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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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「あちらの王族に宜しく伝えてくれ。ザックは誘惑に気を付けろよ!」

 お昼寝から起きると王太子殿下から伝令鳥が戻って来ていた。


「火山の国は遠いから、だいぶ時差が出るな」

「そうですね」

 王太子殿下もやっぱりザック殿下への誘惑を心配したのね。

「次の伝令は何か起こった時か、帰る時ですね」

 ここでの滞在は一週間くらいを予定していたのだが、まだやりたい事が一切できていない。

 観光などの街歩きや食べ歩きも!

 悲しい事に明日も明後日以降も外交で予定はパンパンだ。


「王族って本来そういうものだよ。自由な時間はあまり無いんだよ。今までは学生だったから少なかったけどね」

 ってザック殿下は仰るけど、他の国ではそこまででは無かったぞ。

 今回の理由はどう考えてもザック殿下の赤い髪なんだよな。

「君だって、妖精扱いだろ?」

 あ〜また心の声が漏れてましたか…。

 私の妖精はいつもの事なんだけど、確かに“火の粉の妖精”はフェニックスとセット扱いだ。


 お茶会への出発の準備をしていると、また30代くらいの女性が毒味役としてやって来た。そうして私達はメリッサさんと共に女性当主、主催のお茶会に向かう。

 毎回、本当に気が重い。


 女性当主の立派な豪邸が見えてきて屋敷に到着すると50代くらいの妖艶な女性と彼女の夫達だろうか、様々な年代と容姿の男性達が私達を出迎えてくれた。

 当主は女王陛下とはまた違う妖艶さに貫禄が漂っていて、さすが当主だと思わせる雰囲気がある。


 当主は馬車から降りたザック殿下を一目見ると嬉しそうに目を細めている。

「そうだろうよ」と思いながらザック殿下の手を借りてリリベルも馬車を降りると「まあまあ何て可愛いお二人なの!」と手を口に当てて仰った。


 当主は私達に挨拶した後、屋敷内に案内してくれるが、一番、背の高い男性が第一夫人なのか、彼が女性の腰に手を回してエスコートし、残りの男性達は静かに後ろを歩いている。

 そう言えば男性当主の家では彼らには複数の妻がいたが、彼らは誰もエスコートしてなかったなと思う。ザック殿下も私の腰に腕を回して歩く。最近、ずっとコレだから何だかもう慣れてきた。


 屋敷の庭園に面したテラスに案内される。

 夕方に近いとはいえ夏の陽はまだ高いが、私達のお茶の席は建物の陰になっていて風もあって涼しい。そして広い庭に放たれた孔雀が羽を広げている。

 わー大金持ちの象徴!しかも何羽もいる。


 お茶の席は椅子への着席で、丸い大きなテーブルに私達と通訳のメリッサさんが座り、毒味の女性が後ろに控えた。

 そしてあちらは先程の背の高い男性と、第二夫人なのか一番年上に見える男性が当主の両隣りに座り、残りの男性達が給仕を始めた。


「先にお伝えしておきますわ。毒や呪いなど変な薬物も混入させないと私の身分と神獣フェニックスに誓って申し上げますわ。給仕も夫達がやりますので安心なさって。だから毒味は控えに下がらせましょう」

 メリッサさんが通訳して、毒味の女性はこの場から下がった。


「他に同席者は?親類などは呼んでいないのですか?」

「茶の席にそれらは邪魔でございましょう?もしかして私もお二人に親族を紹介するのではないかと警戒されておられました?もしくは私があなた方を手に入れようとするとか?」

 その通りです!


 メリッサさんがどの様に返事を返すか?とザック殿下を見る。

「あなたは違うと、そう仰るのですか?」

「ホホホ。あのルドベキアが王子殿下を諦めたのでございましょう?しかも殿下のお隣の女性のせいで」

 と言って当主はリリベルを見る。


 もしやこの人は王家が流した情報ではなく真相をご存知なのだろうか?

「女王陛下のお名前を呼べる方は少ないのではないすか?」

 とザック殿下が尋ねる。

「知る者はすでに少ないですが私は女王の従姉妹ですの。弟がかつて宰相をしておりましたわ。もう一人の弟は…ご存知でしょう?今は宮殿の庭に花を添えておりますわ。オホホホ」

 いや!花じゃない。見せしめという名の異物だ。


「私はあの件より王族の身分を返上しましたの。それが無くてももう十分な地位も財も手に入れておりましたので」

 そうか宰相の姉君なら事情を知って…それに王族の身分まで。

 でもだったら逆に私の事を憎く思わなかったのだろうか?


「弟達は若い女王にとって、あまり有益な存在ではありませんでしたわ。だからルドベキアは赤い髪の殿下を手に入れて国民の支持を得て、弟達を牽制したかった。でも殿下を手に入れなくても弟達の排除が叶いました。まさか弟が他国で危険な薬物の製造まで行っていたとは思いませんでしたけど」

 メリッサさんも驚愕されている。


 それはそうだ。この国ではフェニックスと妖精の美しい恋愛が理由で女王は殿下を諦めたと語られているが、実は他国で薬物と呪いを横行させていたのだ。

 真実は女王にとっても汚点だろう。


「私はあなた方に感謝を述べたかったのです。この国に必要のない不純物を洗い流して下さったわ。それに今も…」

 今も?


「女王の宣伝の為に、あなた方は有力者の昼食会や茶会などに駆り出されておられる」

 これには私もザック殿下もメリッサさんの通訳を聞く前に驚いてしまった。


「まあ!やはりお二人はこの国の言葉を理解なさっておいででしたのね。ホホホホッ」

 バレた…。

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