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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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「まさかっ父を石化された恨みを女王に?!」

「違います。その逆です」リリベルが答える。


「彼女は父親の石化を戻して欲しくて、私の関心を引こうと騒ぎを起こしました」

「あぁっ何て事を…」

 前宰相はそう言うと顔を蒼白にさせた。


「でもその企みは成功したんですよ。現に私は石化を解こうとしていますから」

「だがっあの子はどうなる?弟は石化を解かれても罰をこれから受けるが、なのにあの子まで…王族に堕胎薬と呪いなど…死刑しかないではないか!」

 前宰相は相当ショックを受けたようだ。


「前宰相、あなたの姪の起こした騒ぎは一部の者しか知りません。しかも弟さんが西や南にやらかした罪も同様です」

 前宰相は意外そうに顔を上げる。


「それは?…そうか何か取り引きを希望してそうしているのか?何を望む?私は何をすれば良い?」

 さすが元宰相だ。飲み込みが早いから交渉がスムーズに行きそうだ。

「あなたが今回の罪人の全員を引き取って下さい。そして引き取った方々を使って、今後、この国で人に害を及ぼす悪い呪術の全てを取り締まって下さい。そして新たな呪術師は作らない。今、いる人達だけで最後です。更に全ての悪い術を封印して下さい。それが条件です」


「そんな!それでは甘くないか?そんな内容だけで放免すると言うのか?女王は?ルドベキアがそれを許すのか?」

「確かに弟さんもその娘も一味も、あなたが面倒見ている弟の親族全員、処刑してしまうのが、この国の刑法に叶っていますけどね。でもそうすると、この国の他の呪術師と呪術を止めることが出来なくなると思うんです。それに弟一家を全員処刑してしまっても…前宰相は本当にそれでいいんですか?」


「それは…」

「私達も女王陛下もあなたの弟一家を処刑しても別に良いけど、残りの呪術師はどうにかしたいんです。まだ怪しい術を使う人を高位貴族が囲ってたりするんでしょう?弟一家を処分してしまえば、王家は呪いに対する防御も危うくならないですか?そういう奴らを誰が取り締れるんです?」


「そうだが…」

「女王陛下も王配様もお忙しいのです。これから国交を広げるらしいですから内に目を向けられない。だから呪術に関しては専門家が対処してくれたら助かるんじゃないですか?」


「分かった…」

「弟さん一族と一派の説得は前宰相にお任せしますよ。あなたの命令ならちゃんと聞くのでしょう?それにマギーさんが、あなた方の見張り役です。彼女には恩もあるのでしょう?」


「前宰相、これは我々からの恩赦でもある。これからは女王陛下と王配殿下にも恩を感じるよう、あなたから重々皆にお伝え頂きたい。そして我が国だけでなく他国に対する無礼は、二度目は絶対見逃さないと合わせて伝えてくれ」

 ザック殿下がそう仰り、前宰相が大人しく頷くのを見て、リリベルは弟とその一派の石化を解呪した。


 実は人間の解呪はココナッツよりも魔力が要らなかった。

 なぜなら石化された人間の魔力を使えば、リリベルは引き出して聖魔法に返還するだけだった。スゴイ発見だ!そしてなんて経済的!って事は他の属性の魔力や魔石でもできる。

 だけどそれは黙っとく。きっと知られても良い事は絶対ない気がするからね。


 石化を戻した全員は世間には処刑され、死亡した事にされた。

 だって一派は親族にも引き取り拒否されたからね。でもその事実も隠して、これから罪を償う為の裏任務を負うからだと告げて納得させている。

 呪術師は能力が高ければ高い程リスキーな職だった。

 依頼の内容も危険度が高いものが増えるし、その割にバレれば口封じされる。だから彼らは開き直って周囲に対して横柄だったのかもしれないと前宰相は言うけれど、今後の仕事は裏家業であっても取り締まりだ。

 むしろ正義の方を担当するのだから心を入れ替えて、職務に臨んで欲しいと思う。


 そして翌日は貴族や商人達を呼んだパーティが宮殿で開かれる。

 王配様は前宰相に飲食物に何も起こらないようにと言い含めると、前宰相は「義弟も妻も今回の依頼を大変喜んでおりましたから、再度、抜かりがないよう伝えておきましょう」と言って弟一味を連行し戻って行った。

 これからしっかり彼らの根性を叩き直し、教育してくれるらしい。頼もしい事だ。


 今後、王宮の呪術や薬物問題は全て前宰相に丸投げしておけば良いだろうけど、私達はまだ一仕事残ってる。

「だいぶ片付きましたが、あと少しですね」

 と王配様に伝えると、王配様は済まなさそうに眉を顰めてる。

 ザック殿下も心配そうな面持ちだ。

 

「彼らは私が責任持って監視致しますから、王配殿下も心置きなく外に目をお向け下さい。アイザック殿下、あなたの国にももう危害は起こさせませんわ」

 マギーさんはそう仰って下さった。

「マギー、あなただけに任せるような事もしないさ。我々もちゃんとやるから。じゃないと他国も安心して交流してくれないだろう?陛下もきっと、そういうお考えのはずだ」

 王配様はそう返されたが実は彼らの憂いはそれだけでは無い。

 明日のパーティの事だろう。


「リリベル妃、パーティの件は済まないな。こちらの都合のせいで。明日は大変だろうけど頼むよ」

 もうそれは、やるしか無い!

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