表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/127

第2章 大陸大会予選


ーーカイトがグレアモル学園に来て数ヶ月後



プシューッ!!


「ふぅ!長旅だったぜ〜!」


「ちょっとカイト、酔い止めお願い」


大型魔動車から降り、都会の空気を肺に入れ、長時間同じ体勢からやっと解放され背伸びをするカイトの後ろから、吐き気を催しながら降りてくるサバト。


『コンディションヒール』


「ほらよ、どうだ?」


「ごめんカイト、僕にもお願い」

「私も、、」

「俺も頼、うぷっ」


「お前ら全員乗り物酔いかよ、着いたばっかで疲れさせんなよ」


『コンディションヒール』


「ごめん、ありがとう」

「助かった、、」


同じバスに乗ったミドラを除くクラス全員に状態回復を施し、目の前のホテルへと入るカイト達。


「てかいいんですかユシカさん?俺グレアモル学園の方のホテルにいて?」


「寧ろここに居るのが普通だが?お前は今留学生の身だ、ウルミストの方に言って私達グレアモルの情報を漏らされるリスクがあるからな、前年はネロゴートにしてやられたが、今年は我らグレアモルが優勝を頂く、お前達、気合を入れろ」


それから各自で部屋を決め、大陸大会の予選開始まで自由時間が与えられた。


「何処へ行くカイト」


廊下から階段を降りようとした所をユシカに止められる。


「うっ、、ちょっと散歩に、、」


「まさかウルミストの宿泊場に行く訳ではあるまいな?」


「流石に情報を流したりしませんってユシカ先生」


「ふん、どうだかな」


「もう2ヶ月以上の付き合いじゃないですかぁ〜たまには信じて下さいよ〜」


「話したら首を刎ねるからな」


威圧した眼力でカイトに外出の許可をだすユシカ。


最初のミドラとの対戦の後、ユシカに剣の才能を褒められ、先生は誰かとユシカに聞かれ、ヴァイスの名前を口にすると、その瞬間からあからさまにカイトに対して敵対心を持つ様になったユシカ。


それから部屋に戻り、本気で戦う事を約束にミドラを宥めた後、事情を聞くと、ユシカは若い頃ヴァイスと同じ傭兵だった身で、戦場で幾度か剣を交えた仲だと言う。しかしどの対決でもヴァイスに一歩届く事はなく、いつも打ちのめされていたと言う。


「成程、、ユシカ先生から見れば師匠は因縁の相手だもんな」


「あぁ、だからユシカの前ではその名前は禁句だ、我も事前に忠告しなかった事に申し訳ない」


それからカイトは一才ヴァイスの名前をユシカの前では話さない様にした。


因みに今年の大陸大会にはカイトは参加せず、勿論グレアモル学園側でも参加は出来ない。なのでユシカに頼み、観客という立場で同行させてもらっているカイト。



ウルミスト学園の宿泊施設に着いたカイト。


「ん?なんだこの緊張は、、、なんか心臓がバクバク鳴り始めたぞ?」


((行く時、お前の捨て台詞でラゼッタがブチ切れてたからな))


謎の緊張感のままホテルの廊下に行くカイト。


ヴーン


ホテルのドアが突然開き、慌てて隠れるカイト。


(今到着したのかみんな、、)


((なんで隠れてんだ?普通に出て挨拶しろよ))


((うるせぇ、なんか心臓がバクバク言ってんだよ))


出場者は知らないが、全員知っているメンツで、カイトの席が空いてロンがいた。


談笑しながらロビーを過ぎていき、そのままホテルの中へと消えていった一同。同時に心臓の高鳴りが消え、今度は謎の感覚の苛まされるカイト。


結局この変な感覚のせいで、挨拶に行くことが出来ず、グレアモルのホテルへと帰っていった。


「どうだった?彼女に会えた?」


部屋に入ると同室のサバトとミドラが出迎える。


「いやー、会えなかったんだよな〜」


「どうして?まだ到着してなかった?」


「いや?寧ろ俺がホテルのロビーで立ちすくんでいたらちょうど到着したんだ」


「それで会えなかったのか?どういう事だ?話が見えん」


「だよね、昨日やっとセニカに会えるー!って言って早まって寝てる時のミドラ君にセニカぁ〜って甘えた声で抱きついてたのに」


「やめろサバト、思い出させるな、汚らわしい」


「いやな、ホテルに入る前になんか心臓が爆発すんじゃねぇかってくらい心臓が鳴り出してさ、んでみんながホテルに入った途端何故か咄嗟に隠れたんだよ」


「緊張したの?久しぶりだからって?」


「女々しい一面もあるのだな」


「違うって、なんかお前らとここ数ヶ月絡んでたせいで多分心の何処かで今はグレアモル学園生としての自覚が芽生えたのかな、なんか敵情視察してる感覚に近い感じで、これから敵同士で戦うのに挨拶するのって筋が通ってねぇって言うか、マジで変な感覚なんだよ!わかる!?」


「知らん」


「左に同じく」


「それとみんながロビーを過ぎた後、楽しそうにしてるみんなを見てるとなんだかな、、」


「ちょっと悲しくなったの?ははっ!」


「まぁな、、俺がいなくても楽しくやってんだなって」


「ふん、ますます女々しい奴だなカイト、そんな下らん事考えるとは、誰もそんな事気にしても無ければ、お前がいなくても大丈夫なんて思っていない、お前があやつらに挨拶しにいかない方が寂しいと思うはずだろう。我なんてお前の助言通り今すぐにでもラゼッタの顔を見たいと思っておるのに、、貴様は目の前に愛し合う者がちゃんといて、会いにいかぬとは!この贅沢者め!」


「ちょっと落ち着いてミドラ君、前半すごいいい事言ってるのに、後半ただの八つ当たりみたいになってるから」


「ごほん、すまない取り乱した、、取り敢えずお前は留学生という立場だから出場こそは出来ないが、予選が終わった後に出場者のロビーに来て、会場内で我と合致した後、我はラゼッタに近づくからその時に声を掛けろ」


「わかった、、」


それから1時間後、前年と同じく会場に向かうと瓶底メガネで七三分けのエーという大利大会の執行役員が、一同を案内し、予選の説明を行った後再びホテルに戻り、明日に備える為全員が早めに寝た。


ーーそして予選の当日


トランペットの様な金管楽器が会場内に鳴り響き、開催の合図を知らせ、コロシアム内が一気に沸き立つ。


『さぁさぁ年に一度のお祭りぃいい!!!大陸内の数多の未来を担う新星同士の熱い戦い!!大陸大会ー!!!!』


『司会は前年同様わたくし!バハラ行商団白金員バミエル・ビリオンでお送りいたします!!』


『さぁさぁ!!それでは早速全校生徒の入場です!!温かい拍手でお出迎え下さい!!』


「「「オォオオオ!!!」」」


盛大な拍手に包まれながら前年と同じく、会場の地面が2つに割れて、下から全校生徒が昇降台で上がって来た。


「おぉ〜観客席から見たらこんな感じなのか〜」


上から見ると参加経験のある2年と3年生徒以外は、混乱しながら上がってくるのが見えたカイト。


「ははっ、こりゃあわざわざ紹介しなくても、誰が初出場で、1年か分るな」


((へっ、つまんねぇ強がりはよしやがれ、出たいのが目に見えてんぞ))


((いちいち言うんじゃねーよ、はぁ、萎えるわ〜、留学した生徒は出られない決まりだし、それを分かって行ったからな、改めて出てるみんなを見るとやっぱり生き生きしてるよ、まるで社会人になってから制服を着ている生徒を見る様な感じだよ))


((よくわかんねーけど、これも全て来年にかける為だろ?))


((あぁ、今年は沢山力をつける年、来年は確実に今よりうんと強くなって、全員を屈服させるんだ))


そうこうアッシュとテレパシーをしていると、予選が始まった。


前年とは大きさも形も違う3メートル程の水晶が舞台の上に置かれていた。


ルールは前年と同じ、テストの様な物だった。水晶に各学園の代表1人がありったけの力で放った攻撃で起きた衝撃を水晶が数字化しその数値を競うかなりシンプルな物だ。


前年と1つ違うのが、予選の1位と2位の学園は準決勝までのSEED権を獲得するのであった。


初めに大会の執行役員が見本を見せ、その後に1年生のアイウエオ順から始まった。


前年のカイト達が1年生の時の平均が3800くらいで、最高がネロゴート学園のネフェトが叩き出した6122点だ。


そして今年は...


『なぁぁんと!!驚愕の数字が出ました!!ウルミスト学園代表!シエル選手が、現在3981点のエリュムヘルト魔法学園を倍以上の切り離し、8172点という驚愕の数字を叩き出しましたぁ!!』


「うぉおおお、いよいよチート級か!?シエルの奴〜」


自分でもそこまでの数値を叩き出せるとは思ってはいなかったらしく、飛び跳ねて喜び、我に帰り、頬を紅潮させ恥ずかしそうに舞台から降りるシエル。


それからシエルの記録は塗り替えられる事はなく、2位にはグレアモル学園の4809点が割り込み、1年の部は終わった。


続いて2年の部では、エリュムヘルトの四貴族が一家のセトラ家のサティアが12257点を叩き出し、場内を沸かせた。


「うひょ〜、12000か〜」


そしてウルミスト学園の出番、気になる代表で選ばれたのはラゼッタであった。


「おっ、ラゼッタだ、ジュランじゃないのか」


槍を逆手に持ち、スレイニル流の構えを取った。


『撃竜槍』


渾身の力で放った一撃に水晶の出した数値は...


『な、、なんと!ラゼッタ選手!!脅威の20012点!!これには、私もどう言っていいか、、』


「なっ!、、2万!?」


これもまた1年の部と同じように、2位と大きく切り離しての2万越え、流石の数値に実況席も言葉が見つからない。


「にっひひ〜、こんなもんよ」


チームの座席に戻って盛り上がるウルミスト学園の仲間を見て、少し寂しい気持ちになるカイト。


「はぁ〜、、見るな見るな、強くなって帰ればまた同じ様にまたみんなと楽しく過ごせる、それまで強さ一本!我慢しろ俺!」


そして続いてグレアモル学園の番になる、代表は勿論ミドラ。


「がんばっ、、危ない危ない、危うく応援するとこだった、、ん?でも応援するの間違ってるか?あれ?わかんなくなってきたぞ」


1人観客席でパニックになるカイトをよそに、剣を中段に構え集中するミドラ。


『破邪顕正』


ズゥンッ!!!

ガキィィィン!!


ラゼッタの時と同じように、甲高い金属音が鳴り響く。


そして出た数値は...


『に、21022!!!ウルミスト学園の記録を更新!!流石我らが大陸の誇る大陸最強の四貴族同士!!スレイニル家に負けじと、オルフェオン家が記録を塗り替えたぁあああ!!!』


「少しズレたがまぁ良いだろう、、」


剣をしまい堂々とした佇まいで舞台から颯爽と降りるミドラ。勿論これはカイトが提案したラゼッタに対するアピールで、寡黙だが実力のある男の設定だ。


しかし当の本人はトイレに行ったと言うなんともタイミングの悪い事に気が付かず、ミドラは演技を続けている。


(決まった)

と内心ガッツポーズをするミドラであった。


それから記録を塗り替える学園は現れず。2年の部の本命である四貴族の1人、ネフェト・アドラスの番となった。


壇上に上がり、黒い手袋をグッと嵌めて、黒剣を鞘から取り出す。


『アドラス流・死国門』


見えない程の素早い太刀筋で、一瞬空間が曲がったと思わせられた水平斬り。


叩き出した数値は丁度20000点。


1位ではないが出した数値にミドラや他の生徒が反応した。


(ネフェトめ、繊細さを強調してきたな、ふんっ、あいも変わらず変な所で抜きん出るのが好きな変人ぷりだ)


大陸内の2年生全員の頂点にいると自覚しているネフェト、頂点の自覚を持つがこそあえてその他大勢との差別化を強調する。


((丁度2万、、俺様から見れば逃げみたいなもんだぜ、んなもん生徒かマニアにしか分かんねーだろ、俺様だったら全員の度肝を抜かせるぞ))


((はいはい))


それから順位を変えた程の得点は2校のみで、順位はこうなった。



=====================


[1位: グレアモル学園]


[2位: ウルミスト学園]


[3位: ネロゴート学園]


[4位: エリュムヘルト魔法学園]


[5位: 焔相寺学園]


[6位: スパディアム学園


[7位: マギア王立学園]


[8位: エマリア女学園]


[9位: トーエン学園]


[10位: ルマリア王立学園]



=====================


そして3年の部では、ウルミスト学園の代表エイナが33419点を叩き出し、トップに躍り出たが、ユグドラ学園のエスターと呼ばれる1人の女子生徒によって35010点の記録を上書きされ、突然のダークホースの出現により、会場内がざわめき出した。


(ユグドラ学園、、エルグランドの神木の名前と、、まさか!)


カイトが当たりを見渡すと背後から肩を叩かれて振り返る。


するとフードを深く被ってもその純白で艶のあるストレートの髪の色と、魔力を隠しきれていないファミルがいた。


「先生!てことはやっぱり!」


「学園って程大きな物じゃないけど、学舎で手塩にかけたビヒメルの生徒達の見聞を広める為に一時的に創設したのよ」


「ビヒメルさんって確か12隊の隊長のお爺ちゃん」


カイトの頭の中に小柄のエルフのお爺さんが映る。


「ちょっと今回は腕試しだから、3年生と同じ生徒達を5人だけ連れてきたのぉ、どうなるか見ものね、因みにエスターはビヒメルの孫で、魔法のセンスは当時にビヒメルにも引けを取らないくらい強いの」


「へぇ、、エルグランドには結構行ってましたけど、みんな見た事がありませんね」


「一応学舎といっても学校とは違って、遠い地で訓練させているからね、よかった今度案内してあげるわぁ、同年代のエルフ達と手合わせもしてみたいでしょ?」


「はい!してみたいです!」


「うっふふ、それじゃあ予選終わったから、みんなに声をかけてくるね、またねカイト君」


「お疲れ様です!」


ファミルが観客席から離れた後、カイトもミドラ達と合流しに席を離れる。


出演者のロビーへと向かうとミドラとサバトが待っていた。


「わりぃ、待ったか?」


「遅いぞカイト!早く行くぞ!」


「ううん、取り敢えずミドラ君がそわそわしてるから早くラゼッタに合わせないと」


「あ、あぁ」


当たりを見渡すとサバトがルフトを見つけた。


「あ、カイト!あの生徒ルフトだよね」


「あぁ、行くか」


そう言ってミドラとサバトを先頭に、何故かカイトは2人の影に隠れながら向かう。


「よっ!ルフト!」


「おぉサバトじゃん!元気してた!?」


「ちょー元気だよ、他のチームメイトはどうしたの?」


「ん?なんかセニカが調子崩したみたいで、先にホテル帰ったみたい、アルベルトに他の学園の生徒をナンパしよって誘っても拒否られるし、ジュランはスパディアムの人達に会いに行ったし、、そう言えばカイトは来てないの?」


ルフトの質問に背後に隠れているカイトをサバトが引っ張り出す。


「ん?なんでそんなとこに隠れてたんだよカイト、久しぶり」


「ん?おぉ、、久しぶりだな、げ、元気してたか?」


「そっか、セニカは今ホテルにいるから会ってきたらどうだ?なんか朝からソワソワして、落ち着きのない感じだったし」


「お、おう、まぁ後で様子見に行くわ」


「後ではない、今すぐに向かうぞカイト、我はもうラゼッタとの再会を待ちきれぬ!」


ガシッ

ダダダダダダッ!!


カイトの腕を引っ張り、ウルミスト学園の泊まるホテルへと真っ直ぐ走り出すミドラ。


「はぁ、ちょっと待ってよ2人とも〜」


「ははっ、元気そうでなによりだよ、、あ!これはウェパンの香水!この香水をつけている女の子は88%で美女!」


ルフトは嗅いだ香水の先を瞬時に感知し、つけている本人を即座に見つける。


「黒髪ボブ!!そしてキリッとした佇まい、ビンゴッ!!」


そのまま人混みの中へと消え去ったルフトであった。


結局声をかけようとした女性はエリュムヘルト魔法学園の四貴族であるサティア・セトラで、声を掛ける前に逃げられたのであった。



そしてカイトとミドラはウルミストのホテルへと着き、再び心臓が高鳴るカイト。


「ちょっと待ってくれミドラ!深呼吸だけさせてくれ!」


「なっ、、もうすぐそこだというのに、、早くしろ!」


鼻から息を吸い、ゆっくりと口から吐き、これを3回繰り返す。


「緊張は解れたか?」


「全然」


「だからなんだ、行くぞ!」


再び腕を引っ張りカイトをセニカ達の部屋まで連れて来た。


コンコンッ!


ミドラがノックをし、すぐに隠れる。


「ちょっ、ミドラ!なんで隠れるんだよ」


「うるさい黙れ!我に合わせて利用されろ!」


ガチャ


「お、おす!セニカの具合が悪いってルフトに聞いたんだけど、、」


「あ、カイト!久しぶり、丁度よかった取り敢えず入って」


ラゼッタと久しぶりの再会なのに淡白なリアクションに、肩透かしを喰らう暇もなく部屋入れられるカイト。


「ちょっとセニカの様子がちょっとおかしいのよ、セニカー!」


そう言われて部屋に進んでいくとセニカの姿が見えたものの、カイトと目が合うなり扉を閉めた。


バタンッ!

「ちょっ、、どうしたのよセニカ」


「なんでカイトがここにいるの!?」


「なんかあんたの様子をルフトに聞いて来たんだって」


「え!?べ、別に様子なんて何も変わってないよ!?」


「じゃあなんで扉閉めたのさー、んぎぃーーっ!」


ラゼッタが全力でドアを押しても、何故かびくともしない。


「ちょっと2人にしてくれないかラゼッタ?久しぶりに会ったし2人で話したいんだ」


いつのまにか心臓の高鳴りも消えて、落ち着いて来たカイトは、ラゼッタに外にいるミドラと2人きりにさせる口実もついでに作る。


「分かったわ、んじゃあ後は頼んだよカイトー」


ガチャ


部屋から出て行く音が聞こえ、ドア越しにセニカに話しかけるカイト。


「なぁセニカ、、久しぶりに会ったんだから、せめて顔だけ見せてくれないか?」


「、、、、」


「もしかして俺のこと避けてる?」


「、、それは違うの」


「じゃあなんで部屋に、、」


「カイトに会うの久しぶりだから、いざ会えるって思ったら気が気じゃなくなって」


「もしかして心臓が高鳴る感じか?」


「うん、今も凄いどくどく言ってるし、、え?何で分かったの?」


「ふふっ、、そうか、セニカもだったんだな」


「もしかしてカイトも私と同じ?」


「俺のはもっと恥ずかしいよ、実は今日セニカ達と鉢合わせてたんだ、このホテルのロビーで、でもいざ目の前にみんなが来た瞬間、心臓がバクバク言ってさ、気が付いたら隠れてたんだよ」


「そして今気付いた、あの時の心臓の高鳴りとさっきまで感じてた心臓の高鳴りは好きな人に会える喜びだったんだって」


ガチャ


「なんだかカイトの声聴くと落ち着いて来た、、何してるんだろうね私達、会えるっていうのに避けてたなんて」


「ははっ、本当にそうだよ、それにしても今日も可愛いな、セニカ」


「ありがとう」

バタン!!


久しぶりの再会に強く抱きしめ合う2人、しかし幸せの瞬間も束の間。ラゼッタが怒りを露わに部屋に入ってきた。


「ちょっとカイト?できる限りあたしからあのツンツン頭を避けさせてって言ったよね!」


「え?あ、ついてきてたのかあいつー!」


棒読みで慌てふためく演技をするカイト。


「絶対仕組んでたでしょ!セニカ!あたし達の知ってるカイトはもうここに居ないわ!グレアモルに2カ月間もいたせいですっかりミドラ達の味方に違いないわ!」


「ちょっ、なんでそんな考えになるんだ?」


「ちょっとラゼッタ?」


バッ


セニカに手を伸ばすカイトの前に立ち塞がるラゼッタ。


「こいつはグレアモルのスパイよ!大会前にセニカの調子を狂わせに来たに違いないわ!」


「いや、むしろ調子を今さっき戻してもらったくらいだよ、、」


「取り敢えずスパイよこいつは!ほら、早く出て行かないと叫ぶわよ?いいの!?」


「叫ぶって、俺元々ウルミストの生徒だし、、」


「ここは女部屋よ!叫ぶ言葉によっては社会的に殺す事もできるんだからね!」


「いや、そこまでしなくても、、」


「キャー!変態よ〜!」


「ちょっ!マジで叫ぶじゃん!」

ガチャ!


ガチャ

「叫び声が聞こえたけど、ってカイトじゃない?久しぶりね」


「ぬおっ!カイト!今しがたラゼッタの声が」


「後で聞く!取り敢えず行くぞミドラ!久しぶりスカーレット〜、さっきルフトがナンパしようとしてたから止めに行くなら今だぞーー!」


逃げながら同時にスカーレットに挨拶をして、その場から急いで去っていったカイト達。


ロビーに着くなりミドラにカイトが問い詰める。


「何を話したらラゼッタがあんな怒るんだ?」


「何?我はただ出てきたラゼッタに挨拶をしただけだが?」


「すまん、じゃあキレてた理由は俺だったな、取り敢えずお互いに会いたい奴には会えたから、大会が終わるまではじっとしとけ、前もアドバイスしたけど優勝したら見る目が変わるかもだから、今はストイックに大会に集中だ、いいな?メモしておけミドラ、女はストイックな男に弱いんだ」


「女はストイックな男に弱い、と、、これで我はまた1つできる男に近づいたな」


「あぁ、急がば回れだ」


こうしてカイトとミドラは僅かであったが互いの意中と再会する事ができたので、大会終了までは大会に集中する事にしたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ