表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/80

61

皆様、頭空っぽの準備です。

 第一会場での盆ダンスの競技は全て終了した。

 きっと、皆は街に出て打ち上げや祝杯を挙げるのだろう。


 定刻に終わったし予定も詰まっているはずだ。

 だけど誰も会場を出る気配がない。何で?

 そうか王族が席を立たないからか?


 ちょっと!王族の皆さん?いきなり何出してんの?

 “リリちゃん頑張れ”の横断幕要る?

 それに“リリちゃん命”のウチワ。

 なに作っちゃってんの?!

 えっ何?裏に返すと…反対側は“ザック君命”なの?

 その説明のジェスチャー、今、要らないから!


 無心だ!無心。心よ早くどっか行け!

 ザック殿下もステージの端に控えてスタンバイが完了すると、音楽が鳴り始める。

 リリベルの恋する踊りからスタートだ。



 〜花ビラ舞い散る入学式、ときめく学園生活が始まるの。

 《出会いからザック殿下が登場だ》


 “少し悪ぶったあなた”と出会って学園生活もワクワクに。

 そっけない態度のあなただけど、それは私への照れ隠しだとちゃんと分かっているわ。

 あなたのちょっとした優しさと、時々見せてくれる笑顔に‥‥‥

 はいっ!好きになっちゃいました〜はっちゃけます!

 《ザック殿下再び端へ退場、リリベルのソロ》


 さあ、ここから猛アピール&お節介のウザ踊り。

 私はここよ!私が必要でしょ!男は皆ママが好きでしょ!

 そして次はライバル登場。


 チョイ悪で少し影のあるあなたはモテるのよ。

 他の女の影が見えるわ!

 ダメよっ彼は私のモノなの、近付くハイエナ共を蹴散らすわ。

 他を見ないで!チラ見もしないで!

 だけど思い通りにいかなくて悔しいわっ!悔し浅まし踊り。

 はいっ地団駄っ!


 とうとう告白するわ。

 《ザック殿下再び登場》

 ドキドキバクバク眠れません。

 でも、もうヤルしかありません踊り!

 

 あなたが「好き〜好き〜好き〜っ」の三連発、とうとう告っちゃいましたぜぇ踊り!

 ここから新しい踊りだ。


 あらあらっ?!あんなに粋がって悪ぶっていたあなたが、まさかの純情青年に。

 私の純粋な気持ちに絆されたのね。

 照れてるの?可愛いわ。

 新しく見せてくれるあなたも好きよ。

 そして両思いになりました踊り。


「こんな俺を好きになってくれるなんて、きっとお前しかいないな。ずっと大事にするよ」

 純情バージョン。

「キャッキャウフフ」の恋人踊りに突入する。


 しかし恋人となっても油断は禁物、火山の国の女王(強敵)出現だ!

 ザック殿下を奪われそうになり、戦うリリベルの踊り。

 これ私だけのオリジナルバージョン。


「僕を守ってくれてありがとう。だけど、これからは僕が君を守ると誓うよ!」

 純情ザック殿下もオリジナルバージョン。


 今の二人は間違いなく頭空っぽ、心は果てまで遠征中だ。

 でも踊りの途中で気が付いてしまった!

 ザック殿下のフンドシの端に“リリベル”って書いてある!

 そうか!私達の踊りは余興でプチ競技だから良いんだ!

 わ〜心が帰還しちゃったよ。


 微妙に恥ずかしいけど感動する。

 この想いだけは、踊りの演技ではなく本物だ。

 かなり嫌々参加したけど、ちょっとだけ踊って良かったと思ったよ。

 だが二度は無いぞ!

 そしてザック殿下を無事に奪い返して、恋人踊りもクライマックスに。


 リリベルは恋するところから踊り続けているので、もうクタクタだ。

 だがちゃんとザック殿下とフィニッシュを決めた。

 踊り終わって、やっと気持ちに余裕ができる。

 周囲を見渡すと…あれっ?皆、立ってるの?


 なんと観客が総立ちで私達の踊りを観てた。

 それってどう言う事?

「ちょっとお座りください?」って思った瞬間、割れるような歓声と拍手が鳴り響いた。

 私達、南の国の皆さんに認めてもらえたの?

 大歓声の中、私はザック殿下と一緒にお辞儀をして舞台を下りた。

 その晩は王城でも盆ダンス初日終了の宴会になった。


「いや〜リリちゃんもアイザックも、よくここまで踊ったな〜」

「ホントホント!素晴らしかったよ」

「あの立ち上がって見る行為は何なのですか?」

「ああ!興奮すると立ち上がって応援したくならないか?それだよ」

「じゃあアレって応援してたって事ですか?いつの間に…」


「ハハハ気付いてなかったのか〜まあ踊りにかなり集中していたみたいだからな」

「アイザックのフンドシには気付いたか?」

「はい。自分は見る事ないかなと思っていたので驚きました」

「そうか気付いてくれて良かったよ。サプライズ成功だな」

「君らの踊りは大成功だったよ。盆ダンス大会を盛り上げてくれてありがとな」

 

 腹立つことも多かったけど、南の国の皆さんが踊りを認めてくれて喜んでくれたなら、とりあえずそれで良いかと思う事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ