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あれから『物を石化できるのに、元には戻せない』事についてずっと考えていた。
物質を土属性に変える。それは土魔法だからできる。
では土属性になってしまった物を元に戻すのは…物によっては命を戻すことになる…やはり何度考えても結論は聖属性だ。
やはり石化を戻すのは解呪の魔法だけなんだ。
治癒や光の魔法ができるならば石化も戻せるかもしれない。
庭に転がしたままのココナッツ石で練習してみるか。
私達は女性当主のお屋敷に移動した後、やっと観光に行く事ができた。もちろん茶髪のカツラや地味な服装で変装する事は必須なんだけど、なんと当主の息子さんやダンナ様方が街を案内をして下さった。
最初はやはり“カレー食べ歩き”をした!
これはガイドブックを読んだ時からの悲願だった。
はだ色横丁を訪れた時は本当に感動した。
ただ道が交わる他愛のない場所なのだが“シャクレ鶏”のスープカレーは最高だった。ちなみに通訳のメリッサさんも、こちらの屋敷に通って下さっている。
私達は建て前上、まだ火山の国の言葉は理解も会話もできない設定になっているからだ。
実はメリッサさんも、ある貴族の実業家の三番目の奥様だ。
メリッサさん自体は二人のお子様がいて、ご長男は息子のいない第一夫人が後見に立って面倒を見て下さっているそうだ。
そして二番目のお子様は女の子で東の出版社の社長である、お父上の所に居るそうだ。なかなか複雑そうな環境だが、ご本人は「自由にさせてもらってます!」とあっけらかんとされている。
そもそもメリッサさんが火山の国に来た理由も“南の冒険家”龍康の探検記が発端で「自分も冒険したかった!」と言うのが理由なんだそうだ。
めっちゃ行動力とバイタリティがある人だ。
火山の国では、第二夫人以降で子供さえ産めば自由だと聞いて実践してしてしまうところが凄い。だが子供を産んでも直ぐ自由になれず、大変だったそうだ。なぜなら夫にとって初の男子を産んでしまったからだそうだ。
もちろん長男だからと直ぐに跡取りとなる訳ではないが、夫は初の嫡男にとても喜んで、メリッサさんを離さなかったそうだ。
お陰で第二夫人のイジメにあった。
メリッサさんの次のお子様が女児であった事と、第四夫人が次男を産んだ事で環境が少し変わり、第一夫人が長男の後見を申し出てくれた事でメリッサさんはやっと自由になれたのだ。
約8年かかったそうだが、その間、この国の言葉や文化、貴族のマナーなどをしっかり学び今に至るそうだ。
しかも東西の言葉を話せるお陰で王族方の通訳と言語を教える講師にもなったそうで、メリッサさんは今が一番充実していると仰った。
そうか!王配様と王子殿下が西の国を訪問なさった際、言葉を少しお話しになったのはメリッサさんが教えたのね。
また少し彼女とのつながりを見付けて嬉しくなってしまった。
私達が食べ歩きや街歩きなどの観光を楽しんでいる間も王宮のパーティの準備は順調に進んでるいるそうだが、未だに、ちょいちょい呪物や薬物入りの食品が見付かるらしい。しかし犯人は見つからず証拠も全く挙がらないそうだ。
だけど一つ気になる情報を聞いた。
前宰相閣下が時折、宮殿の庭園を訪れて弟の石像を拭いているのだそうだ。前宰相閣下は責任を取って王宮から退いたが宮殿を出禁になっているわけではない。
彼の命令や指示で弟一派が動いていたという裏付けも証拠も無かったからだ。ただ独断で彼らが動いたという事で片が付いたらしい。
そんな前宰相の様子を教えてくれたのは女性当主のマギーさんだった。前宰相もその弟も彼女にとって弟だ。だから胸を痛めているのかもしれない。
原因のリリベルとしては、ここでたくさんお世話になっている分、少し申し訳なく感じて、その気持ちを伝えると「アイツらは自業自得なので良いんですのよ」と仰った。
本当に?強がりとかじゃなくて?
「女王に、しかもお腹の子に手を出そうなんて、女性として決して許せませんわ」とお怒りだった。
しかも「アイツらと私とは母が違うんですの。私の母は第一夫人でしたが、アイツらは第二夫人の息子達なんです!」って仰った。
…もうこの国のその文化って…。




