表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/93

85

 私達は女王陛下と共に宮殿に居住を戻した。

 もう呪いの犯人も分かったので安全だろうという事になったからだ。

 犯人の侍女を牢に移してから呪物も薬物も出なくなったというのもある。


 リリベルは宮殿の庭園の石像を、何体か石化を解いてみた。

 あれからココナッツで何度か練習もしたのだ。


 まずはダイナミックバナナの製造や販売に加担していた南の国の罪人を元に戻して、南の国に送還した。

 石化を解いた罪人達は、記憶が石化の直前までしか無かったため、とても混乱していた。でもダイナミックバナナの話をすると捕まった状況に納得していた。


 残りは前宰相の弟一派だ。

 パーティには当然だが前宰相達は呼んでいない。弟一派の親族もだ。パーティの翌日は火山の国の港に移動する事になっている。だから石化の解呪はパーティの前日にすることになった。


 それにしても前宰相は自供も自首もするって言うけど、一体何を自供するのか?

 姪を庇ってウソを吐くなら感動ものだが…。


 前宰相には姪が父親の石化を戻す為に、罪を犯し牢に捕らえている事は秘密にしてある。彼女は自分の独断の犯行で前宰相は知らないと言うが、それも真実か分からない。まずは前宰相の話を聞いてみないと判断もできない。

 とりあえずリリベルと侍女の牢屋でのやり取りは全て魔道具で記録されている。


「なあ、宰相の弟って、良いイメージ無いんだけど、娘には好かれてたんだなぁ」

「私もそれ思いました。マギーさんとこの甥御さんは、父親の事はどうでも良かったみたいです。彼は何番目かの夫人の末端の息子だったから、あまり父親との面識もなかったそうですし」

「娘は違うのか?」

「さあ?でも女王陛下の侍女でしたから前宰相側のスパイだったのでは?定期的に宰相や父親と会っていたのでしょう。呪術や薬物の腕前もそこそこあったみたいですし」


「パーティの前日に石化を解呪するんだろう?」

「はい。そのつもりですが…解呪は前宰相の弟だけで良いと言われました」

「一派は?」

「親族に解呪できると伝えたら「そのままで」と嘆願されたそうです」

「やっぱり碌でもない連中だったって事か!」

「ですね」


 パーティの前日の午睡後、リリベルはザック殿下と共に王配様、マギーさん、通訳のメリッサさんも伴って庭園の石像の所に向かうと、前宰相が弟の石像を布で拭いているところだった。

 前宰相も50代くらいの男性だ。

 彼は私達が来たことに気付くと深く頭を下げた。


「前宰相、久しぶりだな。ここには石像を掃除しに、たまに来ると聞いていたが元気そうだ」

「王配殿下、女王陛下の体調はいかがですかな?最近は体調が優れず表にも出られないと聞いておりましたが、お腹のお子には別状はないでしょうか?」

「ああ。色々あったが今は元気にしている。子供も順調だ」


 前宰相はここに揃ったメンバーを見渡すと「姉上までもお越しか?それにそちらは西の第三王子ご夫妻か?確かに美しい赤い髪でらっしゃる。陛下が欲しがられたのがよく分かる。だが、やはり妖精には神話のように敵わなかった訳ですな」

 そう言って前宰相はクククと笑った。


「前宰相、そなたの弟を戻すのに条件があると聞いているか?」

「はい。自供と自首をせよとの事でしたな。何がお聞きになりたいか?私自身は潔白ゆえ自首には心当たりがありませんが」


「前宰相、王家は今後、悪しき呪術を廃して行こうと考えている。今回の件で我が国は他国からの信用を失った。呪術を取り締まって行かねば今後の外交にも影響が出るだろう」

「弟が呪術師で術者を育て、術者達を率いていた事は事実でございます。私はその事実を知っていました。しかしこの呪術で随分、陛下をお助けしたと思いますが?それ故、弟の行き過ぎたワガママも許して頂いていたのだと存じておりましたがな」


「我が国の刑法では王族に対する呪術は死刑のみだ。薬物を盛ることも同様だ。更に王家の呪術の関与が他所に知れた場合、術者は口封じに処刑されなければならない」

「もう終わった事では?私は宰相を降り当主も引退した。それに姉も王族の身分を返還なさった。それで片がついたのでは?」


「その件はな。だからこれを機に、力ある術者を廃していく」

「女王はこれまでの呪術の恩恵のみを受け、都合が悪くなった故、切り捨てるのだな。為政者であるから、その判断は仕方がないだろう。私でもそうするだろうからな」

 そうは言いながらも前宰相は不満そうだ。


「それと…前宰相、女王の侍女にそなたの弟の娘がいる。それはそなたの間者か?」

 前宰相は顔色を一瞬悪くするが「自供しなくてはならないのでしたな。左様でございます」と認めた。


「姪とはどれ程の間柄か?ただの主従関係か?それとも親族として親しくしておったか?」

「アレは間者として女王の側に置いてはおりましたが、女王にとって不利益な事は、これまで一切しなかったはずです。我々も彼女を使ってさせた事はありません。女王の身辺や様子を知らせるくらいの存在でしたが」

 前宰相は嘘を言っている訳でも無さそうだ。


「その侍女が女王に堕胎薬を盛った。寝所にはお腹の子を狙った術もだ」

「なっなんと!」

 前宰相は凄く驚いている。

 やはり知らなかったんだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ