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第1章 本戦出場権争奪戦1日目



「お、落ち着いて食べてください2人とも!」


「ほうはいっへほ、よへんはで(そうは言っても予選まで)、んぐ、後3日なんだ、早く強くならねぇと」


「そうよシエルちゃん!私達に休んでる暇なんて無いんだから!」


現在カイトとセニカは休日にヴァイス宅へお邪魔し、合宿に来ている。


「シェインさん!パンおかわり!」


「焦らずとも、料理は逃げん、もっと落ち着いて食べたらどうだ2人とも」


「いやー、シェインさんの料理マジで美味しいです!こんな美人で強く、それに綺麗な奥さんもらってほんと師匠は幸せ者ですね!」


「な、何を馬鹿なことを、ほら!パンを持ってきたぞ!」


「流石にまるまる1斤は食えないっすけど、、これもまた特訓ですね!」


「いや、それは単なるシェインの照れ隠しだ、食いすぎると後で動けなくなるぞカイト」


「シエルちゃんも後で一緒に特訓する?」


「いえ、家事が残ってるのでそれをしないと」


「ごめんなシエルちゃん、俺達の所為で忙しくさせちゃって」


「いえいえ!お2人が来てくれてから父さんと母さんがいつもより家が明るいので楽しいですよ」


「ん〜〜〜〜!シエルちゃんほんと可愛いもう!」


「ほっぺたスリスリしないへふははい」


セニカがシエルの一言でたまらなくなり、ほっぺに自分の頬をスリスリし始める。カイトから見れば見ているだけで幸せな光景だ。


(天使が2人、、ミルとミアとはまた違った別の良さだ〜)


「こらカイト、口が開いているぞ」


それから少しした後、引き続きカイトとはヴァイスに、セニカはシェインに稽古をつけてもらう。


「すぅ、、」


「来い!」


『雷走』


キィン!!


「その技で背後を取る確率が高い!もう少し工夫をしろ」


「はい」


雷走でヴァイスの後ろに瞬時に回り込むも、ヴァイスからすれば何百と見た技、そして狙う場所も高確率で同じ場所、今のカイトの雷走に目では少し追いつけないが、行動の予想で背後からのカイトの攻撃を難なく防ぐヴァイス。


そこからカイトはすぐさま距離を取り、四刃で中距離からの攻撃を試みるもあっさりと剣撃を打ち落とされる。


キィンキィン!!


「今度はこちらからいくぞ!」


ヴァイスが一歩踏み出した瞬間…


バチバチバチッ!!


「ふんっ!」


地面に雷装で背後に回り込んでいたときに予め仕込んでおいた雷のトラップが起動し、ヴァイスの全身に電撃が走るも、すぐさま体内から魔力を放出して解いた。


しかしその少しの隙をカイトは見逃さない。


『寄手』


ガシッ!


グワッ


ヴァイスの片方の足首を掴み、引っ張ろうとするも、逆にヴァイスに引っ張られそうになる。


「力負けしそうだったら直ぐに離せ!逆に引っ張られて、空中に放り出されては遅いぞ!」


「はい!」


すぐさま話そうとするが、今度は逆に闘気の腕をヴァイスに引っ張られる。


「くそっ!」


雷走でヴァイスの周りを走り、伸びた闘気の腕でヴァイスの体を固定し、今度ヴァイスの真上えお飛び剣撃を放つ。


『闘剣』


闘気を剣に帯びさせ、全力でヴァイスに叩き込むカイト。


「今の機転は良いぞ、しかし俺がまだ腕を掴んでる事を忘れるなよ」


ズゥン!!


ヴァイスは1度体を後ろに倒し、全力で前へ進むと、カイトが繋がった闘気の腕に引っ張られ、空中から地面に叩きつけられた。


「ぐほぉっ!」


「大丈夫か?」


「まだまだ!もう一本!」



場所は変わりセニカ達はカイト達から少し距離の離れた場所で特訓をしている。


「意識を集中させるんだ、お前は大雑把に四本の剣を全体で頭で捉えているが、一本一本シッカリと意識を通せば、威力も精度も各段に違ってくる」


「そうは言っても、、」


ブゥンッ


四つ魔法剣が消えていき、地面に両手をつけるセニカ。


「頭は一つしかないので四つを同時に捉えるってどうして良いか、、」


「んー、私は戦っているうちに身についた物だからうまくは説明できんが、最初は全ての剣をお前と同じように全部で捉えていた、しかし数多の場数を踏んでいたらある時自分が剣を一つ一つシッカリと捉える事が出来ていたのだ」


「うーん、、つまり場数を踏んで行けば使えるのですね」


「いや、何か説明はしにくいがトリガー見たなものがあるはずだ、何か1つでも意識を変えれば、それを私がわかっていれば良かったのだがな、何せ私の母も尻尾のない種族にどうやって尻尾を動かしているのか説明するような物だからただただ場数を踏めと言われていたものでな」


「意識を変えるか、、操ろうとする意識、それともー、、うーん分かんないなー、こういうのはカイトが得意だったりするんですよねー」


「まぁあいつにはそれ以前に魔法操剣を使えるほどの技量と繊細さが身についておらん、まずは剣を一本だけでやってみた方がいいだろうな」


「そうですね、いきなり四本は無理があったのかも知れません」


セニカは空中に一本の魔法剣を生成し、自由自在に操って見せる。


「うむ、スピード、テクニック、パワーどれも悪くない、次は二本で試してみろ」


空中にもう一本魔法剣を生成し、同時に動かす。


「やはり一本の時と比べて、テクニック以外全て落ちているな、試しにあの二本の木に剣を当ててみろ」


セニカは二本の剣そ別々の木に一個ずつ突き刺す。


「突き刺さる程度か」


試しにシェインが落ちていた二本の剣を操りセニカと同じ木に別々に放つと…


ズガァン!ズガァン!


二本の剣は木を貫通して、後ろの木に突き刺さっていた。


「ふむ、違いは何だろうな、やはり異能と魔法ではこの様に差ができてしまうものなのか?」


セニカはじっくりシェインの動きを観察して1つ気が付いた事があった。


「あの、、シェインさんは何で手を使ったのですか?」


「手?」


「はい、二本の剣を前に飛ばす時、片手を上げましたよね、それが気になったので聞いてみました」


「意識した事がないな、そう言えば剣を頭で操るだけでいいのに何故手を、、」


「もしかしてその手が関係してるんですかね!一回手を使わないでやってみて下さい」


セニカに言われもう一度やってみると同じ様に木を貫いたものの、明らかに先程と威力と速さが落ちている事に気がついた。


「ほら!多分シェインさんは無意識に手を剣の動きを連動させてるんですよ!なるほど!剣を振り回すだけじゃダメな様に、操剣術にも型があるんですね!」


「そうか!よく気が付いたなセニカ!私もお前に言われるまで分からなかったぞ!でかしたぞ!」


「ありがとうございます!これで一回試してみますね」


セニカは意識を集中させ、二本の魔法剣を片腕を上げ放つと…


ガァン!!


セニカの放った魔法剣は二本とも木を貫き、一本は後ろの木に突き刺さり、もう一本は手前で落ちていた。


「やった〜!!出来たー!!」


「凄いぞセニカ!まだ粗はあるがこれでまた一つ、いや、三つくらい飛び抜けて強くなったぞ!」


こうしてセニカの魔法操剣は一段と強くなったのであった。


それから少し時間が経ち、いよいよ大陸大会本戦の座をかけた試合の前日。


((よぉ、久しぶりだな))


「ぬぉっ!!びっくりしたー!」


森で修行していたら、突如テレパシーでアッシュが話しかけてきた。


((驚きすぎだ、たかが1ヶ月ぶりだろ?))


「1ヶ月ってお前結構長いんだぞ?何処で何してたんだよ!」


『急に消えて悪いと思ってる、ちょっと用事でな』


「精霊にも用事があんのかよ」


『当たり前だ、こちとら暇じゃねーんだよ』


「んで何してたんだよ」


『俺様も急で色々ビックリしててな、修羅界の奴らが俺様を復活させようとしてやがったんだ、それで一瞬だが霊体じゃなくなった俺様は勿論精霊でもなくなってだな』


「待て待て、いきなり話がぶっ飛び過ぎだよ、何だいきなり復活だとか霊体だとか、おまけに精霊じゃなくなったとか」


『まぁまぁ落ち着け、俺様も正直混乱してる、取り敢えず聞け、この1ヶ月の間だけ俺様は復活してた所為でお前との契約が一瞬だけ切れていてが、復活の条件を完璧に満たしていなかったおかげでこうして俺はまた戻ってきたんだ』


「もうわけがわかんねぇよ」


『取り敢えず修羅界の奴等には二度と復活をさせない様に言いつけておいたから心配はねぇ』


「復活させなくていいって、帰りたくないのかよ家に」


『あんな退屈な所死んでも帰りたくないね、上の世界が崩壊して巻き添え食らって死んだお陰で、こうして外の世界で自由になれたんだ、誰にも邪魔させねぇよ』


「そう言えば何で死なないし、死んでから弱くなったんだろうな」


『もともと俺は王でもあり、小さな世界の神でもあったんだ、死なないとは言え肉体だけが滅びて精神体だけとなった俺様は勝手に精霊とかいうしょぼい下級種族に生まれ変わったせいで弱くなっちまったんだよ』


「なんか色々難しいな、お前の身に起きた出来事って、面倒だけはマジで勘弁してくれよな、絶対に!特に今は大事な時期だからよぉ!」


『お、おう!顔がちけーよ、んで今は何をやってんだ?』


カイトはここ1ヶ月の出来事を事細かく説明した。


『成る程、今はその明日行われる予選の為に特訓してるんだな、それよりセニカとやっと付き合ったのかオメェ』


「あぁ、リア充なうだ」


『リア充爆発しろ!』


「やっぱそれ言いたかったんだな」


『あぁ、言ってみたかったぜ、おもしれぇ』


「変わってんぞ、本当に」


『お前の闘気見してみろ』


「ん?あぁ」


ブワァッ!!


『ほう、また少し増したな』


「どうだ?」


『まぁ今のお前ならあの道化野郎の攻撃を一発ぐらい防げるくらいじゃねーのか?』


「ふ〜ん、そうだこの前剣に闘気を纏わせれる様になったぞ」


『まぁ、魔法に応用できるくらいだからな、剣に纏わせるくらい造作もないだろ、俺様には拳があれば十分だからな』


「なんかもっと他の使い方ないのかな闘気って」


『あるっちゃあるけど、オススメはしない』


「一応聞いておきたいかな」


『闘気の性質変化だ、闘気は俗に自身の防衛本能を具現化させた物だと言われているが、その性質は1つじゃない、守る性質の闘気と、殺す事を目的としたい言うなれば、攻を通り越して、殺の性質だ』


『よく怒りに身を任せて無茶苦茶限界突破して、格上の相手を一方的にぶっ倒すって言う話聞いたことはないにしろ、お前の世界で言う漫画とかではあっただろ?てかお前の身にもおきていたな』


「あぁ、よくある奴ね、大事な人を傷つけられたり、殺されたら急激にパワーアップするやつ。確かに記憶はないが俺の身にも起きたな」


『それの正体が、闘気のもう一つの性質『殺』だ。まぁ俺が勝手にそう呼んでいるだけだがな、これはそう簡単に使える物じゃねぇ、自身の怒りが頂点に達し、戦っている相手に対し怒りと尚且つ殺したいという欲求が現れた時に逆に冷静になれるかが大事だ』


「そんなの無理じゃね?目の前の敵を殺したいと思うほど怒りがこみ上げれば我を忘れるって誰でも」


『だから難しいんだ、冷静になってもダメ、怒りで我を忘れるのもダメとこれまたどうしようもねぇってくらいなんだが、ひとつだけ俺の知ってる方法がある』


「なんだなんだ?」


『これもオススメしねぇが、怒りが頂点に達した時にこの『殺』の性質が現れるんだが、この感覚を掴めるのは怒りから我を忘れるまでのほんの一瞬だ、その感覚を掴みさえすれば後はその感覚を思い出すだけで使えるようになる。じゃあ問題はどうすればその一瞬の内に掴めるか、俺がやった方法は感情の抹消だ』


「感情の抹消?」


『あぁ、我を忘れる前に感情をシャットアウトする。これすらやろうと思って出来るもんじゃない、わかりやすく言うと極限に『殺』の感覚を掴むためだけに他の事は一切考えない極限の集中モードになるんだ。勿論それをする事によって反動もある』


「もう言ってる意味が色々分かんないぞー!どんな反動だ?」


『何せどでけぇ感情の波を無理やり押さえ込んじうせいで頭がおかしくなって、何も感じなくなる。喜怒哀楽何もかもだ』


「廃人じゃねーか」


『俺様も今では色々と感情を取り戻しちゃあいるが、それまではただの戦いに明け暮れるだけのただの廃人ていうより廃神って感じだった。お陰で今はすっかり使えなくなった』


「え?一度感覚を掴めば使えるって」


『そうなんだが俺の予想するには感情を生贄にしなくちゃあいけねぇもんだと思う。だからオススメはしないんだ、大きい力には必ず代償が付いてくる、まぁ死んだ所為ってのもあるかもしんねぇがな、あの性質はマジで凄かったぞ、多分お前だったらヴァイスにも勝てるぐらいには格段に強くなるはずだ』


「諸刃の刃か、、廃人だけは勘弁だな、妹に顔向け出来ねぇ」


『あぁ、だから諦めて俺様がもっといい技教えてやる、俗に言う必殺技って奴だ、ビックリするぞ!』


「おぉー!なんだなんだ!?」


こうしてアッシュはカイトの元に戻り、アッシュはカイトに必殺技を伝授し、いよいよ予選試合当日。



『それでは予選1日目、第一試合を始める』


「何も全校生徒の前で勝負しなくてもいいだろ?」


「本当よねぇ、緊張して実力が出せなかったらどうすんのよ」


「さぁ、ここで緊張するくらいなら、本戦は出られねーぞっていう意味を込めたんじゃない?」


「こら、3人とも、先生が睨んでるよ」


カイト、ルフト、ラゼッタが壇上の先生の方を見ると、目が合い睨まれた。


「コホンッ、第一試合の選手は舞台に上がりなさい」


舞台へ上がったのは拳術科のウィスとアルベルトだった。


「両者準備は宜しいですか」


頷く2人。


「始め!!」


ドンッ!!


試合の号令が開始したと共に、アルベルトがカイトが教えた身体能力向上の限界突破でウィスの目の前まで一瞬で距離を詰める。


『バーニングヴート』×『スクリューストライク』


ガキィン!!


一気に終わらせようと考えたアルベルトだったが、奇しくもウィスの反応が早く、奇襲は失敗に終わった。


『ルマールステップ』


闘技大会でやっていたカポエイラの様なステップで徐々にアルベルトへと近づいていくウィス。


『青天四山』


アルベルトの剣が青く光出し、ウィスの方へと歩き出すアルベルト。


「セニカ、あれって?」


「私も分からない、多分無手ノ奥義の赤地四海を応用したアルベルトのオリジナル技」


「野郎ぉ、やっぱ強くなってんなぁ」


『フルヴートストライク』


ウィスは逆立ちをし、高速で回転した後、その勢いでアルベルトに蹴りかかる。


「見るに耐えん」


青い斬撃を飛ばし、ウィスの体ごと場外へと吹き飛ばしたアルベルト。


「勝負あり!」


ウィスが係員の人に運ばれて、第二試合が始まる。


「第二試合の生徒、舞台へ」


今度はルフトとスカーレットが舞台へと上がった。


「試合、始め!」


試合開始の号令と共に、ルフトが頭を下げる。


「もし俺が勝ったら付き合ってください!」


「嫌よ、私より弱い人には興味ないの」


「でも、傷つけられないな〜」


「なっ!バカ!大事な試合よ!槍を取りなさい!」


「断る!」


「おいルフトバカ言ってねーでまじめにやれよー!」


観客席にいた槍術科の生徒がルフトにヤジを飛ばす。


「うるせー!これでも本気なんだ!さぁ、俺を倒sブフォッ!!」


スカーレットは片手に握っていた等身大の棒でルフトの顔目掛けて体ごと場外へと殴り飛ばす。



「勝負あり」


ルフトが係員に連れて行かれ、第三試合が始まる。


「第三試合を始める、選手は舞台へ」


「あーっはっはっは!なんだあいつおもしれぇなカイト」


「ジュラン、次お前だろ?相手はつえーぞ?」


壇上に上がったのはジュランとラゼッタだった。


「あんたが噂の転校生ね、よろしく」


「あぁ、よろしくな」


軽く握手をた後、試合が始まる。


「始め!」


「いっくよ〜」


『五月雨突き』


キィンキィンキィン!!


目にも留まらない速さのラゼッタの突きを全て剣で受け止めるジュラン。


「よっ!」


なんと突きの途中で、少し前に出て柄の部分を握り動きを止めた。


『バーニングランス』


「フンッ!」


すぐさまラゼッタは槍に炎を纏わせたが、ジュラン掴んだ片手に闘気を纏わせた。


「だったら」


「させねーよ!」


ラゼッタがジュランの体ごと槍を持ち上げようとした瞬間、ジュランが剣を持った片手でラゼッタに剣を振り下ろそうとするも…


ズィン!!


「あんたも闘気持ちだったか」


「喋ってる余裕あるのかしら」


「うおっ!」


ラゼッタがジュランの体ごと持ち上げ、地面に叩きつけようとした瞬間、ジュラン持ち上げられた瞬間槍を手放した。


『大車輪』


『岩流し』


後ろに槍をいなされ前にバランスを崩すも、ラゼッタは岩で着地どころを見失った足の目の前に足場を作り、すぐさま体勢を立て直す。


(魔法の使い方が上手くなってるなラゼッタ)


ラゼッタの魔法の上達に感心するカイト。


『オルフォルト流・烈火斬』


ジュランの剣が烈火の如く燃え上がり、回転しながらラゼッタに襲いかかる。


『水壁払い』


ラゼッタが槍を横になぎ払うと、水壁が現れ、ジュランの剣とぶつかり合う。


ジュウウウウウ!!


舞台全体が煙に覆われる。


『風車』


槍を軽く振り回し、煙を払うもジュランの姿が見当たらない。


『オルフォルト流奥義・波紋刃』


ラゼッタの真上からジュランが巨大な斬撃を真下にいるラゼッタに放った。


『ドラゴンフォース』×『ドラゴンロア』


ズドォォォン!!


舞台に張られた結界にヒビが入る。やがて砂煙が消え、奥から見えたのは、ジュランが剣をラゼッタの首に当てている光景だった。


「引き分け!」


「え?引き分け?ジュランの勝ちじゃあ」


カイトが言葉を言い切る前に、ジュランの背後の砂煙が消えて目を凝らしてみると、空中の浮いた槍がジュランの背中に押し当てられていた。


「ふぅ、、お互いまだ実力を見せていなかったが、良い戦いだった」


「ちぇ〜、勝てると思ったのにな〜」


「ていうか引き分けの場合どうなるんだ?」


「お互いに1ポイントを分けられた0.5ポイントが入ります」


「なるほどねぇ」


「続いて第四試合、選手は舞台へ」


「うっし、やるぜぇ〜」


「やるかー」


「始め!!」


『ディープミスト』


「いきなりめんどくせーな」


『オルフォルト流・烈風斬』


ズフォンッ!!


霧をすぐさま晴させると、暗闇で当たりが見えなくなった。


『ライトストーン』


すぐさま発光石を生成し、あたりにばら撒くカイト。


「籠の中か」


発光石を頼りにあたりを見回すと、石の壁が見えて、閉じ込められたとすぐさま状況を確認する。


『雷走』


ビュンッ!!


高速で一周して見るも塞がっている。


「壊すか」


バシュンッ!!


何処からか矢が放たれ、すぐさま放たれた位置を確認し、五刃で斬撃を飛ばすが当たった気配がしない。


『バウンスショット』×『五月雨撃ち』


「そこかっ!」


ガンッ!


パラパラッ


その後も何度か見えない所から矢が放たれ続け2分が経過する。


「あーっ!もうめんどくせー!!」


バシュンッ!


キィンッ!


「温存しておきたかったけど、もうキレたぞ」


『ボルテックス』


全身に電気を溜め込み、一気に放出させ、舞台全てを電撃で埋める。


バタンッ


ジュウウウウウ


「うわっ、やり過ぎたわこれ、、」


暗闇の何処かで、焼ける音と人が落ちる鈍い音がしたため、心配して駆け込む。


「おい!大丈夫か?」


倒れている人影に向かうと目の前で突如四散していった。


(あれがクローンだと!?にしてもリアルすgっ!)


ガキィン!!


「大事な試合で人の心配か?ずいぶん余裕じゃんチャンピオン」


気が付くと、目視でざっと5人のウォルトに囲まれていたカイト。


「「「「終わりだ!」」」」


『レインアロー』


『五月雨撃ち』


『スティングショット』


『ブラストショット』


『エレメントアロー』


上下左右全方向から一気に技が飛んでくる。すぐさまカイトは真上に飛んで上空の矢を空円斬に風属性を纏わせ吹き飛ばした後、天歩でウォルトの追撃を避け、一番近いウォルトの分身を斬り伏せる。


その後すぐさまテレポートを使い、1番遠いウォルトの方へ飛び、斬り伏せた後、雷走で残りを斬り伏せる。


「ふぅ!早く出てこいよめんどくせーから」


最後の1人を斬り伏せた後、カイトが挑発するも、既に本体はカイトの背後をとっており、空中で弓を引く。


(へっ!頂きっ!)


シュバァンッ!!


弓矢がカイトの背中に命中し、前方の壁に吹き飛ばされる。


「ふぅ、、」

トンッ


「油断したな」


「なっ!」


「歯食いしばれよ」


ドガァン!!


舞台全体を包む岩のドームからウォルトが岩を破壊し地面に飛ばされたと同時に、岩のドームが崩れていき中からカイトの姿が露わになる。


「勝負あり!!」


「ちょっと手こずったな〜」


すぐさま係員が魔法で舞台の修理をやり終え、第五試合が開始され、セニカとリリアが舞台へ上がった。


「始め!!」


『魔法操剣・一ノ劔』


『グラビティドーム』


セニカが魔法剣を一本だした途端、リリアが10倍の重力場を作りだし、セニカがその場から一歩も動くことが出来ない状況を瞬時に作り出した。


『アイスコメット』


セニカの真上に巨大な氷の塊をこれまた瞬時に作り上げ、セニカに放った。


『一ノ劔・火流刃』


通常の10倍ある重力の中で、腕を上げると、魔法剣が物凄い速さで巨大な氷塊を貫き、リリアの目の前で止まった。


「勝負あり!」


「くぅ、やっぱ可愛いなセニカちゃん」


「おい、いい加減殴るぞ」


「ふぅ、、肩凝ったわ〜」


「魔術科の生徒相手に、感想それだけかよ、、」


肩を回しながら、舞台から降りるセニカ。


「それではこの後昼休憩が終わり次第、第2回を始めます」


第一回の予選が終わりカイトはいつもの4人で学校の食堂で飯を済ませ、各々魔力の回復に専念した再び競技場へと戻ってくる。


「それでは早速第2回を始めます。第一試合の選手は舞台へどうぞ」


舞台へ上がったのはアルベルトとスカーレット。


「始め!!」


「槍術科の生徒と戦っていた時は棒だったが、今度はレイピアか」


「カーマイン家の淑女なので、これくらいは」


「そうだったな、さすが全能の家系だ」


「ハァッ!」


シュイン


スカーレットのレイピアを華麗に流すように受け止めるアルベルト。


『閃双』


アルベルトは素早く左右から剣で斬りつけるが、どれも当たる寸前の所体を捻られ回避される。


(背後を取った!)


ズゥン!!


カンッ!!


相手が体を捻らせ、背中を見せた隙に後ろに回り、背後から攻撃しようと一歩踏み出した途端、脇から何かが飛んできたのが見え、ギリギリ反応したアルベルト。


「異能、ウェポンマスターか」


カーマイン家は代々女性が家を継ぐ珍しい家系で、初代カーマイン家の当主は、この世にある全ての武器を使いこなせる異能の持ち主であり、大陸四貴族には入らないものの、実力は同等と言わしめた程の実力をエリュードの王族に見せつけ、貴族に成り上がった一族である。


飛んできた物の正体はスカーレットと等身大の棒だった。


『火炎棒』


ブォオオオン


スカーレットは棒の上と下の部分に火を纏わせ、音が観客席に聞こえるくらい高速で振り回す。


『風斬破』


バゴォン!


振り回した勢いで棒を斬撃に叩き消すスカーレット。その後もアルベルトは中距離から、斬撃を飛ばすも全て叩き潰される。


『猛打棍』


スカーレットはアルベルトが次の動作に入ろうとした瞬間、棒を地面に突き、腕で棒を地面に押し体ごとアルベルトの方へと飛ばし、素早い打撃を繰り出す。


ダァンダァンダァンキンッ!


4回目の打撃でアルベルトが技を見切り、ガードしてー、剣を棒の上でスライドさせ棒を握っているスカーレットの手を狙った。


「甘い!」


すぐさま棒を手放し、懐に潜り込み今度はカイトでも見覚えのある柔道の背負い投げをし、勢い良くアルベルトを地面に叩きつける。


「ぐっ!」


しかしアルベルトは自身の判断が甘かったとすぐさま判断していて、投げられた瞬間、首と背中に闘気を集中させ、威力を分散させていた。


『断空』


縦に180度開かれた足から、倒れているアルベルトに対して強烈なかかと落としが襲い掛かるも、冷静にアルベルトは倒れたまま横に転がり回避し、立ち上がる。


『焔相寺拳法・鳳炎脚』


ウィスと同じ用に足を燃え上がらせ、アルベルトに向かって蹴り技を放とうとするスカーレット。


片足を地面に着け、蹴り技を放った瞬間、アルベルトが姿勢を相手の視界から消えるくらい低くする。


「俺の知ってる技を使ったのが運の尽きだ」


「なっ!」


アルベルトは放たれた蹴り技を下から上に持ち上げ、同時に地面に着いていた足に足払いをかけ後ろに倒した後、赤地四海を発動し、拳を倒れているスカーレットの顔の手前で止める。


「勝負あり!」


「いい試合だった、危うく奥の手を出すところだった」


「、、、、」


悔しそうな瞳でアルベルトを睨みつけた後、差し出された手を掴み立ち上がる。


「次は負けません」


「あぁ」



「続いて第二試合、選手は舞台へ」


壇上に上がったのはカイトとリリア。


「お久しぶりね」


「あん時はお世話になったな、悪いが今回も勝たせてもらうぞ」


「始め!!」


『雷走』


先手を切ったのはカイト、前回の闘技大会で距離を取られ危うく負けかけたので、雷走で瞬時に目の前まで移動し、斬りかかる。


『隼斬り』


『アイスシールド』


バキィン!!


正面からの攻撃を防がれ、すぐさま背後に回り斬りかかるもまたも防がれた。


「懐には簡単に入らせないわよ」


「だったら」


『闘剣』


ズガァンッ!!


「なっ!何よその威力!」


「強くなったろ?しっしっし」


張っていたシールドに自信があったのか、壊された瞬間、あからさまに動じた為、その隙を狙い雷魔法で痺れさせ、首に剣を当て試合が終了した。


「もうなによ剣術科強すぎるわ、これじゃあ授業サボらせてもらえないじゃない」


「おいおい授業サボったらダメだろ、、」


「もういいわ、来年には強くなって見せるから、審判?こんかいの大会、危険しますわ」


「いいのか?」


「ここで躓いてちゃ、本戦はまともに戦えないわよ」


「そんな事出来るのか?んじゃあ俺も棄権します」


「俺も、正直どいつも勝てる気がしねぇ、まだ傷も治り切ってねぇし」


そう言ってリリアに続いて棄権したのは弓術科ウォルトと拳術科ウィスだった。


「やはりこうなったか」


ノイドが壇上から突如姿を現し、まるでこうなる事が分かっていたような発言をした。


「今棄権を申し出た生徒の申し出は受け入れよう」


「こうなったかってのはどういう意味ですかノイド学園長」


カイトが疑問に思いノイドに質問を投げかける。


「毎年ワシは大陸大会の候補を10人に絞ってるんじゃ、見極める為にの」


「見極める?」


「次期五星候補をじゃ、何度も言うが大陸大会とは学園の看板を背負って戦う大会じゃ、生半可な気持ちでの出場は許されん、学園の看板を背負うに相応しい人物、五星を見極める大会でもあると同時に思っとるんじゃワシは」


「それと先程のあの発言とはどう言った関係が?」


「彼らは学園の看板を背負う前に、自身の力不足と怠慢を君達との戦いで気付き、それに押しつぶされてしまったのじゃ、つまり学園を背負う前にそれより小さな物に押しつぶされたのじゃ、何故ワシがこうなると分かったのは、毎年こう言う事が起こっているからじゃ」


「そうですか、、それじゃあこれからどうするんですか?試合は?」


「試合は引き続きやって頂く、ただ棄権した3人と戦って得た得点は全てゼロとする、これで平等じゃ」


「って事は俺持ち点0に振り出しかよー」


「私も0になっちゃった」


カイトとセニカが少ししょんぼりする。剣術科はジュランを除き全員0点と振り出しに戻されたのであった。そして第三試合のルフトvsウォルトもなくなり、第四試合のジュランvsウィスの対戦がなくなり第五試合へと飛んだ。


「舞台へ!」


舞台に上がったのはセニカとラゼッタであった。


「初めてだね、手合わせ」


「うん、手加減はなしだよセニカ」


「そっちこそ手を抜かないでね」


「始め!!」


ジリッ

ジリッ


両者一歩も動かず相手の出方を伺う。そしてこれまた普段息の合う2人が互いに攻め始めるタイミングを同じだった。


ガキィン!!


剣と槍がつばぜり合いを起こすも、力ではラゼッタが押し勝っている。


『岩流し』


シュインッ


器用に押す力を瞬時に弱めてバランスを崩させようとするが、ラゼッタも瞬時に反応し、一歩踏みとどまる。


『閃双』


『風車』


ブォンッ


セニカの閃双を風車の風でセニカの体ごと浮かせ、ラゼッタが仕掛ける。


『五月雨突き』


『黙想六花』


ラゼッタの高速の突きを空中で目を閉じながら全て捌いていくセニカ。


『刺突一閃』


ラゼッタが技の途中で新たな技を発動させようとした瞬間…


キィン!!


ラゼッタの背後に生成した魔法剣の気配を感じ、技を魔法剣にぶつけ破壊するが、その背後からセニカが魔法剣を2本生成し、ラゼッタに襲いかかる。


『三ノ劔・八十八夜』


渾身の刺突攻撃を放つセニカ、対するラゼッタはまだ背後のセニカに気付いていない。


(貰った!)


ズゥンッ!!


突如ラゼッタの体が左右に激しく揺れ、消える。


(幻覚?)


セニカはすぐさま力技で指から炎を出し、自身の体を焼き付けた。


すると視界が揺れ、幻覚を解除するも、ラゼッタの姿が見当たらない。


『ドラゴンロア』


頭上から投擲された竜の咆哮にも匹敵すると言われる竜槍をセニカは真正面から受け止めようとする。


『御劔ノ舞・集』


セニカは魔法剣を4本生成し、全て合体させ一本の巨大な魔法剣を作り出し、ラゼッタの槍にぶつける。


「セアアアアアア!!」


ラゼッタが激しくつばぜり合いを起こす槍を空中から落ちながら手に取り、両足から風魔法でブーストを掛けながら、セニカの魔法剣を押し返そうとする。


(このままじゃ、、絶対に負けたくない!)


セニカは魔法剣をもう一つ生成する。


「いけええええ!!」


巨大な一本の魔法剣を操ってないもう片方の手で魔法剣をラゼッタに向かって放つ。


(あたしも絶対に負けないよ!)


『ドラゴンノヴァ』


ラゼッタは滅竜の異能を解放し、身体能力を劇的に上昇させ、セニカめがけ突撃する。


ツッ


ドゥオオオオオン!!!


凄まじい音と共にラゼッタの槍がセニカ魔法剣を貫通し、セニカ真横の地面を刺した。


「あたしの、負けね」


ガバッ


セニカが技の反動で倒れそうになるラゼッタをキャッチする。


「結局お互いの事傷つけられなかったね」


ラゼッタが魔法剣を貫通する前、セニカは魔法剣でセニカの頬を掠らせた。勿論これが殺し合いの場だと、額を射抜いていたが、勿論試合なのでそんな事をするつもりもなく、ラゼッタもそれを見て結局技をセニカの横に軌道修正し、どちらも火傷と切り傷の軽傷で済んだ。


「審判さん、降参で」


ラゼッタが審判に降参を宣言し、この日の最後の試合はセニカの勝利で幕を閉じた。


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