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~後日談③ 錬金修行とアクセサリー作り


 ――領都、ジーナさんの魔法具屋の一室にて



「トールさん、いい感じです! だいぶ慣れてきましたね!」


「ふぅ~。メアリさん、ありがとうございます。だいぶコツがつかめてきました」


 俺は今、メアリさんの錬金術作業部屋で、錬金作業をしている。


 俺の頭には、神級アイテムの世界樹の冠――「ミルレリアの祝福」が飾られている。

 その付与スキルに錬金術Lv1がある。


 以前から錬金術に興味があった俺は、最近は錬金術にハマっている。


 錬金術は、生産性スキルであり、SPは使えなく、上達するには錬金作業を繰り返し、そのスキルを使い続けなければならない。


 そして、俺はここのところ毎日、錬金術師であるメアリさんに錬金術の手ほどきをしてもらっていたのだった。


 今は、そのおかげで、正式に錬金術のスキルが習得でき、スキルレベルもだいぶ上がっていったのだ。


「トールさんは飲み込みが早くてすごいですよ。このままいけば、もうすぐ上級錬金術師になれますよ!」


「いえいえ、メアリさんの教え方が上手だからですよ~」


 俺たちは笑い合う。


「トールさん、メアリや、そろそろ休憩にしてはどうかね」


 メアリさんの祖母であるジーナばあさんが、お茶菓子の乗ったトレイを手に部屋に入ってくる。

 テーブルにお茶菓子を置くジーナさん。


「おばあ様、ありがとうございます。トールさん、休憩にしましょう」

「はい、メアリさん。ジーナさん、ありがとうございます」


 お茶菓子を手に、三人で休憩する。


「どれどれ……ほう、なかなか、立派な首飾りが出来上がったじゃないかい?」


 作業台の上には、先ほど俺が完成させた首飾りがある。


「はい。やっと、思い通りの首飾りが完成しました。これは、ジーナさんにプレゼントしますよ」


「おや、私にかい? そいつは嬉しいねぇ。おや、まあ…綺麗な宝石……きめ細かな作り……素晴らしいじゃないか。トールさんや、ありがとう」


 嬉しそうに俺の作った首飾りを身に着けるジーナさん。


「おばあ様、すごく似合ってますわ」


 メアリさんも嬉しそうに目を細めている。


「おや、なんだかこの首飾りを着けると、元気が湧いてくるようだよ。これは有難いねぇ」


 その首飾りの素材は、俺が今までの冒険で手に入れた最高級の素材が何種類も使われている。


 ジーナさんにプレゼントした首飾りは、その素材の力により、もはや秘宝とまで言える領域に達している。


 "健康" と "長寿" の祝福が込められた、特別な首飾りだ。能力値向上効果なども付与されている。


「実は、メアリさんにも、プレゼントがありますよ~。どうぞ、受け取ってもらえると嬉しいです」


 俺は、メアリさんに、ブローチを贈る。

 このブローチは、昨日密かに作っていたものだった。ブローチの中央に奇麗な宝石が付いている。こちらも最高級の素材がふんだんに使われている。

 

「まあっ! トールさん、すごく嬉しいですわ! 綺麗なブローチ……ありがとうございます。一生大事にしますわ!」


 このブローチは、能力値の向上……特に幸運値を大幅に上げる効果が付与されている。また、体力や魔力の大幅な回復効果も付与されている。形状は、シャンテから貰った「アクセサリー大全」というカタログ本を参考に、自分なりに考えて、メアリさんに似合うように作ったつもりだ。

 気に入ってもらえたらいいな。


 こうして、俺は、メアリさんを師匠として、アクセサリー製作を中心とした錬金術の腕前を磨くのだった。





 メアリさんから、錬金術を教わり、俺の錬金術レベルがついに8に達した。

 ここまでくると、上級錬金術師と言われるくらいの腕前とのことらしい。


 すでにメアリさんとジーナさんから、免許皆伝を貰い、自分自身で錬金術の腕を磨いている。


 俺の自宅の庭の片隅には、錬金術用の作業小屋を建てている。

 島国ニホンの再建がだいぶ落ち着き、余裕ができたバッカスさんたち建築ギルドの職人さんたちに頼んで作ってもらった工房だ。

 小さい工房ながら、なかなかいい感じの作りになっている。作業がはかどりそうだ。


 さて、俺はここ数日、俺のパーティーメンバー全員分の首飾りの製作に考えを巡らせていた。皆にプレゼントするための首飾りだ。

 以前、エメルダさんに贈った首飾りのことが皆にバレ、皆から、自分にもプレゼントして欲しい、と催促されていた首飾りだ。


 まあ、催促されなくても、いずれ皆に首飾りを贈ることを決めていたし、俺自身がそうしたいと思っていたのだ。


 以前、初めてエルフの里に皆で行ったときに、途中の草原でクランハウスに泊まったときのことは、まだ忘れていない。

 あのとき、皆に首飾りの贈り物として、ユニークアクセサリーの「キャッツアイ」をプレゼントした。

 当時、まだ俺に甲斐性が無く、全員一様に同じアクセサリーを贈ることになった。

 皆は喜んでくれていたが、俺としては、出来ればそれぞれの個性に合った、違う首飾りを贈りたいと思っていた。あのときはまだシャンテとルーナさんはパーティーに加わっていなかったが、二人に対しても同じ気持ちだ。


 そして、錬金術の腕が上がり、やっとあのときの自分との約束が果たされようとしている。


 作業台の上には、数々の希少な鉱石や素材が集められている。今までの冒険で得た最高級の素材がいっぱいだ。

 世界樹の枝や葉っぱもたくさんある。以前リンが見つけた満月花のはなびらなどの素材もある。


 その中には、アルタインさんたちから貰った宝石もある。


―――鑑定―――

星竜の輝き(アルタインの宝石)

星竜の智慧(デネルの宝石)

星竜の情熱(ベーガの宝石)

・レジェンドアイテム(神話級アイテム) 

・三竜の力が込められた宝石

・この世に一つしかない稀有な宝石

・最高位の錬金用素材としてその効果は千変万化に及ぶだろう

―――――――― 


 宝石といっても、竜の宝石だ。かなり大きい。俺の拳より二回りくらい大きい。

 素材としての量は、余るほど十分にある。


 俺はそれらたくさんの素材を見つめ、どう組み合わせるかなど、図案を描きながらいろいろと考える。


 俺はもともとファッションなどのセンスが無い。女性物のアクセサリーなどの形状なども恐らくセンスが無いだろう。

 しかし、メアリさんの話によると、そういうセンスは、錬金術レベルが上がれば自然と身についてくるものらしい。後は、贈りたい人に対して心を込めて作ることにより、相手の喜ぶようなデザインが自然と心に浮かんでくるとのことだ。なので、男の俺でも女性が喜ぶような装飾品も作れるらしい。心を込めて作る……それが大切なこと。それなら俺でもやれそうだ。



 みんなの顔を思い浮かべながら、それぞれの個性に合ったものを作り、贈る。なかなか楽しいものだ。自然と頬が緩んでくる。


 ミレアにはどんな首飾りがいいかな? エミリーはどうだろうか? 二人にはエルフらしい緑色が似合いそうだ。色は少しだけ変えよう。デザインももちろん変えよう。


 ミーアは何色が似合いそうだろうか? ベージュかな? 形はどんなのがいいだろう?


 イナリはやっぱり赤がいいだろうな。ルビーのような燃える宝石が似合いそうだ。


 シャンテはどうだろう? 黄色もしくは黄金っぽい色が似合いそうな気がする。デザインは可愛らしくしようかな。


 アリシアさんはどうかな? 色は騎士らしく白銀、それに少しだけ青い色を付け足してみようかな?


 ルーナさんはやはり月光のような淡い色が似合いそうだ。デザインは月をモチーフに作ってみようかな。


 リンはどうだろう。確かリンは、オレンジ色が好きだったはず。水色や緑色も好きだったかな。デザインはどうしようかな?



 俺は、みんなの顔を、ひとりひとり思い浮かべながら、贈り物の首飾りのイメージをふくらませるのだった。


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