すべてにおいて制限は無しとさせて頂きます」
「っしゃあああ!!あっ、、」
ついつい無制限で戦える事に嬉しさのあまり声を上げるカイト。それからは反則行為などの説明をした後、ルール説明は終わった。
「いよぉし!っしゃい!」
「もう喜び過ぎだってカイト」
「全力が出せるなんて嬉しいぜ!」
「なんで今年から全部無制限になったんだろうね」
「気にしない気にしない!俺は全力が出せればそれでOKさ、あ、それと晩飯だけどみんなで食べててくれ、俺ちょっと用事があってな」
「あら残念、せっかくみんなでダハブ回ろうと思ってたのに」
「悪いねぇ、それじゃあ!」
みんなと別れた後、カイトは会場を出て、ある所へと向かう。
「紙に書いてある場所だとここ、、」
カイトの目の前にあるのは、ダハブに着いて1番最初に目に止まった超巨大高層ビルだった。
「本当にここであってるのか?なんか心配だな」
取り敢えずビルの中へ入っていくカイト。ビルの中はいたって普通の内装で、フロントの女性に声をかける。
「あのすいません、人を探してるのですが、、」
「誰をお探しでしょうか?」
「ソクラスさんっていますかね、、」
「面会のご予約はされておりますでしょうか」
「いやー、してないですね」
「そうですか、取り敢えず聞いてみますね」
そう言ってフロントの女性が耳に手を当て、独り言の様に話し始めた。
「あ、ソクラスさん客人がお見えになっております、、、いえご予約はされてないとのことです、、、分かりました」
「どうでしたか?」
「申し訳ありません、予約をして頂けないと面会はできないとの事です、予約しますか?」
「いつなら空いてますかね」
「そうですね、、早くて再来年の8月とかでしたらー」
「えっ、、それはちょっと、、あ!そういえば」
カイトはポケットから鉱石で作られた札を女性に見せた。
「あ、それは!すいませんもう一度確認しますね」
札を見るや、すぐさま耳を押さえて話しかける女性。
「札をお持ちしております、、、プラチナです、、、、あのーすいませんお名前はー」
「カイトです」
「カイト様でございます」
パリンッ
突如何処かでガラスが割れた音が鳴り響いた後。
ズドォンッ!!
スタタタタッ!!
「いやああああ!これはこれはカイト様でしたか!申し訳ございません!此方の手違いでお待たせ致しましてぇ!」
物凄い勢いでビルの入り口からガラスを突き破り、カイトの目の前まで迫ってくるソクラス。
「ここでお話しするよりも、どうぞ此方へ!」
そう言ってフロントの横にある、昇降台の様な物に乗せられたカイト。
「おおおお、町を一望できる、、」
昇降台はすべてガラス張りとなっていて、後ろを振り向くと、町を一望できる絶景が広がっていた。
「随分と早い段階で来られましたね」
「大陸大会に参加するので、ついでにと思いまして」
「なんと!?大陸大会に参加されるのですか?」
「はい」
昇降台がソクラスの部屋で止まり、中へ招くソクラス。
「何処の学園かお聞きしても?」
「ウルミストです」
「なんとウルミスト学園様の御生徒でしたか、ウルミスト学園には我が社もお世話になっております!」
「へぇ、そうだったんですね」
「本日はどう言ったご用件で伺われたのでしょうか?」
上質なソファーに座らされ、お茶と菓子を出される。
「この前言ってた鍛治職人を紹介して頂きたいと思いまして」
「そうでしたか、それでは早速連絡の方を取らせていただきますので、しばしお待ちを」
ソクラスは即座に奥の部屋へと入っていった。
そして3分後...
「お待たせ致しました、面会でしたら今からでもいいとの事なのですが、どう致しましょう?」
「それじゃあ今からで」
「畏まりましたぁ!」
再び昇降台へと乗せられ、豪華な魔動車に乗せられ15分。
「ここがかの伝説の鍛治職人、イーグスタ・グラニエルのお店です。今は閉店してますけどね、ささっ、こちらです、足元にお気をつけください!」
かなり入り組んだ細い道路の1番奥で降ろされ、徒歩で1分歩いた後、ボロくて字が読めないくらい錆びた看板を掲げた建物に入る。
「おーいイーグスタ!客人だ!」
カンッ!カンッ!カンッ!
奥の方から金属同士がぶつかり合う音が聞こえ、奥まで入る。
キィン!!ガァン!キィン!!
やがて1番奥の方まで行くと、上半身裸の男が金槌で金属を打ち付けていた。
「おい!イーグスタ!作業をやめろ!」
ガンッ!!
「んあ?おぉ〜ソクラスじゃねぇか」
「全く先程通話石でお前のマネージャーにアポを取ったがお前の耳に届いてなかったのか?」
「そういえばさっき来てたな、作業中だったんで覚えてないけどな」
「それより紹介したい人物がいる」
「その坊主がどうしたんだ?まさかまた弟子候補を連れてきたのか?悪いけど弟子は」
「バカもん、早とちりするな、さっきも言った通り客人だ、お前に用があって連れてきたんだ、くれぐれも失礼のない様にな」
「わかったよ、んでどうした坊主?俺になんか用か?」
「はい、あのー武器の特注をお願いしたくて」
「武器が欲しいのか?だったらそこに飾ってある武器から選んでけ」
「特注でお願いしたいのです」
「特注つっても坊主が出せるお金じゃあ多分足りねぇぞ」
「バカもん!えへへすみませんねカイト様」
「金はないですけど、金になる物ならあります」
『ポケットルーム』
「おほぉ〜いつ見ても美しい!」
「ここに40キロ弱のデーライト鉱石があります、それで武器を作って欲しいのです」
「成る程、どうりで金にがめついお前が腰を低くしてるわけだ、これ使って取引してんのか?」
「そうだ、かなりの太客だ」
小さい声でゴニョゴニョ話す2人。
「確かにこの鉱石があれば、今まで俺が打ってきたどの武器よりもすげぇもんができる、だがな一つだけ問題がある」
「なんですか?」
「特注の武器を作りたいんだろ?なら俺が作りたいと思わせるほどの武器のアイデアを俺に見せろ、そしたら作ってやる」
「どういう事ですか?」
「俺は引退した身だ、別に腕が鈍ったから引退した訳じゃねぇ、飽きちまったんだ、何万もの武器を作ってきた俺は国が必要とする武器を同じもんを何回も作る傀儡みたいになっちまってな、それで引退した。昔みてぇにいろんな発想で武器を打っていく楽しみが無くなったんだ、
だからこの俺の燃えつきた魂を再点火する程のアイデアを俺にくれたら作ってやらなくもない」
「用はモチベーションを上げればいいんですね?」
「あぁ」
「紙とペンはありますか?」
「それでしたら私が持っております」
「ありがとうございます」
(こう見えて、中2病だった頃の俺は、ノートによく武器を書いて遊んでいた。その時の俺が発明した数々の武器達を披露してやろう!)
数分後…
「ほぉ、10枚描いたか、どれどれ?」
「、、、、ダメだな、全部作った事のある武器だ、擦りもしねぇ」
「ぐぬぬっ、、」
(上等だこの野郎!今見せたのはあくまで中学生の頃に思いついた数々のS級コレクション達、今から見せるのは大人になってから軽く思い描いていたSSS級の武器達だ!現代兵器の力、見せてやるぜ!!!!果たしておっさんのお前に作れるだろうか!?)
2時間後…
「なっ、、なんだこの武器達は!どろーん兵器!?ライトサーベル!?それにれーるがんだと!?一つも分からん、、」
「ふっ、、これらは氷山の一角です、空想ではなく、ちゃんと現実味がある武器や兵器達です、僕が心配してたのはただ一つ、貴方にこれ程高度な武器を作れるかって話です」
「ちっ、、まだまだ世の中には俺の知らない武器がいっぱいあったんだな、、参ったよ坊主、すっかり燃え切っていた魂に再び火がついたぞ!」
「よかったです、これで僕の頼みは聞いてもらえますか?」
「あぁ、で、あんなにすげぇ発想を持つお前がどんな武器を欲しているんだ?」
「刀です」
「かたな?」
先程武器を描いている最中についでに特注して欲しい刀を描いていたカイトは描いた紙をイーグスタに見せる。
「ほぉ、アゴンに伝わる片側にだけ刃が付いている剣か」
「作れそうですか?」
「あぁ、難しくはねぇ、しかし坊主が事細かく書いている最上質の素材を各部位に使いたいなら素材の調達にかなり時間がかかっちまう、早くて1年だ、それともう一つ問題があるとすると、この持ち手の部分だが、最上質の木材となると難しい」
「入手が難しいのでしょうか?」
「あぁ、難しいというより見たことがない、そもそも武器の素材に木材を使った事がねぇ、激しい戦いでも傷がつかないほどの木材となると聞いたことも無い、こればかりは調達が難しい」
「成る程、、木、、神木とかそんなじゃないとダメか、、あ」
「1つだけ心当たりがあります」
「まじかよ坊主、、デーライトといい、何者だよ坊主」
「企業機密です、取り敢えず木材の確保はこちらで任せてください、その分当たり前ですけど武器料金は安くしてもらいます。それとソクラスさん」
「は、はい!」
ソクラスがジーッとカイトの顔を見ていてどこか上の空だった。
「どうしたんですか?」
「いや、その、カイト様は本当に学園生なのでしょうか?交渉術だったり、発想だったりと、普通の学園生と比べ、頭1つ抜き出てると言いますか、取り敢えずソクラスは感銘を受けております!」
「あぁ、、ありがとうございます、まぁその商業の本を昔読んでいてそこに書かれていた事を覚えていただけです(嘘)それで呼んだのはですね1つ金になる情報があるんですが、色々な約束と会ってもらいたい人がいるのです」
「はて、、どういったご要望でしょうか」
「取り敢えず事務所に戻りましょう、イーグスタさん、素材は置いておきます、素材が確保でき次第ソクラスさんに渡しておきます、それじゃあ行きましょうソクラスさん」
そう言って無事カイトは武器を特注してもらえる事になり、ソクラスの事務室へと帰るカイト。
「それで金になる情報と約束と会って貰いたい人っていうのは?」
ソファーに2人で腰掛け、話の続きをする。
「まず約束からです。最初に質問なんですけど、ソクラスさんはお金になる資源を掘り当てたらどうしますか?」
「それは勿論、他言しないで独り占めします」
「分かりました、それでいいです、では今から話す情報は決して口外してはいけません、僕と貴方、そして先方だけとの秘密です」
「なんでしょうか?」
態度では冷静を装っているが、目がギンギンなソクラス。
「貴方のお得意先にエルフを追加してあげます」
「エ、エルフ!!」
「声が大きいです!いいですか?エルフの居場所を教えるといっても、ただお得意様になってもらうだけです。ソクラスさんは金にがめつい商人ですよね、商人なら顧客の秘密を守るのができる商人ですよね?」
「はい!このソクラス、今ではバハラ行商団銀員ですが、白金員になる為に日々猪突猛進、顧客守秘を第一にやってきました!誰よりも金を愛し、自分が這い上がる為ならば誰でも蹴落とす覚悟でやっております!」
「エルフの里は最近、開国をし始めました、それで色んな国と取引をし始めたのですが、武器の調達や日用品、食料や素材などの取引は国とするより、商人とした方がいいと考えました。なのでお得意先に決まりって訳ではないですが、それの橋渡しぐらいにならなれます」
「お任せください!このソクラス、顧客に自分を売り込むのが大の得意でございます」
「ただ1つだけ忠告しておきます。もしエルフの里に危害を加えようとしたり、エルフを拉致する様な事があれば、既に同盟を結んでいる国と三賢王全員が貴方だけでなく、この国を即座に潰しに来ます。それだけは覚悟をしておいて下さい、秘密をバラしても同じ様な事が起こります、ただ商人として取り引きだけして貰えればいいです」
「は、はい!それではいつご紹介して頂けるのでしょうか?」
「大陸大会が終わった後ですかね、その後に僕の街に訪ねてきて下さい、僕から話をつけておきますので」
「分かりました!それでは決まりという事で宜しいですね!」
「はい、それでは失礼します」
「いえいえ、また何か用が有れば是非わたくしにお声を掛けて下さい!」
昇降台まで見送られ、その後ホテルに帰り、明日に備え休むカイト。
そしていよいよ大陸大会予選が始まる。ホテルの入り口に参加者15名、補欠15名呼び出され、大陸大会の会場、バハラコロシアムへと向かった。
「それではまず開会式から始まります、1年から順に、後ろへ並んで僕について来てください」
順番に並んだ後、シーはカイト達の先頭を立ち地下に向かう。少し進んだ辺りで真っ暗な部屋に連れて行かれる。
「皆様準備はよろしいでしょうか?後10秒で会場に着きます」
「ちょっと緊張するねカイト」
「うん、てかなんでこんな暗い所に?」
「よくわからないわね」
「3...2...1」
ガコンッ
何かが動き出す音がする。まるでエレベータの上に乗っている様な感覚。
「上がっていってるのか?」
「多分」
「少し目が眩みます、ご注意ください」
バカンッ!
天井が2つに分かれ、光が差し出す。
「「「「ワァアアアアア!!」」」」
同時に会場が震える程の歓声が鳴り響いた。
ガコンッ
やがて会場内まで昇降台が上がり、周りを見渡すと他の学園の生徒達も同じタイミングで着いていて、前列の1年生だけがキョロキョロしていた。
「おぉ〜すげぇ広いなぁ!」
「わぁ〜」
『ようこそ学園生諸君!どうだったかな私からのサプライズは?』
『私は今大会の主催者、バハラ行商団白金員、バミエル・ビリオンだ!』
『今大会では参加校が非常に多かった為、急遽予選を設けさせてもらった事に関して謝罪をしよう、ソーリー!!!!』
『今大会の見所はなんといっても、1年生の部!!なんと今年の1年生の中には大陸が認めた最強の一族達四貴族が全員参加との事です!!」
「「「「わぁあああああ!!」」」」
『それでは気を取り直して、早速予選を始めよう!まずは43校もの参加校から10校までに絞らせてもらう!それでは各学園は今から相談して、各学年の代表者1名を選んでくれ!』
「どうする?この中で1番攻撃力が高い奴って言ったら?」
「いっせーのーでで、指さそうか」
「いいねぇ、セニカちゃんに賛成だ」
「おっけー」
「構いません」
「「「せーのっ!」」」
全員がジュランの方を指差した。
「お前、自分で自分の事指差す奴があるか?どんだけ地震に満ち溢れてんだよ」
「ハハッ!じゃあ俺で決まりだな!任せろ、ぶっ壊して来てやるぜ!」
こうして1年生の代表はジュランで決定した。2年生からは五星エイナ、3年生はガランに決定した。
『それでは各代表者は学年毎に分かれて、前へどうぞ!』
『それではまず1年生から始めていきたいと思います!』
『まずはアイウエオ順から、アーケイン魔法学園から!』
男子生徒が水晶の前に立ち魔法を唱える。
『プロミネンスルイン』
ズドォオオオン!!
[977]
『977点です!通常の13歳にしては有り得ない数値!』
「「「オオオオオ!!!」」」
歓声が響く。
「基準がないからわかんねぇ〜、凄いのか?」
「どうだろうね、見た感じ適正がある私にも使えない様な魔法だったけど」
「じゃあ凄いのかな」
『続いて、アルテミス学園!!』
大弓を体に巻いた生徒が壇上に上がり、大きく上空へ飛んだ。
『メテオブラスト』
空中で両足で弓を固定し、両手で弦を引き、離す。
ドォオオオン!!
[1121]
『ここでいきなり1位を更新!』
会場の大きいモニターに書かれていた順位が入れ替わる。
『続いてウルミスト学園!!』
「おっ!ジュランの出番か!いけえええ!3000超えてやれ!!」
「ふっ、余裕よ!」
『緋剣イグニ』×『焔剣エニス』
「いくぜ!!」
ドガァアアアアン!!!
ジュウゥゥゥ
[4188]
「なっ!壊れねぇのかよこれでも」
『なぁあああんと!!ここに来て1位と4倍近く差を広げたウルミスト学園!!流石大会常連の事だけはあるぞ!!』
「ほぉやるな、あの男!」
「ミドラくん程じゃないでしょ」
*「流石だなジュラン」
『さぁ続いてはエリュムヘルト魔法学園!!』
「あっ!カイト、セニカ!」
ラゼッタが壇上に上がった黒いボブヘアーの女性を見るなり、カイトとセニカに話しかける。
「どうしたのラゼッタ?」
「あの子が四貴族の1人、セトラ家の名前はサティアよ」
「サティア・セトラか」
「ううん、セトラ家は貴族の中でも珍しく、性を持たないの」
「なんでだ?」
「確か先祖である魔女王セトラが自分以外にセトラの性を使う事を許さなかったみたい、1度その禁忌を破って名前を名乗ったセトラ家が3日後に変死したって噂があってね」
「こっわ、呪われてんじゃねーのか?」
「取り敢えず、あの子は四貴族だから覚えておいてね」
「うん、ありがとうね」
「おう」
『ダークマター』
少女の真上から闇の魔力が収縮し、大きな黒い球となる。
ギュインッ!
突如球体が形を三角錐に変化させ、勢い良く水晶へと飛んでいき、直撃した後、勢い良く爆ぜていった。
[4420]
『なんと先程のウルミスト学園の記録を瞬く間に越していった〜』
「あーあ、技の出し惜しみしたからこうなるんだよ!」
前に出ているジュランに聴こえる様に文句を言うカイト。その声がジュランに声が届き、後ろを振り返り謝る態度をこちらに見せるジュラン。
「あいつこれで予選落ちとかまじでねぇぞ」
それから何校か水晶を攻撃するも多くて2000台、それ以上を叩き出した学園は今のところウルミストとエリュムヘルトの2校のみだったが、衝撃の数値が出てくる。
[5297]
グレアモル学園、前大会の全学年優勝校。かの五星達ですら、惜しいところまで行ったが、大将である生徒に倒され準優勝。
*「ふぅ、、」
「流石前大会全学年で優勝した学園ね」
「すげぇな」
「何がやばいって、あの観客席で座ってる藍白色のピアス付けてる男いるでしょ?」
「うん」
「あぁ」
「あの男も四貴族の1人、オルフェオン家の嫡男よ」
「そんな男より凄いやつがいるのかグレアモル学園は」
「いや、あれはただ余裕をかましてるだけよ、そういう男なのあいつは」
「この視線は!?」
ミドラが突如立ち上がり、視線の感じる方へと顔を向けると、カイト達と目が合った。
「あ、なんかこっちに気付いて、手を振って来てるぞ?」
「最悪、、マジで気持ち悪いわ」
「おい敵だぞセニカ、何手振ってんだよ」
「あ、ごめん」
そして再び衝撃が走る。
[6122]
「なっ!6000!?」
「ちょっとラゼッタ?あの人は?」
「分からない、あるとすれば四貴族のアドラス家じゃないのかな?何せ私も会ったことなくてね」
全身黒の制服で襟に横向きの羊のバッジを付けた男が、黒の刀身をした剣を鞘にしまい、舞台から降りる。
それからは4000を越える学園は現れず、本戦に出場出来る学園10組が決まった。
=====================
[1位: ネロゴート学園 6122]
[2位: グレアモル学園 5297]
[3位: エリュムヘルト魔法学園 4420]
[4位: ウルミスト学園 4188]
[5位: スパディアム学園 3711]
[6位: 焔相寺学園 3185]
[7位: ワミューエル学園 2912]
[8位: エマリア女学園 2903]
[9位: マギア王立学園 2810]
[10位: トーエン学園 2800]
=====================
『それでは次に2年生の部を始めていきたいと思います!!』
2年生の部もカイト達を驚かせた。
[9999]
「ふぅ、、こんなもんね!」
『なんとウルミスト学園!!僅か2年生なのにここで満点を叩き出したぁ!!!」
「失礼ね、これでも五星なのよ!」
五星エイナ・ロータスが満点を叩き出し、2年生の部は1位ウルミスト学園、2位はグレアモル学園の8922点、そして3位にエリュムヘルト魔法学園で8110点であった。その下に6000台が5校、5000台が2校であった。
続いて3年の部では更なる衝撃が会場を包む。なんと同列1位が3校、ウルミスト、グレアモル、エリュムヘルトであった。何が衝撃かというと水晶を破壊して測定不能を叩き出しての同列1位であった。
「うーわっ!ぶっ飛んでるよやっぱ3年生は、アホだアホ!」
「私達が3年になったら壊そうね!」
「さりげなく怖いこと言うなってセニカ、でも俺は3年じゃなく2年で測定不能を叩き出してやるぞ!」
「向上心があっていいねぇ2人とも」
「来年は俺があれやるからな!」
「はいはい、どうぞ御自由に」
こうして1日目の予選が終了し、ホテルへと向かうカイト達。
「うーっわ、ルフト、ちょっと背中貸して」
「なっ、どうしたんだよ」
「ん?何してんだラゼッタ?」
クンクンッ
「この香り!ラゼッタが近くにいるぞ!」
「ちょっ!ミドラくん急にどうしたんだよ!」
「そこかぁ!」
バサッ
ルフトのブレザーをめくるミドラ。すると中で隠れていたラゼッタの体があらわになる。
「キャッ!エッチ」
「「「、、、、」」」
ルフトの冗談が綺麗にスルーされる。
「頭隠して、香り隠さずだな!」
「どうやって香りを隠すのよ!馬鹿じゃない?」
「やっぱり可愛いなお前は!結婚してくれ!」
その場で片膝を付き、ラゼッタにプロポーズするミドラ。
「もうこれで100回目、むり!後、手紙を送ってくるのもやめてよね、気持ち悪い」
「おいラゼッタ、いくらなんでも言い過ぎじゃ」
「ぬぅうう、、それでも好きだぁ!」
「こうなったら、、悪いけど、彼氏が出来たの、あんたより100倍いい男がね」
「なっ!誰だそいつは」
「それは!」
「「それは?」」
気になり、おうむ返しするカイトとセニカ。一瞬カイトを選ぼうとしたがセニカがいるため断念し、仕方なくルフトの腕に腕を回しくっつくラゼッタ。
「この人よ!」
「「えぇええええ!!!」」
「えぇええええ!!」
「ええええええ!!」
セニカとカイトに続き、ルフトとミドラが驚く。
「ちょっと待て、そんな急に!」
「いいから合わせなさいばか、少しでも足踏みを外せば殺すからね」
「は、はい、付き合ってまーす」
「なああああんだとぉおおお!?嘘だぁ!我は認めないぞそんな男!」
「お前達、、俺とセニカに内緒でいつ付き合ったんだよ〜!!」
「ちょっとセニカとカイト、、じょ、冗談!」
「冗談?」
「じょ、冗談でこんなこと言うわけないでしょー?オホッ、オホホホー」
「だったら本当かどうか確かめさせてみろ!ま、まずは口づけからしてみろ!」
「「そうだそうだ!」」
何故かカイトとセニカがミドラの方へと付く。
「べ、べつに良いけど、見たら貴方の心臓がえぐられるんじゃないかしら?」
「そんなのは抉られてから解決する!!」
「よく言った知らない人!」
「「「キース!キース!キース!」」」
カイト、ミドラ、セニカがキスコールをし始め、後に引けなくなるルフトとラゼッタ。
「おい!どうすんだよ!」
「わ、わかんないわよ、取り敢えず上手いことごまかしなさいよあんたこういうのは得意なんでしょ?」
「おいおい、こんな3方向から囲まれてどう誤魔化すんだよ!」
*「うるさいと思って来てみれば、何してんの?ミドラ?」
「あ、サティアいいとこに来た!ミドラにまた迫られて困ってるのよ、助けて!」
現れたのは四貴族の1人、サティアだった。
「ミドラ貴方本当にしつこいわね、いい加減諦めて他の女に変えなよ」
「今いいところなんだサティア!ラゼッタが彼氏とキスしようとしてだな」
「え?ラゼッタ彼氏出来たの!?」
「それがこの男みたいなんだ」
「あのーサティアさん?あたしの話聞いてもらえるかしら?」
「あんたがラゼッタの彼氏?ふーん、なんか頼りなさそうね」
「か、可愛い!」
「可愛い?」
「あ、ルフトばか!」
「あんたまさかラゼッタを誑かしてるのかしらー!!??」
「ブフォッ!!」
一発殴られ気絶するルフト。
「ふぅ、、」
「助かったー」
「こんな男別れなさいラゼッタ」
「か、勘違いだよサティア!あんたの事じゃなくてあたしに言ったのよ!」
「え!?じゃあ私の勘違い?」
「うん」
「ごめーん!魔力込めて殴り飛ばしちゃったー!」
「いいよいいよ!逆に助かったし」
間一髪の所でサティアがルフトを気絶させその場をなんとか凌いだラゼッタ。
「取り敢えず話を戻すけど、分かったでしょミドラ、あたしの事諦めて」
「ぬううう、、断る!勝負だラゼッタ!我が学園がお前の学園に勝ったら、俺と結婚しろ!負けたら素直に引き下がる!」
「本当しつこいわね、いいわよ!あたし達が買ったら金輪際私に近づかない事を約束して!」
「分かった!」
「あ、それとサティア、聞きたかったんだけど、アドラス家の人は来てないの?」
「あぁ、そういえば5年前にミドラがラゼッタを好きになってからパーティーに参加してなかったね、あの1位を叩き出した男の子よ、名前はネフェト・アドラスよ」
「へぇー、やっぱりそうだったんだ」
「そういえば私も聞きたかったんだけど、なんでラゼッタが予選に出てなかったの?」
「めんどくさかったのと、ウチを代表して出た人が自信満々だったからね」
「魂装使い、それも何故か2つも使うなんて凄い人ね」
「まだまだ実力隠してるから正直あたし達も未知数っていうか」
「まぁどっちみち当たったらよろしくね」
「うん、じゃあねサティア」
「我はまだまだ話し足りんぞラゼッタ!」
「ほーら、邪魔なんだから早く消えなさいミドラ」
「じゃあいこっか」
その後、カイトとセニカに自身がミドラにつき纏まれている事を説明し、咄嗟についた嘘だと誤解をしっかりと解いた。
「なんだ、結局2人はいつものままかよ」
「折角お似合いなのに〜」
「もうからかわないでよ〜、本当にパニックになったんだからね、サティアがルフトの事殴ってなかったらあたしが我慢出来ずに殴ってた所だったよ」
「どっち道俺は殴られる運命だったんだな」
ポンッ
「どんまい」
ルフトの肩に手を置き、笑みをかますカイト。
「もういいよ!こんな人生糞食らえだ〜!」
「おいどこいくんだよ!」
「トイレ」
「大袈裟なんだよいちいち」
「何も手を出す事無いんじゃねーのかよ、もうっ、次殴られたら俺の風魔法でビュンッって」
*「スカーレットちゃん、久しぶりね!」
「リアンナ、、あなたも参加してたのね」
(あっ、あれは愛しのスカーレットちゃん!可愛いね!もう1人の女の子はお友達かな?)
ホテルの廊下で立ち話をしているスカーレットと認識阻害で顔が見えにくいが、声とにおいからして女性だと分かったルフト。
「久しぶりなのに何〜その態度?」
「貴方みたいな人間にとる態度は軽蔑くらいよ」
「あーあ、あの時スカーレットちゃんにやられた傷がまだ痛むわ〜」
口の辺りを押さえながら悶えるフリをするリアンナ。
「これ以上私やセニカに近付くとあの時の様には済ませないわよ」
「そんな怖い顔しなくたっていいじゃ無いのー、あの時はあんなに仲良くしてくれてたのに」
「あの時はただ貴方が可哀想だったから助けたまで、愚行の極みだったわ」
「取り敢えず私が言いに来たのは久しぶりにあえてよかったよ!可愛いままだねスカーレットちゃん!」
(セニカって言ったか?何の会話してるんだ?全く聞こえん、、あ、やばい漏れそう)
取り敢えずトイレを済ませて、部屋に戻るルフト。
「なぁ、さっきあそこの廊下でスカーレットちゃんと誰かがセニカについて話してたけど知り合い?」
「えっ!まさかリアンナ!?ちょっとみてくる!」
「ちょっと待てセニカ!」
セニカが急いで部屋を出るも既に2人はいなくなっていた。
(何処に...)
そして明日に備え、今日は早めに休息を取る事にしたカイト達。




