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【Ai執筆ifストーリー】最強スキルを授かったのに追放された俺、気づけば世界を救っていた【if】  作者: あぁ
第1章『追放と邂逅』

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第22話見えざる“手”


【if】第22話:見えざる“手”


セレスの歌が、静かに空を満たしていた。

まるで祝福のように、まるで祈りのように。


「……不思議だな」

クロウが呟いたのは、誰に向けた言葉でもなかった。


「何が?」と、エリスが尋ねる。


「この街の人たち……昨日、セレスの歌に涙を流してたのに、今日はそのことを誰一人として口にしないんだ」

彼の目は冴えていた。気のせいではない、と確信している瞳だった。


「まるで――その記憶ごと、何かに消されたみたいに」


セレス自身も、薄々気づいていた。

彼女の周囲で、小さな“不在”が増えている。昨日まで話しかけてくれた人が、突然“知らない”と言ってくる。

手紙を書こうとすると、文字がかすれて読めなくなる。

歌詞を書いた紙が、朝になると真っ白になっている。


「私、どうして……こんなに“消えていく”の……?」


誰かに問いかけたかった。けれど、その“誰か”すら思い出せなくなるような恐怖が、彼女の背に重くのしかかる。


そしてその夜――セレスの夢に、“それ”は現れた。


白く、音もなく、ただそこに“在るだけ”の存在。

声はなかった。だが確かに伝わった。


――存在が過ぎれば、世界が壊れる。

ゆえに、おまえを“調整”する。


セレスは、声にならない叫びを上げた。


目覚めた彼女の手には、血のように赤い光の残滓が残っていた。

“それ”は夢ではない。現実だった。


だが、彼女は震えながらも言葉にする。


「私は、消えない……。私には……歌があるから」


その朝、セレスは誰にも言わず、ひとりで街を出ようとした。

自分がいるだけで、誰かが記憶を奪われ、存在を喰われるなら。


だが――


「バカかお前は」


主人公の声が、背中に突き刺さった。


「勝手に全部背負って、勝手にいなくなるなんて。お前が一人で泣いてんの、俺たちは見てたんだよ」


「……でも、私がいると……みんな……っ」


「だったら、なおさら一緒に戦う。

この世界が、お前を許さないって言うなら――俺たちが、“世界”を説得してやる」


そして、セレスの手を、主人公が取った。


「一緒に、あいつらに会いに行こう。消そうとするやつらに、“俺たちはここにいる”って言ってやろうぜ」


セレスの目から、涙がこぼれた。


それは、初めて“誰かと一緒に未来を選ぶ”と決めた少女の涙だった。



---


次回、第23話

「見えざる理、その名を識れ」

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