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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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「リリ!昨日は凄い雨だったわね〜。西の国では経験した事のない雨に驚いたでしょ?」

 火山の国の言語の授業の後、姉がリリベルの所にやって来た。


 ザック殿下は昨日の雨の水たまりで、また泥遊びをしているスネイプニル達に付き合っているが、私まで泥だらけになるからと今日の世話は殿下にお任せしている。


「ララ姉ちゃん、王女殿下のお見舞いに?」

「そう。でももう先に会って来たわ。それより聞いたのだけど、あなたと殿下、盆ダンス大会に出るんですって?」

「そうなの。今、踊りを習っているところなんだけど、姉ちゃん達も踊れるんだっけ?」


「ええ。夫婦で盆ダンスを踊れる事は、こっちではけっこう重要な社交だったのよ。だから二人で南に来て直ぐに習ったわ」

「姉ちゃん、女踊りの意味を知ってどう思った?ララ姉ちゃんもああいう感情って理解できる?」


「ああ。けっこう感情表現が激しいわよね。でも劇と一緒よ。激しいから見ている人にも感情が伝わるの。自分が経験した事じゃなくても、そんな事もあるかもね〜と思いながら踊ってるわ」

「皆も踊りに共感出来なくても開き直りが大事って言ってた」


「難しい事、考えてるのねぇリリってば。音楽に合わせて体を動かす事が楽しいじゃない。その中に色んな振り付けがあるだけよ」

「踊るだけならね。でも競技ではそうはいかないわ」


「そっか〜。王家代表で出るんだもんね。確かに藍のユカタを着て踊るなら覚悟がいるわね」

 リリベルが頷くと、姉は「ねえリリ、私もだけどあなたも片想いや失恋をした事がほぼないわ。だから先生に片想いや失恋とか、相手に告白する踊りも習うと良いわ。どうせあなた直ぐに振り付けを覚えちゃうでしょう?」


「そっか!それ良いかも。恋愛小説で読んでて“そういう気持ち”を知ってるつもりでも、体を動かしていると自分でも体感している気になれるかも」

「擬似体験的な感じね。でも姉ちゃんは…これは内緒の話だけど、王太子妃様の事を思い浮かべた事があるわ」


「それはマレシアナ様の事?」

「そう。私のせいでこんな想いをされたのかしら?とか。勝手に考えるのは失礼な事かもしれないけどね」

「そんな事ないよ。でもそうか…私も王太子に絡まれてた時、マレシアナ様は仄暗い瞳をされてた…」


「…それは何て言ったら…ねぇそんな事よりリリ、あなたまだ体型変わってないかしら?あなたの新しい下着、結婚祝いに用意しといてあげたわよ」

「姉ちゃん、ピンクの寝巻きでザック殿下が鼻血を出したから、もう十分なんだけど」


「まあっ!まあ何てっなんてウブなの殿下!萌えるわね。姉ちゃんその時の殿下を見たかったわ」

 “その時”以外も出したことがある事は、ザック殿下の名誉の為に黙っておこうとリリベルは思った。


 それからリリベルは盆ダンスの先生にお願いして、他のダンスも教わる事になった。

 先生も「良い事だわ」って喜んで下さった。お陰でザック殿下となかなか踊りを合わせる事が出来なかったけど、殿下も「君のペースで良いよ」と言って下さったので、有難く甘えておいた。


 火山の国の言葉はとにかく沢山の単語を覚えた。

 とりあえず言いたいものが単語で言えれば伝わるからと発音練習と単語や文字の書き取りを練習した。


「なあリリ、何で“片思い”とか他の女踊りも習おうと思ったんだ?」

 厩舎を掃除しながらザック殿下が聞いてきた。

「色んな恋愛時の気持ちを知りたいと思って。私、ザック殿下の事が好きだって気付いてから結婚まで、あっという間で。それで好きとか一緒にいたいとか、そういう気持ち以外分からないから盆ダンスに気持ちを込める事ができなくて」


「そうか。それを今まで悩んでたんだな。確かに俺は君と両想いになってから結婚を急いでしまったと思う。時々、君の気持ちが追い付いてないんだろうなって思う事もあったけど…ゴメンな。俺、君を早く囲ってしまいたかったんだ」


「うん。私もザック殿下以外の人は考えられなかったから別にいいんだ。結婚した後も殿下とは恋愛できるって思ってたし。だけど盆ダンスの意味を教わったら、なかなか自分に気持ちを落とし込めなくって。私、経験不足なんだな〜と思ったら他のダンスで体感してみたくなったの」


「恋愛経験?」

「そう」

「じゃあ俺に片想いして、告白もしてくれるの?」

「殿下も踊りで返してくれる?」

「いいよ。10日目に一度、踊りを合わせよう?」

「了解」

 あと5日はあるからバッチリ練習できる。

 きっとこれから習うとしてもザック殿下も余裕だろう。

ララ姉ちゃんの下着のお話はR18に投稿しました。読めない方申し訳ありません。

簡単にご説明しますと、ザック君が興奮しちゃうだけです。

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