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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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 ザック殿下はまだ寝ぼけているのか、真っ直ぐリリベルの横にやって来て、隣に腰掛けながら抱き付いて言ってきた。


「は〜この国のお昼寝制度ダメかも〜クセになりそう。俺、国に帰ったらダメ人間になるかも」 

 ちょっと殿下!お昼寝があってもこの国の人々が怠けている訳ではない。その分、朝は早いし夜も遅いのだから勘違いしてはダメよ!


「いいですねぇ。では王子殿下はこのまま我が国に留まられるという事で」

 次男さんが嬉しそうに仰る。

 それに「可愛い!」って小声で呟いたの、ちゃんと聞こえてましたよ。


「そうねぇ。二人セットでこの国に永住しなさいな。“神獣と妖精”として大事にされるわよ」

「女王陛下!」

 ザック殿下は一瞬で目が覚めたみたいだ。

 しかし子爵領どころか国にも帰れなくなるのは、完全にお断りだぞ!


「そうよ!最初からアイザック王子だけを迎えるんじゃなくて、妖精とセットにすれば良かったのね!」

 いや!あなた最初、私にケンカ売ってザック殿下をムコにしようと必死だったでしょ!

 無理がありますから!


「女王陛下、何かご用でいらしたのでは?」

「そうそう。もし我々の船で帰国するなら、どのような船でどれぐらいの規模の船かお伝えしとこうと思って。貿易交渉も双方に悪くない条件だと思うのよ」


 …だったとしてもスネイプニルがな〜。

「フフフ。後はお馬さん達と相談して頂戴。そうだわ!ちゃんと白馬を見掛けても近寄るなって王都中にお触れを出しといてあげたわよ。たまに夜中に抜け出して砂漠にいるんでしょ?」

 バレてましたか…。


「何か馬達がご迷惑をお掛けしただろうか?」

「いいえ。でも我が民が神獣に興味を持って手を出したりしたらヤバいでしょ。だから近寄ると石化されるわよって言ってあるわ」

「!」

「あなたが今、持ってるココナッツみたいにね」

 それもバレてた…。


「本当におっかない子ね〜。前宰相の弟一派だけじゃ物足りないの?」

 と言いながら女王陛下は笑って部屋に戻って行かれた。

 次男さんは驚愕の面持ちでリリベルを見ている。

 これ絶対、誤解されている。弟一味を石化したのは私じゃないのに!


「君は見た目は火の粉の妖精だが、実は火柱だと聞いていた。なるほどフェニックスを守っているんだな」

 もう、どうとでも思ってくれ…言い訳も疲れた。

 次男さんも去った後、オヤツのマラサダをつまみながらザック殿下が仰った。

「それココナッツだったんだ…君が石化したのか?どうして俺に黙ってたの?」

 わっザック殿下、不機嫌モード?!


「まっまだっ実験中だったの。土属性なら石化もできるのかな?って。それで戻す事もできるのかなと…」

「ふ〜ん。それで結果は?」

 ザック殿下の口の端に付いたクリームを指で拭う。

「えっと、いや…これから戻すのやってみようかと」


 ザック殿下は大きく溜息を吐く。

「今思うとさ、前宰相の弟達は女神様に石にされた訳だけど、その詳細を皆に説明するのは難しいよね?」

「…確かに」

「誰も何も言わないけどさ、恐らく女王陛下や王配殿下も、南の王族達も君が怒って彼らを石化したんだと思ってるんじゃないかな」

「ええぇっ!」

「神の怒りに触れたって事にしてるけど、まあ実際にその通りではあるんだけど、女神様がドラゴンの地で俺達に危害を加えた者を石化するより、君がした方が信憑性があるって事だよ」


 リリベルが唖然としながら無意識に指に付いたクリームを舐めると、ザック殿下はご機嫌を戻したのかニッコリ微笑んで「さあリリ!ココナッツを石から元に戻してみて」と言ってきた。


「ザック殿下、石化は土魔法だと分かったの。でも戻すのは聖魔法なの」

「君はあんなに短剣の柄を毎日握っていたのに。今ではもう立派なナイフにできるだろう?剣まであと少しだ。光の刃も撃てる。なのに解呪は無理なのか?」

「‥‥‥」


 魔力も魔法も努力で伸びる。

 だけどリリベルの聖魔法は属性外なのに出来るのか?!

 ダメ元か…リリベルは両手にココナッツ石を持って魔法を込める。

 イメージは…そうだな〜これはデッカい…タネだっ!

 タネの芽吹きだ〜っ「うりゃっ!」


 リリベルの手の中の石が光る。

「わ〜ココナッツの実に戻った!」

 ザック殿下がリリベルの持っているココナッツを覗き込む。

「魔力はどうだい?魔力不足を感じる?」

「ううん。大丈夫。土魔法より持ってかれたけど全然大丈夫。ただ人間はどうだろう」


「アイツらを戻すのか?」

「ザック殿下、私ちょっと考えがあるの」

「何だろう?でも良いよ。何でも協力するよ」

「メリッサさんにもお願いしなきゃ。文章はまだ自信が無いから」

「多分、間もなく午睡から戻って来るよ」

 私達はメリッサさんが戻って来るまで色々、相談をした。

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