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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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 翌朝は二日酔いのマックス殿下を置いて、リリベル、ザック殿下の二人でスネイプニルの世話をする為に厩舎に向かったが、なぜか馬達が厩舎にいなかった。


 馬場にもいない!一体どこに行ったのか?

 周辺をザッと見渡して探すのだが見当たらない。スネイプニルに限って攫われるなんて事はないはずだが。

 

 だったら脱走?

 それが一番可能性が高いが…まさかバナナ農園を荒らしてないだろうな…。

 色々、考えはよぎるが、後でマックス殿下を起こしてから検討するかと、とりあえず二人で厩舎内の掃除をする。

 古い物を掃き出してワラや水を換えていると、なんと3頭がご機嫌に戻って来た。


「サオリ!どこに行ったのかと心配したじゃない」

 とリリベルが駆け寄ると「ゴメン」と言わんばかりに頭を擦り付けてきた。

 セノビックも済まなさそうに「ブヒヒン」と鳴いた。

 だがマラサダはまだ遊び足りなさそうで渋々戻ってきた感じだった。

 もしかして彼らはジャングルを散策してきたのだろうか?


 セノビックは最近、いつもザック殿下に水遊びをせがむのに今日はいやにスッキリした顔をしている。しかもタテガミが濡れている?

「ザック殿下、昨日トレッキングで行った川は近いのですか?」

「川はここから、かなりジャングルの奥に入らないと無い。だけどコースの5キロ地点に、高さ5メートル程の小さな滝がある。滝の上流が川だ」


 そういえば、トレッキング5キロコースは『滝を見に行こう。マイナスイオンで癒されよう!』だった。

 まさか滝まで行って水遊びか?!


「サオリ、虫とか刺されてない?大丈夫?」

「確かに歩道を外れると直ぐにヒルが登ってくるって言ってたぞ」

 二人で慌てて馬達の体調や虫刺され等の確認をするが、3頭とも何も無くとても元気そうだった。


「マックス殿下はスネイプニルには森があればいいって仰っていたけど、まさかジャングルでもいいの?」

「様子を見る限りでは良さそうだな…」

 むしろ楽しんだ様子さえ伺える。


 朝食を食べ終えて、カットフルーツとフルーツ水を持ってマックス殿下の部屋を訪れると、マックス殿下が「頭痛てぇー」とベッドで唸っておられた。

 少し罪悪感が湧くが仕方がないだろう。

 

 彼は私達が持ってきたフルーツを見ると、体を起こしてフルーツを食べ始めたので私達も話をする事にした。

「マックス殿下、私達は明日、東の砦に向かってそのまま南の関所を目指します。殿下はどうされますか?」


「わも南の国さ一緒に行きてぇが、戻んなきゃな。家族待ってるはんで。ジャングルさ見れだだけで十分だ」

「青ルートを目指すのですか?」

「んだな。少し過酷な方がやり甲斐があってええだ。マラサダも物足りねど感じでだがらな。んだども、あだ達との旅は面白がったよ」

 そう仰って、マックス殿下はまたベッドにダウンした。

 ザック殿下はマックス殿下の元にしばらく残って看病するそうだ。


 私は農園のお土産コーナーを見に行く。

 生のフルーツは無理だがドライフルーツなどもあったので、そういう物なら少し持ち歩けるだろう。

 マックス殿下にも道中の軽食に持たせてあげよう。スネイプニル達もフルーツは大好きだからオヤツに丁度いいし。


 次の日の夕方、まだ陽のある内に私達は南へ。

 マックス殿下はまた東を抜けて北に戻られる。

 とうとうここでお別れだ。約2ヶ月の間、一緒に過ごしたのだ。

 正直お別れは辛いし、本当に道中頼もしい人だった。

 私達は握手を交わし、また再会の約束をしてお別れした。


 私は「これから東の砦を通って南の関所に向かいます」と伝令鳥を王太子殿下に向け飛ばした。


 東の砦にも私達の情報は伝わっていて、直ぐに通してもらう事ができた。

 そして南の関所でも白馬が来たら引き止める事なく通すようにと伝達が入っていたようで、私達はとてもスムーズに南の国に入る事ができた。

 

 ここから夜の道を飛ばせば明日の朝には王都に着ける予定だ。

 私達は月夜の中を王都に向けて駆け抜けるのだった。

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