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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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 王都の入口付近の木の下で待つ事、約30分ほど。

 空が明るくなり始める頃、ザック殿下とセノビックが走って来るのが見えてきた。


「リリの魔法の適応力を見誤っていたよ。すごい土埃を巻き上げて、まるで竜巻のように走ってたよ。お陰でこっちは距離を取らないとヤバかった」

 それは…それは申し訳ない。

 でもザック殿下達が来たのも立ち上がる土埃で分かった。

 きっと走ってる人は自分がどれだけ竜巻なのか見えてないのだ。


 とりあえず王都の道は石畳だから安心だ。

 初めて見る火山の国の街中は建物も壁も屋根も様々で面白い。

 明るくなってきたので人々も活動をし始めたのか朝市のテントも立ち出した。

 しばらく進むと丸い屋根のお城、宮殿が見えてくる。

 あれを目指して進めばいいのね?


 なるべく大きい道を行きたいけど人通りが増えてきた。

 急がないと白馬は目立ちかねない。人が少ない道を選びながら、やっと宮殿の入口付近に立っている門兵の所まで行くと、なんと立っていたのは王配殿下だった!


「よく来たな。アイザック殿下とリリベル妃」

「王配様!わざわざ門で待っていて下さったの?」

 王配様と少し距離を取って、二人で直ぐに馬から降りる。

「君達が検問所に連絡を入れてから各所に見張りを置いていたからね。君らは道で竜巻を起こしながら走って来たみたいだな」

 王配様が楽しそうに笑いながら仰る。

 見張りを置いていたなら見られていたのだろう。

 周囲に迷惑を掛けてないといいけど。


「王配殿下、火山の国へのお招きありがとうございます。それに、わざわざお出迎えまで」

 ザック殿下が王配様に言うと「おぉ!火山の国の言葉を覚えてきたのか?とりあえず中に案内するよ」と宮殿内に招かれた。

 サオリ達の専用厩舎もちゃんと用意されていて広い馬場には砂場や木陰、池もあった。破格の対応じゃん!


「とりあえず風呂だろ?こっちの風呂は初めてだろ?」

「何か違うのですか?」

「ハマムっていう蒸し風呂なんだ。数種類のハーブを使うんだ。まあ入り方は中の者に聞いてくれ」

 そう仰って王配様は一度去って行かれた。


 ハマムは南と同じで男女で別れているらしく、それぞれ案内され服を脱がされる。そしてタオルを巻いて案内されたのはサウナに似た空間だった。

 だけど確かにハーブの匂いがすごくする。

 サウナと違うのは横になっても良いとのこと。暑い国でも蒸し風呂なのね。だけどスパイス天国なだけある。ハーブも凄いんだろうな、それにとても良い香り。


 たっぷり時間をかけて入浴してお部屋に案内されると、ベッドもあったけどハンモックも下げてあった。

 ハンモック!寝てみたい。

 リリベルは、とりあえず西の王太子殿下に「火山の国に無事に到着しました」と伝令鳥を送ると、早速ハンモックに横になってみる。ザック殿下を待ってようと思ったのにユラユラして眠気を誘われる。

 夜通しサオリと走ったリリベルは、あっという間に夢の中に旅立ってしまった。


「あ〜やっぱり君は…まず試すよな」

 部屋に案内されて、直ぐ目に入ったのはハンモックで熟睡する妻。

 まあ自分も先に来たらハンモックで寝てみただろうなと思う。

「確かに気持ち良さそうだな。よっと」

 アイザックもハンモックに横になってみる。これはダメだ…秒で眠れる…アイザックも撃沈した。


 アイザックが目を開けると何だかユラユラ揺れている。

「何事?」と思って目だけで周りを観察すると、ハンモックを揺らしていた妻と目が合った。

「何してんの?」

「揺りカゴみたいだなと思って」

「どれぐらい寝てたかな?」

「まだ明るいから午後の早い時間じゃない?」

「じゃあ、きっとシエスタ中かな?」

「多分。すごい静かだから、皆、お昼寝してるのかもね」


「スネイプニル達は大丈夫かな?」

「見に行ってみるか?」

「うん」

 アイザックはハンモックから降りて靴を履く。火山の国で用意してくれたバブーシュという軽い履き物だ。


 二人で部屋の外に出ると使用人の中年の男性が一人、ドアの外に立っていた。

「何かご要望がありますでしょうか?」

 彼は南の言葉で聞いてくれる。

「ありがとう。馬の様子を見たいので厩舎に案内して下さい」

 とリリベルが火山の国の言葉で返す。

「火山の国の言葉を練習中なんです」

 とザック殿下が付け加えると、男性は「私の名前はサムニッドです。サムと呼んで下さい」と言いながら、とても喜んで案内してくれた。


 厩舎に向かう途中、サムに色々質問する。

 やはり今の時間は暑いので皆、昼寝休憩中らしく、この時間は交代で必要最低限の人数だけが働いているそうだ。あと1時間もすると全員起き出して午後の活動を始めるらしい。


 厩舎に着くとサオリ達は馬場の木陰で休んでいた。

 足元にココナッツの実が転がっている。

「ココナッツ?!」

 サオリはリリベル達に気付くと、前足でココナッツをチョンッと蹴って「もらったんだよ」とアピールしてきた。


「神獣達が甘党でフルーツ類が好きだと聞いてね」

「王配様!」

「ココナッツジュースも飲むかな?と思って木陰に置いてみたんだ。気に入ったみたいだな」

「馬も主人に似るのかな?」

 ザック殿下!それどういう意味?!

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