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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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 新たな聖女候補と侍女が、そろそろ決まったのでは?と噂になり始めた頃、ラント様も地方配属から王都にお戻りになったと聞いた。

 どうやら聖女候補の護衛を担当する為だという話だが、何やら女神様の思惑を感じなくもないなと推測する。


 王弟殿下と前聖女様との婚約もこのタイミングで確定したらしいのだ。だからラント様にもぜひ頑張って頂きたいものだと思う。

 彼も王弟殿下と同じくらい、長い時を待たれたのだしな…。

 そう考えると王家の男性って意外と一途な人が多いんじゃない?って思える。


 私の夫ももちろん私を大事にしてくれているし。

 私のお腹はまだ全然目立たない。でも食欲があり過ぎて、ちょっと困る。

 ザック殿下には「以前と食欲がどう違うの?」とは言われたけど…。


 学院の冬休みにマリアンヌ嬢が弟君を連れて私に挨拶に来た。

 同じタイミングで騎士学校を卒業する彼女の弟は、春から近衛騎士になるそうだ。それで一緒に挨拶に来て下さったのだ。

 弟君の容姿もマリアンヌ嬢と同じピンク色の髪に紫の瞳だ。男女の双子でもよく似ている。


 ちなみにマリアンヌ嬢は春から王太子妃補佐官になるそうだ。

 それっ私が以前、断ったヤツだ!マリアンヌ嬢、過労死しないでね。

 私は二人に「辛くなったらいつでも温室に逃げて来て!」って言っておいた。


 侯爵領の兄からも手紙が届いた。

 春に侯爵領で結婚式を挙げるから、来れるなら参列して欲しいという内容だった。でも私は王子妃という身分の前に、妊婦なので無理をするなとも書いてあった。

 今年の夏の納涼舞踏会には二人で参加するから、その時にマリィ姉ちゃんにも挨拶するって手紙にはあった。


 マリィ姉ちゃんも、それまでにはラント様との関係が発展してるといいな。

 じゃないとまたイジけるだろう。

 夏の納涼舞踏会か〜…私も、その頃には子供も産まれているな。

 男の子?女の子どっちだろう。

 できれば王族を抜けてから産んであげたかった。

 王子の子供も身分は王子か王女だよね?

 王族教育が入る前に王族抜けられるといいけどな。


 それから春を迎えて王城にも新しい空気が舞い込む中、火山の国の王弟殿下は学院の一学年としてご入学された。

 侯爵家の令嬢もご一緒だ。一つ上の学年には、もう一人の赤い髪の侯爵令嬢もいらっしゃる。

 これからどうなるのか?!リリベルは少しドキドキするのだった。


 気が付けばザック殿下は宰相府でいつの間にか見習いではなくなっており、火山の国との外交と交易を一手に担う重要なポジションにいた。だから領事館がある軍港には、よく出張で出向くため頻繁に居なくなる。

 でもキャシーからの手紙を預かって来てくれたり、リコピンの近況を聞けたりと、帰って来るといつも色んな土産話をしてくれるから、リリベルも楽しみに送り出していた。


 春の盛りを迎える頃、侯爵家の領地でナル兄ちゃんとクリスティン嬢の結婚式が盛大に行われたそうだ。

 なんとナル兄ちゃんはこの結婚式後、筆頭侯爵家の後継として正式に小侯爵となった。なぜなら第一王女殿下と筆頭侯爵家のご長男がご婚約されたからだ。


 お二人の交友はすでに二年にも及ぶが、まさか幼いお二人の交友が婚約までに発展するとは思っていなかったからビックリだ。

 ナル兄ちゃんの結婚式には、私はやっぱり参加出来なかった。

 私とお腹の赤ちゃんは至って健康なんだけど、身重の王子妃はそんなに簡単に長距離移動が許されなかった。


 マリィ姉ちゃんもララ姉ちゃんも私達姉妹は不参加だったけど、代わりにルト兄ちゃんが行ってくれた。

 王太子殿下が私のガッカリする姿を見て、ルト兄ちゃんに休暇をくれたそうだ。王太子殿下の兄弟愛の強さに今回ばかりは感謝したのだった。


 春も終わりに近付くと私のお腹も随分大きくなった。

 お腹の赤ちゃんも中からよく蹴ってくる。とっても元気そうだ。あと一ヶ月で出産予定日になるが、私も元気で毎日サオリを引き連れて畑にも薬草園や庭園にもせっせと通っている。


 それにしてもラント様は王都にお戻りになって、間もなく三ヶ月になろうというのに、今だにマリィ姉ちゃんとの良いお話が聞こえてこない。

 あの両片思い達は一体何をやっているのか!?


 リリベルは「サオリに乗ってやって欲しい」という名目で、お休みの日にラント様を王城に呼び出してやった。

「リリベル妃、久しぶりだな?おっとココはこんなだったか?」

 すっかり南のジャングルのフルーツ農園のようになってしまった温室を見渡して、ラント様は驚いている。

 確かに少し火の魔石の勢いが強めかもしれないが、今はそこは本題ではない!


 ラント様はリリベルから発する圧に一歩後退りしたが、リリベルの横に控えるサオリとも目が合ったようで「何だかサオリからも圧を感じる!ストレス溜め過ぎか?」と仰ったけど、圧の理由はそこじゃない。

 リリベルの気持ちがサオリにも伝染しているのだ。


 だから覚悟してほしい。

「ラント様、姉との距離はどれ程、縮まりましたか?確か王弟殿下は聖女候補が決まる前には、すでに婚約を決めておいででしたが?」

 ラント様の冷や汗かきまくりの動揺のお顔!頂きました!

 ちがーう!

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