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「マリィ姉ちゃん。直ぐに王都に戻らなくちゃいけなくて、ごめんね」
「リリ、来てくれてありがとう。爺様のお葬式には間に合って良かったよ。私の慈善活動の事も発起人のクセになかなか王都に戻れなくて、本当に申し訳ないと思っているわ」
「姉ちゃん、そっちは二人の公爵夫人達が中心に頑張ってくれているから大丈夫だよ」
「そう良かった。また皆にお礼の手紙を書いておくよ。それと…リリ、子供達の名前なんだけどさ…」
「うん。お母様に聞いたよ。女神様が夢枕に立たれたんでしょう?だったら仕方ないよね」
「私も、どうかと思ったんだよー。ララ姉ちゃんの娘の名前も責めちゃったし。でも勘弁!って言っても毎度毎度、現れてさ…」
ドンマイ姉ちゃん!
「次は息子達を連れて帰省するからね」
「うん。楽しみにしてる」
私達は再会を約束してお別れした。
ちなみにルト兄ちゃんも私達と一緒に来て、一緒に戻っている。
ナル兄ちゃんは婆様の葬儀が終わって、領地に帰る道中で連絡が行ったらしく、今、引き返しているらしいが、私達とは入れ違いになってしまった。
祖父母が亡くなってから、また少し経って二人の王子もまた成長した。
私の上の息子は好奇心が強くて行動的だ。でも弟の面倒もよく見てくれる、とても優しいお兄ちゃんだ。
そしてザック殿下に似て、何でも器用にこなす。
だけど下の子は人見知りが激しい。
よく庭や温室の植え込みの陰に隠れているので、余計に“妖精”扱いされている。
私でも次男を見つけるのに苦労する時があるので、急ぎの時は植物達に聞いて、やっと見つけている。
そんな二人の息子達にも容赦なく王族教育は入ってきた。
ザック殿下は「学んでおいて損はないよ」とは言うけど、遊んで幼少期を過ごしたリリベルとしては、気の毒で仕方がない。
だけど王族教育の先生は、なんとフィジー嬢だった。
フィジー嬢は人見知りするアルキスにも時間をかけて、彼のペースに合わせて接してくれた。
そしてマナーや作法は王妃様の侍女のシャーロットが教えてくれている。
シャーロットも「妖精たまりません!」と言いながら、上手く息子を教えてくれている。
ちなみにシャーロットも今では二人の子持ちだ。
剣術は近衛騎士団長になったライ兄が「リリの子供達は他人には任せられん!」と言って直々に教えてくれている。
息子達は教師陣に恵まれて王族教育も問題なく、スクスクと成長していった。
ちなみにリコピンはまだ海軍団長の後継が見つからず、軍港に行ったっきりだ。
でも彼はまだ若々しく、ボコボコ湧いて出る海賊を頼もしく追い払っていて、実戦経験を積みたい騎士には海軍が人気の勤務地になっている。
そして驚きはリリアン様だ。
彼女は下着のデザインからアートに目覚め、マティアス氏に弟子入りして、そのまま彼と結婚した。
マティアス氏の絵画は、ますます入手困難で世界中で大人気だ。
その功績を認められて領地はないが男爵位を陞爵された。
今では支援を受けていた侯爵家を出て二人で王都の郊外にアトリエを構えている。
マレシオン様は、相変わらず独身を謳歌されていて「いつ王女を産むのか?」と時々、リリベルに聞いてくる。
リリベルは「ウフフッ」と微笑みながらも、産まれても「あなたにはあげませんからね!」と毎回、心の中で思っている。
アイリーン様は三人目に、なんと赤い髪の娘を産んだ!
彼女のお祖母様は元王女だが、まさかの隔世遺伝だ。
「次こそは妖精!」と息込んでいただけに“赤い髪”のオチに大笑いしていた。
私達は結婚して、とうとう10年経った。
しかもそのタイミングで王太子妃様も、待望の王子殿下をお産みになった。
これでとうとう私達はお役目御免じゃない?!って思ったのに、そうは上手くいかなかった。
「どうしてー!!」
ラント様もかつての王弟殿下もあんなに、あっさり王族から抜けていたのに、何で私達にはハードルが高いのか?!
上の息子はさておき、下の息子はやっぱり私と同じ土属性だった。息子は4歳の時に土で人形を作り出し、兵隊のように動かして畑の草抜きをさせていたのだ。
その時は一体だけだったけど、年齢と共に人形も増えていき、その現場を目撃した庭師も侍女も護衛も、王太子妃殿下まで大騒ぎした。
「何てモノを産んだのよー!」と言われたけど知らんがな。
しかし、その原理を教えたのはフィジー嬢で「才能ありますよ!」と一人でホクホクしていた。
私は理不尽に怒られたんだぞ!




