表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/80

77

 女王陛下に影響を与えそうな怪しい呪物は、多くはないが複数出てきた。

 ほとんどが古い物だったが、寝室から出た呪符は女王のお腹の子供に向けられた物で、また王配様を震撼させた。


「これまでこんな事、無かったのに…」

 王弟殿下が唖然としながら呟いた。

「西の第三王子夫妻が訪問されて、慌ただしくなったタイミングを見計られたのでしょう」

「宰相、しばらく女王と王子の身柄を秘密裏に安全な場所に移す。執務は我々と王弟で手分けして行う。女王の確認が必要な裁決は全てハヤブサで」

「それが宜しいでしょうな。幸い我が国の夏場の経済は停滞するので問題ないでしょうが、犯人は後々の為に捕まえておいた方がよろしいでしょうな」


「もしや犯人って?」

「ああ。アイザック殿下、君達を再度巻き込んで本当に済まない。犯人は恐らく前宰相一派だ。それ以外考えられない」

 女王の周囲に色々、仕掛けた犯人はまだ捕まっていない。恐らく仕込んだ者はすでに逃げて居ないのだろうという事だ。

 発見を遅らせる為か、薬も呪物も直ぐに効果が発動せず時間を置いて出る物が多かったそうだ。


「証拠が出ないのにどうやって捕まえる?それか呪詛返しとか?」

「呪詛は返せても、犯人が宮殿内に居なければ特定は難しいだろう。それに我が国は呪術大国だからな。そちらに呪いを返された時に何も対策できていなかったのは、西の国を舐め切っていたからだ」

「また何か仕掛けてくる可能性が?」

「ああ恐らく。狙いが女王陛下なら、なり振り構わずやってくるかもしれないな。もしかしたら君らもターゲットだ。ヤツらの屋敷は見張らせてはいるが表立ってボロは出さないだろう」


「5日後のパーティはどうしますか?」

「もう触れを出した後だ、今更やめられない」

「ですがパーティの飲食物に何かを盛られたりしたら王家の威信に傷が付くのでは?」

「それなら考えがある。前宰相の第一夫人の弟が、はだ色横丁でカレー屋をやっている。“シャクレ鶏”をライバル視していたから「王族が弟の店を贔屓してくれ」とよく頼まれていた。その店のシェフを今回は使ってやろう」

「なるほど。そしたら変な物を混入させたら逆に自分達が危うくなるな」


 私達は騒動のあった翌日、女王陛下、王子殿下と共に女性当主の屋敷に移動した。

 女王陛下が移った事は信頼できる僅かな者以外には秘密にされ、他の者には女王は体調不良で宮殿の自室に籠っている事になっている。移動の際も私達が馬車で移動したように見せて、実際は皆のお昼寝中に白馬で移動した。

 この国は、夏場のお昼が一番目立たない。


 短時間だが炎天下に移動させたサオリ達も、健康に異常なく新しい厩舎と馬場に興味深々で、多少狭くなった事も特に問題なさそうだった。

「ルドベキア!よく来たわね。聞いたわ、あなたに堕胎薬を飲ませようとしたなんて、なんて酷い事を!」

「マギー、世話になるわね。主犯さえ捕まえられれば…安心なのだけど」


「犯人は…私の弟ね?」

「恐らくでしかないわ。何も証拠がないの。だけど考えられる人が彼しかいないのよ」

 マギー?まさか女性当主の名前はマーガレット?

「マグノリアよ」

 わっ!また心の声が漏れてました…。

「ルドベキア、解決するまで私の所に居てくれていいわ。うちはもう何年も新しい使用人を入れていないから、口も固いし主人を裏切る者もいないわ。とりあえず安心して王子と身体を休ませなさい」

「マギーありがとう」


「また面倒臭い事に巻き込まれてしまったな」とリリベルは砂場で遊ぶサオリ達を見ながら思う。

「あいつらすっかり砂遊びにハマったな」

「ザック殿下」

「水遊びよりも楽しいみたいだ」

「その内、また砂漠に抜け出すのかも」

「そうだな砂を気に入ったみたいだし、前科もあるしな。リリ、国に帰る手段なんだけど女王陛下から相談があるみたいだから、ちょっと話に行ってくるけどリリも来るか?」

「ううん。私はココナッツ飲みながらサオリ達を見てる」

「そっか。じゃあ行って来るよ」


 リリベルは背の高いヤシの木々の下にデッキチェアを出してバカンス風気分を味わっている。少し先では馬達が砂場で転げ回っている。

「そんなに楽しいか?」と思うくらい。

 だけど北の馬だから大量の砂というのがやはり新鮮なのだろう。

 スネイプニルって凄く好奇心が旺盛なんだな。魔石の首輪のお陰か、暑さも平気そうだ。

 だけど帰国の手段ってスネイプニル一択じゃん。

 それしかないのに何の話だろ?気にはなるけど行く気はしないんだよね。


「砂か…」

 そう言えば石も砂も土属性に入る。石化を解くのは解呪の魔法だけだと思っていたけど、もしかしたら土属性でもいけるかな?

 試したい!何か石化した物…いや普通そんな物ない。

 なら作る?おぉココナッツ。これ石化できるかな?


「よしっ!」

 リリベルは飲み終わった空のココナッツの実に魔法を込める。

「石になれっ!」

 わー石になった。

 そして、おぉ重い…急に重くなった。石は重いね。

 それでコレ戻せるの?って私、石化出来るんだ!

 発見だね。で、戻す。

「戻れ!」

 ‥‥‥無理だ。戻すのは土魔法じゃないんだ!

 やっぱり解呪魔法なの?

 一体どういう原理なの?!

はだ色横丁と“シャクレ鶏”は前作の324話に出てきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ